「透析用にどんなベッドを選べば良いかわからない」
「病室用のベッドを透析用として使って問題ないのか」
透析ベッドを探している方の中には、上記のような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、透析ベッドと医療用ベッドの違いや、透析ベッドの特徴・選び方を解説し、よくある質問にも解答していきます。おすすめの透析ベッドメーカー5選も紹介していきますので、製品選びの参考にしてみてください。
透析とは、腎臓の働きを人工的に補う治療法です。腎臓には、大きく分けて以下の3つの働きがあります。
透析は、病気などで正常に機能を果たせなくなった腎臓の代わりに、血液中の老廃物や余分な水分を取り除き、血液を綺麗にする治療法です。また、透析治療には「血液透析(HD)」と「腹膜透析(PD)」の2種類があります。
では、透析ベッドと医療用ベッドにはどのような違いがあるのでしょうか。まず、一番の違いはサイズです。透析ベッドは、透析室にできるだけ多くのベットを並べて部屋を有効に使用するために、医療用ベッドに比べてサイズが小さくなっています。
もう一つの違いはモーター数の違いによる機能の数の違いです。通常の医療用ベッドは、電動の場合でも2〜3モーターの製品が多く、背上げ、高さ調節、脚あげなどの機能がついています。
それに対して、透析ベッドは4モーターの製品もあり、上記の機能に加え、頭部の動きが可能となっていることが特徴です。この頭部の動きが加わることで、4〜5時間かかる透析治療の間、飲み物を飲みやすくしたり、スマホを触りやすくしたり、患者に快適な環境を提供できるでしょう。
また、透析ベッドには「ショック体位」という、血圧低下によるショック症状に素早く対応ができる機能が備わっていることも特徴としてあげられます。
医療用ベッドを透析ベッドとして使っている施設もありますが、近年では透析専用のベッドを導入するケースも増えてきています。ここでは、透析ベッドの特徴や選び方について解説していきますので、ぜひご確認ください。
選ぶ際に確認すべき特徴のひとつとして、ヘッドレスト機能の有無が挙げられます。透析ベッドには、1回に4〜5時間かかる透析の時間を患者が快適に過ごせるよう、頭部も動かせる機能が備えられているものがあります。
このヘッドレスト機能は、読書をしたり、スマホを触ったり、飲み物を飲んだりする際に役立ち、患者は快適にリラックスして過ごすことができるでしょう。
透析ベッド特有の機能のひとつとして、ショック体位機能の有無も確認しておきましょう。患者が血圧低下などのショック状態になった際に、ボタンひとつで頭をフラットにして、下肢を45度に挙げる動作ができる機能を、ショック体位機能といいます。緊急時にボタンひとつで簡単に・素早く対応できるため、この機能がついていると安心でしょう。
ベッドのサイズも重要なポイントです。病院内には「透析室」という専用の部屋が設けられている場合が多く、透析室では同時に何人もの患者が透析治療を行えるようになっています。
出来るだけ多くのベッドを並べるためにも、透析ベッドは通常の医療用ベッドに比べて、コンパクトに設計されています。快適さを維持しつつ、コンパクトなベッドを選び、スペースを有効活用しましょう。
上記の特徴や選び方をふまえ、おすすめの透析ベッドメーカー5選を紹介します。サイズやモーター数、おすすめポイントなどもまとめていますので、メーカー選びの参考にしてみてください。
パラマウントベッドからは透析用ベッドとしてアルフォーネシリーズが販売されています。ベッドの横幅やモーター数、デジタルスケール機能の有無など、ユーザーにあわせて様々なラインナップを展開しています。電動タイプのベッドには緊急時に素早く対応できるショック体位ボタンも搭載されています。
パラマウントベッドの比較ポイント
製品情報
商品名 | アルフォーネ シリーズ |
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サイズ | 全長216.3cm、全幅81.6cm、全高87.9cm、質量91kg ※KA-8327の場合 |
モーター数 | 2モーター・3モーター |
価格 | ¥370,000(税別)~ |
特徴 | 豊富な製品ラインナップ |
シーホネンスのDXシリーズは、透析室などでベッドを数多く並べることを考慮し、必要面積を従来比15%削減したベッドです。4モーターベッドには、正しい姿勢・ポジショニングに役立つヘッドレスト機能がついており、患者がより快適に過ごせることが特徴として挙げられます。また、手元スイッチでの操作や、床ずれを防ぐスイングバック機能、抗菌加工など、機能が充実している点も魅力です。
シーホネンスの比較ポイント
製品情報
商品名 | DXシリーズ |
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サイズ | 全長212cm、全幅78cm |
モーター数 | 2モーター、3モーター、4モーター |
価格 | ¥525,800~(税別) |
特徴 | 正しい姿勢・ポジショニングに役立つ電動ヘッドレスト機能が搭載 |
タチエスは医療・介護用の電動ベッド専門メーカーです。4モーターの電動ベッドや、体重測定が可能なスケールベッドなど、透析患者様向けのベッドも多数扱っています。電動スケールベッドを利用すれば、治療中の透析患者様の体重を正確に測定でき、より安全な透析治療が実現します。カラーバリエーションも豊富にあるため、透析室の雰囲気にあったベッドを選ぶことができます。
タチエスの比較ポイント
製品情報
商品名 | GETWELL |
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サイズ | 要問合せ |
モーター数 | 2モーター、3モーター |
価格 | 要問合せ |
特徴 | 4モーターの電動ベッドやスケールベッド等、豊富な透析用ベッドを展開 |
「ペアージュ」は、透析室のニーズと透析患者の高齢化に対応すべく、ケアのしやすさに配慮した透析向け電動ベッドです。コンパクト設計や垂直昇降機能による省スペース化、コストパフォーマンスに優れている点などが特徴として挙げられます。また充電式バッテリー対応で、停電時や電源が無い場所でも使用できる点も魅力です。
プラッツの比較ポイント
製品情報
商品名 | ペアージュ |
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サイズ | 全長210.5cm、全幅88cm、床面高33〜73cm |
モーター数 | 3モーター |
価格 | ー |
特徴 | 一括ロックが可能なセンターペダル、最高位73cmで腰への負担を軽減 |
エースメディカルの多機能チェアベッドは、数千台のドナーチェア販売実績とノウハウを詰め込み、低価格を実現したベッドです。チェア幅82cmのコンパクト設計や長時間の治療でも疲れにくいデザインなどが特徴としてあげられます。また、合皮・レザー100色展開、まくら内臓スピーカー、液晶テレビ、テレビアーム、サイドテーブルなど、オプションも豊富です。
エースメディカルの比較ポイント
製品情報
商品名 | 多機能チェアベッド |
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サイズ | ー |
モーター数 | 2モーター |
価格 | ー |
特徴 | 数千台のドナーチェア販売実績、電動でフルフラットになるチェアベッド |
ここまで透析ベッドについて紹介してきましたが、透析チェアという選択肢もあります。透析チェアはベッドよりもさらにコンパクトで、さらに患者が疲れない座り心地を実現している製品もあるなど、メリットも多いです。また、血圧に問題がなければ、チェアに座ってタブレットやPCを使った作業もできるため、働き盛り世代には、チェアの方が好まれる場合もあります。自院の患者層を考慮しつつ、透析チェアを選択肢にいれてみるのも良いでしょう。
ここでは、透析ベッドについてのよくある疑問をQ&A形式でご紹介していきます。
A:電動・非電動、モーター数、スケール機能の有無によって価格は異なってきます。電動タイプであれば40万円~で価格設定をされているメーカーが多いです。
A:ベッドサイドにテレビを設置することは可能です。透析ベッドを購入する際には、オプションで液晶テレビやモニターアーム・テレビアームなどを別途購入し、設置できる場合があります。これらのアイテムは、患者が長時間の透析治療を快適に過ごすために重要となるため、オプション品についてもぜひご確認ください。
この記事では、透析ベッドと医療用ベッドの違いや、透析ベッドの特徴と選び方、よくある質問について解説しました。また、おすすめの透析ベッドメーカー5選も紹介していますので、製品選びにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
快適な透析環境をつくるためには、良いベッドを選ぶことが重要です。自院のニーズにあう透析ベッドを選択し、患者にとっても、医療スタッフにとっても良い透析環境を手に入れましょう。