ACTRIS更新に合わせ、DoseCheckerも導入。脳神経/循環器専門病院として救急医療の一端を担う。

札幌白石記念病院様

社会医療法人 医翔会 札幌白石記念病院について

社会医療法人 医翔会 札幌白石記念病院は,1982(昭和57)年に前身の札幌白石脳神経外科病院として開院,その後1985(昭和60)年に医療法人認可を受け,2011(平成23)年に現在地に移転,2013(平成25)年には病院名を「特定医療法人 医翔会 札幌白石記念病院」と変更した。

2015(平成27)年には救急医療など,地域で必要な医療提供を担う社会医療法人として認可されている。

病床数は103床,診療科目は脳神経外科,循環器内科,心臓血管外科,リハビリテーション科,放射線科,麻酔科を標榜している。

同院では,「命と向き合う 心と向き合う」を理念とし,これは患者さんだけではなく,人の命や心に向き合うことにより,自分自身の人生も豊かになるようにということが込められている。

また,頭部の血管から心臓を含めた全身の血管の動脈硬化性病変に対応できる専門病院ということ,加えてチーム医療で患者さんを支えるということを方針として掲げ,社会医療法人という自覚を持って地域医療に貢献し,職員全員が満足できる職場をめざしている。


札幌白石記念病院 院長 宮田節也氏に聞く

─貴院の特色についてお聞かせください。

当院は,脳神経外科と循環器内科の両方において,カテーテル治療を積極的に行っており,造影の放射線検査が非常に多いことが挙げられます。もう一つは,循環器内科で対応できない患者さんを心臓血管外科で対応するということも挙げられます。また,手術を終えた急性期の患者さんの機能回復をめざした脳疾患における急性期リハビリテーションや心臓疾患のリハビリテーション,日常生活能力の向上を目的とした通所/訪問でのリハビリテーションなども行っています。

治療の特色としては,心房細動のカテーテルアブレーションという治療も行っています。これは,脳梗塞で救急搬送/外来で受診された患者さんの多くに心房細動が見られることから,その原因疾患を治療することが目的です。アブレーション治療に関しては,最新の「CARTO UNIVU」という機器を道内で初めて導入し,患者さんの被ばく線量と被ばく時間を大幅に軽減できる治療を行っています。被ばくという観点では,各学会の研修認定施設ということもあり,治療はもとより各放射線検査においても,安全面で最新の注意を払っています。これは,患者さんの被ばく低減はもちろんですが,医師,診療放射線技師,看護師といったスタッフの被ばく低減ということもあります。治療中可能なスタッフは,防護板の後ろへ移動する,放射線量をカウントするなど,学会で推奨されている放射線防護方法を実行しています。

 

─導入されている当社のPACS,画像ビューワについての感想をお聞かせください。

当院はカテーテル治療が多いため,動画が非常に多いという特徴があります。サブトラクション処理なども多用していますので,一般的な医療施設と比較すると全体的にデータサイズが重い画像や動画を扱っているといえます。患者さんにも実際に動画を見ていただき,治療の適応説明も行っていますが,その際にスムーズに動画が見られるかということが大きなポイントとなります。

また当院では,診療科別のカンファレンスに加えて,各診療科が一緒に行うブレイン・ハートカンファレンスを毎朝行っています。その際にPACSを利用し,画像や動画を見ながらディスカッションを行っています。使い勝手も,患者さんの電子カルテから1クリックで画像が見られるように連携されており,とても便利です。インターフェイスについても日本語なので英語よりはわかりやすいです。各機能の動作,例えば画像のスクロールやリンク,シネ表示のスピードコントロールなども直感的に使うことができます。少しサイズが大きいデータについてもスムーズに動作し,ストレスを感じません。

─医療のIT化や地域医療連携について,ご意見をお聞かせください。

現在,医療においてもIT化は必須となっており,電子カルテや部門システムなどが,どこの施設でも導入されています。そのため,これからはIT+αがより重要になります。診断に関しては,放射線検査画像に加えて,生理検査部門の画像やデータなどが統合された,より使いやすいインターフェイスのシステムが望まれるようになると思います。

経営的には,各検査数や救急受入数,病床稼働数など,さまざまな指標を用いて分析できることが必要になります。地域医療連携において,他県と比較すると北海道は面積が大きく,札幌市のように医療が充実している地域は限られています。医療資源の不足している地域にどう貢献できるかが,社会医療法人としての施設のあり方,公益性をどう保てるかということにつながります。当院では,地域医療連携室を設置し,地域の医療機関との連携も積極的に進めています。昨今の診療報酬改定や国の施策にもありますが,ITを活用し医療資源の少ない地域の診療所と当院をネットワークで結び,医師間での診療,治療相談や情報共有を進めたいと考えています。


診療技術部 部長 笹森大輔氏に聞く

─放射線部門システム「ACTRIS」について,感想をお聞かせください。

当院では,2019年に新バージョンに更新しました。旧バージョンでは電子カルテとの連携において,情報共有の面で少し限定的な部分がありましたが,新バージョンでは電子カルテ側の欲しい情報をすべてピックアップし,1画面で表示できるということがとても大きな変化でした。各病院によって必要な情報は違ってくると思いますが,優先度を整理し,当院に必要な情報を表示できたことにより,検査の効率化にもつながっていると思いますし,非常に感謝しています。各々が使いやすい画面にカスタマイズできる点も非常に良いと思います。私自身は管理業務上,週間予定のスケジュール画面を表示させています。これは実施ずみの検査も表示でき,検査間に空き時間がなく効率的に予約されているか,スムーズに患者さんの検査を行えているかを把握する上でとても有効です。

よく使う機能として患者コメント機能があります。当院の検査では,放射線科の受付部門で患者さんの情報を入力し,各検査室への割り振りを行っています。その際にどの検査を先に行うのか,生理検査など,別部門の検査があるのか,患者さんが受付で不安を訴えているといった情報も患者コメント機能に入力し,情報共有をしています。技師間の情報共有としては,前回の検査情報や造影剤の情報はもちろん,撮影時の注意点なども記入することで,次回の検査に生かすことができています。また以前は,撮影時の注意点について,直接口頭で伝えに来る医師も多かったのですが,現在では患者コメント機能に入力する医師が多くなり,情報伝達のツールとして有効に使用しています。各検査の動向についても,統計解析機能を使っています。週ごとや月ごとでの集計についても,あらかじめ設定することですぐに結果が表示されますし,過去の情報と現在の情報とを対比させることで,経営面にも活用しています。

また患者さんの動向として,待ち時間調査についても定期的に記録しています。ACTRISでは,患者一人ひとりの検査の開始時間と終了時間を追えますので,「見える化」するツールとして有効です。

 

─貴院での線量管理義務化への対応,導入された線量管理システム「DoseChecker」の感想をお聞かせください。

当院では2年ほど前から,2020年の医療法施行規則改正に伴う線量管理義務化への取り組みを始めています。その検討をしている中で,システムの導入は必要であろうということで,RIS/PACSメーカーであるジェイマックシステムの担当にも相談し,DoseCheckerの導入に至りました。当院の場合,比較的新しい装置が多く,DICOM RDSRデータを出力できる環境が整っているため,PACSサーバに保存し,DoseCheckerで取得したデータを生かし,数値でしっかりと比較管理できる環境構築を進めています。今回の医療法施行規則改正においては,まず安全利用のための指針づくりとして,責任者の配置,研修教育,患者さんへの検査前/後の説明が要件となっています。研修会においても,ただ被ばくを抑えるだけではなく,当院の実態を正確に把握した上で研修会を行おうと考えており,そのためには現在の線量情報を検査ごとや技師ごとといったRISの情報と結びつけることで,より詳しい把握ができますし,DoseCheckerではこれらが可能です。

DRLの比較に関しては,自院の実際の数値を見て,注意しながら比較する必要があります。各科ごとにはどうか,手技の時間ではどうか,そのような中で線量がどのように違うのか,高いところに対してはどのような対策が必要か,これらを検討するには情報が見えなければ対応が難しく,今まではそのような意識が薄かったということもあります。数値化して見えることにより,私たち技師はもちろん,医師の意識も高くなってきますので効果的だと思っています。一概に線量が高いことが悪いのではなく,高くなる手技というのも多々あります。これらをDRLと比較する際には注意が必要であり,線量の高い検査の正当化と最適化を同時に行えるツールとして使用できればと思っています。

また当院では,ACTRISとDoseCheckerを連携しています。検査1件ごとに,さらに線量が高い検査はどのような状況であるかを追うことができ,欲しい情報を得られる環境が整っており,とても良い設計がされていると思います。例えば夜間の救急撮影時,どのような状況だったかを推察できますので,評価もしやすいと思います。

─DoseCheckerは導入ずみの当社システムを利用できるというメリットがありますが,この点についてはいかがでしょうか?

導入コストに関しては,PACSサーバで各モダリティからのDICOM RDSRデータを取得,一元管理していますので,各モダリティとの接続費用が発生しないという大きなコストメリットがあります。操作性に関しても,ACTRISと同様のインターフェイスで直感的に使えますし,PACSとの連携もスムーズで,同一メーカーならではの利点だと思います。


放射線科 DSA担当主任 入井亮介氏に聞く

─ACTRIS導入による,業務変化についてお聞かせください。

RISを導入する以前まで遡ると,HIS(電子カルテ)上で医師から検査のオーダを受け,直接装置へ患者名やID,生年月日などを入力しており,検査中に患者名の間違いに気づくようなこともありました。HIS側にMWM機能がなく,手入力が必要でしたが,RIS導入後は手入力をする必要がなくなり,余計なストレスが解消されました。また導入前は,オーダーされた順に検査をすべて行っており,待ち時間がどのくらいになるかも実施しなければわからず,患者さんにもご不便をかけていたと思います。RISの導入で検査枠の設定が可能となり,空いている検査室へ振り分けることで患者さんの待ち時間も減ったと思います。

当院では,旧バージョンのACTRISから新バージョンのACTRISに更新したのですが,新バージョンでは情報連携がとても柔軟で,HISからの必要な情報,例えば体内金属やペースメーカー留置,脳動脈瘤のフォローアップの情報などをRIS画面で一目で確認できるのでとても役立っています。また検査時間の変更も,スケジュール画面上で簡単にドラッグ&ドロップで変更可能で,とても便利に使用しています。

検査の安全面についても,患者さんの取り違え防止のためにバーコード認証を取り入れており,取り違えミスは起こらなくなりました。

インターフェイスについては,個人的な考えですが,業務システムということでシンプルなものが良いと考えています。検査一覧のリスト表示を基本に,患者コメント,その日の検査のコメント,造影検査においては採血やクレアチニンのデータなどが一目でわかるようなレイアウトにしていますが,ほかの技師は色々と工夫した表示設定にしてます。使用する技師それぞれで,使いやすいよう自由にレイアウトを設定できることも,ACTRISの良い点の一つです。

 

─DoseCheckerを使用された感想をお聞かせください。

2020年の4月からは線量管理の義務化されました。今までIVRを行った後の被ばく線量の管理については,装置本体に表示される数値をエクセルで手入力しており,打ち間違いも起こりえる状態でした。DoseCheckerの導入後は,患者ごとや術者ごとでの被ばく線量表示が可能になり,管理担当者としてはとても助かっています。

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