【2023】おすすめの麻酔器メーカー4選|選び方も解説

更新日 2024.01.15
投稿者:豊田 裕史

麻酔器は、患者の安定した呼吸管理を行うための医療機器です。詳しくは記事内で解説しますが、麻酔器は大きく分けて2つの部分から構成されており、「呼吸回路」と「ガス供給」に分かれています。
麻酔器は複数のメーカーが開発・提供を行っていますが、どこのメーカーのものを使えばいいか迷う方もいるでしょう。そこで今回の記事では、おすすめの麻酔器メーカーを紹介した上で、選び方も解説していきますので参考にしてください。

おすすめの麻酔器メーカー4選

ここでは、おすすめの麻酔器メーカー4選を紹介していきます。それぞれの麻酔器の特徴も示しているので、導入する際の参考にしてください。

アコマ医科工業株式会社

アコマ医科工業株式会社

出典:アコマ医科工業株式会社 https://www.acoma.com/

アコマは医療機器の製造・販売を行っているメーカーで、独自開発した麻酔器と人工呼吸器の機能を持つ「アネスピレータ」を提供してきました。

主力製品の麻酔器や人工呼吸器は、ODAをはじめ海外の代理店を通じて、アジア・中近東・中南米・アフリカ諸国などへ輸出されており、海外の医療機関でもACOMAの品質が認められています。

また、サポート体制が充実しており、製品のメンテナンス・修理、万一のトラブルの際は迅速に対応してもらうことが可能です。

アコマ医科工業株式会社の比較ポイント

  • 独自開発した麻酔器を提供
  • 世界が認めたACOMA品質
  • サポート体制が充実している
機種 特徴
PROVIDEND+i /+s ・直感的な操作が可能な15.6インチ タッチディスプレイ
・画面表示に従ってスタートボタンを押すだけの簡単操作な
・ヒーティングシステムを採用したコンパクトな呼吸回路ユニット
Anespirator A65 ・システムチェックの複雑な手順を図とチャートで視覚化
・リアルタイムのアラーム情報を表示
・センターロックブレーキを標準装備
Anespirator A35 ・失敗時の推奨措置が図及び説明で表示される
・発生中アラームの” i ” を押すことでヘルプウィンドウがグラフィック表示される
・内蔵のヒーティングシステムにより呼吸気弁やフローセンサを有する呼吸回路部の結露を最小限に抑えられる
PRO-nextⅡ+i/+s ・ダイレクトアクセスモニターで設定時間を短縮
・停電時などで電源が断たれた時にも、内蔵バッテリーで約60分間継続使用ができるバックアップシステムを装備
・VCV、PCVを標準装備
FO-20S ・インターロック機構(特殊連動ギア)が、O2とN2Oを同時に制御し、最低酸素濃度を30%に維持・確保する
・麻酔器と架台の着脱が可能
・小型移動式架台は、2つのタイプから選択可能

企業情報

住所 東京都文京区本郷2-14-14
売上高
他に取り扱っている医療機器 気化器/人工呼吸器/血圧計/吸引器/
電気メス/超音波ネブライザー/その他の各種医療機器

ドレーゲルジャパン株式会社

ドレーゲルジャパン株式会社

出典:ドレーゲルジャパン株式会社 http://www.draeger.com/

ドレーゲルジャパン株式会社は人間工学に基づき、デザインと操作性の高さを追求した新しいATLANシリーズなど、病院ごとのニーズに合わせて構成できるさまざまな麻酔器を設計しています。

世界各国の専門家とともにデザインした麻酔器のプラットフォームに、最新人工呼吸テクノロジーを統合した「Dräger Perseus A500」は、非常に高機能な麻酔器です。その他にも、急性期治療のスペシャリストとして、日々の課題に対応する優れたソリューションを提供しています。

ドレーゲルジャパン株式会社の比較ポイント

  • 人間工学に基づいた麻酔器を設計
  • 世界各国の専門家とともにデザインした麻酔器を提供
  • 急性期治療のスペシャリスト
機種 特徴
Dräger Perseus A500 ・常に患者様の自発的呼吸を促進およびサポートする
・時間設定ができる完全自動セルフテスト機能搭載
・セントラルブレーキ・サクションユニット・余剰ガス排出システムを使いやすい位置に配置
Dräger Atlan® A350/A350 XL ・高いトリガー感度により、患者の弱い自発呼吸努力を検知する
・呼吸システムに組み込まれた加温システムにより、呼吸ガスを温め、結露を削減
・精度の高いAPL弁がほぼ線形の増加・減少を圧パターンで生成
Dräger Fabius MRI ・磁気環境で使用できるよう特別に設計されている
・サーボ制御で駆動ガス不要のピストンベンチレーターを内蔵
・従量式・従圧式・プレッシャーサポート・SIMV/PSなど広範囲の換気モードにアクセス可能

企業情報

住所 東京都品川区上大崎2-13-17目黒東急ビル4F
売上高 約30億ユーロ
他に取り扱っている医療機器 人工呼吸器/患者モニタリング&IT/シーリングサプライユニット/保育器/光線治療器/手術用無影灯など

GEヘルスケア・ジャパン株式会社

GEヘルスケア・ジャパン株式会社

出典:GEヘルスケア・ジャパン株式会社 https://www.gehealthcare.co.jp/

GEヘルスケア・ジャパン株式会社が提供している麻酔器は、正確な換気を行うために設計された、ベンチレータ性能・フローセンサー技術・FGコントロール・多彩な換気モード・アラームマネージメントなど、多くの技術が使われています。

全身麻酔中の人工呼吸モニタリングについては、圧容量曲線・流量容量曲線・流量波形などのグラフィックモニターで、呼吸生理学的に重要な情報を読み取ることが可能です。GEのプラットフォームを使用することで、患者の状況・症例のニーズに合わせてカスタマイズされた麻酔を実践できます。

GEヘルスケア・ジャパン株式会社の比較ポイント

  • 正確な換気を実現
  • 呼吸生理学的に重要な情報を読み取ることが可能
  • 患者の状況・症例のニーズに合わせてカスタマイズされた麻酔を実践可能
機種 特徴
Aisys CS² 麻酔システム ・適切な人員配置を支援するために、モバイルアプリを介して手術室の可視化をサポート
・平均68秒の反応時間でEtO2とEtAA の 90% に到達し、最小流量で目標を維持
・麻酔薬の消費量を 25% 以上削減可能
アバンスCS² ・15インチのタッチスクリーンディスプレイによるスマートなユーザーインタフェース
・薬剤消費量を可視化し、フレッシュガスフローの供給時に薬剤消費量を低減できる
・ユーザー設定可能な「クイックピック」により、FiO2と総流量の組み合わせを素早く選択可能
Carestation™ 750 シリーズ ・Carestation 750麻酔システムのユーザーインターフェイスとモジュラー設計が、質の高いケアを自然に簡単行えるようガイドしてくれる
・総輸送時間が26%短縮
・類似のソリューションと比較して、トランスポートユーザーエラーを60%削減
Carestation 600シリーズ ・コンパクトで汎用性が高く使いやすい麻酔システム
・低流量の麻酔を徹底的に考慮して設計されている
・人間工学に基づくタッチ操作と、そのタッチ操作を簡素化するアプリケーションを搭載
9100cNXT シリーズ ・効果的な麻酔デリバリーと迅速かつシームレスな覚醒が期待できる
・幅広い患者や症例に拡張可能
・高機能ハイコストパフォーマンスの麻酔装置

企業情報

住所 東京都港区赤坂5-2-20 赤坂パークビル
売上高 1,300億円(2021年12月期)
他に取り扱っている医療機器 画像診断装置/超音波画像診断装置/心電図関連製品/母体・新生児ケア製品/
患者モニタリングシステム/造影剤(GEHC Pharma)/Healthcare IT/デジタルソリューション

フクダ電子株式会社

フクダ電子株式会社

出典:フクダ電子株式会社 https://www.fukuda.co.jp/

フクダ電子株式会社は1939年に創業して国産第1号となる心電計を開発した企業です。人工呼吸器・麻酔器の他、さまざまな医療機器を国内外で展開されています。麻酔システムはGETINGE社の「FLOW-i」を扱っています。ICUにある呼吸器と同等の高品質な呼吸管理が可能で、術後の呼吸器合併症の危険を最小限に抑え、患者様の安全に寄与します。

フクダ電子株式会社の比較ポイント

  • さまざまな医療機器を提供
  • 80年以上の歴史のある医療機器メーカー
  • 大学病院からクリニック、在宅医療まで様々な医療現場に製品を展開
機種 特徴
麻酔システム FLOW-i C20/C30/C40 ・ICUにある呼吸器と同等の高品質な呼吸管理が可能
・微量な流量コントロールが可能
・リークが生じた場合でも回路内は酸素で満たされるため、潜在的な低酸素症のリスクを軽減

企業情報

住所 東京都文京区本郷3-39-4
売上高 1,320億9,800万円(フクダグループ実績)
他に取り扱っている医療機器 心電図/超音波画像診断装置/心臓カテーテル/生体情報モニタなど

麻酔器の基礎知識

ここからは、麻酔器の基礎知識を解説していきます。

麻酔器とは?

麻酔器は、一般的に麻酔薬を流す装置と人工呼吸器を合わせた総称として呼ばれています。分かりやすく言うと、麻酔機能付きの人工呼吸器です。

セボフルランやデスフルランなどの麻酔薬を気化した状態で、呼吸回路へ流して使用します。麻酔器には気化器という麻酔薬を気化する機器が搭載されており、その気化器で気化した麻酔薬を人工呼吸器回路に流し、術中の患者様の呼吸管理を行います。

人工呼吸器との違いは?

麻酔器とは手術中の患者様の呼吸管理と麻酔管理を目的に使用する器械です。人工呼吸器は呼吸不全の患者様に対して呼吸を人工的に管理するために使用する器械です。麻酔器には、基本的に人工呼吸器の機能が備わっていますが、麻酔器のスペックによって人工呼吸器の性能は変わってきます。高機能な麻酔器に搭載されている人工呼吸器は、ICUで使用されているような人工呼吸器にも劣らないい機能を有しており、幅広い状況に対応することができます。

麻酔器を選ぶポイント

ここでは、麻酔器を選ぶポイントを解説していきます。麻酔器を選ぶ際は、以下の3点に注意しましょう。

モニターの精度

モニターの精度は手術内容に直結するので大切です。全身麻酔中、患者の意識はありません。確実に患者の生存を確認するためには、精度が高いモニターを使用する必要があります。

人工呼吸器機能の性能

麻酔器の機種によって人工呼吸器の機能も異なってきます。換気モードの種類やスペックを各社比較するようにしましょう。

サイズ

手術室にはさまざまな医療機器や使用する材料が置かれています。そのため、スペースが狭くなりがちです。一つひとつの機器をできるだけコンパクトにする必要があり、麻酔器に関しても場所を取らない大きさのものが好まれる傾向にあります。

まとめ

麻酔器は、患者の呼吸を安全に管理する上で欠かせない医療機器です。そのため、麻酔器を導入する際は性能にこだわる必要があります。麻酔器は複数のメーカーが提供しているため、どこのものを選べばいいかわからないという方も多いでしょう。今回の記事で紹介した麻酔器は、いずれも信頼あるメーカーの製品ですので、その中から自院に適した麻酔器を選んでみてください。

中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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