自動釣銭機は、現金の入出金を自動で行うことができる機械で、POSシステムと連携させて使います。様々な業界で人手不足が問題になっており、業務効率化の観点で自動釣銭機の導入を検討する施設が増えています。
今回は、自動釣銭機の運用方法や期待される効果・おすすめのメーカーを紹介しています。自動釣銭機やセミセルフレジに関心のある方は参考にしてください。
目次
自動釣銭機導入によって得られるメリットは下記の通りです。
自動釣銭機のメリットやデメリットについては、自動釣銭機を導入するメリット・デメリット」で詳しく取り上げています。参考にしてください。
自動釣銭機を導入する際のポイント、具体的な選び方を見ていきましょう。
自動釣銭機導入後は3パターンの運用方法があります。 事前に運用方法をメーカーやベンダーに相談しましょう。
バーコード読み取り(会計額の表示)から、お金の投入まですべてお客さん側で行います。レジに人員を割く必要が無くなるので、人件費の削減や業務効率化に一番貢献度の高い運用方法になります。
セミセルフレジはスタッフが商品情報登録を行い、お金の投入のみお客さん側で行う運用方法です。スーパーのレジをイメージしていただくとわかりやすいでしょうか。釣銭間違いの防止に効果があります。
通常のレジと同様に、商品情報登録からお金の投入までスタッフ側で行います。自動釣銭機で行うのでお釣り間違いを防止できるメリットがあります。
自動釣銭機の導入に、POSシステムは必須です。POSレジシステムを導入していない企業は、自動釣銭機連携可能なPOSレジシステムを扱う会社からの導入がオススメです。また、既に導入されている方は現在お使いのPOSレジシステムが自動釣銭機と連携可能か確認しましょう。
また、自動釣銭機の導入にあわせてPOSレジシステムを切り替えることで、POSシステムの月額が無料になるお得なプランを持っている企業などもあります。当サイトではそういった自動釣銭機をお得に導入する情報を持ち合わせており、コンシェルジュが無料で情報提供していますので、ぜひご相談ください。
POSレジについては、【2024】POSレジおすすめ製品を徹底比較|価格や選び方までで詳しく取り上げています。参考にしてください。
自動釣銭機は意外と各製品ごとにサイズ差があり、限られたスペースに設置できないという場合もあります。横幅や奥行、高さなど事前にチェックしましょう。
その他、貨幣部と紙幣部が分離しているタイプ、縦置き可能なタイプなど様々なタイプがあります。
小型の自動釣銭機については、【サイズ早見表つき】おすすめの小型自動釣銭機4選|価格や特徴を比較」でも詳しく取り上げています。ぜひチェックしてみてください。
次におすすめの自動釣銭機のメーカー10社を紹介します。
※前述の通り、自動釣銭機単体で使うことはできず、POSシステム(POSレジ)と連携させて使います。ここで紹介しているメーカーは自動釣銭機メーカーですが、実際にレジを導入する際は、POSレジメーカー経由で自動釣銭機も導入することがが一般的です。
自動釣銭機をお客さん側に向けるセミセルフレジとのセットが特徴となります。 省スペースな上に価格も安価なため、導入も容易です。 さらに煩雑な会計処理をスムーズに行うPOSレジを導入することができます。自動釣銭機はもちろん、電子マネーやバーコード決済などの多彩な決済に対応しています。 自動釣銭機で行う釣り銭の受け取りやキャッシュレス決済での精算ができるので、新型コロナウイルス感染症対策にも効果的です。
株式会社ビジコムの比較ポイント
自動釣銭機付きPOSレジセット
価格 | 827,000円~ |
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サイズ | ー |
取扱金種 | ー |
収納枚数 | ー |
「小型で格安な自動釣銭機ならつりペイ君」が謳い文句の製品となります。セミセルフに最適なので「現金の受け渡しは衛生面で心配」とお考えの方におすすめです。
つりペイ君はこれまでの自動釣銭機と比べ設置面積約 80%と省スペースを実現しているので、狭いカウンターの上など場所を問いません。
小型なのに硬貨の収納量は2倍以上で、補充の頻度も大幅に減ります。業際最安をうたうほど導入コストが低いので、低価格の自動釣銭機の導入を検討中の方におすすめです。
旭精工株式会社の比較ポイント
つりペイ君
価格 | 要問い合わせ |
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サイズ | W452 x D451 x H200mm |
取扱金種 | (硬貨)500円、100円、50円、10円、5円、1円 (紙幣)1万円、5千円、2千円、千円 |
収納枚数 | (硬貨)500円 : 約220枚 100円 :約350枚 50円:約380枚 10円 :約320枚 5円 : 約400枚 1円:約400枚 (紙幣)千円 : 約200枚 |
東芝テックの自動釣銭機「VT-330」の特徴は、カンタンに扱える操作性や機能性です。 セルフで会計を行うお客様でもスムーズに操作が可能で、会計の際に現金の受取りからおつりのお渡しまで流れをスムーズに行えます。
レジメーカーならではの視点で開発されており、POSシステムと親和性の高いキーレス機能やPOSガイダンス機能、硬貨オーバーフロー機能の3つの連動機能も搭載されています。 機器の本体は、業界最小サイズながら大容量なのが特徴です。
東芝テックの比較ポイント
自動釣銭機 VITESE(ヴィッテス) VT-330
価格 | 要お問い合わせ |
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サイズ | 硬貨部 W260 x D530 x H155mm 紙幣部 W220 x D530 x H122mm |
取扱金種 | (硬貨)500円、100円、50円、10円、5円、1円 (紙幣)1万円、5千円、千円 |
収納枚数 | (硬貨)500円:105枚 100円:170枚 50円:120枚 10円:170枚 5円:120枚 1円:170枚 (紙幣)1万円:100枚 5千円:100枚 千円:300枚 |
スマレジは0円から始められるクラウド型POSレジです。グローリー社の自動釣銭機と連携して利用が可能です。必要な機能に応じた複数の料金プランが用意されています。自動釣銭機を毎月一定額で利用できるサブスクリプションプランもあるため、初期費用を抑えたい方にもおすすめです。医療機関で導入する場合、電子カルテ・レセコンとも連携可能なため、会計業務の効率化と会計ミスの防止につながります。「スマレジのオンライン相談・ショールーム予約はこちら」での導入相談を受け付けていますので、気になる方はご検討ください。
株式会社スマレジの比較ポイント
スマレジ
価格 |
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サイズ | ー |
取扱金種 | ー |
収納枚数 | ー |
歯科・クリニック向けに開発された釣銭機型の自動精算機です。電子カルテやレセコンとの高い連携接続実績を誇ります。歯科・クリニックでの受付・会計業務のスマート化を実現可能です。
クリニックごとの専任担当者を配置し、スムーズな導入から運用方法までそれぞれに最適にカスタマイズした方法を提案してくれるのも魅力です。キャッシュレスやクレジットカード決済にも対応しているので、お客様の満足度が高まるとともに、現金を扱わないことによる釣り銭の間違いを格段に減らせます。
株式会社GENOVAの比較ポイント
ノモカデスク
価格 | 要問い合わせ |
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サイズ | ー |
取扱金種 | ー |
収納枚数 | ー |
日立チャネルソリューションズの自動精算機「セルフォート」はクリニック向けの自動精算機です。初めての方やご高齢の方でも簡単に操作できるように設計されています。2024年7月発行の新貨幣にも対応しております。
日立チャネルソリューションズ株式会社の比較ポイント
セルフォート
価格 | 要問い合わせ |
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サイズ | 560(W)×659(D)×580(H)mm |
取扱金種 | 紙幣部:日本銀行券4金種(出金は万円、五千円、千円の3金種) 貨幣部:国内発行硬貨6金種 |
収納枚数 | ー |
ローレルバンクマシン株式会社のACE-100は銀行ATMのように上から紙幣を投入するタイプのため、紙づまりを未然に防ぐことが可能です。 誤って紙幣入金口に投入されたものがあれば、異物排除機能により受け口へ流される機能もあります。
また、硬貨の入金もスムーズでお客様を待たせることもありません。 LEDランプが入出金の流れをフォローし、視覚的にもわかりやすい操作を実現しており、残留物があった場合にもブザーでお知らせしてくれます。
ローレルバンクマシン株式会社の比較ポイント
紙幣・硬貨釣銭機「ACE-100」
価格 | 要問い合わせ |
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サイズ | 硬貨釣銭機 W220 x D530 x H121.5mm 紙幣釣銭機 W260 x D530 x H121.5mm |
取扱金種 | ー |
収納枚数 | ー |
優れた機能性と高いデザイン性でどんな場所にも溶け込むだけでなく、安心安全に現金管理を行うことが可能です。 コンパクトなボディで操作性も容易なものになっています。
自動で計算して自動で出金するので、現金の数え間違いや受け渡しミスがありません。 レジ締めのスタッフ業務が軽減されます。 セルフレジにはガイドランプが点灯するので、初めてのお客様でも迷わず入金可能です。
富士電機の比較ポイント
ECS-777
価格 | 要問い合わせ |
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サイズ | 硬貨部 W270 x D600 x H130mm 紙幣部 W220 x D600 x H130mm |
取扱金種 | (硬貨)500円、100円、50円、10円、5円、1円 (紙幣)1万円、5千円、2千円、千円 |
収納枚数 | (硬貨)500円:110枚 100円:200枚 50円:120枚 10円:200枚 5円:160枚 1円:170枚 (紙幣)1万円:100枚 5千円:100枚 千円:250枚 回収庫:200枚 |
業界トップクラスの処理速度により、お客様満足度の向上、業務の効率化を実現することができます。同社のホームページよれば、釣銭の出金をスピードアップしており、硬貨であれば業界平均(2.57秒)より約61%短縮、紙幣でも業界平均(2.8秒)以下の出金を実現しています。紙幣の大量投入量も業界トップクラスです。
入出金のステータスをランプで表示してくれるほか、紙幣部と硬貨部センサーのセルフクリーニングもしてくれます。オートリセット(自己排出機能)により、硬貨・紙幣が詰まっても装置をあけずに自己復旧し、装置を開けずにリジェクト紙幣を回収可能です。
沖電気工業株式会社の比較ポイント
硬貨紙幣つり銭機 CR-20シリーズ
価格 | 要問い合わせ |
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サイズ | W490 x D570 x H135mm |
取扱金種 | (硬貨)500円、100円、50円、10円、5円、1円 (紙幣)1万円、5千円、2千円、千円 |
収納枚数 | (硬貨)500円:105枚 100円:160枚 50円:120枚 10円:160枚 5円:120枚 1円:160枚 (紙幣)1万円:100枚 5千円:100枚 千円:250枚 |
「FAL3」は多機能・高性能がポイントです。 紙幣や硬貨の入出金処理スピードは、業界トップクラスの高速処理を誇ります。 処理速度の大幅な向上と高い信頼性を確保しているのが特徴です。
入出金時に手元を自動で照らすほか、紙幣や硬貨などの異物が混入しても検知してくれる安心機能もあります。 さらに自動釣銭機内の現金を自動で数えて、取引履歴と照合することも容易です。
NECの比較ポイント
NEC自動釣銭機FAL3
価格 | 要問い合わせ |
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サイズ | 硬貨部 W253 x D570 x H130mm 紙幣部 W227 x D570 x H130mm |
取扱金種 | (硬貨)500円、100円、50円、10円、5円、1円 (紙幣)1万円、5千円、2千円、千円 |
収納枚数 | (硬貨)500円:110枚 100円:200枚 50円:120枚 10円:200枚 5円:120枚 1円:200枚 (紙幣)1万円:100枚 5千円:100枚 千円:250枚 回収庫:200枚 |
自動釣銭機とはPOSレジ(システム)と連携し、現金の入出金計算を行う機器です。
レジ関係は様々な専門用語が使われており混乱しやすいですが、特によく混同されやすい言葉として「自動精算機」や「POSレジ」がありますが、実は違う意味でつかわれていますので以下で解説します。
自動精算機 | 診察券を読み取るなどして自動で会計情報を取得してお客様に金額を提示し、投入された金額と照合するもの。 |
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自動釣銭機 | POSレジから受け取った会計情報を元に、おつりを自動計算しお客様に渡すもの。 |
POSレジ | 商品情報をバーコードなどで読み取り、会計金額に反映させるもの |
わかりやすく言えば、自動精算機はPOSレジと自動釣銭機の機能を兼ね備えた設備と言えます。
自動釣銭機と混同しやすい「自動精算機」は、おすすめの自動精算機メーカー比較17選|価格やサイズ、選び方までで詳しく取り上げています。参考にしてください。
POSレジについては、【2024】POSレジおすすめ製品を徹底比較|価格や選び方までで詳しく取り上げています。参考にしてください。
自動つり銭機の価格相場は本体価格のみだと30万円~100万円程度になります。こちらはあくまで本体のみの価格になるのでPOSレジの価格や、システム連携の手数料、保守費用なども併せて発生します。
自動釣銭機の価格相場について詳しくは、自動釣銭機の価格はどれくらい?|主要メーカーの参考価格比較」で取り上げています。ぜひチェックしてみてください。
自動釣銭機の導入費用をおさえる方法として「補助金」、「レンタル・リース・サブスク」を紹介します。
自動釣銭機の導入にあたって以下3つの補助金が利用できる場合があります。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業などの製品・サービス開発や生産プロセスなどの改善に必要な費用を支援する制度です。最大で100~750万円の補助金を受け取ることができます。
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が生産性の向上を目的として、ITツールを導入する場合に対して給付される助成金です。POSシステムを合わせて導入することが条件になります。
業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者などが、生産性向上のための設備の導入と事業場内の最低賃金の引き上げを満たした場合に、設備投資費用の一部が助成される制度です。
自動釣銭機の補助金・助成金について詳しくは、自動精算機・釣銭機導入時に利用したい補助金7選|申請フローも解説」で取り上げています。ぜひチェックしてみてください。
自動釣銭機の導入においてもレンタルやリース、サブスクプランが利用できます。
まずはレンタルとリースの違いについて解説していきます。主な違いは次の表のとおりです。
会計上の資産計上、減価償却 | 途中解約 | |
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リース | 借り受け側 | 不可 |
レンタル | レンタル会社 | 可能 |
両方とも導入時に多額の現金持ち出しをしなくて済むので、資金繰りの面では一括購入に比べてメリットがあります。
ただし、リースやレンタルの費用を長期間支払うと、最初に購入した金額を越えてしまうこともあります。初期費用を安く抑えるか、新しく購入するか、資金の状況とあわせてよく比較検討しましょう。
サブスクプランは初期費用無料で月額25,000円~30,000円程度を支払うお得なプランがあります。
自動釣銭機のリースやレンタルについては、自動釣銭機のレンタル・リースについてわかりやすく解説|サブスクも紹介」でも詳しく取り上げています。参考にしてください。
自動釣銭機を導入する効果は大きく、現金受け渡しのミスを防止することによる会計時間の短縮・レジ締め作業の時間短縮のメリットは非常に大きいと言えます。自動釣銭機によって業務を効率化することで人材費の削減にも効果を発揮するでしょう。
また、現金を扱わないセキュリティ面や新型コロナウイルス感染症対策といった衛生面の向上にも非常に魅力的です。導入の際には国の補助金やリースなど有利な方法を活用することができます。
この記事がクリニックのニーズに合った自動釣銭機を導入する判断材料となり、効率的なクリニック経営を行う上でも参考となれば幸いです。