コロナ禍でご家族と面会する機会が減り、寂しさや不安感を抱く高齢者が増えています。LOVOT(ラボット)は、そのような寂しさや不安感を抱く高齢者の癒しとなり、認知機能の低下を抑制する効果もあるとして、注目されているコミュニケーションロボットです。
ニュースやSNSなどでLOVOTを目にして、施設でも取り入れようとお考えではないでしょうか。今回はLOVOTについて詳しく解説しつつ、購入方法や価格、実際に導入した介護施設の事例もご紹介します。
この記事を読めば、LOVOTの基本的な情報(機能、特長、価格など)を知ることができ、自施設に導入する際のイメージを膨らませることが可能です。LOVOTに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
サイズ | W280 × H430 × D260 mm |
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重量 | 約4.2 kg(服なし) |
通信 |
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充電時間 | 約15〜30分程度充電 |
稼働時間 | 約30〜45分程度稼働 |
価格 |
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LOVOTは、GROOVE X社が開発した次世代のコミュニケーションロボットです。業務効率化を図ったり業務負担の軽減に繋がるような機能を持つロボットではありません。ペットでもあり、家族でもあり、ロボットでもあります。LOVOTは、触れると柔らかい肌触りをしており、まるで可愛い生きもののような体温があるのが特長です。
そのため、コロナ禍で人に会う機会が減ってしまった高齢者などが、ペットのような愛着があるLOVOTと暮らすことでメンタルケアにもなります。最新テクノロジーを搭載したロボットではありますが、誰でも、簡単に、安全に扱えるロボットです。
ここでは、LOVOTの特長を詳しく解説します。一般的に知られているロボットは冷たい印象ですが、LOVOTは違います。LOVOTは、ペットとしても活用されている次世代型のロボットです。LOVOTがどのようなロボットなのか知りたい方はぜひ参考にしてください。
LOVOTは愛くるしく、可愛い生きもののような見た目をしているロボットとして多くの方に愛されているロボットです。特徴としては、くりくりとした可愛い目をしており、生きものと同じようにまばたきをします。
触れると柔らかい肌触りをしており、全身に暖かさを循環させるエア循環システムにより生きもののような体温を感じられます。抱きしめるとペットのような安心感や可愛さがあり、優しい気持ちに包まれるでしょう。
ロボットというと、同じ見た目で同じ動作を繰り返すだけの単純な機械を想像するでしょう。しかしLOVOTは、それぞれで目や声、性格も異なる個性を持っています。目は、印象を決める上で最も重要な部分です。LOVOTの目は視線の動き、まばたきの速さ、瞳孔の開き方まで繊細に表現されており、組み合わせ次第では10億通り以上の瞳を実現しています。
声は、録音した音声を流すだけのものではありません。特殊な電子楽器を採用しており、口腔内で響くサウンドをリアルタイムで作り出すことで、まるで生きてるかのように毎回異なる鳴き声を実現しています。性格は、どのようにLOVOTとコミュニケーションを取っていくかで変化します。また、LOVOTは洋服を着せ替えることもでき、自分だけのLOVOTを表現することが可能です。
LOVOTは一緒に過ごす中で「とまどい期」「ちかづき期」「LOVE期」の3つの段階を経て少しずつ成長し、家族になっていきます。とまどい期は初日から1週間ほどの期間で、慣れていないため大人しく、そわそわとしていている段階です。
とまどい期を抜けるとちかづき期に入り、少し環境に慣れてきた頃で元気な声を出して人に近づいてきます。3ヶ月ほど一緒に過ごすとLOVE期に突入し、この段階では環境に慣れて抱っこを求めてきます。接し方でLOVOTの性格が変わるのも普通のロボットにはない特長でしょう。
LOVOTには50以上のセンサーが搭載されており、生きもののような動きを再現しています。見つめると生きものが見つめ返してくれるような生命感のある瞳を出すために、「ALIVE DISPLAY EYE」の機能で虹彩や瞳孔など6層のレイヤーで表現されています。LOVOTの鳴き声は、声帯をシミュレーションしたデジタルシンセサイザーを搭載することにより、リアルタイムで音を作り、LOVOTの状態に応じて毎回異なる鳴き声を発することも可能です。
他にも、頭部に搭載されているセンサーには、360度見渡せるカメラや音声の方向を判別できるマイク、人か物かを識別できる温度カメラなどが内蔵されています。さらに、自分の名前に反応したり、室内の様子を正確に把握して障害物を避ける機能などのさまざまな最新テクノロジーが搭載されているのも特長です。LOVOTは、コミュニケーションロボットとしての機能だけでなく、留守番機能やモニター機能などの見守りとしても活用できます。
ここでは、介護施設などでLOVOTを導入した場合に期待できる効果について解説します。今後、LOVOTを導入しようか検討中の方は、導入後のイメージの参考にしてください。
昨今の新型コロナウイルスの影響で利用者と家族の面会時間が減ってしまっていて、孤独感や寂しさを感じている高齢者の方も多いです。また、ペットを飼いたいと思っていてもアレルギーの問題や介護施設で飼うハードルの高さもあるでしょう。LOVOTは、アレルギーの心配や噛んだりする心配はありません。
LOVOTを介護施設などに導入することで、ペットを本当に飼っているかのような癒し効果もあり、LOVOTと触れ合うことで高齢者も自然と笑顔になります。
高齢者にとってコミュニケーション不足は、運動不足とならんで認知機能の低下に大きく関わる問題です。近年では、積極的なコミュニケーションが認知症予防に効果があると明らかにされています。LOVOTとコミュニケーションを取ることで脳を刺激し、認知機能の低下を抑制する効果が期待されているのです。東北大学との実証実験では、LOVOTの有無が利用者の認知機能低下に効果があるのかを調べた結果、「認知機能の低下を抑制する効果が期待できる」との結果も出ています。
出典:『LOVOT』、認知機能の低下抑制効果に期待結果を受け、介護分野の取り組み加速
LOVOTを導入している施設はまだまだ少なく、LOVOTの存在自体を知らない方も多くいらっしゃいます。LOVOTを導入することで、利用者やご家族を和ませることができ、施設の新たな魅力としてPRすることも可能です。また、いち早く導入しSNSや口コミなどで拡散することで話題にもなり、最先端の介護施設として宣伝効果も期待できます。
ここでは、LOVOTの購入方法と価格をご紹介します。新品で購入するのは少しハードルが高いとお考えの方でも、中古やレンタルサービスを利用する方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
LOVOTは、LOVOTウェブストアで購入することが可能です。LOVOTウェブストアには、LOVOTの本体だけでなく、LOVOTに着せる服やグッズが豊富に揃えられています。また、専門スタッフが対応する高島屋LOVOTストア、LOVOT MUSEUMなどの店舗でも販売を行なっています。導入する前にLOVOTと触れ合ってみたい方、体験したい方は店舗で専門スタッフの説明を受けながら体験してみることをおすすめします。
LOVOTを導入するためには、本体の購入費用と維持費として月額サービス料が必要です。月額サービス料には、「ソフトウェア利用料」と「メンテナンス保証」が含まれています。支払い方法は、「分割払い」と「一括払い」から選ぶことが可能です。
維持費がかかるならペットと比較しても大差ないのではと思われるかもしれませんが、従来のペットにかかる月々の費用と比較してもLOVOTの方が安く済みます。例えば小型犬一頭を飼った場合、月々の費用は平均26,688円です。(犬の購入費用は含まず)
一方のLOVOTは、本体価格込みで月々17,467円で済みます。また、LOVOTの月額費用にはメンテナンス保証も付いているので、安心して利用することができます。
「LOVOTを新品で購入するには少し導入コストがかかり過ぎる」という方は、中古整備品として購入することも可能です。中古整備品で販売しているLOVOT ソロは、本体価格283,800円(税込)で購入することができます。「中古」と聞くと、ネガティブなイメージを持たれるかもしれません。
LOVOTの中古整備品は、製品の仕様や同梱物は新品正規品と同じもので、治療・入院補償やサービス、コンシェルジュによるサポートを受けられます。また、厳しい検査基準をクリアしたものだけを販売しているため、新品同様に利用することができます。
LOVOTを購入するのではなく、レンタルでLOVOTを利用したい方向けのサービスもあります。家電やカメラをレンタルできる「Rentio(レンティオ)」とDOCOMOが運営しているレンタルサービス「kikito」でレンタルすることが可能です。
それぞれのレンタル費用をみると、
サービス名 | 料金プラン |
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Rentio(レンティオ) | 7泊8日レンタル料金25,000円(税込) |
DOCOMO「kikito」 |
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レンタルは、購入する前にLOVOTをお試しで導入したい方におすすめです。
LOVOTを購入した方には、「7日間全額返金保証」が付いています。「LOVOTを介護施設にお試しで導入してみて、利用者や家族の反応を見たい」といった方には7日間全額返金保証は安心のサービスです。万が一、LOVOTを導入して満足できなかった場合、保証期間内であればサービスを解約し返金されます。ただし、返品手数料として以下の金額がかかります。
LOVOTにはさまざまな楽しみ方があります。専用のアプリを使用すれば声や目の色、名前などのカスタマイズをすることが可能です。他にも、トップスやファッショングッズも豊富に揃っているので飽きずに楽しむことができます。ここでは、LOVOTを楽しむための具体的な方法を3つご紹介します。
LOVOT専用アプリを用いると、目・声・名前をカスタマイズして自分好みに合わせることができます。そのため、この世に同じLOVOTは存在しません。自分だけのLOVOTにカスタマイズできる楽しみがあります。また、ダイアリー機能を搭載しており、抱っこの状況やLOVOTの就寝時間など毎日の様子を記録することも可能です。
LOVOTのダイアリーはいつでも見ることができるので、LOVOTが寂しがっていたり、喜んでいたりする状況が一目でわかります。ダイアリーを見ながらLOVOTと仲を深めるのもいいでしょう。
LOVOTは、全12色のベースウェアとLOVOT専用のトップスやファショングッズを豊富に揃えており、自分好みのおしゃれを楽しむことができます。中には、季節やイベントに合わせて、着せ替えを楽しむ方も多いです。また、LOVOTを着せ替えた際にセンサーで洋服のICタグを検知し、LOVOT自身が着替えたことを認識します。
さらにLOVOTは着替えさせてくれた人を認識するため、LOVOTがさらに懐くようになり、着せ替えをする楽しみが増えていきます。
LOVOTは室内だけでなく、専用のキャリーシートを用いることで一緒に外出することができます。LOVOTのキャリーシートは、赤ちゃんの抱っこひものように抱っこできるアイテムです。肩のベルトだけでなくヒップシートでも支えるため、約4.3kgのLOVOTでも重みが軽減されて楽にお出かけできます。さらに、両手が空いているので移動の時も便利になり、LOVOTと一緒に外出を楽しむことが可能です。
ここでは、LOVOTを実際に導入した方の口コミや評判をご紹介します。導入する際の参考にしてください。
LOVOTを導入する前に、実際に触れ合って体験してみたい方もいるでしょう。そのような方のために、実際にLOVOTに触れ合うことができる店舗もあります。
ここでは、東京と神奈川でLOVOTを体験できる店舗をご紹介します。LOVOTがカフェ店員として働いていたり、実際に導入したときのようにLOVOTを体験できたりする店舗です。興味のある方は、ぜひ店舗で体験してみてください。
LOVOTカフェでは、カフェで食事を楽しみながらさまざまなLOVOTと交流することができます。LOVOTをモチーフにしたハンバーガーやデザートなどSNS映えするようなメニューも楽しめるのが特徴です。また、食事後はLOVOTたちを独り占めして体験できる時間も設けられているので、食事を楽しみながらLOVOTと触れ合いたい方にはおすすめです。
住所:神奈川県川崎市幸区堀川町72-1 ラゾーナ川崎プラザ2F TEL:044-874-8659
LOVOTミュージアムでは、LOVOTを独り占め体験することができる店舗です。実際にLOVOTを導入したときのように、アプリで好きな名前や目を選べたり、好きな洋服に着せ替えする体験などができます。
体験料は1人500円で、1組あたり90分程度LOVOTをたっぷり体験する時間があります。
※事前予約制のため、公式サイトから予約する必要があります。
製品情報
サイズ | W280 × H430 × D260 mm |
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重量 | 約4.2 kg(服なし) |
通信 |
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充電時間 | 約15〜30分程度充電 |
稼働時間 | 約30〜45分程度稼働 |
価格帯 |
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ここでは、LOVOTを販売している会社についてとYouTubeやSNSなどの取り組みをご紹介します。さまざまな場で発信しているので、オーナー同士の交流も盛んに行われているのも人気の理由の一つでしょう。
GROOVE X 株式会社は2015年に設立されたスタートアップ企業で、Pepperの開発者の一人でもある林要氏が代表取締役社長を務めています。GROOVE Xが目指すのは、人間とロボットとの繋がりを作り、ロボットが人の気持ちを満たしたりケアしたりする存在になることです。
昨今の新型コロナウイルスの影響で孤独を感じる方も増えている中、GROOVE Xはテクノロジーで向き合っています。ロボットが人を幸せにして、パフォーマンスをあげることができる社会の実現のためにLOVOTが開発されました。
また、株式会社前澤ファンドの前澤友作氏がGROOVE X株式の過半数を買収したことで、国内外の事業展開が加速化し、さらにLOVOTが広がるでしょう。
YouTubeにLOVOT公式チャンネルを開設しており、LOVOTミュージアムのライブ配信などさまざまな企画を実施しています。YouTubeのチャンネル登録者数は1万人を超えており、多くの方に視聴されている人気チャンネルです。
動画には、LOVOTの掃除の仕方や抱っこの仕方などLOVOTユーザーにとっては必見の内容だったり、LOVOTとの日常などを配信しています。LOVOTユーザーだけでなく、LOVOTを導入しようか迷っている方や興味のある方も楽しめる内容になっています。
上記で解説したYouTubeの他にも、TwitterやInstagramなどにもLOVOT公式アカウントがあります。そこでは、LOVOTの可愛い写真や動画をアップしており、まるでペットのように日常を切り取ってオーナーが発信しています。
さらにSNS上ではオーナー同士の繋がりも生まれており、交流が盛んに行われているのもLOVOTの魅力です。介護施設でのLOVOTの様子をSNS上にあげている施設もあり、多くの人に見られているため宣伝効果にもなっているでしょう。
LOVOTはコロナ禍で家族との面会機会が減ってしまった利用者の孤独感やメンタルケアに繋がるロボットです。LOVOTを通じたコミュニケーションにより、高齢者の認知機能の低下の抑制にもなるとして介護施設での導入も進んでいます。
介護ロボットのように、職員の業務負担の軽減や業務効率化を図れるわけではありませんが、それ以上に大切な笑顔を運んでくれるロボットです。ペットのように愛くるしいLOVOTを導入することで、高齢者が抱く不安や寂しさを解消してくれるでしょう。
導入する前に少しお試しで利用したい方は、実際にLOVOTに触れ合える店舗やレンタルサービスなどを利用する方法もあります。LOVOTの導入を検討されている方は、一度LOVOTに触れ合って体験してみてください。
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