医療安全管理システムの 導入において目指すこと

医療法人社団 薫英の会 久野病院|事務長 北島丈士様

兵庫県神戸市西区にある内科・外科・リウマチ科・婦人科・皮膚科・リハビリテーション科を標榜されている、医療療養型病院の医療法人社団 薫英の会 久野病院様の事務長 北島丈士様にお話をお伺い致します。

 

はじめに、久野病院様でのリスクマネジメントへのお取り組みについてお聞かせ頂ければと思います。


北島事務長

当院では、年間200件以上のインシデント・アクシデントレポートの報告があります。

多くは薬剤・検査・療養上の世話による病棟からの報告ですが、些細な内容でも全職員がインシデントレポートを記入し、院内で情報共有できるよう努めています。

院長をはじめとして各委員会にレポート内容を分析し、より良い療養環境に繋がるよう重要な取り組みとして職員全員が取り組んでいます。


難病にも指定されている膠原病患者の診断・治療に携わっておられ、その他、種々の疾患による合併症の予防にも力を注いでおられるためだと思われますが、今回インシデント管理を紙運用からシステムの導入へ移行されようと思われた理由をお伺いしたいと思います。


北島事務長

紙面での運用では、事故が起こった際、各委員会や他の部署等がインシデントレポートの内容を知るには、月1回の会議までなかなか情報を得ることはできませんでした。

インシデントレポートの内容は患者様に直結する内容ですから、全職員が即座に情報を共有し、分析する必要があります。また、多くの紙面から統計・分析に至るまで煩雑な作業になり多くの時間が取られていました。

システムを導入する事で、迅速な情報共有・詳細な分析が可能になる事で、職員の意識向上と患者様への安心安全な療養環境に繋げていくツールとして、システム導入へ移行させて頂きました。


システム導入への課題と、導入される決め手となったポイントは何でしょうか。


北島事務長

当院はまだ電子カルテの導入をしておらず、看護部の中にはまだまだPCに不慣れな方が多く勤務されています。日々の業務の中からPCを使った情報発信はさせておらず、職員のシステム導入による意識付けに時間がかかりました。半年間は紙面とシステムを併用し、 現在はシステムのみの運用で業務を行っています。

また、この半年間で紙面での内容に沿ったシステムをスキルインフォメーションズ㈱様が構築して頂いたおかげで、職員一同が入力に手間取る事無くスムーズに移行できました。

現在も細かな修正に迅速にご対応頂いていますので、価値あるデータが蓄積されており、今後の医業に活用できます。

年間200件以上と現在の報告数があるというのは、非常に小さなレベルまで集められているからですか、それとも特別な基準を設定されているのでしょうか。


北島事務長

院内で起きている様々な内容は大切なデータです。

患者様に直接関わらない内容であっても、企業活動を行う上で職員の管理・意識向上のためにはインシデントレポートは重要なツールです。ミスと捕らえ隠蔽するのでなく、今後の地域を支える医療機関の大切なデータとして些細な内容でも職員には発信をして頂いています。


リスクマネジメントで重要な事の一つに、未然予防がありますが、これまで未然予防対策にも取り組まれてこられたと思うのですが、未然予防のポイント、お取り組についてお聞かせ頂けますか。


北島事務長

インシデントレポートの報告がありましたら、院長だけでなく全ての医師に情報が速やかに行くようにしています。

部署内で解決できない内容は、各委員会(災害対策チーム・RST・医薬品管理チーム・医療機器管理チーム・権利擁護チーム・接遇チーム・褥瘡対策チーム・ICT)にて検討し、当事者だけでなく院内の問題として捉えて対応しております。


医療の安全は非常に重要なテーマですが、細かいミスまでなくす取組みとして、職員様へ医療安全に対する教育指導は何かされていますか。


北島事務長

医療安全の重要な活動として各委員会が、月ごとにインシデントレポートの内容なども加味して職員全員向けの研修会を行っています。委員会メンバーも年度ごとに検討し職員全員が学び、日々の業務に役立てています。

また、新入職者には1週間程度、各現場に配属する前にオリエンテーションを行います。医療機関といっても業務のやり方は病院によって違いがあります。各委員会が関わり行われている勉強会や研修会のDVDなどを見て頂き、入職時の不安を少しでも取り除けるようにしています。

院内のITの整備も相当進んでいますが、ネットワーク整備、IT化を進めるに当たって問題点はありましたか。


北島事務長

職員のPCなどの技術の差は大きく、不慣れな方が多く居られます。基礎的な職員教育が必要と感じます。職員のITの整備の理解と定着のため、今回システムの導入をさせて頂いた経緯もあります。

また、システム及びPC購入には多額の資金が必要ですので、長期計画的に導入を検討する必要があります。システム担当者だけでなく全職員が理解し運用できるシステムを構築するには、業者様との綿密な打ち合わせにより、良いネットワークの整備に繋がると感じています。


その他、IT化した事で起こった変化など在りますか。


北島事務長

不慣れだった職員も業務として必要性を感じ、データの入力に取り組む職員が増えました。

また、情報共有のスピードが上がり業務改善に繋がると思います。他の部署の業務の内容・多忙な現状も理解でき職員同士の風通しもよくなったと感じます。


私どものソフトウェアがお取り組みのお役に立てることをお伺いできて嬉しく思いますが、今後目指す目標やシステムに期待される点などございましたらお聞かせ頂けますか。


北島事務長

当院は、慢性期の病院で高度医療を提供するのでなく、終末期の患者様を担う医療機関として運営をさせて頂いています。重要なのは、「人」との関わりを直接患者様や家族様に提供し、自己の幸せ・生きがいに感じる事が重要です。

国は様々なデータの保管・提出を医療機関に求めており、患者様に寄り添った業務を行わなければなりませんが、日々書類に追われているのが現状です。IT化を進めることで医療人が患者様・家族様に接する時間が多くなればと感じます。

導入製品・サービス

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看護部システム

院内インシデント管理システム『メディカルリスクブロック』

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スキルインフォメーションズ株式会社