民間が運営する有料老人ホームでは、いかに早く入居率を上げて維持できるかが鍵になります。有料老人ホームの稼働率を高めて売上アップをはかるためには、「集客」が重要です。
しかし、多くの有料老人ホームが集客の部分で課題を抱えています。では、どのようにすれば集客ができるのでしょうか。
今回は、集客力を高めるための重要なポイントや集客方法について解説します。
本記事を読むことで有料老人ホームの集客方法がわかり、入居率アップにつながるでしょう。
冒頭でもお伝えしたように、有料老人ホームを運営していくためには「集客力」が重要です。有料老人ホームの場合、施設経営を維持するためには「入居率を70%以上確保」しなければならないと言われています。集客に失敗すると当然ながら入居率も上がらず、経営維持が難しくなるでしょう。また、介護業界は人手不足が深刻化しており、介護の担い手を確保するのが難しい現状です。
総務省統計局によると、日本の総人口が減少する中、65歳以上の高齢者はその内の29.1%です。(2022年9月時点)それと同時に有料老人ホームなどの介護施設の需要が、ますます高まっていることがわかります。実際、厚生労働省のデータでも「入居数」と「有料老人ホーム数」は年々増加しており、令和1年時点で14,118の施設が設置されています。
つまり、有料老人ホーム数が増加傾向にあると同時に、他社との競争が激化しているのです。また、大手企業が参入し、マーケティングに強く、広告宣伝費もあるため入居者が大手に流れるという傾向もあります。そのため、より一層集客を意識して運営しなければ、入居率UPという課題解決につながらないでしょう。
出典:厚生労働省「高齢者向け住まいの今後の方向性と 紹介事業者の役割」
ここでは、有料老人ホームの集客が失敗する施設の特徴について、下記の3つを解説します。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
有料老人ホームと一口に言っても、「介護付」「住宅型」「健康型」など施設形態は様々です。それぞれ目的や介護サービスの提供方法などは異なるため、ターゲットを絞り込む必要があります。ターゲットが曖昧になり利用者ニーズが掴めなくなると、サービスの質が中途半端になるでしょう。ターゲットを明確にしてニーズを掴むことで、施設の強みをアピールして集客につなげられます。
年々増加傾向にある有料老人ホームの中で生き残るためには、「差別化」が非常に大切です。大手企業も続々と介護業界に参入しており、差別化が図れていない施設は入居者が競合に流れます。差別化を図るためには、介護施設を必要としている利用者や、その家族の悩みを理解しなければなりません。
など、利用者やご家族の悩みは挙げればキリがないでしょう。そのため、施設の強みを明確にしつつ、利用者ニーズを満たすのが重要なのです。
集客方法については後述していますが、失敗する例として効果的な集客方法を実践できていない可能性があります。例えば、折込チラシやケアマネ任せにしているなど、偏った方法でしか集客していない施設は失敗しやすいでしょう。有料老人ホームを検討している方は、施設の詳細な情報を必要としています。そのため、アナログな方法に偏るのではなく、WEB集客もうまく活用することで入居者獲得につながるのです。
介護施設の集客力を高めるためのポイントについて、下記の3つをご紹介します。
有料老人ホームの集客力を高めるためには、入居者のニーズを把握することが大切です。ニーズを把握することで、競合施設にはない「施設の強み・サービス」を提供できるでしょう。
入居者のニーズを把握するためには、下記の3つを理解する必要があります。
これらのニーズがわかっていなければ、施設の存在意義を見失うことにもなりかねません。
施設の「売り」、つまり「強み」は何かを明確にすることで、他の施設との差別化が図れるようになります。強みがなければ、集客の際のアピール材料が足りない状態になってしまうでしょう。介護サービス提供の中で入居者が満足した実績や、取り組みなどをピックアップして施設の売りを探してみてください。例えば、「施設に家庭菜園があり、みんなで野菜や花を育てて入居者から好評の声が挙がった」などです。施設の「売り」を明確にして集客すれば、入居を検討している方が入居後のイメージを持ちやすくなります。
折込チラシや訪問営業など、アナログの方法だけを実践していても集客の効果は薄いです。介護施設の入居を検討している方は、施設の写真やどのようなスタッフが働いているのか、口コミなどを必要としています。そのため、ホームページや口コミサイトなどを利用したWEB集客は、利用者が知りたい情報を網羅的に掲載できるのでおすすめです。昨今はインターネットを使って情報収集する方がほとんどのため、WEB集客にも力を入れる必要があるでしょう。
ここでは、有料老人ホームのおすすめ集客方法を下記の5選紹介します。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
インターネットが普及した現在、自社のホームページを持っている企業や介護施設は珍しくありません。有料老人ホームの集客においてホームページは、「潜在顧客の獲得」「信頼性」の観点から必須と言っても過言ではないでしょう。施設を探しているご家族はもちろん、高齢者自身がインターネット検索で情報収集するケースもあります。
ただし、単にホームページを持っているだけでは、集客につながりません。先述した入居者のニーズを把握したうえで、利用者とそのご家族が知りたい情報を載せるのが大切です。ホームページ制作に関しては、下記の記事も参考にしてみてください。
介護施設のホームページ作成については【2023年】介護施設におすすめのホームページ制作会社13選でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
介護経営コンサルタントは、「介護事業所が抱える課題を解決するプロフェッショナル」です。主に、開業支援や事業所の分析、人材育成支援など様々なサービスを提供しています。
上記のような、介護施設の経営に関わる悩みをヒアリングし、的確なアドバイスがもらえます。もちろん、集客面でも実績のあるプロからアドバイスをもらえるので、集客率や稼働率アップに期待ができるでしょう。介護のコンサルについては、下記の記事も参考にしてみてください。
介護業界のコンサルについては介護業界のコンサルティング会社比較21選|選び方のポイントもでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ポータルサイトを活用して、有料老人ホームを探している利用者も多いです。「みんなの介護」や「LIFULL介護」といったポータルサイトが広く認知されています。
ポータルサイトには、
など、全国の介護施設の基本情報をリアルタイムで記載しているのが特徴です。集客方法の一つとして効果的ですが、費用がかかるため予算を見ながら活用するとよいでしょう。
利用者やご家族が施設選びの際に参考にするのが、実際にその施設を利用した人の声です。ホームページやポータルサイトの情報だけでは、少し不安になる方が多いのも事実でしょう。口コミサイトを活用すれば、入居に必要な費用やサービス内容を比較することができます。また、施設の売りをアピールする機会にもなり、利用者は入居後の生活イメージを膨らませることが可能です。
ポスティングや折込チラシなどは、普段インターネットを利用しない高齢者に効果的な集客方法の一つです。ただし、ポスティングやチラシだけに偏った集客はおすすめしません。チラシを見たご家族は、詳細をインターネットなどで調べるでしょう。そのため、ホームページやポータルサイトなどのWEB集客と合わせることで、さらに効果を発揮します。チラシやパンフレットには、施設見学会の情報や問い合わせ先、大きさによっては利用者の声などを掲載するとよいでしょう。
有料老人ホームの入居率を上げるためには、「集客」が大切です。介護需要が増していく中、大手企業が介護業界に参入してきたことで、より一層集客が重要になっています。そのためには、利用者ニーズを把握して、施設の強みをアピールできるツールを活用しましょう。今回紹介した集客方法を活用し、入居率アップに繋げてみてはいかがでしょうか。