【2026】障害福祉AIの最新動向!注目のツールと選び方を解説
障害福祉の現場では、少人数での運営や煩雑な書類作業に追われ、利用者と向き合う時間が確保しづらいという悩みが絶えません。
そうしたなか、事務負担を軽減し、業務の効率化を図る手段として「障害福祉AI」への注目が高まっています。
AIは職員の判断に代わるものではなく、面談音声のテキスト化や計画書の下書き作成など、日々の業務を支える頼もしい存在です。最近では民間施設での導入にとどまらず、自治体での認定業務効率化など、官民連携による活用も広がってきました。
本記事では、障害福祉業界におけるAI活用の最新状況をはじめ、注目のAIサービス3選(AURA、AI支援さん、Maa2)の特徴、失敗しない選び方のポイントまでわかりやすく解説します。自事業所に適したAIツールを見極め、現場の負担軽減と支援の質向上にお役立てください。
>>>障害福祉に特化したAIサービスはこちらの見出しで紹介しています。
- 記録や書類づくりに追われている・・
- メモ取りに追われ対話に集中できない・・・
- 複雑な事務作業が負担でゆとりがない・・・
障害福祉業界におけるAI活用の状況
障害福祉の現場では、少人数で業務を進めるなか、計画書や記録などの書類作りに多くの時間がとられています。事務作業に追われ、利用者さんとじっくり向き合う時間が作りづらいことは、多くの事業所で共通の悩みです。
これまでの福祉現場ではAIの活用があまり進んでいませんでしたが、最近では事務負担を減らす工夫として、導入の検討や活用を始める事業所が少しずつ出てきています。
AIは職員に代わって判断するのではなく、作業を手伝うサポート役として使われています。実際の現場では、主に次のような業務でAIの活用が進んでいます。
書類作成における下書き(たたき台)の生成
ケース記録やアセスメント、個別支援計画書などの作成において、AIが文章の下書きを生成する活用方法です。
職員がゼロから文章を組み立てる手間を省き、AIが提示したたたき台をベースに必要な修正や追記を行うことで書類作成にかかる時間を短縮することができます。
記録表現の標準化と整理の補助
面談時のメモや口頭でのやり取りから、適切な専門用語や客観的な表現を用いて文章を整えるサポート機能です。
職員個人の文章力や経験に頼りがちだった記録の質を揃えやすくなり、事業所内での情報共有や引き継ぎの際にも、意図が伝わりやすい記述を残すのに役立てられています。
音声認識技術と連携した自動テキスト化
カンファレンスや面談などの会話音声をリアルタイムでテキスト化し、それを元に支援記録の要約を作成する取り組みも進んでいます。
メモを取ることに意識を奪われることなく利用者との対話に集中でき、記録漏れの防止やデータ入力作業の手間削減に寄与しています。
障害福祉に特化したAIサービス3選
一般的なAIツールと異なり、障害福祉に特化したサービスは、個別支援計画書やケース記録などの専門的な様式や業界用語にあらかじめ対応している点が大きな強みです。法令基準や現場の運用に沿った文章が出力されやすいため、修正の手間が少なく、スムーズに業務へ取り入れられます。
ここでは、現場の事務負担を軽減するために開発された、代表的な3つのAIサービスをご紹介します。
障害福祉AI AURA(オーラ)|株式会社Jin

- 書類作成時間の90%以上削減を実現した実績
- 音声や記録から書類の下書きを即座に生成
- 行政の実証実験でも採用された信頼の品質
障害福祉AI AURA(オーラ)は、現場のサービス種別に合わせて「AURA就労支援」と「AURA相談支援」を展開しているAIツールです。
AURA就労支援では、面談音声からの個別支援計画書やモニタリングなどの下書き作成に加え、日々の記録管理から国保連請求までを一括で行えます。AURA相談支援では、面談やカンファレンスの音声をもとにサービス等利用計画案などの書類草案を生成し、作成時間を大幅に短縮できます。
また、最近では和歌山市との障害支援区分認定業務におけるAI活用の実証実験を開始するなど、行政分野への展開も進めています。書類作成を効率化し、相談者と向き合う時間を増やしたい事業所で活用されています。
製品情報
| 提供サービス | |
|---|---|
| 対象福祉サービス |
|
| AIで自動化・サポートできる内容 |
|
| 利用料金 | 要問合せ |
AI支援さん|株式会社パパゲーノ

- 音声を録音するだけで支援記録や各種書類を自動生成
- PCが苦手な現場でも使いやすく、残業と属人化を解消
- 実際の福祉現場のリアルな課題から生まれたDXツール
障害福祉現場の業務効率化を実現するAI支援記録アプリ「AI支援さん」。面談や会議の音声を録音するだけで、全文文字起こしから支援記録・アセスメントシート等の書類作成までAIが自動で行います。
パソコン操作が苦手なスタッフでも使いやすく、残業削減や業務の標準化、スムーズな情報共有をサポート。就労支援や放課後等デイサービス、居宅介護など幅広く活用されています。実現場(パパゲーノ Work & Recovery)の課題から生まれた、現場に寄り添う福祉DXツールです。
製品情報
| 提供サービス | AI支援さん |
|---|---|
| 対象福祉サービス |
|
| AIで自動化・サポートできる内容 |
|
| 利用料金 | 要お問合せ |
福祉AI Maa2|株式会社OTis

- 音声録音から日報や支援計画書などの作成をアシスト
- データ連携により書類間の整合性維持と標準化を支援
- 定額で使いやすくITが得意でない現場でも導入しやすい
就労継続支援B型事業所向けの支援記録AIアプリ「Maa2」。面談や会議の音声を録音することで、日報やモニタリングシート、個別支援計画書などの作成をアシストするサービスです。
厚労省の基準に沿った学習モデルを搭載し、蓄積データを連携させることで書類間の不整合防止を支援。料金は月額3万円(税別・初期費用0円〜)の定額制でAIが使い放題となっており、シンプルな操作画面でITに不慣れな現場でも導入しやすくなっています。書類作成にかかる負荷を抑え、運営指導対策や業務標準化を図るツールとして活用されています。
製品情報
| 提供サービス | 福祉AI Maa2|株式会社OTis |
|---|---|
| 対象福祉サービス | 就労継続支援B型事業所 |
| AIで自動化・サポートできる内容 |
|
| 利用料金 | ■セルフスターター 初期費用 0円 月額料金 3万円 ■プレミアム 初期費用 30万円 月額料金 3万円 |
障害福祉向けAIの選び方・導入時の注意点
現場に最適なAIツールを選定し、スムーズに運用を定着させるためには、いくつか押さえておくべき重要なポイントがあります。導入後のギャップを防ぐためにも、以下の視点を参考に検討を進めましょう。
自事業所の対象サービスに対応しているか
障害福祉AIは、サービス種別(就労支援・相談支援・放課後等デイサービス・居宅介護など)によって必要となる書類フォーマットや参照すべき制度基準が大きく異なります。自事業所の種別に特化した学習モデルやテンプレートが備わっているか、対応範囲をあらかじめ確認しておくことが重要です。
自動化したい業務範囲がカバーされているか
ツールによって「音声録音からの支援記録作成」「個別支援計画書やモニタリングシートの自動生成」「データ間の不整合チェック」など、強みを持つ機能は様々です。日々の記録作成の負担を減らしたいのか、計画書作成の標準化を図りたいのかなど、自事業所が「どの業務をAIで自動化・効率化したいのか」を洗い出したうえでサービスを選定しましょう。
自社が求める「自動化の度合い」に合っているか
ツールの設計思想によって、自動化のカバー範囲やアプローチは異なります。
「音声から下書きを全自動で生成して作業時間を極限まで減らしたい」のか、「AIに相談しながら根拠のある文章を一緒に組み立てて専門性を高めたい」のかなど、自社が求める自動化のレベルや目的に適した仕様かを確認することが大切です。
請求業務(国保連請求)まで一括管理したいか
記録や書類作成のアシストだけでなく、日々の実績データをもとに国保連請求まで一括で行えるシステム(例:AURA就労支援など)もあれば、記録作成に特化して他社の請求ソフトと併用する前提のシステム(例:AI支援さん、Maa2など)もあります。
既存の請求システムをそのまま活かすか、請求業務まで一元化して事務負担を一気に削減したいかどうかも大きな判断基準となります。
現場のスタッフが直感的に操作できるか
パソコンやIT機器の操作に慣れていないスタッフが多い現場では、画面のわかりやすさや操作のシンプルさが定着の鍵を握ります。「ボタンひとつで録音・作成ができるか」「入力手順が複雑すぎないか」など、現場目線での使いやすさをチェックしましょう。
個人情報保護やセキュリティ対策が十分か
利用者のプライバシーや機密情報を扱うため、セキュリティ体制の確認は不可欠です。入力されたデータがAIの再学習に利用されない仕組みになっているか、暗号化通信や適切なデータ管理体制が整っているかを必ず確認してください。
AI生成文の人間による最終確認を徹底する
AIが生成する文章はあくまで「下書き(たたき台)」です。誤った情報やニュアンスの違いが含まれる可能性があるため、最終的な内容の確認や修正は必ず人の目(担当職員)で行う運用ルールを整備しておく必要があります。
障害福祉分野における官民連携・自治体のAI活用事例
ここまで民間事業者(福祉施設)でのAI活用やツール選定のポイントについて紹介してきましたが、現在では施設単位の取り組みにとどまらず、自治体や地域全体で福祉DXを推進する官民連携の動きも広がっています。
現場の事務負担軽減だけでなく、行政手続の効率化やサービス品質の向上を目指し、自治体が主導・連携する先進的な活用事例を2つ紹介します。
和歌山市:障害支援区分認定業務におけるAI活用実証
先ほど紹介した障害福祉AI AURA(オーラ)は民間の事業所だけでなく、行政・自治体分野への展開も進んでいます。和歌山市では、開発元である株式会社Jinと連携し、障害福祉分野の中でも特に負担が大きい「障害支援区分認定業務」におけるAI(AURA)活用の実証実験を開始しました。
認定調査票のテキスト化や関連書類の作成支援など、煩雑な認定手続きのプロセスにAIを取り入れることで、行政職員の事務負担を大幅に削減。最終的な判断は人間が行い、その前後の書類作成や整理をAIが支える仕組みを構築しています。
審査判定のスピードアップや精度向上を実現し、市民への迅速なサービス受給決定と質の高い福祉行政の構築を目指す、先進的な官民連携プロジェクトとして注目されています。
出典:株式会社Jin|和歌山市と障害支援区分認定業務へのAI活用に関する連携協定を締結
新潟県:民間企業と連携した「障害福祉共同実証事業」
新潟県では、にいがたAIビジネス株式会社などを中心とした地域連携のもと、障害福祉事業所における業務効率化を目指す共同実証事業がスタートしています。
地域の事業所が抱える書類作成や情報共有の課題に対し、AI技術を活用した業務モデルの検証を実施。単一の施設内だけでなく、地域全体の福祉現場における生産性向上や、支援者が利用者と向き合う時間を創出するための基盤づくりとして期待が集まっています。
出典:にいがたAIビジネス株式会社|障害福祉共同実証事業をスタートしました
まとめ
障害福祉業界でのAI活用は、支援員の書類作業を減らし、利用者と関わる時間を増やす手段として広がっています。現場や自治体でも導入に向けた機運が高まってきています。
民間施設では、面談音声からの記録作成や計画書の作成、請求業務との連携など、事業所の種別や課題に応じた導入が進んでいます。また、個々の施設での業務改善にとどまらず、自治体による認定業務の効率化や地域での実証事業など、官民連携の取り組みも始まっています。
AIを選ぶ際は、自事業所のサービスに対応しているか、どの作業をどこまで任せたいか、現場のスタッフが使いやすいかといった点を確かめることが大切です。事業所に合ったツールを取り入れ、事務作業の負担軽減につなげていきましょう。
- 記録や書類づくりに追われている・・
- メモ取りに追われ対話に集中できない・・・
- 複雑な事務作業が負担でゆとりがない・・・


