医療介護専用SNSとクラウドクリニックサービス併用で多職種連携に光

土屋医院|院長 土屋 淳郎 先生

Point

  • 祖父母や父のように地域に根ざし慕われる医師になりたい
  • 訪問診療で患者さんの背景まで“診る”ことの大切さを父から引き継ぐ
  • 地域に貢献したいという思いは医師会活動で次世代へ
  • クラウドクリニックの入力代行サービスで診察後の事務処理が大幅減
  • 医療介護専用SNSとの併用で多職種連携がより手軽に


東京都豊島区の「土屋医院」は、現院長 土屋淳郎先生のご祖父母の代に開業した老舗医院。三世代にわたり地域の皆さんに慕われ、かかりつけ医として診療にあたられています。現在は、内科を院長の土屋先生が、皮膚科を土屋先生の妹さんが担当され、医師2名体制で外来診療と訪問診療の双方に注力されています。今回は、クラウドクリニックサービスのご利用感想はもちろんのこと、多職種連携に役立つ完全非公開型SNS『メディカルケアステーション(MCS)』の活用についてもお話を伺ってきました。
【インタビュアー:  株式会社クラウドクリニック 看護師  永畑 彩】

 

祖父母や父のように地域に根ざし慕われる医師になりたい

永畑はじめに、先⽣が医師になろうと思われたきっかけをおしえてください。

土屋私の父と祖父母も医師でしたので、その影響が大きいですね。祖父母と父が地域のかかりつけ医として多くの方に慕われて診療している姿を身近で見てきたので、地域で信頼されるかかりつけ医という仕事がいいな、地域に役立つ医療ができたらなと思うようになりました。

永畑土屋先生ご自身は放射線科の専門医で、現在、皮膚科医の妹さんと2名で診療をされていますが、放射線科と皮膚科というのは珍しい組み合わせですよね。

土屋放射線の専門医ではありますが、もともと町医者として内科のかかりつけ医をやりたかったので、放射線科を選んだというのがあります。かかりつけ医として、ある程度診断をつけられれば、必要に応じて専門領域に送ることができます。診断のトリアージですよね。それで一番幅広く疾患を診られる科を考えたときに、放射線科だなと思ったんです。勤務していた病院で放射線科と内科を経験して、それから当院の院長になりました。内科・放射線科は、患者さんの身体の中から診ることができて、逆に皮膚科は身体の外から診ることができるので、組み合わせとしてはちょうどいいような気がしていますね。

かかりつけ医には診断のトリアージが求められるからこその放射線診断専門医という選択

 

訪問診療で患者さんの背景まで“診る”ことの大切さを父から引き継ぐ

永畑訪問診療についてお伺いしたいのですが、貴院では訪問診療はいつから始められたのですか。

土屋祖父母の頃からです。もちろん当時は訪問診療という概念もシステムもありませんでした。患者さんが具合が悪くなったから診に来てほしいと呼ばれて行くという往診をやっていたんですね。父の代で「訪問診療」という言葉がでてきて、積極的に行うようになりました。

永畑先生のお父様の代から積極的に訪問診療に取り組まれているということですが、先生ご自身も引き継いでいることには何か思いがあるのでしょうか。

土屋診察室に来た患者さんだけを見るとか、データや検査結果だけを見るというのではなく、患者さんのバックグラウンドとなるご家族やご家庭などの生活環境まで含めて見ていく必要があって、時に、そういう情報は病気の診断に役立ち、治療方針を決めるのに欠かせないこともあります。患者さんのご自宅に入っていく訪問診療では、患者さんのバックグラウンドをより広い視野で見ることができます。それが訪問診療の良いところだと思います。実は、これは父も同じように話していて、私もその考えを引き継いで訪問診療を行っています。

 

地域に貢献したいという思いは医師会活動で次世代へ

永畑現在、土屋先生は、豊島区医師会の理事としても活動されていますが、どのような取り組みをされているんでしょうか。

土屋在宅医療に関することが中心ですね。具体的には、多職種ネットワーク構築に関するシステムづくりや研修会を行ったりしています。地域包括ケアシステムの構築が課題になっている中で、様々な職種が顔の見える連携を行い、在宅医療を進めていければ良いと考えています。さらに、 地域の方々との連携を考え、先日は中学校で授業をしました。主に在宅医療について、「家に帰ろう」というタイトルで話をしました。これには、高齢者が病院から家に帰ろうということもありますが、中学生が高校や大学に進学し色々な場所に勉強に出て、いつかは地元に帰ってきて地域に役立つ仕事をしてくれたらいいなという思いで話をしました。

医療の担い手の裾野を広げ、将来地域で活躍してくれる若い世代が増えたら・・・

 

クラウドクリニックの入力代行サービスで診察後の事務処理が大幅減

永畑クラウドクリニックのサービスを知るきっかけと、第一印象をおしえてください。

土屋学会時にメディカルケアステーション(MCS)を運営している日本エンブレース株式会社代表の伊東さんにご紹介いただいたのがきっかけですね。在宅医の業務負担が増える中で、そのニーズに対応する取り組みは必要です。仕事として成り立つかな?と思う部分もありましたが、クラウドクリニックは、IT技術を利用して様々な可能性があるのでは、と思いました。

永畑土屋先生には診療記録のデータ化やカルテの入力代行などをご利用いただいていますが、実際にご利用されてみていかがでしょうか。

土屋訪問の後が本当に楽になりました。カルテを書かなくてよくなりましたからね。施設スタッフが書いた報告事項の記録や、私が診察しながら記入した手書きの診療記録を、PDFにしてMCSにアップすればクラウドクリニックのスタッフがデータ化してくれます。MCSを利用していることもあってやり取りも楽ですね。ただ、私の中では、まだまだクラウドクリニックをうまく使いこなせていないなとも思っています。もっといいやり方があるのではないかと手探りの部分もありつつ、プラスアルファのこともやってみたい。自分がうまく使いこなせるようになったら、周囲の先生にも薦めたいなと思いますね。

永畑ありがとうございます。クラウドクリニックの私たち自身も、土屋先生をはじめ先生方にご協力いただきながら、今ようやくサービスの形が出来上がりつつあります。現場の先生方の負担を少しでも減らすには、どういうサービスをどのように提供すればいいかというのを日々考えているところです。

 

医療介護専用SNSとの併用で多職種連携がより手軽に

永畑先生とやり取りをしているクラウドクリニックのスタッフは、全員が当社の福岡オペレーションセンターのメンバーです。遠隔でやり取りすることにストレスのようなものは感じないでしょうか。

土屋ストレスというよりは、顔が見えない部分での温度差というか距離感のようなものは少し感じますね。一度でも直接会ったことがあれば、多少フランクなやり取りでもいいかなという気がしますが、会ったことがない方にはメッセージのやり取りでも少し丁寧にと気を使いますよね。ただ、メッセージでのやり取りを重ねたり、テレビ電話やMCSのプロフィール写真でお顔を拝見したりして、徐々にですが、距離感は縮まっていくのかなとは思っています。

遠隔でも顔が見える関係性を構築することで、よりシームレスなやり取りが実現

永畑土屋先生は、MCSを活用されていますが、なぜ使用されようと思ったのかと、実際に使っていて便利だなと思われるポイントをおしえてください。

土屋MCSは多職種連携の課題を解決するツールになるなという思いで使い始めました。医療介護専用のSNSということで、正確かつリアルタイムに情報共有できるため、患者さんやご家族に不安を与えることもありません。さらに、患者さん本人もタイムラインに参加することで、患者さんを交えた多職種との連携、患者さんに寄り添った医療やケアが実現できると思っています。

永畑先生からのご提案でクラウドクリニックサービスにMCSの使用を絡めて提供させていただいていますよね。多職種連携でのやり取りをクラウドクリニックでサポートさせていただく際に、とても便利なツールだなと実感しています。

土屋MCSは個人情報のやり取りができるので、単なる業務連絡だけでなく、先ほど話したように診療記録のやり取りにも使えます。患者さんや関わっているスタッフの顔写真も載せることができるので、私とクラウドクリニックのスタッフ、また、患者さんとクラウドクリニックのスタッフなど、実際には遠隔でやり取りをしているんだけれど、お互いの顔を見ながらやり取りできるので安心感はありますよね。

永畑今後、クラウドクリニックサービスに期待することがあればおしえてください。

土屋在宅医療は情報が溢れています。全部拾い上げるのは大変ですよね。クラウドクリニックは、MCSを活用して、患者情報を振り分けコントロールしてくれます。必要な情報を必要な量で必要な人に届けてくれる。今後もそういったサポートをしてもらえたらというのと、私たち医師も業務効率化とか、自分たちのアイディアだけでは限界があるので、新しいアイディア・提案を期待しています。

永畑今後ますます良いサービスをご提案していけるようにスタッフ一同精進してまいります!本日は貴重なお時間ありがとうございました。

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