DAYS Daidaiで転記ミスの不安が解消〜東通村診療所

更新日 2024.03.25
投稿者:豊田 裕史

健診・検診業務には、検査データの取り込みやデータ管理といった作業が必須です。こういった作業を手入力で行うと、転記ミスや患者様の取り違えといったヒューマンエラーが発生してしまいます。それをクラウド型健診システムの導入によって解消したのが、東通村診療所です。

東通村が位置するのは、青森県下北郡。いちごやブルーベリーの栽培が盛んで、ひがしどおり新そば街道まつりが注目を集めている自治体です。そんな東通村診療所では、どのようにクラウド型健診システムを活用しているのでしょうか?

今回はクラウド型健診システム「DAYS Daidai」を導入した東通村診療所の保健師 松原様と山口様にお話を伺いました。

村の医療と年間100人超の健診・検診を担う東通村診療所

施設外観

——東通村診療所はどのような診療所ですか?

山口さん:東通村が設立し、公益社団法人地域医療振興協会が運営している診療所です。診療所では内科、外科、小児科、整形外科の診療を行っています。外来診療施設だけでなく入院施設も有しています。

——健診・検診は東通村から委託を受けて行っているのですか?

山口さん:村ではさまざまな健診・検診事業を展開しています。その中で東通村診療所が委託されているのは、基本健康診査と子宮がん、乳がん以外のがん検診です。

松原さん:東通村からの委託以外にも、村内の企業の健診も受け付けています。すべての健診・検診の受診人数は100名超ですね。今後は東通村から委託を受ける健診の種類が増える予定です。


ミスが生じやすい手作業でのデータ入力

——健診を担当する職員さんは何名いらっしゃるのですか?

松原さん:保健師が1人で健診・検診のすべてを担当しており、事務スタッフ1名がサポートしてくれています。現在の担当は私です。

山口さん:私はDAYS Daidaiの導入時に健診・検診を担当していました。今は異動して他の業務に従事しています。

——健診・検診はどのように進めるのですか?

松原さん:東通村から健診・検診の対象者のリストが送付されます。すると対象者の皆さんが電話や来院等で予約をしますので、私たちが予約を受け付けて、健診・検診を実施するという流れです。実施後、検査結果をシステムに入力して受診者さんにお知らせするのも保健師の役割です。

——DAYS Daidaiを導入前はどのような点に課題を感じていましたか?

山口さん:採血データの転記ミスが気になっていました。検査自体は専門の業者が行います。検査が終了すると業者からデータが送付されてくるので、それを手作業で転記する必要がありました。すると小数点の位置を間違えたり、患者様自体を取り間違えたりといったミスが発生してしまうのです。

松原さん:村内の患者様の健康状態は、保健師であれば把握できているため「この方にこのデータはおかしい」という感じでミスに気付くことが多いです。ミスを防ぐためにダブルチェックを行おうにも、担当者は1人しかいません。何度も自分で確認するしかありませんでした。


転記ミスの解消と、医師の業務効率化に貢献したDAYS Daidai

取材風景 ※WEB取材に応じていただく山口さん(左)と松原さん

——2019年10月に導入した電子カルテに付随してDAYS Daidaiを導入したと聞きました。どのような変化がありましたか?

山口さん:採血データの転記ミスが解消されましたね!血液検査を委託している業者からEメールで届くデータを自動で取り込めるので、転記ミスの心配がゼロになりました。

松原さん:業務効率化はもちろんですが、担当者の精神的ストレスの軽減の効果もあると思います。当然ながら正確な検査データを患者様に紐付けられる点も大きいですね。

山口さん:医師の業務も効率化されたと思います。DAYS Daidaiは検査結果の異常値を自動で判定してくれるのです。

——導入時に苦労したことはありますか?

山口さん:システム・ビットさんがオンラインでレクチャーしてくれたので、問題はありませんでした。東通村は青森県でシステム・ビットさんは東京都ですが、オンラインでやりとりできるため距離は感じませんでした。トラブル時は電話等で問い合わせできます。

松原さん:DAYS Daidaiを使用するのは保健師1名だけです。したがって今のところ操作面で戸惑うシーンはありません。


DAYS Daidaiは東通村診療所と東通村のDX化とともに

——「DAYS Daidaiがもっとこうなったら」という要望はありますか?

山口さん:健診システムとして完成されていると思いますよ。

松原さん:内科診療の際に電子カルテから健診・検診データを閲覧できたらいいなと思います。今は電子カルテとは別にDaidaiを立ち上げなければ見られません。直接繋がっていると嬉しいですね。とはいえ電子カルテとの接続については、当院の予算や通信速度の問題です。電子カルテと接続しようとしたところ、通信速度が安定せず、電子カルテの安定した運用が難しい状態だったのです。

——今後、さらに電子化等による業務効率化が進む予定はありますか?

山口さん:村の健診・検診システムとの連携を調整しています。この連携が成功すればさらに効率的に業務を遂行できるようになると思いますよ。


編集後記

DAYS Daidaiは、ハードウェアやソフトウェアの管理が不要なクラウド型健診システムです。直感的な操作性で、どなたもストレスを感じることなく使用できる点が魅力。特定健診や協会けんぽへの請求業務なども、オプション機能を追加することで可能となります。

東通村診療所では健診・検診事業の管理にDAYS Daidaiを導入しており、データ入力の効率化を実現できていました。DAYS Daidaiは健康診断やがん検診を実施しているクリニックや、病院、自治体のDX化を後押ししてくれる有効なツールになり得るでしょう。


<東通村診療所プロフィール>

19床の東通村診療所は東通村保険福祉センター・東通村介護老人保健施設「はなしょうぶ」から成る複合施設「東通地域医療センター」として、質の高い包括ケアを展開しています。

開設者:一部事務組合下北医療センター
運営者:一部事務組合下北医療センター 東通村診療所
管理者・所長:川原田 恒
住所:〒039-4222 青森県下北郡東通村大字砂子又字里17-2
URL:https://higashidori.jadecom.or.jp


<株式会社システム・ビットプロフィール>

クラウド型健診システムや周辺支援システムもクラウドでリリース。合わせて企業の健康経営ソリューションも展開するソフトウェアメーカーです。

企業名:株式会社システム・ビット
代表取締役:永森 信一
本社住所:〒171-0022 東京都豊島区南池袋2丁目30番12号 BITビル
URL:https://www.systembit.co.jp


株式会社こゆ記|代表取締役

大学時代は中世日本史を専攻し、史料の解析・分析を学ぶ。
商社と損害保険会社で働いた後、2012年にライターとして独立。現在は書籍や雑誌、webサイトに掲載する記事などを執筆している。

|医師
総合病院
URL:https://twitter.com/dr_shinpaku

呼吸器専門医、指導医、総合内科専門医、研修医指導医、医学博士。総合病院勤務医として臨床または研究に従事し、若手指導にあたりながら、これまで培った経験を生かして医師ライターとしても大手医療メディアなどで多数の記事作成を行っている。また専門知識を生かして監修や編集、Webディレクターとしても活動している。
最近は予防医学、デジタルヘルス、遠隔医療、AI、美容、健康、睡眠などに関心を広げデジタルヘルス企業に関する記事の連載も行っている。
正しい医療知識の普及や啓蒙のために日本語又は英語で発信を行いながら様々な企業との連携やコンサルティングも経験し、幅広い分野での貢献に努めている。
複数の学会に所属し、論文執筆、国内・国際学会発表による研鑽を積んでいる。

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