近年、クリニックではIT・ICT化が積極的に進められています。その中で重要になるのがネットワークの構築です。 また、ネットワークを構築した上で、セキュリティー対策を行うことも大切になってきます。
今回の記事では、クリニックのネットワーク構築のポイントと注意点を解説した上で、クリニックにおすすめのネットワーク構築業者9選を紹介しますので、参考にしてみてください。
ここでは、クリニックのネットワーク構築のポイントと注意点を以下の3点に絞り、それぞれ解説していきます。
これまで、クリニック開業にあたってのネットワーク構築は、 NTT下請けの弱電工事業者がLAN配線を行い、その後に設置された配線を利用して別の業者が構築するのが一般的な流れでした。
しかし、この場合、LAN配線とネットワーク構築のサポート体制が分断されているため、何かしらのトラブルがあった際に問い合わせ先がわからないという状況になってしまいます。
このような状況にならないためには、ネットワーク配線工事と構築を1社に依頼することが重要です。
ルーター・端末までのネットワークが問題なく通信できているかどうかを、24時間遠隔で監視してくれる業者を選ぶようにしましょう。医療システムが安定して稼働できるようにするためと、ネットワーク障害時に迅速な対応をしてもらえるように、セキュリティ体制をしっかり整えておくといいです。
近年、クリニックのネットワークの役割は、院内の医療を支えるだけではありません。地域での情報連携の役割も果たすようになってきており、総務省は地域の医療機関をネットワークでつなぐ「地域医療連携ネットワーク(EHR)」の高度化・標準化・相互接続化を進めています。
このような状況下において、クリニックではより強固なネットワークの構築が求められています。業界内での特殊な事情にも精通した、実績豊富な業者に依頼することをおすすめします。
ここでは、クリニックにおすすめのネットワーク構築業者9選を紹介していきます。
バッファローITソリューションズは、PC周辺機器トップメーカー「バッファロー」のグループ企業であり、ネットワーク構築ワンストップサービスを提供しています。
バッファローが提供しているルーターは、高速・大容量通信と多台数接続ができ、LANケーブルから給電できるため電源の位置を気にせず柔軟に設置可能です。
また、 強固なWi-Fiセキュリティー「WPA3」に対応しています。その他、オンライン資格認証システム向けの厚生労働省推奨「IP-VPN接続方式」にも対応可能です。
バッファローITソリューションズの比較ポイント
株式会社シンクロイズムは、「医療業界・介護業界の進化をバックアップする」をモットーに院内ネットワークをサポートしています。ホームページでは院内ネットワークの重要性や、医療ネットワークセキュリティについて知ることが可能です。
また、クリニック開業までに必要なノウハウもサポートしています。詳しいサービスに関しては書かれていないので、一度問い合わせて詳細を聞いてみるといいでしょう。
株式会社シンクロイズムの比較ポイント
セブンネットは、官公庁などの公共基幹系システム基盤の設計構築・運用の請負実績がある企業です。
膨大なトラフィックを処理する、WebサーバーのチューニングやLB・CDNの活用を行なうエキスパートであり、億単位のデータを管理するデータベースのチューニングスキルを備えています。
また、常に先を見据えた柔軟な設計で、クリニックの業務に最適なソリューションを提供してもらうことが可能です。
セブンネットの比較ポイント
Clinic-Netは、クリニック専門のLAN配線・ネットワーク構築・保守管理サービスです。困ったときにはすぐに相談できるクリニックのIT管理者となり、これまでネットワークやセキュリティに割かれていた時間と労力を削減することができます。そのため、安心して医療に集中できる環境を作ることが可能です。
「通信機器を常に最新に保ち、定期的に通信記録の監査を行うこと」は、すべてのクリニックに必要な最低限のセキュリティ対策だと考えており、各種セキュリティ機器やセキュリティ対策ソフトを活用した多層防御を提案してもらえます。
Clinic-Netの比較ポイント
SHINKOは、IT機器の選定・販売・設定・ネットワークの構築・その他の設置作業までをワンストップで対応してくれます。また、機器の設置やインストールにも対応しており、ハードウェアの増設からOS・アプリケーションのインストールや設定まで、パソコンのセットアップ関連の作業を一括サポートしてもらうことが可能です。
ネットワーク設計・構築では、パソコンの通信速度の問題を解決し、安定性を確保してくれます。ネットワークの解析・設計から、ルーター・スイッチの設定まですべて任せることが可能です。
SHINKOの比較ポイント
エイチ・シー・ネットワークス株式会社では、医療システムに最適なネットワーク環境を提供しています。 ネットワークソリューションの M1-NETは、統合医療ネットワーク基盤に移行することで、ハード・ソフトを集約し費用を削減することが可能です。そのため、IT投資を中長期的に削減できます。
sXGPシステムは院内のスマホ化に適しており、32台同時通話が可能です。小規模から大規模まで対応でき、耐災害性に強いオンプレミスなので安心して運用できるでしょう。
エイチ・シー・ネットワークス株式会社の比較ポイント
株式会社マクロスジャパンでは、設計・構築・工事・メンテナンスに対応しており、医療IT経験が豊富なプロのエンジニアが整備を行ってくれます。 有線LAN・無線LANネットワーク構築の他、セキュリティネットワーク構築や、バックアップソリューション構築にも対応可能です。
また、高度なセキュリティを構築しつつ、ユーザビリティおよびアプリケーションの操作速度を落とさない運用を実現・提供してくれます。
株式会社マクロスジャパンの比較ポイント
株式会社三勢は、院内IT化を促進する医療機関を対象に、院内ネットワーク構築事業を展開している企業です。 電子カルテシステム・画像ファイリングシステム・インターネット個人使用・医療装置のリモートメンテナンスなどを考慮した、全体デザインネットワークの構築を行ってくれます。
基本相談・ネットワーク全体設計・LAN配線図設計は250,000円で対応しており、ホームページに金額が提示されているので安心です。その他にルーター・ハブ・LANケーブル・セキュリティソフトなどの実費・実装(機器同士の接続)の費用が発生します。
株式会社三勢の比較ポイント
株式会社ハーツコムネットは、施設の規模・予算に応じた最適なシステムを提案してくれます。 院内LAN工事に対応しており、光回線・ADSL・ISDNなどの利用通信回線の適切な選択をしてくれるだけではなく、院内LAN配線図の設計も対応可能です。
弱電工事では、ノイズ対策をしっかりと行い、周辺機器に影響が出ない施工を行ってくれます。また、院内ネットワーク構築においては、運用管理の効率化やセキュリティ向上を踏まえたシステムを構築してもらうことが可能です。
株式会社ハーツコムネットの比較ポイント
ネットワーク構築後は、サイバーセキュリティ対策も忘れずに行う必要があります。ここでは、サイバーセキュリティ対策について詳しく解説するので、参考にしてください。
サイバー攻撃でもっとも多いのは、VPN機器やリモートデスクトップからの侵入です。 サイバー攻撃による被害を少なくするためには、外部につながるネットワークと電子カルテなど基幹システムのネットワークを切り分ける必要があります。
また、電子カルテなどのデータは必ずバックアップを取っておき、ネットワークから切り離してオフラインで保管しておくようにしましょう。
エンドポイントのウイルス対策ソフトとは、PC・スマホなどの機器をサイバー攻撃から守るためのソフト(ウイルスバスターなど)です。エンドポイントとは、インターネットに接続された端末や機器のことを言います。
エンドポイントのウイルス対策ソフトを導入することで、万が一ウイルスが侵入してもすぐにアラート通知されるため、迅速に対応可能です。また、被害が発生した場合は、自動で侵入経路や感染範囲などの調査を行ってくれるため、ウイルスによる被害を最小限に抑えられます。
USBや外付けHDDによる情報抜き取り・流出を防ぐために、電子カルテを使う端末で無許可のUSBや外付けHDDを使用できないように、電子カルテ側で設定しておきましょう。また、スタッフにもUSB等の利用制限をルール化する必要があります。
クリニックでのサイバーセキュリティ対策については医療機関で必要なサイバーセキュリティ対策を紹介|被害の具体例まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
近年、クリニックではIT・ICT化が積極的に進められており、しっかりとしたネットワークを構築することは非常に重要です。 その際、ネットワーク構築と配線工事を一気通貫で行ってくれるかどうかは、大切なポイントになります。
今回の記事で紹介したネットワーク構築業者は、ワンストップ対応してくれるところが多いので、依頼する際の参考にしてください。