コミュニケーションロボットで介護予防|商品や導入事例を紹介

投稿日 2022.06.09 / 更新日 2022.08.18
投稿者:豊田 裕史

病院や施設で導入されることが増えているコミュニケーションロボットをご存じでしょうか?コミュニケーションロボットは、言葉や状況を理解して、適切な返答や動作をするコミュニケーションに特化したロボットです。

今回の記事では、介護ロボットの基礎知識やコミュニケーションロボットによる介護予防の効果、すでに導入している方の声などを紹介します。コミュニケーションロボットができないことについても解説しているので、導入を検討している方はぜひご覧ください。

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介護ロボットの基礎知識

介護ロボットは、厚生労働省によると「ロボット技術が応用され利用者の自立支援や介護者の負担の軽減に役立つ介護機器」と定義されています。具体例としては、移乗動作をアシストする装着型パワーアシストや、認知症の方を見守る見守りセンサーなどの機器です。

出典:介護ロボットの開発・普及の促進|厚生労働省

近年、技術の発達とともに介護ロボットの用途が広がり、導入する病院や介護施設などが増えてきています。

介護ロボットが注目されている理由

介護ロボットが注目されている理由は、日本の介護人材が不足していることが影響しています。日本では、少子高齢化が進んでおり、介護が必要な方の数に対して、介護する人材が慢性的に足りていません。

また、内閣府の報告では、日本の高齢化は2042年にピークを迎えると予測されており、現在よりもさらに介護人材が足りなくなる可能性があります。より厳しさを増す介護業界の人材不足を打開する手段として、介護ロボットが注目されているわけです。実際に介護ロボットの導入を進めて、業務負担の軽減に貢献している施設もあります。

介護ロボットの機能は職員の業務負担を軽減させたり、利用者の生活を支援したりするだけではありません。利用者とコミュニケーションをおこなう「コミュニケーションロボット」といわれる介護ロボットも存在します。コミュニケーションロボットは、人の言葉を理解してコミュニケーションをとれるため、高齢者の新たなレクリエーションにつながる可能性を秘めているロボットです。

コミュニケーションロボットによる介護予防の効果

介護予防としてよく運動が勧められていますが、コミュニケーションにも介護予防の効果が期待できます。コミュニケーションによる介護予防の効果は、次の3つです。

  • ①認知症、物忘れ防止
  • ②施設の雰囲気が明るくなる
  • ③利用者の癒やし

①認知症、物忘れ防止

脳の働きが低下して発症する認知症や物忘れの防止に、コミュニケーションが重要だとされています。なぜ、コミュニケーションが認知症や物忘れの防止になるのかというと、コミュニケーションによって脳が刺激されるからです。

コミュニケーションは、相手の発言を理解したり、状況にあわせた返答をしたりと、認知力や共感力などが求められます。そのため、コミュニケーションをおこなうと、自然と脳が刺激されて働きが衰えにくくなり、認知症や物忘れの防止になると考えられているのです。また、社会的なコミュニケーションが少ないと認知症になるリスクが高くなるという研究報告もあります。

出典:Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission

コミュニケーションロボットは、人の言葉や動作を理解して、状況にあわせた反応をとってくれるロボットです。つまり、利用者の話し相手となり、コミュニケーションをおこなってくれます。病院や介護施設での生活が長くなると、なかなかコミュニケーションをとらなくなってくる方もいるでしょう。また、人間相手では相手に嫌われたくないと思ったり、何を話したらよいかわからなかったりして、コミュニケーションに消極的な方がいるかもしれません。コミュニケーションロボットであれば、人間ではなくロボットだからこそ、気楽にコミュニケーションをとれるでしょう。

一昔前までのコミュニケーションロボットは、機械的に返答をするだけのロボットも多くありました。ですが、最近では会話にあわせて身振りを交えたり、ジョークを言ったりするコミュニケーションロボットも出てきています。

②施設の雰囲気が明るくなる

コミュニケーションロボットで、病院や介護施設の雰囲気が明るくなる効果が期待できます。コミュニケーションロボットは、コミュニケーションをおこなうだけではありません。ダンスを踊ったり、音楽を流したりするロボットや、レクリエーションの司会進行をしてくれるロボットなどがあります。可愛らしい外見のコミュニケーションロボットが、いろいろなことをおこなう様子は、小さな子どものようで、施設の雰囲気を明るくしてくれるでしょう。

また、コミュニケーションロボットを導入することで、患者様や利用者同士のコミュニケーションのきっかけとなるかもしれません。今までつながりのなかった患者様や利用者同士がコミュニケーションをとるようになれば、病院や介護施設の雰囲気がより明るくなります。

③利用者の癒やし

コミュニケーションロボットは、患者様や利用者の癒しになります。コミュニケーションロボットの多くは、可愛らしい外見や動物の外見など、愛嬌のある外見をしているので、まるでペットのようです。病院や介護施設ではなかなかペットを飼ったり、動物と触れ合ったりできません。そのため、コミュニケーションロボットがペットの代わりとなって、患者様や利用者の癒やしとなってくれます。

古くから動物と触れ合うことで、ストレスの緩和や精神的な癒やしの効果があるとされ、アニマルセラピーという手法がおこなわれてきました。近年では、アニマルセラピーをベースとしてロボットを活用したロボットセラピーが考案され、効果が検証されている段階です。今後、より詳しい研究が求められますが、ロボットセラピーで心がやすらいだり、コミュニケーションが活発になったりしたと報告されています。

コミュニケーションロボットが対応できないこと

技術の向上とともに、多くのことができるようになっているコミュニケーションロボットですが、まだ対応できないこともあります。そのため、人間同士でおこなわれるような高度なコミュニケーションを期待してはいけません。

ただし、会話が成立するレベルでのコミュニケーションは可能です。また、人間同士ではなく、ロボット相手だからこそ関係性に利害関係がないため、コミュニケーションで裏切られることがありません。

コミュニケーションロボットの導入を検討する際には、対応できることとできないことを理解して検討しましょう。2022年時点でコミュニケーションロボットが対応できないことは、次の2つです。

  • ①空気を読む
  • ②機転を利かせた返し

①空気を読む

1つ目の対応できないことは、空気を読むことです。人間同士のコミュニケーションでは、その場の雰囲気や相手の表情、身振りなどから、言葉として表現されていないことを読みとっています。

しかし、空気を読むということは非常に高度であり、まだコミュニケーションロボットは対応できていない段階です。一方で、空気を読むコミュニケーションロボットの開発も進められているため、将来的には空気を読むコミュニケーションロボットが登場するかもしれません。

②機転を利かせた返し

2つ目の対応できないことは、機転を利かせた返しをすることです。機転を利かせた返しとは、その場の状況に応じた適切な返答や対応を意味します。人工知能が搭載されているコミュニケーションロボットは、相手の発言をもとに適切な返答が可能です。

しかし、会話の流れや状況を踏まえた言葉や、主語が抜けていたり、省略されていたりする会話は得意ではありません。そのため、人間のような機転を利かせた返しは対応できないことを知っておきましょう。

代表的なコミュニケーションロボットを紹介

コミュニケーションロボットは、各社からさまざまなロボットが販売されています。それぞれ特徴や形状などが異なるため、どのコミュニケーションロボットを選べばよいのか迷ってしまうかもしれません。ここでは、2つの代表的なコミュニケーションロボットを紹介します。

パルロ|富士ソフト株式会社

富士ソフト株式会社

出典:パルロ https://palro.jp/product/business.html

パルロは、富士ソフト株式会社が提供するコミュニケーションロボットです。優れた会話能力が備わっており、人間同士の会話のように速く、テンポのよいスムーズな会話ができます。

また、パルロは記憶能力も優れており、会話を重ねていくことで名前や趣味嗜好、前に話した内容などを記憶することが可能です。記憶した内容を会話のなかに取り入れて提供してくれるので、会話が弾みやすくなるでしょう。

パルロは人型の形状をしており、二足歩行はもちろんのこと、ダンスを踊ることもできます。小さな人型のロボットがさまざまな動きをする様子はとても可愛らしく、見ているだけで自然と笑みがこぼれてしまうでしょう。

ほかにも、パルロにはクイズやゲーム、音楽などのレクリエーション機能が備わっています。レクリエーションを日々おこなうのは、意外に負担が大きい業務です。パルロを導入すれば、レクリエーションの一部をまかせたり、場の雰囲気を明るくしたりしてくれるため、業務負担の軽減につながります。

PALRO ビジネスシリーズ 高齢者福祉施設向けモデルⅢ

サイズ
  • 外形寸法
  • 全高約40㎝
  • 肩幅約18㎝
  • 胴体幅約11㎝
  • 奥行最大約12㎝
  • 腕の長さ約16㎝
  • 脚の長さ約18㎝
重量 約1.8kg
通信
  • 無線LAN IEEE802.11b/g/n対応
  • BluetoothVer.4.0+EDR/LE
充電時間
稼働時間
価格帯
  • 希望レンタル価格 月額30,000円(税込33,000円)(24か月一括ご契約の場合)
  • 希望小売価格 670,000円(税込737,000円)

LOVOT(らぼっと)|GROOVE X株式会社

GROOVE X株式会社

出典:GROOVE X株式会社 https://lovot.life/

LLOVOT(らぼっと)は、GROOVE X株式会社が開発したロボットです。丸みをおびた大きな目を持つLOVOTは、愛くるしい見た目をしています。LOVOTの特徴は、世界最高水準の最新テクノロジーが搭載されていることです。視覚・音声・照度・湿度の4つを感知するセンサーが、部屋の中の様子や人の位置を察知します。

また、LOVOTは事前にプログラムされたとおりに動いているロボットではありません。センサーが検知した情報をリアルタイムで学びながら処理をして、動いています。そのため、触れ合うほどに性格が変わっていき、どんどんなついてくれるのです。

さらに、LOVOTは可愛らしいだけのロボットではなく、離れた場所から子どもや高齢者を見守る機能が備わっています。見守り機能により、LOVOTを通してリアルタイムの映像をスマートフォンで確認することが可能です。

その上、LOVOTが撫でられたり、抱っこされたりしたことを記録して、スマートフォンに情報を通知してくれます。遠隔にいてもLOVOTの利用状況がわかるため、急病や緊急事態などで利用できない状況になってもすぐに知ることができるでしょう。

LOVOT(らぼっと)については話題のコミュニケーションロボット「LOVOT」とは?|介護施設での導入事例を紹介でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

製品情報

サイズ W280 × H430 × D260 mm
重量 約4.2 kg(服なし)
通信
  • Bluetooth®
  • 携帯電話回線(データ通信)
  • NFC
  • ネスト~本体間通信用無線LAN/赤外線通信
充電時間 約15〜30分程度充電
稼働時間 約30〜45分程度稼働
価格帯
  • (レンタル)LOVOT1体 ¥17,467(税込)/月 LOVOT2体 ¥41,948(税込)/月
  • (購入)LOVOT1体 ¥349,800(税込) LOVOT2体 ¥657,800(税込)
  • (中古整備品)LOVOT1体 ¥283,800(税込)

利用者の声

コミュニケーションロボットは、さまざまな機能が備わっており、導入することで施設に多くのメリットをもたらしてくれます。実際にコミュニケーションロボットを導入している利用者の声を確認して、自社で導入した時の状況を想像してみましょう。

前向きな施設利用者が増えました|パルロ

施設で提供するサービスは、人の手による温もりや心からの笑顔が大切だと思っていたので、ロボットの導入には反対でした。しかし、実際にパルロを導入してみたところ、可愛らしい見た目や動きのパルロに、利用者のみなさんが笑顔をこぼしています。

パルロとコミュニケーションをとったり、パルロをきっかけに利用者同士で会話する機会が増えたりすることで、前向きな施設利用者が増えました。職員もレクリエーションの一部をパルロにおこなってもらうことで業務負担が減り、利用者とより親密なコミュニケーションがとれるようになっています。

まとめ

本記事では、コミュニケーションロボットが注目されている理由や介護予防の効果、実際の利用者の声などを紹介しました。コミュニケーションロボットを導入することで、施設利用者の介護予防や職員の業務効率化につながります。

一方で、性能が向上しているものの、まだコミュニケーションロボットが対応できないこともあるため、導入には注意が必要です。コミュニケーションロボットを施設で導入する際には、機能を理解して施設で活用できるか検討しましょう。

介護ロボットについては介護ロボット徹底解説|種類やメリット、具体的な製品紹介まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

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都内大学病院

小児科専門医、医学博士。専門は、アレルギー、免疫。大学病院および地域の基幹病院で小児科医として10数年勤務、ゲノム研究、論文執筆を行う。オンライン診療、患者サポートプログラムなどの監修。正しい医療情報を発信するためにライターとしても精力的に活動中。

URL:https://twitter.com/peppepei10

理学療法士として総合病院や訪問看護ステーションでリハビリテーション業務に携わった後、資格を活かして医療系Webライターとして活動。根拠に基づいた記事執筆を得意としており、様々なWebコンテンツにて執筆実績多数。

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