ICTには、若い人が持つ介護のイメージを変える魅力があると期待している

姫路医療生活協同組合|専務理事 黒岩勝博様

姫路医療生協様について教えてください。

姫路医療生協は、「安全・安心の介護と医療で在宅生活を支える」ためのサービスを展開しています。住民参加型の「まちづくり」を後押しすることが、地域包括ケアの推進につながると考え、各日常圏域での生活支援・介護予防に注力しています。
目に見える存在として、「姫路医療生協があって安心ね。」と思ってもらえる法人を目指しています。

ICT導入のきっかけを、お聞かせください。

姫路市内では、2040年までは介護需要が増えていくと捉えています。拡大する需要の中で、挑戦しないことは、後退を意味します。環境の変化・市場の変化に、自ら変わることをしないと、対応できなくなっていくんですね。
また、優秀な専門職は、挑戦のある職場を探しています。振り返ると、これまで、定期巡回や看護小規模多機能など、地域で初めての事業も展開してきました。
法人にとっての新しい挑戦として、「ICT化を進める」ことを掲げました。 

ICT導入の目的は、どのようなものでしたか。

「業務の効率化」と「サービスの質の向上」です。付随して、コンプライアンスの順守・情報の共有・働き方改革を実現したいと考えています。特に、コンプライアンスの順守については、ICTを用いることで、紙カルテとは違って、どこに何を記載するか標準化されます。我流を認めず標準化を進めれば、コンプライアンスを高め、質の高いサービスにつながります。

『寿』に決めた理由は、何でしたか。

もともとは、訪問看護の効率を上げたいというのが直接のきっかけでした。
事業所に行き、紙カルテを持って、利用者宅へ訪問するというのは、非常に効率が悪いです。直行直帰を増やすために、タブレット化をしていきたいな、と考えていました。また、これまで導入しているシステムとの互換性も、考慮しなければなりませんでした。
『寿』には、そのどちらも、柔軟に対応してもらったというのが、決め手として大きかったですね。 

ICT導入で、どのような成果がありましたか。

色々なことがデータ化され、数値として見えるようになりました。経営会議では、具体的なデータに基づく内容が増えました。見える化し、数値を分析することから、新しいアイデアが生まれていると思います。

職員間の情報共有のために、TV会議システム・ビジネスチャットも導入しました。TV会議システムを使い始めて、事務所間の移動時間がゼロになっただけでなく、会議の事前準備が入念になり、集中して会議に参加することで、会議時間も短くなりました。

さらに幸運だったのが、若手職員の成長とモチベーションにつながったことです。若手職員は、介護技術では先輩職員に及びません。しかし、現場でスマートフォンやシステムを広める過程で、デジタルネイティブである彼らが中心になって、教え合い、周りから信頼され、頼りにされました。ICT活用は、顔の見える関係をベースにすると、成果が上がるということがわかりました。

将来展望をお聞かせください。

特に介護職を目指す学生へ、「ICTを使ってかっこよく仕事ができる」ということを発信したいですね。ICTには、若い人が持つ介護のイメージを変える魅力があると期待しています。

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