介護記録業務のICT活用で、業務効率化

医療法人青仁会介護老人保健施設 ナーシングホームひだまり

ナーシングホームひだまり様では、在宅復帰を目指した取り組みの一環として、利用者の生活状況が見える丁寧な介護記録を作成し、情報共有を行う習慣が根付いていました。その一方で、職員の負担が大きく、定時をすぎても事務作業が発生するという問題を抱えていました。
今回、ICTを活用した介護記録業務の運用改善により、職員の残業の削減と記録内容の標準化を実現しました。

 

ナーシングホームひだまり様について教えてください。


「私たちは笑顔と真心で最良のケアサービスをお届けします」を施設理念に掲げています。病院併設型の老健として、利用者様のニーズに合わせたリハビリテーションの提供と、在宅生活への支援を心がけています。

在宅復帰への支援を意識し、利用者の生活像が浮かぶような介護記録を、手書きのころから丁寧に残す習慣が根付いていました。様式は、他施設への見学や学会での情報収集を通して、改良を重ねたわかりやすいものでした。

介護記録業務のICT化を行ったきっかけを教えてください。

職員の仕事が定時に終わらず、30分~1時間程超過するという問題がありました。必ずしも、記録を書くことだけが原因ではありませんが、本来のケア業務・休憩時間を圧迫し、職員の負担になっていることがわかりました。また、せっかく書いた記録の内容も、職員のスキルによっては、日記調になってしまい、介護記録として十分ではないものも見受けられました。他の職種では、カルテを現場で探す手間や、紙を使った情報共有に限界を感じていたようです。これを機に、施設全体で、介護記録業務のICT化を進めることにしました。

具体的に、現場ではどのような運用を行っていますか。


介護職は、現場に入る際に、一人一台のスマートフォンを常備し、バイタル・食事・水分・排泄等、ケアの実施状況に応じて、その場でタイムリーに入力を行っています。

これまで、記録として残していた内容を標準化し、チェック形式にすることで、記録に要する時間が短縮され、記録内容の統一化・簡素化・効率化に繋がっています。ケアプラスの入力には、難しい操作はありません。どこに何を入力するのか、直感的でわかりやすく、職員の心理的な抵抗も少なかったように思います。

実際に運用を始めてみると、追加する項目・必要のない項目・まとめても良い項目がでてきました。運用にあわせて、項目の内容をカスタマイズできるという設定の柔軟さも、助かっています。

運用を始めるにあたり、不安はありませんでしたか。


運用初日は、日付が変わる夜勤帯からの開始ということで、現場が混乱するのではと懸念していましたが、思ったほど混乱することはありませんでした。

システムの導入に伴い、事前の操作研修を開催したり、デモ機を手配して全職員がシステムを見て・触れて・体験する期間を設けたりしました。そうすることで、ケアプラスを意識的に操作し、どこに何を入力するかなど運用方法においての理解を深めることができました。

導入をして、抱えていた問題に変化はありましたか。

記録業務にかかる時間を減らせたことで、手厚くケア業務に介入できるようになりました。また、休憩時間の確保・残業時間の短縮も実現しました。いつでもどこでもリアルタイムで、必要な記録を確認・共有でき、多職種間での連携強化にも効果を感じています。施設全体としてみても、システムを導入したことが、情報共有体制の確立、業務の効率化、職員の負担軽減につながったと考えます。

今後の展望をお聞かせください。

介護記録業務のICTに伴い、効率的で統一した記録を残せるようになりました。一方で、入力項目を標準化する過程で、記録内容が画一的になり、具体的な細かい記録・情報をどのように残していくかといった課題も見えてきました。各職種間で残すべき記録、ご家族や他施設への情報提供において必要な記録とは何か、施設全体で継続的に議論することが、更なる質の向上につながると考えています。利用者様の生活像が見える情報共有と、職員の負担軽減のための記録方法が実現できるよう、一日も早く定着させていきたいです。

導入製品・サービス