春日部在宅診療所ウエルネス様は、春日部駅から車で10分ほどの緑豊かな環境の中にあり、介護付き有料老人ホームに併設される在宅療養支援診療所です。
2020年5月にCrossLogを導入いただきました。院長の笹岡大史先生は自ら、当院でのCrossLogの利用方法を試行錯誤され、時には改善要望も上げてくださいます。まさにサービスを一緒につくり上げてくれる心強いユーザー様である、笹岡先生にお話を伺ってきました。
大学病院では、循環器内科の医師として急性期医療に携わっていました。昼夜問わず、救急車で運ばれてくる心筋梗塞の患者さんに心臓カテーテル治療を行うなど、忙しくも充実した毎日を過ごしていました。ただ、大学病院には、その病院の専門医に適した患者さんしか来ないので、社会的背景や地域の事情というものに疎くなっているように感じていました。生活環境を確認せずに病気を治すだけでは、入退院を繰り返す高齢の患者さんがいることや、救急搬送されて病院で死亡確認だけを行うことも多く、適切なタイミングや場所で診断と治療することができないかと考えることがありました。
大学病院を離れ、縁あって介護施設の施設長をした時に、高齢化社会の実情を目の当たりにしました。病状が悪化する前に適切な対応をすることや、施設内で看取りをすること等、施設でできる医療に取り組みました。いくつかの施設や病院で高齢の患者さんを診ていく中で、同じ介護度や医療依存度でも、施設や病院に入る人もいれば、最期まで自宅で過ごせる人もいるというのを見ていて、できれば最期まで自宅で過ごしたいだろうし、施設に入るにしてもできるだけ楽しいところがいいだろうという思いが強くなり、介護や在宅医療に関心を持ちはじめました。在宅医療のセミナーや研究会に参加して勉強をしていたところ、お声掛けをいただいて開業することになりました。
- 患者さんやそのご家族との対話を大切に -
在宅で最期を迎えたいという希望を叶えたいという思いで開業しているので、患者さんやご家族が納得いく最期を迎えられるよう、対話を大切にしています。現場の医療は、医学部や教科書で教えてくれるものではないので難しい部分もありますが、これまでの経験を踏まえ、しっかり見極めを行い適切な時期に対話を重ねるようにしています。また、こちらに自信と余裕がないと、患者さんやご家族にその雰囲気は伝わってしまいますので、医療知識だけではなく、人としての学びを深め、人としての器を大きくする必要があると感じています。
- 患者数が多い分、業務を効率化して患者さんを診る時間はしっかり確保したい -
もともと大学病院でハードな勤務医時代を過ごしていましたし、現在は、非常勤医師も含めて10名くらいの組織になっていることもあって、そんなに大変ということはありません。 毎朝8時半にはミーティングを行ってから、施設やご自宅で生活をされている患者さんを診療し、夕方の18時頃には診療所に戻ってきます。医師1名あたりの患者数は多い方だと思いますが、患者さんを診る時間はしっかり確保しながら、スタッフには効率的に仕事が出来る環境づくりを心掛けています。
- 複数のツールを横断することにストレスを感じていた -
当院では、スケジュール管理はGoogleカレンダーを共有していました。移動に関しては、カーナビを使用していましたが、Googleマップと比較すると、30分くらい時間をロスすることもありました。そのため、車にスマホホルダーを取り付けて、Googleマップを使うようになりました。
私自身は、素人ながらITに興味があり、これまで様々なサービスを組み合わせて使っていました。診療所でも同様に、スケジュール管理はGoogleカレンダー、Chatworkを使って院内外のスタッフや関係者と連絡、移動にはGoogleマップ、患者情報は電子カルテ、というように、いくつかのツールを横断して使用していました。1つ1つはよくできていて使いやすいのですが、各ツール間の連携は不十分でした。別々のサービスなので仕方ないのですが、スムーズに連携できないことにストレスを感じていました。そのような中で出会ったのがCrossLogです。
- 複数のWebサービスを横串で刺せるような新しいサービスと感じた -
ある研究会でご一緒したことがきっかけで、たろうクリニックの院長である内田先生を存じ上げていたのですが、内田先生がCrossLogの導入事例の記事をFacebookで紹介されていたのを拝見し、CrossLogのことを知りました。
CrossLogなら、スケジュール管理を中心として、患者情報やGoogleマップとの連携ができることを知り、デモをお願いすることにしました。実際に話を聞いてみると、複数のWebサービスを横串で刺せるような新しいサービスだと思いました。また、これまで感じていた複数のツールを行き来するストレスも解消されるのではないかと思いました。3ヶ月間無償のデモ期間がありましたが、現場からの要望を迅速に叶えてくれる開発スタッフとサービスの将来性に期待して、導入から2ヶ月後には本契約をしました。
- スケジュールから患者情報や地図にワンクリックでリンクできる -
スケジュールから、患者情報やGoogleマップにワンクリックでリンクできるようになり、とても便利に感じています。例えば、スケジュールの変更や遅れの連絡もCrossLogに登録されている患者情報から電話番号が確認出来るので大変便利です。さらに、時間外の往診でも患者検索をして、ワンクリックでGoogleマップが起動できて抜群に助かっています。同様のサービスは他にもありましたが、機能が複雑で採用を見送ったこともありました。その点、CrossLogは操作もシンプルで、在宅医療のスケジュール管理や移動をより簡単にするために研ぎ澄ました機能だけを搭載しているから使いやすいと思います。開発者である宮原さんの「在宅診療所のスケジュール管理を効率化し、1人でも多くの患者さんに時間をかけて診られるように」という思いがよく伝わるサービスだと思います。1人の患者さんで5分のロスでも、10人の患者さんになれば50分にまで積み上がるわけですから、無駄はなるべくなくして、患者さんとの時間に集中したいという在宅医療に携わる者の想いに寄り添ったサービスではないでしょうか。
- 日々機能が改善されるところもこのサービスの面白さ -
細かい点ではあるのですが、当院の診療スタイルに合わせてもっとこうならないかと思ったところは、随時改善の要望を上げるようにしています。CrossLogの良いところは、どんなに細かい点でもユーザーの声を拾ってくれるところです。もちろんサービスの方向性との兼ね合いで、すべての要望が採用されるわけではないですが、スケジュール管理をより簡便にというところは、なるべく応えようとしてくれます。共に作りあげる楽しみが感じられるのもCrossLogの面白さでもあると感じています。
スケジュールの繰り返し登録や、予定へのメモ機能は、どんどん改善されて助かっています。また、当院の場合は、診療スケジュールだけでなく、スタッフのスケジュールまで、すべての予定の管理をCrossLogでできるようにして、院内で共有するようにしています。
- 毎日見るものだからこそデザインの良さも大事 -
導入直後に比べると、機能的デザインが改善されたこともあり、みんな「最初の頃より随分と使いやすくなった」と評判です。機能面でスタッフが喜んでいるのは、訪問予定を簡単にExcelで出力できることです。手入力で訪問予定表を作っている訪問診療所では、効率化による大きな働き方改革になると思います。あとは、視覚的デザインが好評です。やはり毎日頻繁に見るものですから、見栄えは大事です。わくわくする体験と、使いたくなる視覚的デザインが良いというのはCrossLogの魅力です。
- 現場で本当に必要な機能を充実してほしい -
電子カルテと連携できれば良いですね。今は、患者情報をCrossLogに登録するためには、手作業でするという手間がかかるのですが、電子カルテの情報と連携することで、人手でする必要がなくなれば良いと思います。連携に向けて、電子カルテメーカーと調整を進めていると聞いていますので、アップデートが楽しみです。 現在でも電子カルテの患者情報をCrossLogに移行するサポートをしてもらえるので、簡単に無料体験をスタートすることが出来ます。1ヶ月程度で無理なく本契約に移行できると思います。また、こういったサービスは完成ということはないと思うので、より多くのユーザーに利用してもらって、現場で本当に必要な機能を充実させてもらいたいと期待しています。CrossLogと共に、当院も進化進歩を続けていきたいと思います。