骨密度測定装置のメーカー9選比較|選び方や基礎知識など

更新日 2024.04.09
投稿者:豊田 裕史

骨密度測定装置は、骨粗しょう症の検査を行える大切な装置です。骨密度測定装置には、精密検査が可能な大型の機器や、踵骨で手軽に測定可能な機器など様々なタイプがあります。では、それぞれの装置にはどのような特徴があるのでしょうか。

今回は、骨密度測定装置のおすすめ製品を紹介していきます。測定方法の違いや価格についても触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

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骨密度測定装置の比較一覧表

以下は、骨密度測定装置の比較一覧表になります。

企業名 製品名 測定方法 測定部位
富士フイルム株式会社 X線骨密度測定装置 ALPHYS LF DXA(デキサ)法 腰椎・大腿骨・前腕(オプション)
富士フイルム株式会社 X線骨密度測定装置 ALPHYS A DXA(デキサ)法 前腕
富士フイルム株式会社 超音波骨密度測定装置 AOS-100SA 超音波パルス透過法
GEヘルスケア・ジャパン株式会社 PRODIGY Fuga DXA(デキサ)法 全身
GEヘルスケア・ジャパン株式会社 Lunar iDXA DXA(デキサ)法 全身
東洋メディック株式会社 Horizon X線骨密度測定装置 DXA(デキサ)法 腰椎、大腿骨、全身、ラテラル、前腕骨
東洋メディック株式会社 X線骨密度測定装置 B-Cube DXA(デキサ)法 前腕
日本光電工業株式会社 超音波骨量測定装置ビーナス 超音波パルス反射法・超音波パルス透過法を併用
キヤノンメドテックサプライ株式会社 超音波骨密度測定装置CM-300 超音波パルス透過法

おすすめの骨密度測定装置9選

それでは早速、おすすめの骨密度測定装置を紹介します。

X線骨密度測定装置 ALPHYS LF|富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社

出典:富士フイルム株式会社 https://www.fujifilm.com/jp/ja/healthcare/testing-and-measurement/bone-density/alphys-lf

使用者のニーズに合わせて柔軟に使用でき、設置場所が限定されない省スペース設計を実現した装置です。既存のフローティング式や折りたたみタイプの撮影台など、自由に組み合わせられます。

床高55cmの撮影台でも設置できるので、シニアの方でも安心して乗降可能です。アームを上げた状態で静止させられるため、ゆっくりと体制を整えられます。独自の広角ファンビームを採用しており、従来より歪みを抑えた信頼性の高い骨密度測定値を計測できるのです。

X線骨密度測定装置 ALPHYS LFの比較ポイント

  • 設置場所を選ばない省スペース設計
  • フローティング式や折りたたみタイプの撮影台と組み合わせ可能
  • アームを上げた状態で静止させられる

製品情報

測定方法 DXA(デキサ)法
測定時間 腰椎:約40秒
大腿骨:約20秒
※標準モードの場合
外寸(mm) 幅・奥行:620×1,095
高さ:1,065~1,215(アーム検査位置時)、 1,730~1,880(アーム被検者昇降位置時)、1,870~2,020(アーム最大保持位置時)
重量 要問い合わせ

X線骨密度測定装置 ALPHYS A|富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社

出典:富士フイルム株式会社 https://www.fujifilm.com/jp/ja/healthcare/testing-and-measurement/bone-density/alphys-a/technology

スキャンモードは標準・高速・高精度の3種類を搭載しており、目的に合わせて使い分けられます。測定部にあるグリップを組み替えるだけで腕の左右を自動で認識される、簡単設定タイプです。

ガイドに沿って腕を入れるだけで自然にポジショニングできるため、素早い測定開始が可能です。無理のない姿勢で測定でき、負担を感じることなく検査を完了できるでしょう。万が一ななめの状態で撮影されても、ROIの角度を補正できるので測定し直す回数を減らせます。

X線骨密度測定装置 ALPHYS Aの比較ポイント

  • 3種類のスキャンモードにより目的に合わせて使い分けられる
  • 重力と3支点を利用して無理のない姿勢で測定できる
  • 斜めに撮影されてもROIの角度補正が可能

製品情報

測定方法 DXA(デキサ)法
測定時間 標準モード:約15秒
高速モード:約7.5秒
高精度モード:約30秒
外寸(mm) 幅・奥行・高さ:400×479×398(標準型装置)、
430×485×940(台車(上下機構なし)搭載型装置)、
430×485×910~1040(台車(上下機構あり)搭載型装置)
重量 30kg(標準型装置)、72kg(台車(上下機構なし)搭載型装置)、
75kg(台車(上下機構あり)搭載型装置)

超音波骨密度測定装置 AOS-100SA|富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社

出典:富士フイルム株式会社 https://www.fujifilm.com/jp/ja/healthcare/testing-and-measurement/bone-density/aos-100sa

装置の上部にタッチパネルモニターを設置することで、どの角度からも操作ができるようになっています。カラー液晶画面を採用しており、ひと目で状況を確認できる点も特徴です。プリンター内蔵型のオールインワンタイプで、測定結果をその場で印刷できます。

測定面は足を置きやすいオープンデザインを採用。セッティングから測定までがスムーズです。温度補正機能や踵の幅を自動検知し、正確な測定結果を得られます。測定時間は約2秒で完了でき、集団検診にも最適です。

超音波骨密度測定装置 AOS-100SAの比較ポイント

  • どの方向からでも操作ができるカラー液晶タッチパネル
  • プリンター内蔵で測定結果をその場で印刷できる
  • 足を起きやすいオープンデザイン

製品情報

測定方法 超音波パルス透過法
測定時間 約2秒
外寸(mm) 幅・奥行・高さ:320×530×270
重量 約14Kg

PRODIGY Fuga|GEヘルスケア・ジャパン株式会社

GEヘルスケア・ジャパン株式会社

出典:GEヘルスケア・ジャパン株式会社 https://www.gehealthcare.co.jp/clinic/prodigy-fuga

高精度で安定したエネルギー照射ができる「K-エッジフィルター」を採用しています。K-エッジフィルター機能により中間レベルのエネルギーがブロックされ、被ばく低減が可能です。装置や各測定機能の動作確認は自動補正されるので、常に信頼性の高いデータを保持できます。

独自のスマートスキャン方式とナローアングルファンビームを融合したスマートファンビーム搭載型タイプです。従来のファンビームと比べて骨形状を認識しながら行えるので、スピーディーに測定できます。

PRODIGY Fugaの比較ポイント

  • K-エッジフィルターによる精度の高いエネルギー照射
  • 装置や各測定機能の動作確認を自動補正
  • 患者様へ提出するレポートは自由なカスタマイズが可能

製品情報

測定方法 DXA(デキサ)法
測定時間 腰椎・大腿骨:約4分
外寸(mm) 要問い合わせ
重量 要問い合わせ

Lunar iDXA|GEヘルスケア・ジャパン株式会社

GEヘルスケア・ジャパン株式会社

出典:GEヘルスケア・ジャパン株式会社 https://www.gehealthcare.co.jp/products/bone-and-metabolic-health/lunar-idxa

クラス最高レベルの画質を提供でき、従来の骨密度測定だけでなく、体組成測定や形態計測も行えます。スポーツ医学や生活習慣予防・ダイエット・リハビリテーションなど、さまざまな分野で活用できる装置です。

フォトンカウンティング検出器の技術を採用し、高画質・低被ばく・高精度の全てに対応しています。大腿骨近位部の細部観察のほかに、皮質骨厚の可視化や全身画像の詳細な表示も可能です。検出器間の死角をなくす交互配置がされており、より高い分解能を行えます。

Lunar iDXAの比較ポイント

  • クラス最高レベルの画質を提供できる最上位モデル
  • フォトンカウンティング検出器の技術を使用
  • 検出器間の死角をなくした交互配置

製品情報

測定方法 DXA(デキサ)法
測定時間 要問い合わせ
外寸(mm) 要問い合わせ
重量 要問い合わせ

Horizon X線骨密度測定装置|東洋メディック株式会社

東洋メディック株式会社

出典:東洋メディック株式会社 https://www.toyo-medic.co.jp/products/medical/bone-mineral-density/dual-energy-x-ray-absorptiometry-system/horizon/

高速スキャン、かつ安定した精度を持っています。腰椎(L2-L4)であれば10秒で測定可能です。DXA 法を採用しており、腰椎 , 大腿骨 , 全身 , ラテラル , 前腕骨など幅広い部位で測定可能です。

セラミックディテクター、高周波 X 線管球の採用することで、体の厚みのある受診者の画像もより鮮明に描出できます。ON/OFFボタンを押すだけでベッドやアームの移動が行え、患者様の昇降を優しくサポートします。

Horizon X線骨密度測定装置の比較ポイント

  • 腰椎(L2-L4)であれば10秒で測定できる
  • 体厚のある受診者の画像もより鮮明に描出
  • ON/OFFボタンを押すだけでベッド・アームの移動が簡単

製品情報

測定方法 DXA(デキサ)法
測定時間 腰椎(L2-L4):10秒
外寸(mm) 要問い合わせ
重量 要問い合わせ

X線骨密度測定装置 B-Cube|東洋メディック株式会社

東洋メディック株式会社

出典:東洋メディック株式会社 https://www.toyo-medic.co.jp/products/medical/bone-mineral-density/dual-energy-x-ray-absorptiometry-system/b-cube/

DXA方式を採用した前腕骨専用の装置。場所を取らないコンパクト設計でありながら約15秒で測定を完了でき、スムーズな検査が可能です。Windows対応パソコンを操作部として、簡単に測定が行えます。フレンドリーで温かみのあるデザインとなっており、腕や手首を動かしにくい患者様にも優しく対応します。

X線骨密度測定装置 B-Cubeの比較ポイント

  • 場所を取らないコンパクト設計でありながら約15秒で測定可能
  • Windows対応パソコンを操作部としており簡単に測定可能
  • フレンドリーで温かみのあるデザイン

製品情報

測定方法 DXA(デキサ)法
測定時間 約15秒
外寸(mm) 要問合せ
重量 要問合せ

超音波骨量測定装置ビーナス|日本光電工業株式会社

日本光電工業株式会社

出典:日本光電工業株式会社 https://www.nihonkohden.co.jp/iryo/products/physio/05_imaging/benus_evo.html

「超音波パルス反射法」と「超音波パルス透過法」を併用しています。X線を使用しないため、妊産婦さんや若年者の検査にも最適です。データの蓄積により幼児から大人まで幅広い年齢層の測定結果を導き出せます。

測定部に専用の抗菌フットシートを使用しており、衛生面に配慮した運用が可能です。装置は軽量で持ち運びしやすいスタンドアロンタイプと、データ管理やシステム連携ができるパソコンタイプがあります。運用状況に合わせて最適なタイプを選べるのが特徴です。

超音波骨量測定装置ビーナスの比較ポイント

  • データの蓄積により幼児から大人まで幅広く測定結果を出せる
  • 専用の抗菌フットシートを使用することで衛生的な運用が可能
  • 施設に合わせて選べる2タイプを用意

製品情報

測定方法 超音波パルス反射法・超音波パルス透過法を併用
測定時間 要問い合わせ
外寸(mm) 幅・奥行・高さ:366×494×237
重量 約8.3kg

超音波骨密度測定装置CM-300|キヤノンメドテックサプライ株式会社

キヤノンメドテックサプライ株式会社

出典:キヤノンメドテックサプライ株式会社 https://mts.medical.canon/equipment/sphygmomanometer/cm-300.html

X線を使用しない超音波方式で持ち運びが容易なため、場所を選ばず測定ができます。骨粗しょう症の集団検診や一次スクリーニングなどの場合でも、素早くデータを取得できるでしょう。タッチ操作ができるLEDカラーパネルを採用しており、直感的に扱える装置です。

踵温度補正機能搭載で、足が冷えることにより変動しやすい測定値を安定させられます。測定時間は約10秒と短時間で完了できる点も特徴です。検査結果は内蔵されたプリンタからの排出の他に、PCへのデータ保存にも対応しています。

超音波骨密度測定装置CM-300の比較ポイント

  • カラー表示でタッチ操作ができるパネルを搭載
  • X線を使用しないので場所を選ばず測定できる
  • 踵温度補正機能で安定したデータが取得可能

製品情報

測定方法 超音波パルス透過法
測定時間 約10秒
外寸(mm) 幅・奥行・高さ:525×310×220
重量 約10kg

骨密度測定装置の比較・選定ポイント

骨密度測定装置は、測定部位や施設の運用形態により適した装置が異なります。では、自身の施設に適した装置を選ぶ方法はあるのでしょうか。

ここからは、骨密度測定装置の比較や選定ポイントについて解説します。

検査部位・利用シーン

骨密度測定装置は数多くありますが、それぞれ最適な検査部位や利用シーンが異なります。測定で使われている方法は、以下の3タイプです。

DXA(デキサ)法:エネルギーの低い2種類のX線を使って測定する方法。ほぼ全身の部位を図ることができ、病院の診察に用いられることが多い。

超音波放(超音波パルス反射法・超音波パルス透過法):踵や脛の骨に超音波を当てて測定する方法。X線を使用しないため、妊産婦や若年層の方でも測定可能。健康診断で活用されている。

MD(エムディ)法:X線を使って手の骨密度を測定する方法。DXA装置を設置できない診療所やクリニックで利用されている。

それぞれのタイプは、施設や検診・診察などの目的により利用シーンが大きく分かれます。「どのような場所で」「どういった検査を行いたいのか」を明確にすることで、ある程度装置を絞り込めるでしょう。

測定のしやすさ・レポートの分かりやすさ

施設スタッフ側は日々実施している検査ですが、患者様側は測定に慣れてない場合も多いです。初めて検査を行う方もいるので、不安に感じることなくスピーディーに完了できた方が安定した結果を得られます。

操作がしやすい装置であれば測定前の準備がスムーズで、すぐに開始できるでしょう。セッティングの簡単さはもちろんのこと、検査項目をカスタマイズできれば時間短縮が可能です。また、測定時間が短い装置を選べば患者様の不安が膨らむ前に終わらせられます。

検査後に骨密度について知識が少ない患者様でも分かりやすいレポートを提供すれば、より安心感を与えられるでしょう。施設独自の書式にカスタマイズできる装置もあり、患者様に寄り添った満足度の高い施設を目指せます。

骨密度測定装置の導入前におさえておきたい基礎知識

ここからは、骨密度装置を導入する前に抑えておきたい基礎知識について解説します。

骨密度測定装置とは

骨密度測定装置とは、文字通り骨密度を測ることができる装置です。骨密度に大きく関係する病気は、骨粗しょう症になります。骨粗しょう症はレントゲン撮影では診断できません。自覚症状がない場合も多く、気づかないうちに病気が進行してしまうこともあります。

骨粗しょう症の診断方法は、採血検査や骨密度測定です。骨密度検査では、骨の中にカルシウムなどのミネラルが平均値と比べてどの程度あるかを測定します。骨密度測定装置の測定方法は、DXA(デキサ)法、超音波放のMD(エムディ)法の3つの方法があります。

骨密度測定装置導入についてよくある質問

以下では、骨密度測定装置を導入する際のよくある質問をまとめています。

DXA法と超音波法のメリット・デメリットは何ですか?

DXA法のメリットは検査時間が5~10分と短い点と、その場で結果を確認できる点です。デメリットは2種類のX線を照射するので、少量ながらも被ばくリスクがあることです。

超音波法の骨密度測定器のメリットは、小型の機器が多く、設置スペースを取らず手軽に検査が可能な点です。一方で、DXA法と比べて精度はやや劣る点がデメリットです。

骨密度検査による保険点数は何点ですか?

DXA法による腰椎撮影の場合は360点です。同一日にDXA法により大腿骨撮影を行った場合は、大腿骨同時撮影加算として90点を所定点数に加算できます。超音波法による検査の場合の保険点数はは80点です。

出典:しろぼんねっと|D217 骨塩定量検査

骨密度測定装置の価格帯はどのくらいですか?

政府公共調達による入札の落札情報によると、DXA法による骨密度測定装置の導入価格は3,000万円前後が多いようです。踵骨に超音波を当てて測定するタイプの導入価格は、300万円前後になります。

出典:日本貿易復興機構(ジェトロ)|政府公共調達データベース

まとめ

骨密度測定装置とは、X線や超音波を利用して骨密度が測定できる検査機器です。測定部位や測定方法によって、機器の大きさや可価格帯も大きく変わってきます。同じ測定方法を採用している機器でも、検査時間や操作感でそれぞれのメーカーの特徴があります。導入を検討する際は類似の製品の仕様や操作感をよく比較するようにしましょう。

検査機器選びの専門知識・時間がない方

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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。


フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152

元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。

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