電子カルテとオーダリングの違いは?関係性やメリットなどを解説

更新日 2024.04.09
投稿者:豊田 裕史

現在では医療現場での業務効率化のために、多くの病院で紙のカルテから電子カルテへ移行する流れになっています。また、オーダリングシステムを共に導入している病院も少なくないでしょう。

こういったシステムを導入したいけれど、電子カルテとオーダリングの違いや関係性が理解できず、導入に踏み切れないと感じている方も多いでのはないでしょうか。

本記事では電子カルテとオーダリングシステムの違いから、導入することのメリットに加えて、オーダリング機能をもつおすすめの電子カルテメーカーを8つご紹介します。

電子カルテやオーダリングシステム導入の参考になれば幸いです。

電子カルテ選びの専門知識・時間がない方

コンシェルジュが代わりに探してご案内します!

業界に精通したコンシェルジュが、希望条件をお伺いし、ピッタリな製品・メーカーをご案内。時短&手間ナシで情報収集が可能です。相場観や補助金情報などのご質問にもお答えします。

電子カルテとオーダリングシステムの違い

電子カルテは患者の個人情報や診療内容をまとめたもののことを指し、オーダリングシステムとは診療後の指示を、連携しているシステムや機器を通じて関係部署に伝達できるシステムのことを言います。順に詳しく解説します。

電子カルテとは?

そもそもカルテとは医師が患者の個人情報や病名、主な症状やそれに対する治療方法、診療を行った月日を記載してまとめるものです。かつては紙媒体でカルテを作成していました。 電子カルテはカルテをパソコンから入力しデータで管理できるようにしたもので、患者の診療情報を一括でチェックすることができます。

オーダリングシステムとは?

オーダリングシステムとは、医師が診療の他に採血や傷の処置、薬の処方などの指示を、連携しているシステムや機器などに電子情報で知らせるシステムのことです。 従来は医師と関係部署とのやりとりには、紙に書いてクラークに運んでもらう手間がかかっていました。オーダリングシステムを活用すると紙が必要なくなりパソコンを使用して指示を出したり、医師からの指示を確認したりすることができます。

電子カルテとオーダリングシステムの関係性

電子カルテやオーダリングシステムもHIS(病院情報システム)に含まれています。 しかし、すべての電子カルテにオーダリング機能がついている訳ではありません。 電子カルテとオーダリングシステムの関係性は大きく分けて2種類に分けられます。 電子カルテとオーダリングシステムが一緒になっているものと、別々のアプリケーションとして分かれているものがあります。 電子カルテの1機能としてオーダリング機能がついているもの(一体型)もあれば、オーダリングシステムを土台として、必要に応じて電子カルテのソフトを乗っけるパターン(分別型)もあるということを理解しておきましょう。

オーダリングシステムのメリット

ここからはオーダリングシステムのさまざまなメリットについてお伝えします。

医師の指示出しが楽になる

手書きによる指示出しは時間がかかる上、大きな規模の病院であればあるほど患者数も増え医師の負担がかかってしまいます。 オーダリングシステムを活用して電子化することで、時間短縮になり効率的な指示出しが可能です。 システムによっては、簡単に前回出した指示の再入力できる機能も備わっていて非常に便利です。

院内の情報連携がスムーズになる

リアルタイムでシステムを通じ各部門に指示が行き渡るので、情報連携は非常にスムーズです。 医師からの指示が瞬時に伝達されます。

指示箋の見間違いや紛失の防止

手書きによる指示出しに場合は、時間のない中で指示箋に記入する必要があり乱雑な字になってしまうことがあります。こうなると本来医師が出している指示とは違った情報が伝わってしまうこともあり、薬の投与する量を間違えるなど重大なミスをした場合、患者の命に関わってしまうことも考えられます。 システムに入力する方法であればこういった間違いを防ぐことが可能です。

また、紙の指示箋の場合は医師からスタッフを通じて各部署へ届けている最中に、紛失してしまうリスクも考えられます。オーダリングシステムを活用すればシステムを通じて伝達をするのでこういった心配はありません。

患者の待ち時間短縮

前述したように、システムによっては前回と同じ指示を簡単に再入力できる機能があり大幅な時間短縮が可能です。手書きの場合は何度も同じことを書く必要がありますが、そのような時間を省くことができます。指示を出す時間を短縮することで、医師の負担が軽減される上、患者の待ち時間を減らすことができることは大きなメリットだと言えるでしょう。

電子カルテ選びに迷われている方へ

コンシェルジュが無料希望条件に合う製品・メーカーを代わりに探します

オーダリング機能をもつ電子カルテメーカー8選

ここからはオーダリング機能を備えた電子カルテメーカー8選をご紹介します。各メーカーのメリットや特徴を比較してお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

株式会社ワイズマン|電子カルテシステムER

株式会社ワイズマン

出典:株式会社ワイズマン https://www.wiseman.co.jp/medical/products/er.html

シンプルで使いやすく、操作性の高さが特徴の電子カルテシステムERは、療養型・ケアミックス病院を中心に全国280件を超える導入実績があります。 自由度が高いシステム構成で、さまざまなユーザーのニーズに対応可能です。 カルテ画面は見やすさや使いやすさにこだわり、直感的な操作ができるようカルテ2号紙をイメージした画面構成になっています。また、一つの画面に情報が集約されているので確認したいことをすぐにチェック可能。診療に合わせてカスタマイズもでき、拡張性も備わっています。 オーダーリングシステム単体での導入も可能です。

株式会社ワイズマンの比較ポイント

  • 部門ごとに自由な形態で諸記録のテンプレートが作成できる
  • カレンダー形式でオーダー情報をわかりやすく表示
  • 患者の重要なメモは診療を開始するタイミングで自動的に起動し確認もれを防止

システム概要

会社名 株式会社ワイズマン
製品名 電子カルテシステムER
レセコン 分離型(レセプトコンピュータシステムΣ)
システム形態 パッケージ型

富士通株式会社|HOPE Cloud Chart II

富士通株式会社

出典:富士通株式会社 https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/healthcare/products/cloudchart2/

HOPE Cloud Chart IIはクラウド型の電子カルテシステムです。病院の形態に応じて必要なサービスのみ導入することが可能です。また、利用者ポータルを使用した院内のニーズにもしっかりと対応できます。電子カルテを使いこなすための、最新の機能提供や教育動画を定期的に配信も行っており、操作の習熟度をあげることも可能です。 回線トラブル時には、院内サーバに診療記録を格納できるので、万が一の場合でも診療継続ができます。ハードウェアのバックアップを逐次行っているので、診療データをしっかり保存できることも大きなメリットと言えるでしょう。

富士通株式会社の比較ポイント

  • クラウドサービスならではの充実とアフターサービス
  • 病院形態に合わせて、無駄なく必要なサービスを利用可能
  • 経営ダッシュボードで病院経営を支援

システム概要

会社名 富士通株式会社
製品名 HOPE Cloud Chart II
レセコン 一体型
システム形態 クラウド型

ソフトマックス株式会社|WEB版電子カルテシステム

ソフトマックス株式会社

出典:ソフトマックス株式会社 http://www.s-max.co.jp/ja/Top.html

WEBブラウザで動作する電子カルテシステムです。院内のネットワークに限定した運用方法に加えて、複数の施設間のネットワークを通じて運用することもできます。 クラウド型を構築することも可能で、柔軟な稼働モデルです。一般的な業務フローを支援する機能から、透析機能支援機能など、多様な医療に対応する機能も備わっており、業務の効率化に役立つでしょう。WEB型のオーダリングシステムも同様にWEBブラウザで動作します。他の総合医療情報システムと組み合わせることによりコストパフォーマンスもよく、導入しやすいです。 こちらの電子カルテシステムはオーダリングシステム単体での導入も可能です。

ソフトマックス株式会社の比較ポイント

  • クラウド対応Web型電子カルテで柔軟な運用が可能
  • クラウドバックアップサービスで患者の診療情報を保護
  • PlusUs製品と組み合わせることでコストパフォーマンスも◎

システム概要

会社名 ソフトマックス株式会社
製品名 WEB版電子カルテシステム
レセコン 分離型
システム形態 クラウド型

株式会社医療情報システム|ウェブカルテ

株式会社医療情報システム

出典:株式会社医療情報システム https://webkarte.iryojoho.jp/

見やすさを重視したカルテ画面で、初めての方でも操作しやすいのが特徴です。Do機能を使用することで、過去に入力したデータを複写しながら診療データを入力することも可能です。看護支援機能が充実しており、看護指示や看護記録などの業務に必要な機能をシステム化することで、医療業務の質が上がります。電子カルテと看護支援データベースを一体化したシステムなので、転機作業が不要となる上、業務の効率化になり情報共有も容易になるでしょう。

バイタル一括実施入力などの、診療業務をサポートする便利な機能も備わっています。患者の容態に対応した予測指示をあらかじめ行うIFオーダにより、患者の適切な対応が可能です。

株式会社医療情報システムの比較ポイント

  • 診療情報提供書などの作成時に電子カルテに取り込むことで、効率的な作成を実現
  • 事務業務の効率化で院内の患者の待ち時間を削減
  • ウェブカルテのソフトウェアは買い換えがないのでランニングコスト低減

システム概要

会社名 株式会社医療情報システム
製品名 ウェブカルテ
レセコン HOPE(富士通)、ML-A(ナイス)、ORCAとの連携が可能
システム形態 Web型

ウィーメックス株式会社|精神科病院向け電子カルテシステムLive

ウィーメックス株式会社

出典:ウィーメックス株式会社 https://www.phchd.com/jp/medicom/hospitals/live

精神科病院の医療チームに必要な機能が備わっていることが特徴の電子カルテシステムです。簡単な操作が可能で、非常勤スタッフや新人の職員でも直感的に操作することができます。 精神科医療特有の文章の指示や文章中心のカルテ記載に対応しており、診療後に患者への治療方針などの共有も可能です。 また、精神科病院向けの文例と帳票を標準搭載しています。各提出書類の文例及び作成支援機能も備えており、効率的に関係書類を仕上げることもできるでしょう。

ウィーメックス株式会社の比較ポイント

  • 精神病院向けの充実した機能
  • 拡張性の広い快適で安心のシステム
  • 精神病院特有の文例や帳票を標準搭載

システム概要

会社名 ウィーメックス株式会社
製品名 精神科病院向け電子カルテシステムLive
レセコン 分離型
システム形態 クラウド型

株式会社エイトス|AHIS

株式会社エイトス

出典:株式会社エイトス https://ahis.aits.jp/

中小病院向けのクラウド型電子カルテです。業務が楽しいと思えるような誰にでも使いやすいようにドラッグ&ドロップ操作に対応していてスムーズなカルテ入力が可能です。 ユーザーの細かな要望に対応するためのカスタマイズにも柔軟に対応しており、医師や各部門の業務の効率化を図る機能を標準搭載しています。 月額217,800円から利用できるクラウドサービスで、初期費用や保守に関わるコストを削減可能です。今使用している端末をそのまま利用できるので、新たな機器を導入する必要がありません。

株式会社エイトスの比較ポイント

  • オールインワンの電子カルテとして多くの機能を標準提供
  • 日医標準レセプトORCAと連携して会計業務を低コストかつ効率化を実現
  • 初期費用や保守に係わる費用を削減

システム概要

会社名 株式会社エイトス
製品名 AHIS
レセコン 日医標準レセプトORCAと連携
システム形態 クラウド型

NEC株式会社|MegaOak-MI・RA・Is/AZ

NEC株式会社

出典:NEC株式会社 https://jpn.nec.com/medical_healthcare/solution/az/index.html?

幅広い機能を搭載し、医療機関のニーズへ柔軟に対応した電子カルテシステムです。クリティカルパス機能やレジオンオーダ機能などを使用して、複雑化する問題を支えます。 また、医療チームの目的に合わせたカルテ管理が可能なコミューニケーションフォルダ機能があり、カルテを添付したメールなどをしっかりと管理できます。 入院〜退院までの看護経過を「管理・現場」の画面でサポートし、経過記録機能や看護業務照会機能で視覚的に現状を把握することも可能です。

NEC株式会社の比較ポイント

  • さまざまな問題が複雑化、多様化する現場に最適な機能を幅広く搭載
  • 基本の機能からオプションまで豊富なオーダリング機能を用意
  • 経過記録の入力は定型文から選択も可能

システム概要

会社名 NEC株式会社
製品名 MegaOar-MI・RA・Is/AZ
レセコン 分離型
システム形態 パッケージ型

株式会社ライブワークス|Wing

株式会社ライブワークス

出典:株式会社ライブワークス https://www.liveworks.co.jp/wing

Wing (ウィング) は、一般、療養病院向けに開発された電子カルテシステムです。 病院基幹業務の統合パッケージで、病院の運用に必須な機能に加えて、業務を効率化する機能もオールインワンで備わっています。 最新のWeb技術により誰でも簡単に扱うことのできる操作性を兼ね備え、新しい時代に対応した電子カルテシステムと言えるでしょう。 また、医療法人内にある病院以外の施設の利用はもちろん、訪問診療や訪問看護といった施設外からの利用にも対応しています。

株式会社ライブワークスの比較ポイント

  • 小規模病院から大規模病院まで全国で多くの導入実績
  • Windows、Mac問わずさまざまなOSで利用可能
  • システムの拡張性があり、さまざまな部門のシステムと連携が可能

システム概要

会社名 株式会社ライブワークス
製品名 Wing
レセコン 要問合せ
システム形態 クラウド

まとめ

本記事では電子カルテとオーダリングシステムの違いや関係性やおすすめの電子カルテシステム8つをご紹介しました。オーダリングシステムを導入することで、医師からのシステムを正しく各部門へ伝えることができることと共に、素早い情報共有が可能になります。医師や看護師の業務効率化になるだけでなく、患者が診療を待つ時間の短縮にも繋がるため各方面に大きなメリットがあると言えるでしょう。

さまざまなオーダリングシステム機能を備えた電子カルテメーカーがありますが、ご紹介したおすすめの電子カルテメーカーそれぞれの特徴を理解し、各施設に合った商品を選んでみてください。

電子カルテについては【2023最新】電子カルテ徹底比較|選び方やおすすめメーカーまででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

電子カルテ選びの専門知識・時間がない方

コンシェルジュが代わりに探してご案内します!

業界に精通したコンシェルジュが、希望条件をお伺いし、ピッタリな製品・メーカーをご案内。時短&手間ナシで情報収集が可能です。相場観や補助金情報などのご質問にもお答えします。

中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

関連記事

PAGE TOP