在宅あるいは施設、病院において生活する何らかの障がいを持つ方々に対して、障害者福祉に関する事業をおこない、障害をもつ方々が地域において自立した生活を送ること、あるいは自らの存在を認められることを目標とし、社会における心のバリアフリーの実現に寄与することを目的に活動されている生活介護・地域活動支援センター「どんぐりの家」副主任 菊谷様、看護師 國志様にインタビューさせて頂きました。(お使い頂いている機体は自動車総連奈良地方協議会様からの寄贈品です)
介護業務全般となります。移乗であったり排泄介助、入浴介助、食事介助など介護に関わる業務全般をさせて頂いております。
車いすからベッド、お風呂で脱衣所から浴槽などへの移動など、移乗介助というところで負荷を感じやすいかと思います。
今回、自動車総連様から寄贈を頂けるということで当初は移乗のリフトを検討しておりました。その中で自動車総連に加盟されているジェイテクトの方から「パワーアシストスーツもありますよ」と教えて頂きました。
検討するにあたり、デモ機を貸し出して頂き、実際に移乗作業であったり、トイレ介助時などで同一姿勢を保つような場合に腰の負担が軽減されることがその場で実感できましたのでパワーアシストスーツJ-PAS fleairy(フレアリー)を選定させて頂きました。
どんぐりの家では今回寄贈頂きましたJ-PAS fleairy(フレアリー)の他にスライディングシート、スライディングボードもあります。こちらとの使い分けについては、利用者様の状態、快適さを一番に考え、わたしたち介護する側のやりやすさを加味して使用するツールを使い分けています。使い分けについては今も常によりよい方策を模索しております。
リフトを含めてみんなで検討しておりました。施設長は「業界内で一番軽い」パワーアシストスーツというところが目についた様子でした。スタッフが使用を継続していくと考えた際に、機体自体の重さは逆に負荷となるだろうと。パワーアシストスーツそのものの機能だけではなく、使用するスタッフの快適さを考えておられました。
実際に使ってみないと判らない部分もあり、デモ機をお借りして実際の作業で使用する中で、負荷の軽減や操作性、作業性、着脱のしやすさなどを確認しジェイテクトの製品を採用しよう!となりました。
そしてジェイテクトがどんぐりの家と近い位置にあることもポイントとなりました。
今までジェイテクトが近くにある、ということは認識しておりましたがまさかパワーアシストスーツを開発しているとは知らなくて。
パワーアシストスーツのことは知りませんでしたが、地元企業のジェイテクトがどんな会社かを知っており、知っている会社がつくったものであることは安心につながりました。
移乗作業時に使うことが多いのですが、移乗前の構える(持ち上げる前)姿勢からアシストされている支えてもらっている安心感があります。
また、リフティング、持ち上がった際、持ち上げはじめにアシストが効いているな、と感じます。
トイレ介助などで利用者様の体をずっと支えていることがあるんですが、その際にフレアリーがあると背中の疲労感などが軽減されていると感じるので着用のメリットは大きいです。
また元々はフレアリーを着用しない介護作業を行っておりましたがフレアリーを着用することによって
「あ、私のこの作業姿勢はここに負担がかかっていたんだ」
「わたし、これ今までしんどかったんだ」
と気づくことが出来ました。
後ろで支えてくれることがこんなに楽なんだ!と実感しており、作業動線を考えて使いやすい、手に取りやすい位置にフレアリーを配置しておりますのでスタッフも積極的に使ってくれています。
また、アシストが掛かっているということは腰に負担がかかっている動作なんじゃないか?という意見もあり、例えば重いものを拾うのに腰を曲げて拾うのか、背筋を伸ばして拾うのかで負荷が変わってきます。フレアリーを使用することでそういう日常のちょっとした負荷にも気づけるようになり体の負荷が少ない動きをするような意識ができてきました。
使用時間としては、1つの作業でずっと使い続けることはせず場面場面で使用しています。欲しい時にアシストを入れて、必要のない時にはフリーモードにしたり、電源をOFFにしたり。作業が終了してしばらく使わないな、という時は脱ぎますが、着脱がしやすいので脱いだり、着たりが苦になることはありません。
製品自体、とても良いものなので、どんどんブラッシュアップしてより使いやすいものを世の中に出していただければ嬉しいなと思っています。(國志)
介護作業の特殊な動き、細かい動きにも追従するような制御がもっと入ってきたら嬉しく思います。着用感のアップとか。(菊谷)
もっといいものになったら私たちの意見が反映されていたんだ!と嬉しく思いますのでこれからも良いものを開発頂ければ嬉しいです。