薬局や病院での調剤業務の効率化を図る上で欠かせないものが軟膏ミキサーです。
軟膏を練る作業は時間も労力もかかります。薬剤師のなかには、この作業が苦手な人も多いようです。軟膏は上手く練らないと混ざらないので、きれいに仕上げられません。薬本来の効果も軽減してしまいます。
薬剤師のこれらの悩みを解決するのが軟膏ミキサーなのです。今回の記事では、どのような基準で軟膏ミキサーを選ぶべきなのか?有名どころの製品を徹底比較します。
最初に軟膏ミキサーのシェアを見てみましょう。下のグラフは『薬剤師限定の知識を記録・検索・共有するWebサイト「ヤクテラス」』が、どこのメーカーの軟膏ミキサーを使用しているのか、アンケートを取った結果になります(回答数107人)。
こちらのアンケートではマゼリータ(大同化工株式会社)を利用していると回答された方が一番多くなっています。少数の人を対象にしたアンケートになりますので、おおまかな利用割合として捉えてもらえればと思います。
出典:ヤクテラス|薬剤師限定の知識を記録・検索・共有するWebサイト
さっそく、各メーカーが販売している軟膏ミキサーを3選紹介します。
なんこう練太郎は、自転と公転の力を利用した軟膏調剤・製剤機です。なんこう壺内部に空気を押し出す力と強い撹拌力が生じることによって、短時間で一気に軟膏を練り上げます。
シンキーでは導入後も末永く、安心・安全に練太郎をご利用いただくために、顧客サポートにも常に真剣に取り組んでいます。
なんこう練太郎の比較ポイント
製品情報
製品ラインナップ | なんこう練太郎 NRE-120A : 混練重量 10~100g(ネット) なんこう練太郎 NRE-250 : 混練重量 10~250g(ネット。薬剤による) なんこう練太郎 NR-50 : 混練重量 10~50g(ネット) なんこう練太郎 NRE-500 : 混練重量 10~500g(ネット) |
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価格 | 要問合せ |
大同化工のマゼリータシリーズは、機能をしぼって操作性を重視したロープライスモデルから、大容量・高性能なハイスペックモデルまで幅広い製品ラインナップを取り揃えています。ツインマゼリータは業界で唯一 2容器 同時ミックスが可能な機種になります。
今では当然のようになっているフリーバランス機能も、弊社が2011年に、業界で初めて商品化に成功しました。
3ステップの簡単操作でなめらかに仕上がります。軟膏を容器に入れて本体にセットし、スタートボタンを押してからたった30秒で完成します。
軟膏ミキサーマゼリータの比較ポイント
製品情報
製品ラインナップ | マゼリータ KNF-100/KNF-200/KNF-250/ツインマゼリータTWF-2 |
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価格 | 要問合せ |
「ひとひ練り」は、さまざまな調剤機器を販売してきた株式会社湯山製作所から販売されている製品です。これまでの確かな販売実績があるので安心して導入できます。
モータ制御を位相制御に変更したため従来機よりも騒音が緩和されて、消費電力の削減に成功。より快適に使用できるようになりました。本体自体もコンパクトなので、置き場所に困りません。
ひとひ練りの比較ポイント
製品情報
製品ラインナップ | ひとひ練り/ひとひ練りLite |
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価格 | 要問合せ |
軟膏練りは時間がかかる上になかなか上手く混ざらないので、苦手な作業のひとつにあげる薬剤師も多いでしょう。
軟膏ミキサーとは、軟膏を早くきれいに練って仕上げてくれる調剤機器です。これを使用すれば、患者を長時間待たせてしまう心配もありません。今まで軟膏練りにかけていた時間も大幅に短縮可能です。
軟膏ミキサー導入のメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
軟膏を入れてワンタッチで調剤が可能なので手間がかかりません。受付から提供までの時間も大幅に短縮できるので、全体の業務効率がアップします。薬剤師が少ない薬局でも、軟膏ミキサーを導入すれば限られた人員でも円滑に業務を行なえるようになるでしょう。
専用の機器を利用するため、誰が調剤をしても一定の質で調剤可能です。また、軟膏ミキサーを使用すれば軟膏の気泡が取り除かれるため、薬剤が酸化しにくくなります。処方箋が多様化しても基本的な作業工程は変わりません。そのため、軟膏ミキサーひとつでさまざまな調剤が可能です。
ここでは、軟膏ミキサーを選ぶ際に見ておきたい「4つのポイント」を紹介します。ひとつずつ確認して、導入する際は以下のポイントに気を付けて選ぶようにしましょう。
調剤可能な容量はメーカーによってさまざまです。なんこう練太郎という軟膏ミキサーには、50gまでの低用量低価格製品の他、最大500gまで対応可能な製品があります。
大量の予製・製剤を行なっている病院や薬局でも使われており、利便性は非常に高いです。
手間のかかるバランス調整の自動機能があるかどうかは、事前に確認しておきましょう。フリーバランス機能の搭載された機種であれば、軟膏調剤に必要だったウェイト調整の作業をなくすことができます。
複数メーカーの軟膏容器に対応しているかどうかも比較ポイントです。例えば大同化工のマゼリータにはフリーアダプター機能が搭載されています。
フリーアダプター1セットで各種軟膏容器に対応できます。容器アダプターの対応力も見逃さないようにしましょう。
軟膏ミキサーを使用すれば、軟膏をきれいに素早く混ぜられます。その点に関しては、どの製品も大差はありません。調剤業務の効率が向上する可能性は非常に高いです。
導入を検討する際は自院の予算をはじめ、調剤可能な容量やフリーバランス機能などの細かなスペックに注目して選ぶといいでしょう。
今回の記事で紹介した製品を比較してみて、自院に適した軟膏ミキサーの導入を検討してみてください。