保健指導の管理をExcelや紙で行っている場合、記録の検索や集計が難しく、指導員ごとに記録方法が異なるといった問題が生じがちです。指導の進捗管理や、実績報告のための書類作りも手間と時間がかかり、ストレスが溜まっていないでしょうか?
今回はそんなお悩みを抱えている方におすすめの「特定保健指導システム」について解説します。特定保健指導システムを導入することで、「特定保健指導」の業務を一元的に管理することが出来るようになり、業務の効率化につながります。
「特定保健指導システム」は、生活習慣病になるリスクが高いとわかった方々が受ける「特定保健指導」を、スムーズに進めるための便利なツールです。保健師や管理栄養士などの専門職が、対象者一人ひとりに合わせた指導を効果的に行い、その進捗や成果を適切に管理できるようにすることをサポートしてくれます。特定保健指導に関わる方の業務管理に役立つ「マネジメントツール」と言えます。
特定保健指導システムは、特定保健指導に関わるさまざまな業務をグッと楽にしてくれます。どのようなことが出来るのか、4つのポイントに絞ってみましょう。
※特定保健指導システムによって出来る内容は異なります。
健診データを入れるだけで、指導が必要な方を自動で探し出します。一人ひとりの情報や過去の指導履歴もシステムを開けばひと目で確認できます。さらに、「面談済み」「未連絡」など、指導の進捗状況もパッと見てわかるので、手間の削減とスムーズな管理ができるようになります。
初回面談時の指導計画作成や継続支援内容の記録、対象者へのフォローメールなどを自動的に送ることができます。
面談で話した内容や、目標、その後の変化などをパソコンやタブレットで直接入力できます。紙に書く手間が省け、後から探すのも簡単です。食事や運動の記録を入力すると、自動でカロリー計算をしたり、どんな食事や運動が良いかアドバイスのヒントを出してくれる機能もあります。
厚生労働省への報告書など、特定保健指導で必要な書類をシステムが自動で作ってくれます。集計の手間が大幅に減ります。また、指導の結果、対象者の健康状態がどう変化したか(例えば、体重が減ったか、血糖値が改善したかなど)をグラフやデータでわかりやすく表示してくれる機能もあります。指導の効果をしっかり評価し、今後の計画に活かすことができます。
特定保健指導システムの導入を検討する際は、自施設にとってのメリット・デメリットの両方を考えてみましょう。
特定保健指導システムを導入すると、日々の業務が大きく変わります。まず、今まで手作業で行っていた対象者のデータ管理や連絡、指導記録の作成が自動化され、ぐっと効率が上がります。これにより、書類作成や集計にかかる時間が減り、保健師さんや管理栄養士さんは指導そのものに集中できるようになります。
また、システムで進捗状況をリアルタイムに把握できるため、指導の抜け漏れを防ぎ、対象者の参加率アップにもつながります。さらに、指導データを活用して効果測定がしやすくなり、今後の指導計画をより良くしていくためのヒントも得られるでしょう。結果として、より質の高い保健指導が実現し、対象者の健康改善に貢献できます。
良いことばかりのように見えますが、システムの導入にはいくつかの注意点もあります。まず、初期費用や月々の利用料などのコストがかかります。予算をしっかり考慮し、費用対効果を見極めることが大切です。
また、新しいシステムを導入すると、スタッフが操作に慣れるまでに時間や手間がかかることもあります。操作方法の学習や、既存の業務フローとの調整が必要になるでしょう。もし、既存のシステム(健診システムなど)を使っている場合、新しいシステムとの連携がスムーズにできるかどうかも確認が必要です。導入後も、システムトラブルへの対応やセキュリティ対策を継続的に行う必要があります。
特定保健指導システムを選ぶ際のポイントを3つ紹介します。
システム導入でどんな課題を解決したいのか、どんな機能を一番使いたいのかを明確にしましょう。例えば、「オンライン指導を強化したい」「健診データと連携させたい」など、自社のニーズに合った機能が揃っているかが最も重要です。
せっかく導入しても、操作が難しければ誰も使いこなせません。保健師さんや管理栄養士さんが直感的に使えるわかりやすい操作性は必須です。また、システムに不慣れなスタッフへの導入サポートや、困ったときの問い合わせ体制がしっかりしているかどうかも確認しましょう。
対象者の大切な個人情報や健康データを扱うため、セキュリティ対策が万全かは絶対に確認すべき点です。データの管理体制や、プライバシー保護の認証などをチェックしましょう。さらに、初期費用だけでなく、月々の利用料や追加費用も含めて、予算に見合った料金プランであるかをしっかり比較検討することが大切です。
ここでは、3つの会社の特定保健指導システムを取り上げ、特長や料金感を紹介します。
株式会社エヌアイデイの「特定保健指導システムMIEL(ミエル)」は、特定保健指導業務をまるごとサポートするクラウド型システムです。シンプルな操作で直感的に使え、対象者向けのスマホアプリを通じて自己管理やチャットでのやり取りも可能です。健診データの取り込みから指導、進捗管理、報告までの一連の業務を効率化できます。
MIEL(ミエル)の比較ポイント
MIELの機能一覧
指導者向け機能 | 対象者向け機能 |
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料金プラン
初期費用 | 年間料金 |
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0円 ※標準パッケージご利用の場合の費用 ※既存システムからのデータ移行や個別カスタマイズが必要な場合は、要望を確認後に別途見積り |
50万円~(税別) ※カスタマーサポートおよびシステム保守込みの費用 ※保健指導対象者の年間人数に応じた料金テーブルを用意しています |
株式会社アリトンシステム研究所の「HealthECO特定保健指導システム」は、現場の声を元に開発された、業務効率化に特化したシステムです。健診データ取り込みから予約、指導記録、報告書作成までを一元管理し、煩雑な事務作業を大幅に削減します。
HealthECO特定保健指導システムの比較ポイント
株式会社マッシュルームソフトの「ヘルスコンシェルジュ」は、特定保健指導を効果的に進めるための管理システムです。使いやすい画面で支援に集中でき、スタッフ間の連携もスムーズに行えます。対象者ごとの計画管理や請求処理、進捗確認を効率化します。健診システム連携や強固なセキュリティも備え、質の高い保健指導をサポートします。
ヘルスコンシェルジュの比較ポイント
今回の記事では、特定保健指導の業務を効率化し、質を高める特定保健指導システムについて解説しました。Excelや紙での管理で生じる課題を解決し、健診データからの対象者抽出、進捗の見える化、記録や報告書作成の自動化など、さまざまな業務をスムーズに進めることができます。
導入にはコストや慣れるまでの時間もかかりますが、業務効率の大幅な向上や指導の質向上といった大きなメリットがあります。システム選びでは、自社のニーズに合うか、使いやすさやサポート体制、セキュリティと費用をしっかり確認しましょう。この記事を参考に、貴社に最適なシステムを見つけ、より効果的な特定保健指導を実現してください。
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