当院は内科、整形外科を中心とした365日診療を行うクリニックとして1995年に開業いたしました。2008年には、健康寿命の延伸に向けた取り組みとして、メディカルフィットネスエムズ及び健診センターをオープンいたしました。
当初は1日2〜3件の健診数だったため、開設時に用意された簡易な健診システムで十分に業務を行っていました。しかし、しばらくして健診数が増えてくると、帳票の手書きやアナログ処理の多い当時のシステムでは業務が追い付かなくなり、システム更新を検討しました。他社製品も検討しましたが、職員の一番使いやすそうだという意見も一致して、2016年に『iD-Heart』へ入れ替えました。
現在は年間およそ4,000人の規模です。1日の健診数でいうと、20人くらいの対応です。協会けんぽの対応も行なっていることで問い合わせも増え、健診数は毎年10%以上伸長しています。もちろん、法人契約だけでなく、患者様やそのご家族の方々など、健診のリピーターになっていただいている方も多いです。また、お忙しい方のために、土日祝も対応できる体制を整えています。
健診数は順調に増加していますが、『iD-Heart』を導入してから予約や事務処理の管理をしっかり行うようになったため、以前よりも業務は楽になりました。
例えば、以前は予約が入ると手書きで記録して、事前に送る案内書などは都度、手書きやWordで作成していました。結果報告書も医師の判定を見てコメントを作成するなど、基本は全てアナログの業務でした。そのため、チェックに時間がかかり、受診者様への送付が予定より遅くなることも多々ありました。今と比べると、ミスが起きやすい運用だったと思います。
そういった問題は、『iD-Heart』の標準機能で解決できたため、大変楽になりました。帳票は受診者様毎のコースに合わせ、まとめて出力されるのでミスがありません。それ以外にも予約カレンダーや自動コメントなどの機能を使って省力化に努めています。また、電子カルテと患者情報が共有できているのも良い点です。
導入検討時から、当センターの抱えていた問題点は、『iD-Heart』の標準機能に沿った運用で解消できると言われていました。ただ、そのためには案内書など、これまでバラバラに管理されていた書類のまとめや、報告書を印刷するまでの業務の流れの見直しなど、新たな運用方法の策定と徹底が必要でした。業務内容を分析して必要なものを整理したり、課題を設定して健診スタッフの意識改革を図るなど、現状の見直しと環境整備に最も苦労しました。
また、インストラクターの方には操作指導だけでなく、運用ルール作りにも参加してもらい、厳しく、親身になって指導いただきました。それが今の業務改善に繋がっていると思いますし、感謝しています。例えば、事前帳票の準備も、受診者様一人あたり15分以上かかっていたものが、今では5分以内に完了できるなど、確実に業務効率が改善できています。
『iD-Heart』の標準機能にある、「進捗管理機能」を使用して運用ルールの統一を図っています。例えば、以前は採血項目の抜けによって再来院をお願いし、再検査することもありました。ほとんどの場合、スタッフ間の申し送り不備が原因でしたので、その不備が起きないようにする必要がありました。「進捗管理機能」を使用するようになってからは健診業務の進捗状況が一目で確認・処理できるため、帳票の印刷や結果入力、判定、請求処理などの漏れもありません。
通常、検査結果が空欄の場合、結果報告書を印刷してはいけません。ですが、何故、空欄なのかは、その検査担当者しか分かりません。漏れの無い報告書を作成するには、空欄である状況を職員で共有する必要があります。
そこで、当院では空欄の理由を入力するルールを決めました。健診当日に検査を実施しないことになったのか、それとも検査結果が得られていないのかを入力しています。これで状況が共有できるようになりました。
この進捗管理機能は、業務の流れに沿って一覧できるようになっているため、新人スタッフへの業務説明にも使えます。また、請求や入金の管理も一緒にできるので便利です。
健診センターとして毎月のレポートを法人本部へ提出していますが、今はまだ、データ集計機能などを使いきれていないので、手集計を行っています。今後は自動集計なども行っていきたいです。設定する際には、いつも頼りになるサポートセンターに電話して、教えてもらうようにします。
また、現在は計測結果などをOCRシステムで取り込んでいますが、これからも受診者数が増える予定ですので、リアルタイムで計測結果が登録されるME機器連携システムの導入なども検討していきたいです。