自動釣銭機を導入するメリット・デメリット

更新日 2024.04.09
投稿者:豊田 裕史

スーパーやコンビニで見かけることが増えた自動釣銭機。スタッフの業務負荷を軽減することや、衛生面での効果もあることから、クリニックや病院でも導入が進んでいます。

では、自動釣銭機を導入することで、どのような課題が解決できるのでしょうか。

この記事では、自動釣銭機のメリットとデメリットについて分かりやすく解説します。導入を検討する方は是非参考にしてください。

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目次

自動釣銭機とは?

自動釣銭機とは自動でお釣りを計算し、顧客に現金を排出してくれる機械のことです。また、「お釣りの計算間違いがなくなる」「店員が現金を扱わずに済むため衛生的にも良い」などの理由から様々な業態で導入が進められています。

主な特徴は以下の2点です。それでは具体的に見ていきましょう。

お金を自動的に数えて収納してくれる

これまでのレジは、お釣りを手動で計算していました。

その際、お釣りの計算などがスタッフの負担になってしまいます。顧客の少ない時間では問題なく行える作業ですが、忙しくなると手間になるため、スタッフのミスにも繋がるでしょう。

その点、自動釣銭機はお金を投入すると自動的に現金を収納してくれます。そのため、スタッフの業務負荷が下がり、ミスを減らすことが可能です。

また、お釣りを渡す際に必要になるのが、釣銭の準備や補充といった作業です。

「気づいたら釣銭がなくて、焦った」という経験はありがちですが、自動釣銭機ではお釣りの残高も確認しやすいため、釣銭切れのトラブルは少なくなります。

POSとの連携で従業員が計算する手間がなくなる

自動釣銭機では、POSとの連携も可能です。

POSと連携することで、機械がお金の計算を全て行うようになります。データも蓄積されるため、スタッフは会計の計算業務や記録をつける作業から解放されるのは大きな魅力です。

これまではレジ打ちに慣れていないスタッフの場合、お釣りの計算に時間がかかっていました。

また、1人で計算できるようになるまで長い時間がかかるため、教育係を付き添わせる必要もあったのです。

自動釣銭機ではミスなく機械がお金の計算を行うため、慣れていない人でも簡単に操作が行えます。

教育係の負担も減り、効率的な店舗運営を実現することができるでしょう。

自動釣銭機導入のメリットとデメリット

お金を自動で計算してくれる自動釣銭機には様々なメリットがあります。ただ、メリットがある一方でデメリットもあるため、気をつけなくてはなりません。

ここでは、具体的なメリットとデメリットについて見ていきましょう。

自動釣銭機導入のメリット

自動釣銭機を導入することで、スタッフ、顧客、店舗運営、全ての立場の人にメリットがあります。主なメリットは、以下の4点です。

①会計時間の短縮により顧客満足度向上

会計で店員がお釣りを出すのに時間がかかると、行列が発生することがあります。行列で待ってるお客がイライラした結果、顧客満足度が下がることはよくあることです。

自動釣銭機はお金を投入すると機械が素早くお釣りを計算します。そのため、人の手でレジを打つよりも会計作業がスピードアップします。

とくに病院では会計するまでの処理が複雑なため、待ち時間が長くなりがちです。最後のレジ会計でも時間がかかると、疲れているお客は不満を抱きやすくなります。

最後のレジ会計がスムーズに行えれば不満は少なくなるため、自動釣銭機の導入で顧客満足度を向上できると言えるでしょう。

②現金を正確に授受する為会計ミスを0に

お釣りを多く渡したり、少なく渡したりするミスはありがちです。また、お金関係のミスはトラブルに繋がります。

その点、自動釣銭機によってお釣りの間違いが発生しなくなるのは大きな魅力と言えるでしょう。

自動釣銭機を導入するとお釣りが正確になるため、顧客の不満になる要素を一つ潰すことが可能です。また、クレームがなくなることで、スタッフの心理的な負荷も軽減されます。

③従業員が直接現金に触ることがないため感染症対策にも有効

感染症対策の基本は人との接触を少なくすることです。従来のレジでは、釣銭の授受のタイミングでスタッフと顧客の距離が接触する必要がありました。

自動釣銭機を導入すると、お釣りは機械から自動的に排出されます。店員とスタッフの接触機会がなくなるため、感染症対策に繋がると言えるでしょう。

また、現金は不特定多数の人の手に触れるため、衛生面でよくありません。自動釣銭機ではスタッフが現金を触る機会が少なくなります。そのため、従業員保護という観点でも効果があります。衛生面に厳しい病院やクリニックではより自動釣銭機のメリットが大きくなると言えるでしょう。

④レジ締作業の短縮

自動釣銭機では現金を正確に処理できます。そのため、レジ締めのときに間違いがほとんど発生しません。

これまでのレジ締めの業務で料金の間違いがあると、原因を追求して対処法を考える必要がありました。そして営業時間が終わった後もスタッフはなかなか帰れないため、多くの残業代が発生します。

自動釣銭機では会計の時のミスがなく、残業代の削減や労働時間削減によるスタッフの疲労軽減に繋がります。

自動釣銭機導入のデメリット

自動かつ正確に会計を行う自動釣銭機ですが、導入する店舗によってはデメリットも存在します。

ここでは、自動釣銭機を導入する際に把握しておきたいデメリットを解説します。

①初期費用・ランニングコストがかかる

まず、大きなデメリットとしては初期投資費用が掛かってしまうことです。

初期費用で、30〜100万円ほどは最低でも必要になります。さらに、付帯設備やPOSシステムも導入すると追加で費用がかかります。どうしても最初に出費が増えてしまうのはデメリットとして押さえておく必要があるでしょう。

また、自動釣銭機は各メーカーごとの特徴が様々であり、機器選定の時間や手間も必要です。さらに、自動釣銭機はネットワークシステムを利用するため、ランニングコストもかかります。

このように、自動釣銭機は長期的に見ると費用面でのメリットは大きくなりますが、短期的に見ると初期投資が大きくなりがちです。

投資対効果を数年スパンでシミュレーションした上で導入するようにしましょう。

②設置スペースをとる

これまでのレジは狭いスペースにも設置できました。バーカウンターの上や棚の上の限られたスペースに置くことができたため、設置場所に関する心配は必要なかったのです。

しかし、自動釣銭機の場合には複雑な機能が付帯しており、有人レジよりもサイズが大きい特徴があります。

約480㎜×530㎜×150㎜ほどのスペースが必須となり、有人レジのスペースに置こうとするとスペースが足りない可能性も出てきます。加えて電源線も必要です。

取り合いが重要になってくるため、導入する前にスペースを検討しておかなければなりません。建物の内装工事が必要になる可能性があり、慎重に検討することが重要です。

③従業員・顧客が操作に慣れるまで時間がかかる

自動釣銭機はできることが多い代わりに、通常の有人レジよりも操作が複雑です。そのため、従業員が操作方法を覚えるまでは時間がかかる可能性があります。

また、市場に導入されてからの歴史が浅く、操作を知らない方もいます。顧客側が慣れていないため、会計に時間がかかるかもしれません。

自動釣銭機にサポート機能がついている場合もありますが、うまくいかないリスクをはらんでいます。

まとめ

自動釣銭機は、お店・スタッフ・お客の3者にメリットがあります。短期的には初期費用や設置スペースなどにおいてデメリットもありますが、長期的に見ると導入するメリットの方が大きいと言えるでしょう。

お店の状態を見ながら、数年間のスパンで費用対効果を検証するようにしましょう。

自動釣銭機については【2023年版】自動釣銭機メーカー11社比較|価格や機能、運用方法を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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