近年、さまざまな分野でIT・Iot化が進むなかで、医療機関でも同様の対応が必要となってきています。
特に、透析業務においては医師やその他の職種との連携が欠かせません。しかし、実際のところ完璧に連携しきれていない状況があるのは確かです。
今回は、透析システムを導入すると何ができてどのようなメリットがあるのかを解説した上で、おすすめ企業9選を比較紹介していきます。
透析管理システムや透析支援システムとも呼ばれ
など、業務を迅速かつ的確に行なうための機能が備わっています。
また、透析ベッドのレイアウトに合わせて経過状況の表示やバイタルの確認も可能です。 タブレット端末で運用可能なシステムもあり、画像撮影やイラストでシャントチェックもできます。
体重計や透析装置の他、電子カルテとの連携が可能なので医師からの指示が漏れなく伝わるようになり、ヒヤリハット防止につながるでしょう。 これらの機能によって、業務効率が大幅に向上し現場の負担も軽減されるのです。
システム構成には、
があります。
気になる透析システムがあった際は、各メーカーの
などといった、医療現場で使用されている情報システムや機器との連携実績もよく見ておきましょう。
大型透析施設のなかには、ベッド数が多くて管理が大変だという場所も多いでしょう。
透析システムを導入すると、透析記録を自動で電子カルテへ記録する機能が備わっているため、現場の負担が大幅に軽減します。
また、次回の透析予約も端末上で管理可能なため、スムーズな運用が可能です。
ここでは、透析システムの導入を検討する際にどのような点に注意して選ばなければならないかを解説していきます。 ひとつずつ確認して参考にしてみてください。
全国には4,000以上の透析関連施設がありますが、透析システムの導入率はわずか15%程度とまだまだ低いです。そのため、メーカーの実績確認は忘れずに行なうようにしてください。
また、どのような機能があり、その機能でなにができるのか?を理解した上で導入しましょう。たとえば、小規模透析施設のため大規模なシステムは必要ないのに、複数施設と連携するような大規模病院向けのシステムを導入しても不要なコストがかさむだけです。
導入実績が多いメーカーは株式会社ノーザや日機装株式会社で、実績があるぶん柔軟に対応してくれます。
透析システムの導入にあたっては、当然ですがコストがかかります。
などのコストがかかる場合があるので、導入前にしっかり確認しておきましょう。また、他の機器と連携する場合はオプションで追加費用が必要なケースもあります。
比較的低コストで導入可能なメーカーは株式会社ライラなので、気になる方はチェックしておきましょう。
透析システムは電子カルテと連携可能なものがほとんどですが、なかには連携できない製品もあるので事前に確認が必要です。
体重計や透析機と連携可能な透析システムもあるので、費用を確認する際にそのあたりの詳細も見ておくといいでしょう。
オプションとして、受付端末で顔認証をしてスピーディに対応を進めてくれる機能を提供しているメーカーもあります。
また、医事システムとの連携が可能な製品もあるので要確認です。
株式会社ノーザが提供している透析業務支援システムは、全国200施設以上の導入実績があります。小規模施設から大規模施設まで幅広く対応しており、カルテ端末相乗りやソフトウェアのみの提供など予算に合わせた提案が可能です。
また、オプションの生体認証を追加すれば、クラウド上で透析記録を確認できます。 クラウドでデータを管理しておけば、災害時もインターネット環境さえあれば参照可能なので安心です。
株式会社ノーザの比較ポイント
製品情報
主な機能 | 患者基本情報管理、記録一括入力、VA写真、指示作成、紹介状作成、スケジュール作成、透析記録作成、検査結果管理、 |
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連携可能システム | 電子カルテ、医事システム、生体認証クラウドシステム、体重計、施設・グループ間連携 |
初期費用 | 4,000,000円~ |
実績 | 全国200施設以上で実績あり |
特長 | 小規模施設から大規模施設まで幅広く対応可能。 基本機能に加えオプションで各機器との連携を追加することも可能。 生体認証も有しており(オプション)クラウドで記録管理もでき施設を移動しても容易に情報共有が可能 |
東レ・メディカル株式会社の透析システムは、豊富なオプションから自院に適した機能を選べます。
電子カルテや医事会計システムとの連携も可能なので利便性も高いです。また、体重測定には ICカードや手のひら静脈認証を使用し、 患者間違えを防止します。
グループ病院など関連施設間での連携が可能なので、データベースを一元管理ができるのも大きな特長です。
東レ・メディカル株式会社の比較ポイント
製品情報
主な機能 | 患者基本情報、透析指示、透析記録、透析予定管理、紹介状作成、処方箋管理 |
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連携可能システム | 電子カルテ、医事会計システム、体重計 |
初期費用 | 要問合せ |
実績 | 要問合せ |
特長 | オプション対応が可能な機能がかなり多く、自院に合わせて適切な機能を選べる。 静脈パターン認証も可能で情報一元管理が可能。 グループ病院間連携も可能。 |
日機装株式会社は、透析装置メーカーなので透析装置や体重計との連携が可能です。手軽にタブレット端末を利用して回診も行えます。
もちろん、電子カルテや医事会計システムとの連携も可能なので、業務効率化を図る上での柔軟性は十分です。
導入を検討している場合は、透析システムに関する詳細をメーカーに問い合わせるようにしましょう。
日機装株式会社の比較ポイント
製品情報
主な機能 | 患者基本情報、帳票作成、タブレット運用可能 |
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連携可能システム | 電子カルテ、医事システム、透析装置、体重計他 |
初期費用 | 要問合せ |
実績 | 要問合せ |
特長 | 透析装置メーカーの為透析装置や体重計との連携が可能。 電子カルテや医事会計システムとの連携実績も豊富。 詳細情報についてはメーカーに問合せて仕様打合せをしたほうがいい。 |
株式会社ライラの透析システムは、体重計やコンソール、血液検査との自動連携が可能です。
担当する患者の状況は、手元のタブレットで手軽に確認できるので事故のリスクを抑えられます。
透析条件や検査情報にもスムーズに連携できるため、さまざまな情報をタブレットひとつで手軽に共有可能です。 他のシステムと比べて機能は限られていますが、そのぶん低コストで導入できます。
株式会社ライラの比較ポイント
製品情報
主な機能 | 患者基本情報、タブレットでの運用も可能、特定医薬品又は製剤情報(87分類)を登録アレルギー等のアラート表示可能、ベッドレイアウトに合わせて表示可能、シャントチェックシステム搭載(スコアリング機能もあり)、シャント図作成、フットチェックシステム搭載、 |
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連携可能システム | 体重計、透析装置 |
初期費用 | 要問合せ |
実績 | 要問合せ |
特長 | 他のシステムに比べて対応可能な機能やシステムは限られており、連携可能なシステムも少ないがその分低額にて導入可能。透析装置との連携はあるのでデータ一元管理は可能。 |
株式会社エムビーテックが提供する透析synapseは電子カルテが内蔵されている透析システムです。
申し送り確認機能やバイタル情報は標準搭載されており、透析システムとしてしっかりと機能します。
病棟から透析室までは、すべて一元管理可能なので対応範囲が広いのも特長です。
株式会社エムビーテックの比較ポイント
製品情報
主な機能 | 患者基本情報、申し送り確認機能、バイタル情報、透析内容表示、オーダー履歴検査結果表示 |
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連携可能システム | 電子カルテ、医事会計他 |
初期費用 | 要問合せ |
実績 | 要問合せ |
特長 | 電子カルテとのセットとなるため透析システム単品ではないので注意が必要。 電子カルテとセットとなっている為柔軟なシステム対応が可能である。 病棟から透析室まで全て一元管理可能となっており対応範囲が広い。 |
株式会社システムリサーチが提供するe3透析管理システムは、患者情報や透析条件、透析記録など透析患者に関するデータの一元管理が可能です。
オーダリングシステムとの連携が可能で
などのオーダ指示を、透析システムから複数患者へ一括指示できます。
透析装置や体重計との連携ができるため、透析記録の作成業務を大幅に軽減可能です。
株式会社システムリサーチの比較ポイント
製品情報
主な機能 | 患者基本情報、透析記録、スケジュール、予約管理、看護記録、連携可能システム:体重計、透析装置、電子カルテ |
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連携可能システム | 要問合せ |
初期費用 | 要問合せ |
実績 | 要問合せ |
特長 | 体重計から透析装置まで連携可能でこれまで手書き、転記で対応していたものが一元管理可能となり業務負担が軽減。 患者の定期的に使用するベッドや食事を曜日ごとにパターン登録しておき月単位でのスケジュール展開が可能。 |
ゼロシステム株式会社が提供するZERO HDは、日付を指定して透析予定者の処方箋・検査依頼を一括作成できる透析業務支援システムです。
紹介状発行の際は紹介状に
を記載できます。
また、検査データの自動計算が可能で年間推移もグラフ化して管理可能です。
ゼロシステム株式会社の比較ポイント
製品情報
主な機能 | 患者基本情報、紹介状発行、スケジュール登録、体重管理、検査依頼、処方箋発行、検査データ管理、シャント写真撮影管理 |
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連携可能システム | 医事システム、オーダリングシステム、電子カルテ |
初期費用 | 要問合せ |
実績 | 要問合せ |
特長 | 透析スケジュールをパターンに基づき自動作成を行ってくれる。 検査データを自動計算し年間推移もグラフ化して管理可能 紹介状に透析日や検査データも記載可能で病院間の連携をサポート |
株式会社トマーレが提供する透析情報共有システム cueingは、透析装置から得られる情報をベッドサイドのTVやタブレット端末に表示可能です。
テレビやインターネット、VODの利用ができて課金管理もできるため患者サービス向上を図れます。
また、ベッド配置図上にリアルタイムで血圧や透析終了予定時間などが表示されるので、一目で状況を把握可能です。
株式会社トマーレの比較ポイント
製品情報
主な機能 | 患者基本情報、透析条件自動表示、看護記録、バイタル表示、終了時間表示、検査記録、紹介状作成、タブレット運用可能、透析予定・透析食等の予定管理が可能。 |
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連携可能システム | 体重計、患者識別用カードリーター、透析装置、プリンター |
初期費用 | 要問合せ |
実績 | 要問合せ |
特長 | 体重計と連携して測定結果を蓄積し、透析条件も自動で算出します。 テレビ視聴やインターネットのVOD課金管理も可能。 曜日単位でのベッド番号時間帯等の管理が可能 |
株式会社レゾナが提供する透析管理システムDiMsは、透析管理と合わせて本格的なオーダリング機能が画面を切り替えるだけで使用可能です。
電子カルテや介護支援システムなどをつくっているメーカーなので、柔軟な連携対応ができます。同社が提供している電子カルテと合わせて導入するのもいいでしょう。
株式会社レゾナの比較ポイント
製品情報
主な機能 | 患者基本情報、透析条件表示・変更、透析スケジュール管理 |
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連携可能システム | 電子カルテ、体重計、医事会計システム |
初期費用 | 要問合せ |
実績 | 要問合せ |
特長 | 電子カルテ等を作るメーカーのため柔軟な連携対応が可能。 電子カルテと合わせての導入も可能。 |
透析システムを導入すれば、大幅に業務を効率化できるでしょう。
透析システムの最大の魅力は、透析記録を自動で電子カルテへ記録できる点です。 導入のメリットや透析システムを選ぶポイントをおさえた上で、それぞれの透析システムを比較してみてください。
きっと自院に適した透析システムが見つかるでしょう。