アナログITからの脱却 五麟会グループの強力な武器になった在宅医療専用スケジュール管理ソフト『CrossLog』

投稿日 2021.08.12 / 更新日 2021.09.03
投稿者:森 章也

五麟会グループは、東京都、埼玉県を拠点に、介護や在宅医療、外来診療などを展開している医療介護グループ。五麟会では、まちだ訪問クリニック、黒目川診療所でクロスログ株式会社の在宅医療専用スケジュール管理ソフト「CrossLog」を導入したことで、ストレスフルだったスケジュール管理や付随業務が大幅に軽減したそう。事務次長の中村祐太さんに、訪問診療を手がけているからこその悩みやこれまでの業務フロー、そして CrossLogを導入した後の変化についてうかがいました。

11年前に理事長が1人でスタートした「まちだ訪問クリニック」が五麟会グループの原点

五麟会グループの事業内容を教えてください。

現在の五麟会グループには、在宅医療のクリニックが3つ、そのうち2つは外来と入院施設を備えています。さらに老人ホームや訪問介護事業所、通所介護施設もあります。介護の支援や治療はまだ不要だけれど、体力の衰えが心配な方向けの体操教室も運営しています。介護や医療だけではなく、地域のみなさまの心身の健康をオールインワンでケアできる仕組みです。理事長1人でまちだ訪問クリニックとしてスタートして、10年で一大グループに成長しました。


五麟会グループの訪問診療の規模感はいかほどでしょうか?

まちだ訪問クリニックだけでアルバイトを含めた医師が20人程度在籍しています。看護師は6名程度です。毎日4人の医師が平均10人の患者様の自宅や施設を訪問します。施設を訪問する際は、1日の診察人数が30人を超えることも珍しくありません。患者様の数はまちだ訪問クリニックだけで600人から700人ほどいます。そのため膨大な数の患者様のデータや訪問スケジュールを管理しなければなりません。


1つのAppleアカウントを全員で共有し、iCloudカレンダーでスケジュール管理

CrossLogを導入する前は、どのように膨大な患者様の訪問診療スケジュールを立てていたのですか?

患者様の自宅や施設等を訪問するスケジュールは、社会福祉士が手動で組み立てて、iCloudカレンダーに登録していました。iCloudカレンダーを使用していた理由は、スマートフォンもパソコンもApple製品で揃えていたから。iCloudの連絡先に患者様の情報を登録して、iCloudでスケジュールを管理するというスキームです。 iCloudのアカウントは複数のスタッフで作成するのではなく、同一アカウントを医師、看護師、事務方スタッフで共有していました。アカウントが1つしかないので、アカウントごとに権限の切り替えはできず、全員がスケジュールなどを編集できる状態でした。

訪問診療のルート作成は社会福祉士の業務。まちだ訪問クリニックには社会福祉士が5人、関連のクリニックには4人在籍しています。彼らの頭の中には、患者様の自宅の位置関係だけでなく、疾病名や担当の先生までインプットされている状態。それによって訪問診療のルートを作って、スケジュールを作成します。スケジュールに空きがあれば診療の予定を入れればよいというものではなく、スケジュール作成は社会福祉士の経験やノウハウに依存した業務でしたね。

インタビュー風景

iCloudカレンダー時代はどのような点に苦労していましたか?

そもそもiCloudカレンダーは、複数人が1つのアカウントにログインして共有する使い方は想定しておらず、予期せぬ不具合が発生することもあります。入力した予定を消してしまったり移動させてしまったりといったヒューマンエラーが起きることだってあります。

医師、看護師の訪問チームはiCloudカレンダーのスケジュールを信じて動くので、間違いがあったら患者様やご家族、介護関係者など多くの方にご迷惑をおかけすることになってしまうのです。そうしたミスが発生しないようにするため、スタッフは1日に何度もチェックをしています。すべてのスケジュールに狂いがないかどうかを確かめるのは、骨が折れる作業でした。

またiCloudカレンダーは40件の予定を入力することは想定されていません。チームによって色でタグ付けをして予定を入力していますが、複数の予定が重なると視認性が悪くなります。また小さなiPhoneの画面では操作性もよいとはいえない状態でした。

さらに大変だったのが外部の関係者に配るスケジュール表の作成です。患者様や施設には、毎月訪問スケジュールをお知らせしなければなりません。全データをCSVに出力して、患者様ごとや施設ごとにソートして帳票を作成します。 計算式を入力していたものの、それを配布先ごとに振り分けるのは手作業。月初に分厚い書類の束を手分けして分配するのは大変な手間でした。そこまでして出力した帳票も患者様、施設様に配るまでにタイムラグがあるため情報は最新ではありません。配布する前に再度チェックして、最新スケジュールに書き替える必要もありました。

当時はこれらの作業に大きな違和感を覚えていたわけではありませんが、今となっては大変なことをしていたんだなと思います。


医療系EXPOで出会ったCrossLog

CrossLogを導入したきっかけは?

CrossLog導入のきっかけを語る中村さん

当グループはApple系サービスに依存した状態でした。Apple製品が大好きな先生がいたことが理由で、たしかにMacやiPhoneは初心者でも使いやすいです。

ただし行政や銀行等のシステムなどWindows系のブラウザや端末でしか動作しない場合もあります。 私たちの使っていたiCloudカレンダーにはWindows端末からアクセスできず、情報を共有できませんでした。

とはいえ全端末をWindowsに切り替えることも予算が厳しい。OSに依存しないスケジュール、連絡先の管理方法に切り替える必要に迫られたのです。


CrossLogに決めた理由はなんですか?

脱Appleを検討し始めた頃、理事長に誘われて介護・医療系のEXPOを訪れました。そこ出会ったのがCrossLog。それまで CrossLogの存在は知りませんでした。 CrossLogは訪問診療に特化したスケジュール管理ツールです。そんなニッチな業界向けのシステムがあるなんて思っていませんでした。「私たちが求めていたのはまさにこれだ!」と興奮して、理事長にも話を聞いてもらいました。CrossLogの存在を知ってから導入を決めるまでの日数はわずか2日でした(笑)。


CrossLog導入後の劇的変化

CrossLogを導入するにあたって、スタッフのみなさまはうまくなじめましたか?

どこの業界でもそうですが、とくに医療業界は「新しいものへの抵抗」が大きい業界です。だからiCloudカレンダーから CrossLogへの移行は「面倒だ」とか「大変そう」といった心理的なハードルを下げる必要がありました。1か月かけてCrossLogの担当者宮原さんとともに初期移行作業を行いました。

iCloudカレンダーや連絡先に入力してあったスケジュールや個人情報はすべて CrossLogに移しておきました。だからインターフェイスが変わっても、中身は変わらない状態。スタッフたちも抵抗を感じることなく受け入れてくれたように思います。大きな混乱は生じませんでした。

CrossLog

CrossLogを使い始めて、業務量に変化はありましたか?

大幅に業務量が減りました! CrossLogは訪問診療に特化したシステムだから、iCloudカレンダーのような小さな画面に、複数の予定がひしめき合って使いにくいことはありません。医師ごとに予定を入力できるので、視認性が抜群。入力も簡単です。

編集もできる人、閲覧だけの人などアカウントによって権限を分けることができるため、ヒューマンエラーも発生しにくいですよね。閲覧だけできるというのは、パソコンやスマートフォンに抵抗感のある人にとっては安心できるシステムなんです。「触ってもおかしくならない」って想像以上にストレスが少ないんですよ。

そして業務量の削減に大きく貢献しているのが 帳票出力システムです。これまでのように手動で出力するのではなく、その日のスケジュールから出力ボタンを押すだけで整った帳票が印刷されるので、「訪問する前に印刷して患者様に渡すだけ」というスキームに変化。最新のスケジュールを簡単に出力できるので、帳票の印刷とお渡しするまでの間のタイムラグに気を遣う必要もありません。


変わらぬインターフェイスと進化する機能

CrossLogのアフターサービス、新機能の搭載等の対応はいかがですか?

これは私たちが想定している以上に素晴らしいと思います。iCloudカレンダー時代はApple社が想定していない使い方をしている訳ですから、十分なサポートは受けられませんでした。ところが CrossLogの担当者宮原さんはとてつもない速度で対応してくれます。ちょっとした不具合なら電話して1、2時間で対応が済んでいます。万全なサポート体制といえると思います。

さらに目を見張るのが、新機能の追加速度。2週間に一度新しい機能が追加されています。新機能が続々と追加されるプロダクトは、インターフェイスがころころ変わったり、追加機能へのアクセスが複雑だったりすることが多いんですが、 CrossLogのインターフェイスは不変です。見た目がまったく変わらないからストレスを感じることはありません。それでいてディープな機能を使う人は喜ぶ。隅から隅まで配慮されたアップデートですね。

アップデート内容は、私たち利用者の声を汲んで行われるものばかり。当グループの声だけでなく他の施設やクリニックの声が反映されるので、「こういう機能が欲しかった!」というような私たちが気付かなかった便利な機能が追加されることもあります。

今後は薬局さん専用のアカウントを作って、薬局さんがアクセスして処方箋をチェックできるような仕組みも予定しているようです。私たちだけでなく関係者全員の負担が軽減できるようなシステムに育ちつつあります。


今後も CrossLogを使い続ける予定ですか?要望はありますか?

今後も続けてもらわないと困ります(笑)。サービスももちろんですが、担当者の人柄やレスポンスがいいですから。これまで感じていなかったサポートがあるありがたみや、心強さを実感しています。

強いていえば、帳票をGoogleスプレッドシートに出力できるようになったら嬉しいです。今後の CrossLogの進化に期待です!

インタビュー風景

<五麟会グループプロフィール>

まちだ訪問クリニック外観

株式会社ツインキールズ、株式会社ホームコム、医療法人五麟会の3法人からなる医療介護グループ。在宅診療をメインとしたクリニックを中心に、訪問看護やデイサービス、訪問介護など多様な業態をカバーする。

グループ名:五麟会グループ
理事長:町田 穣
住所:〒351-0011 埼玉県朝霞市本町1-34-1 ボンビラージュ テナント1階
法人HP:https://www.gorinkai.or.jp/


<クロスログ株式会社プロフィール>
「在宅医療を当たり前にする」をミッションとして、在宅医療専用スケジュールソフト CrossLogの企画・開発・運営をしています。医療従事者の方々を全力でサポートする企業です。

企業名:クロスログ株式会社
代表:宮原 智新
住所:〒812-0012 福岡県福岡市博多区博多駅中央街8-27 第16岡部ビル5階
企業HP:https://corp.crosslog.life/
「2ndLabo」掲載原稿:https://2ndlabo.com/ps746/

【取材・文=平林亮子】