現在、使用中の給湯器の調子はいかがでしょうか?不具合が散見されるようであれば、交換を検討する必要があります。ただ「給湯器の交換」と言われても「費用がどれくらいかかるのか」「費用を見積もるポイントはどこなのか」日常的に頻繁に起こることではないため、見当がつきません。
そこで本記事では、給湯器の交換費用の相場から、その費用が決定されるポイント、ひいては交換後に発生するランニングコストや注意点なども解説していきます。
給湯器の交換の際、必要となる費用は「給湯器本体価格」と「工事費用」になります。相場としては、本体価格は5〜20万円程度、工事費用は3〜5万円程度、トータルで10〜30万円程度と見積もっておいてください。
次に給湯器の種類や機能などによって、費用に違いが出ることを示していきます。
給湯器の本体価格は号数(1分間に沸かせるお湯の量)や設置タイプ、機能によって決定されます。また、業者によっても価格に差があるため一括りにはできませんが、下記の価格を目安として参考にしてください。
タイプ | 価格帯 | 特長 |
---|---|---|
給湯専用タイプ | 5万円前後 | 追い焚きができない |
オート・フルオートタイプ | 5万円~15万円 | 追い焚き可能 |
給湯暖房熱源機 | 15万円~ | 床暖房機能を搭載 |
エコジョーズタイプ | 10万円~ | 省エネでお湯を沸かすことが可能 |
本体価格以外にかかる費用として工事費用があります。給湯器の種類、部品の状態、工事を請け負う業者によって変わってきますが、おおよそ3〜5万円程度になるでしょう。
また、温水式の床暖房を使用している場合や、給湯器の設置場所を変更する場合、給湯器を増やす場合など、さらに追加の費用が発生することもありますので、しっかりと見積もりをとることをおすすめします。主な工事費用の目安は以下を参考にしてください。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
給湯器の撤去費用 | 5,000円~8,000円 |
給湯器の取り付け費用 | 5,000円~8,000円 |
給水結び替え費 | 5,000円~8,000円 |
給湯結び替え費 | 5,000円~8,000円 |
リモコン結び替え費 | 8,000円~12,000円 |
ガス結び替え費 | 8,000円~12,000円 |
出典:給湯器の交換にかかる費用について徹底解説!給湯器本体の価格や見積もりのときに確認するべきポイントも
上記で述べたように給湯器本体の価格にはかなりの幅があります。メーカーによって異なるのは否めませんが、同じメーカーであっても差が生じるのです。ここでは価格に差が生じる主なポイントを解説します。
「号数」は水温+25℃のお湯が、1分間に出る量(L)のことです。号数は給湯器の能力値を表し、号数が大きくなるほど沸かせるお湯の量が多くなります。10号・16号・20号・24号・28号の5種類の号数が用意されていますが、一般家庭で採用されているのは16号・20号・24号の3種類です。
それぞれの号数の沸かせるお湯の量を以下の表にまとめました。各世帯へのおすすめ号数は目安ですので、お湯の使い方などを考慮し選んでください。
設定温度42℃(水温17℃の場合) | 設置温度42℃(水温5℃の場合) | |
---|---|---|
16号(独身世帯) | 16リットル | 11リットル |
20号(2人世帯) | 20リットル | 13リットル |
24号(ファミリー世帯) | 24リットル | 17リットル |
給湯器の価格は搭載されている機能によっても差がでます。例えば、追い焚き機能や暖房機能などの有無によって、同じ号数であっても違いがでてくるという具合です。一般的に高機能なものほど価格が高くなります。
給湯器にはさまざまなタイプがあり、どのタイプを選ぶかによって価格も変わってきます。
フルオートタイプの給湯器はオートタイプと比較して「たし湯を自動で行う」「配管の洗浄を自動で行う」といった機能がついているため、15,000円ほど高い価格設定です。
またエコジョーズ型タイプは、次世代の給湯器としての環境性能や省エネ性能といった機能性が認められています。ただ高機能ということで、非エコジョーズ型タイプよりも10万円以上も高価格設定になってしまうのです。
給湯器の交換を依頼できる主だった業者は、以下の通りです。
いずれの業者を選ぶかによって交換費用はかなり違ってきます。当然のことながら、メリット・デメリットがあり、何を求めるかによって選択基準が変わってくるものです。
一般的に給湯器メーカー・ガス会社で購入する場合、価格は高くなります。なぜならネームバリューがある安心感と関連会社分の利益を確保する必要が生じるため、割引率が低くなってしまうからです。
一方、専門業者はメーカーから直接仕入れているため、価格を抑えて提供できます。また、ホームセンターやリフォーム会社を選択するメリットは、リフォームも同時に工事可能となるところでしょう。
安定した技術力を求める場合はガス会社や給湯器メーカーを選ぶ、というように何を重視するかによって業者を選別するようにしてください。
交換費用を検討する際、本体価格や工事費用だけに目が行きがちですが、交換後のランニングコストも含め、総体的にコストを抑えられるかが重要になってきます。
例えば、エコジョーズは本体価格は高価格ですが、ランニングコストは低く抑えられるという具合です。
エコジョーズや非エコジョーズのランニングコスト一覧は下記になります。比較検討してみてください。
種類 | 月間コスト | 年間コスト |
---|---|---|
ガス給湯器(都市ガス) | 約6,110円 | 約73,320円 |
ガス給湯器(プロパンガス) | 約11,250円 | 約135,000円 |
エコジョーズ(都市ガス) | 約5,240円 | 約62,880円 |
エコジョーズ(プロパンガス) | 約9,440円 | 約113,280円 |
※世帯数4人(給湯量450L/日)を想定
出典:【2022年8月最新】ガス給湯器の交換費用相場は?どこに頼むのがいい?
給湯器を交換する際の注意点をここでは解説していきます。満足いく交換ができるよう、念頭において検討してみてください。
業者に見積もりを出してもらった際は、まず内訳を確認しましょう。内訳の項目などを把握できるでしょうか。例えば「給湯工事一式」というような、ざっくりした項目では、どこまでの内容が含まれているのか確認できかねます。また聞き慣れない名称の項目もあるかもしれません。
不明点・疑問点がありましたら内容を業者に確認し、後々のトラブル防止のためにも詳細な見積もりを請求しましょう。
費用面に目が行きがちですが、アフターサービスも重要になります。交換後に欠陥があったり不具合が起きた場合でも、アフターサービスが充実していれば、それだけでも安心です。高額な交換費用を考えると必要不可欠なものと言えるでしょう。
さらにアフターサービスの保証内容も重要です。どのようなトラブルに対処してくれるのか、対応スピード、費用は発生するのか、なども確認しておきましょう。
また給湯器の交換と言っても、どこまで交換対応なのかも確認しておいてください。給湯器本体だけが交換対象で、それに付随しているパーツは交換対象外ということになれば、不具合の原因になりかねません。
例えば、水漏れを防ぐためのパッキンやリモコンの取付けパーツなどを交換せず、古い状態のまま使用するというようなことです。
ここまで給湯器の交換費用の相場から、その費用がどのように割り出されるのか、ほかには交換時の注意点や交換後のランニングコストまでを解説してきました。
給湯器を選ぶ際には、どのような機能を必要としているのかを吟味し、ご自身の生活環境に見合ったものを選ぶようにしましょう。そのためにも、工事の施工業者に相談し見積もりを確認することが重要です。
本記事の内容を踏まえ、納得がいく給湯器の交換にお役立ていただけると幸いです。