高齢化が進み、施設での入浴会場の負担は日々大きくなり、椅子式の入浴リフトが注目を浴びています。椅子式の入浴リフトは、リフトを使用しない場合、一般浴でも使用できるため、幅広く活用可能です。一方で、機械浴はオペレーションにかかる工数が少なくありません。全員に行うと施設職員にも大きな負担になります。
それでは、どのように椅子式の入浴リフトを選べばいいのでしょうか。この記事では、おすすめの椅子式の入浴リフトを、価格帯やおすすめの利用者別に解説していきます。
椅子式の入浴リフトとは、座ったままの入浴を介助するための機器のことです。椅子式の入浴リフトはどのような方におすすめなのでしょうか。ここでは、椅子式の入浴リフトがおすすめな利用者と施設のメリットを紹介します。
椅子式の入浴リフトは、補助があれば立位姿勢を取れる方、杖などを用いて補助歩行ができる方におすすめです。椅子式の入浴リフトは、座ったまま使用します。そのため、座って安定する力が必要です。また、リフトにより椅子が上下に動くため、振動に耐えられる筋力も必要になります。
ただ、椅子が動いて、浴槽に移動できるため、利用者の負担は高くありません。自ら体を洗うことができ、ある程度自由に動けるため、利用者のストレス軽減にも繋がります。機械式のストレッチャーよりも利用しやすく、一般浴よりも体力の消耗が少なくて済むため、「歩くのは困難でも座ることはできる」という方におすすめの方法です。
椅子式の入力リフトのメリットとしては、主に3点あります。それぞれについて見ていきましょう。
座位姿勢がとれれば誰でも利用可能 |
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介護する人の負担軽減に繋がる |
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リフトを使用しない時は一般の浴槽として利用可能 |
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導入することで利用者にも施設にも大きなメリットのある入浴リフトですが、価格相場にはバラツキがあります。一般的には、100万円から600万円で推移しており、各メーカーによって価格はまちまちです。代表的なメーカーの価格は、以下の表の通りです。
製品名 | 企業名 | 価格 |
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ライトハウス | 株式会社アマノ |
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ホーミィクリフト | 酒井医療株式会社 |
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クルフト | オージー技研株式会社 | 5,900,000円(非課税) |
昇降式リフトチェア カリプソ | アビリティーズケア・ネット株式会社 |
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wellsリフトキャリー | 積水ホームテクノ株式会社 |
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バスラック | 精巧技研株式会社 |
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ここでは、おすすめの椅子式リフトを6つ紹介します。
介護入浴のパイオニアである株式会社アマノの椅子式入浴リフトが、ライトハウスです。個別浴槽に対応したリフトで、脱衣室で1度のせかえをするだけで入浴介助作業を行えます。アマノは、快適な介護入浴を追い続けている会社です。長い歴史の中でアップデートを行っているため、細かい部分に強みがあります。例えば、シートが上昇した時の高さを最小限に抑える機構を取り入れています。これは利用者への心理的な負担を考えてのことです。
また、安全性やシートの座り心地などにもこだわっており、利用者の快適性を実現しています。老舗ならではの安心感があると言えるでしょう。
ライトハウスの比較ポイント
製品情報
外形寸法 | 1140(L)×504(W)×1494~2044(H)mm |
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質量 | 約95kg |
価格 | 2,800,000円(非課税) ※シャワーチェア1台付き。浴槽は別売り。 |
リハビリサービスと機械の製造、両方を手がける酒井医療株式会社の椅子式入浴リフトが、ホーミィリフトです。既にある浴槽に取り付けることができて、介助者ひとりで利用できます。胸部と腹部の2ヶ所に安全ベルトがあるため、リフト移動時の安全性が非常に高いです。
また、使用しない時には椅子の座る部分を折りたたむことができます。小規模な施設や自宅でも利用できる非常にコンパクトなリフトです。スペースに不安のある方におすすめの製品と言えるでしょう。
ホーミィリフトの比較ポイント
製品情報
外形寸法 | 1374(L)×978~1055(W)×1220〜1820(H)mm |
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質量 | 95kg~235kg |
価格 |
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医療機器の大手メーカーのオージー技研株式会社が提供している椅子式入浴リフトがクルフトです。クルフトは、搬送車を利用して入浴介助する機械になります。入浴者を搬送車へと移乗させた後、レールに乗せて入浴させることが可能です。
リフトを上げず、レールで平行移動して、下げることで入浴するシステムのため、介助者の負担が少なくて済みます。また、細かい設計も強みです。例えば、レッグレストは置き心地が計算されていて、疲れを感じさせません。視界も広く設計されていて、使い心地は抜群です。大手医療メーカーのノウハウが詰まった入浴リフトと言えるでしょう。
クルフトの比較ポイント
製品情報
外形寸法 | 933(L) × 641(W) × 1,130~1,695(H) |
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質量 | 136kg |
価格 | 5,900,000円(非課税) |
アビリティーズ・ケアネット株式会社のリフトチェアがカリプソです。シンプルな構造のため、浴槽へリフトレールを取り付ける工事は必要ありません。どの浴槽でも使用できます。また、通常のシャワーチェアとしても使えるため、様々な人が使用できます。また、身体を保護するアームがしっかりしているため、移動の心配もありません。
バッテリー式の製品では、バッテリーが少なくなると知らせてくれる機能もあります。シンプル構造のため、価格も安く、浴槽への工事が不要のため導入しやすいリフトチェアと言えます。
昇降式リフトチェア カリプソの比較ポイント
製品情報
外形寸法 | 933(L) × 641(W) × 1,130~1,695(H) |
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質量 | 136kg |
価格 |
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大手の積水グループが経済産業省の事業を行う上で開発したのがwellsシフトキャリーです。レールでスライドして、入浴するオーソドックスなタイプになります。レールは収納もできるため、一般入浴としても使用可能です。
また、大手ならではの丁寧なサービスに特徴があり、全国の営業拠点で助成金申請などのサポートも行っています。また、リース契約やメンテ契約など導入後のサービスに様々なプランがあるため、安心です。製品としての使い勝手の良さとサービス面の安心さが両立している製品になります。
wellsリフトキャリーの比較ポイント
製品情報
外形寸法 | 580(W)×1154~1193(L)×1150〜1450(H) |
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質量 | 要お問い合わせ |
価格 |
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入浴リフトの製造から設置工事まで一貫して行っているのが、精工技研です。設置現場に強みがあるため、適切な工事ができます。メーカーと工事をする業者が異なると、意見の食い違いでトラブルになることも少なくありません。
例えば、納期トラブルや設置したもののスムーズに使用できないなどのトラブルが起こり得ます。精工技研は自社で工事を行なっているため、トラブルの心配が少なく、スムーズな導入が期待できるでしょう。
また、手動式のため、トラブルや誤操作の心配がありません。操作も簡単なため、すぐに使うことができます。導入事例も全国で600ヶ所以上に及び、北海道から鹿児島まで実績があります。安心感の強いメーカーの製品と言えるでしょう。
バスラックの比較ポイント
製品情報
外形寸法 | 要お問い合わせ |
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質量 | 54kg~ |
価格 |
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椅子式の入浴リフトは、メーカーによって機能と価格が大きく変わります。もしオーバースペックや過小スペックの製品を導入してしまうと得られる効果が少なくなります。施設の課題に合わせて、しっかり検証するようにしましょう。
介護浴槽、入浴装置については【2023年版】法人向け介護浴槽メーカー11選を徹底比較でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。