導入目的 | 患者様に効果的な自主トレメニューを分かりやすく提供したい |
課題 | 自主トレメニュー(資料)の質を上げたい。スタッフ間での自主トレメニューの共有 |
効果 | スタッフ間での運動療法の共通言語・理解に役立つ。患者様が適切に自主トレ実施。 |
本日は、岡山県倉敷市にあります、倉敷中央病院の理学療法士の山本遼先生にお話を伺いました。
Q「山本様、本日はよろしくお願いします!まずは倉敷中央病院の特徴について教えてください。」
当院の基本理念は、「患者本位の医療」「全人医療」及び「高度先進医療」の三本の柱となっています。 理念を実践するための主要な指針として、第7次院長基本方針があります。
当院は、1,172床あり地域の急性期基幹病院として、患者様並びに地域医療機関に対し、入院診療計画、退院計画に基づき、またリハビリテーションではより患者様の潜在能力を引き出せるような介入を心掛けシームレスなケアサービスを提供できるように日々取り組んでいます。
Q「リハサクを導入していただいたキッカケについて教えてください。」
以前から患者様に効果的な自主トレメニューを提供したいと考えていました。様々な検討・取組みはおこなってきましたが、なかなか実現させることができない状況でした。
その中で、リハサクをSNSで見かけ、「これならやりたかったサービスを実現できる」と思い、その上で学会(2019年10月に岡山県で開催された第7回日本運動器理学療法学会学術大会)の展示会で実際に見させてもらい、まさしく私たちがやりたかったサービスだったので、もうこれは導入するしかないなという思いになりました。
また、リハサクは、患者様が自宅で運動を実施したかを確認するツールもあり、より運動療法に特化していた点が導入の決め手になりました。
Q「具体的にどのようなシーンでリハサクを活用しているのですか?」
自主トレメニューがしっかり管理されているため、さまざまな患者様、場面で運動メニューの提供を使い分けながら利用させてもらっています。
例えば、入院患者様は高齢の方が多いので、自主トレメニューを印刷して紙媒体で患者様にお渡ししたり、糖尿病の運動指導などで定期的な運動プログラム、心臓リハビリでの集団体操などで印刷した運動メニューを見ながらおこなっています。
一方、外来の患者様で特に20代のスポーツ外傷の方に対しては、自主トレメニューの動画を送信しています。 また、当院では予防医療で地域の健康寿命延伸に寄与することを目的とした予防医療プラザという施設があります。
その施設には理学療法士も関わっているため、宿泊の人間ドックコースを希望された方には動画を用いた運動指導をすることもあります。現在は運動指導した後のフォロー体制がまだ整っていないですが、今後フォロー体制を強化するので、その際に活用させていただこうと考えています。
Q「実際に導入してどんなメリットや効果が出ているのでしょうか?」
① 運動療法に関してスタッフ間の共通言語が作れる
スタッフの数が多いと、各運動メニューに対してどのような運動かという理解がスタッフ間でもズレがあると思います。(倉敷中央病院さんはリハビリスタッフが125人在籍)
そのため、リハサクの運動メニューがスタッフ間での運動療法の共通言語として使えるので、例えば、「ヒップリフト」といえばこのような運動だよねという共通理解ができるので助かっています。
② 学習ツールとして活用し、運動療法の引き出しが増える
急性期病院だと、ベッドからの離床が多くなり、疾患へのリスク管理・離床までのアプローチに対しての勉強が主になってしまいます。
そのため、離床後の運動療法を提供することが苦手なスタッフもいましたが、リハサクでは運動療法の種類がたくさんあるので、学習ツールとしてもスタッフの知識が上がり、運動療法を提供する際の引き出しが増えました。
③ 正しい方法で自主トレを実施してもらえる
手書きの自主トレメニューや口頭で指導させてもらうこともありましたが、次回のリハビリに来てもらった際に確認すると、違うやり方の運動をおこなっていたり、うまく伝わっていないこともありどうしようかなと悩んでいました。
そこにリハサクを使って自主トレメニューをお渡しすると、患者さんからは「分かりやすい」と言ってもらえます。中には、退院後、初回の外来リハビリ時には自主トレメニューを持ってきてくれる患者様もいますが、結構ボロボロになっており、大事に使って運動してくれているんだなと実感しています。
④ 自由に運動メニューをカスタマイズ出来るので資料作成の手間を省くことが出来る
リハサク導入前は、自主トレメニューのパンフレットや手書きで自主トレメニューを作成したものをお渡しして、自宅や入院中におこなってもらうよう指導していました。
作成した自主トレメニューのパンフレットはストックしていましたが、患者様個人に合わせた自主トレメニューをカスタマイズして提供するのには時間がかかっていました。
⑤ 退院時リハビリテーション指導時にも活用
退院時リハビリテーション指導の際に、患者様やその家族様へのご説明時に印刷の自主トレメニューを活用させていただいています。
紙でしっかりお渡しすることにより、患者様やその家族様の理解度が深まり、満足度にも繋がっています。
Q「最後に、どんな人(施設)にリハサクをおすすめしたいでしょうか?」
大きい病院だと患者様やスタッフも多いですが、患者様の自主トレメニューの資料を作る時間をスタッフ一人一人が削減できるとより多くの時間が生まれますし、スタッフ同士の運動療法の共通言語、共通理解ができるので、大きな病院でも導入していくことでかなりメリットがあるのではないかなと思います。
「山本先生、本日はお忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました!」