入浴用リフトとは？｜導入メリットやおすすめ製品18選を解説

入浴用リフトとは

入浴介助は利用者と介助者の双方にとって、非常に神経と労力を要するものになってきます。利用者は洗体や浴室内の移動、入浴するために浴槽をまたぐなど身体に負担がかかる作業が多いです。

介助者にとっても、利用者の身体を支えながら介助をしなくてはならず重労働と言わざるを得ません。さらに、浴室は滑りやすくなっているため転倒の危険もあります。入浴用リフトを利用することで、これらの負担が軽減されるのです。

ここからは入浴用リフトについてさらに詳しく説明していきます。

入浴用リフトでできること

利用者はリフトに乗っているだけで、浴槽内の移動から洗体・入槽までを完了することができます。介助者も利用者の身体を支える場面が減り、リフトを操作しながらの介助が主になるでしょう。

怪我をする危険や身体への負担が大幅に減少するため、スムーズに介助を行えるようになります。冬場の冷たい床に足をつける必要がなくなるので、ヒートショックの心配も大幅に減らせるのです。

入浴用リフトはどんな人に必要？

入浴用リフトは身体の不自由な方や、高齢者の入浴介助に大きな力を発揮します。そのような方は、浴槽内を一人で立ち座りができなかったり浴槽をまたぐのが非常に困難です。場合によっては怪我をする可能性も生じます。

また、立ち座りはできるものの、ひざの曲げ伸ばしが辛い方も多いでしょう。入浴時は普段の生活と比べても、ひざを曲げる機会がとても増えてきます。ひざに負担を感じる方は、浴室内の昇降のみをサポートしてくれる機器の利用がおすすめです。

入浴用リフトの種類は？

入浴リフトと一言でいっても、その種類はいくつかあります。ここからは入浴用リフトを種類別に細かく説明していきます。

吊り下げ式

大型機器が多いですが、大規模工事が不要で設置が簡単な場合がほとんどです。それ以外にも、キャリーがポール代わりとなってリフトを支えているタイプの機器もあります。脱衣所から浴室への移動が簡単な点が魅力といえるでしょう。

昇降・移動時の揺れに対する不安はありますが、介助者は軽い力での操作が可能です。リフトはコンパクトに収納できたり取り外せるよう配慮されているものが多く、普段は邪魔になりません。

手動式

電気を一切使用しないため電気工事が不要で、漏電や感電に対する心配がありません。機器の故障や停電など万が一の場合にも通常通り操作ができるので、利用者にとっても非常に安心です。

操作性にも配慮された機器が多く、女性の力でも簡単に動かせるようレールやハンドル面が工夫されています。ユニットバスなどの個別浴槽から施設向けの浴場まで、あらゆる形状の浴槽で対応可能です。

電動式

電動式では、さらに2つのタイプが存在しています。ひとつは浴槽とリフトが一体になっているタイプで、もうひとつは既存の浴槽に設置するタイプです。以下でそれぞれ詳しく説明していきます。

電動式：浴槽一体型

先ほども軽く触れましたが、名前の通り個別浴槽とリフトが一体になっているタイプです。シャワーキャリーとセット販売されており、リフトと組み合わせることでシート部分がキャリーと分離します。

製品の規模が大きいため、比較的高価格の製品といえるでしょう。その分、デザインや機能性に優れており、長く利用できる機器も多いです。浴槽からの導入を検討する場合におすすめとなります。

電動式：浴室内昇降型

座位の姿勢が保てる方で、浴槽内の立ち座りや浴槽をまたぐ動作が苦手な方におすすめの製品です。充電式のバッテリー電源を使用しているタイプが多いので、大規模な電気工事は必要ありません。

簡単に設置ができ、届いたその日から使用が可能です。浴槽に固定しないタイプがほとんどで、取り外しも簡単です。介助者本人がリモコン操作ができるよう設計されており、自分のペースでゆっくり入浴を楽しめるでしょう。

入浴用リフトの導入メリット

以下では入浴用リフトを導入するにあたってのメリットを詳しく解説します。

利用者にとってのメリット

利用者にとって一番のメリットは、入浴時の身体的負担が軽減できる点です。身体を思うように動かせない場合、入浴は想像以上に身体に負担がかかってしまいます。それにより、入浴行為自体が嫌になるケースもあるでしょう。

入浴用リフトを使用すれば、利用者は車いすから移乗するだけなので負担の軽減が期待できます。従来は難しかった車いすの方のプライバシーも、個別浴槽を利用することで守ることができるのです。

介助者にとってのメリット

介助者にとっても身体的負担が軽減できる点において、同様にメリットがあるといえます。介護職は、普段から体力と気配りが必要な職業といえるでしょう。入浴介助の際には、特にそれらの力を発揮していかなくてはなりません。

日々の過酷な労働により、ヘルニアなどの持病に悩まされる介助者は数多く存在します。入浴用リフトを導入することで、腰痛など身体的負担の軽減に役立つでしょう。同時に、介助者の転倒リスクも防止できるので、心的ストレスも軽減されます。

施設にとってのメリット

従来では何人かで役割分担をしていた入浴介助が、一人でも対応できるようになります。入浴用リフトは構造がしっかりしており、正しく使用することで事故の危険性が非常に低い製品です。

導入することにより、事故や怪我に対する防止策にもつながります。費用は製品によって大きく違いますが、条件次第で助成金が適用される場合もあるのです。レンタルに対応している製品もありますので、通常よりコストを下げた導入も可能となります。

入浴用リフトの選び方

いくつかの入浴用リフトの中から検討する場合には、大事なポイントを抑えておく必要があります。ここからは、入浴用リフトを選ぶ際に確認しておきたい4つのポイントを紹介しましょう。

スタッフの負担改善

先ほど紹介した通り、入浴用リフトにはいくつか種類があります。種類によって負担が改善される点は異なるのです。具体的にどの部分が負担軽減につながるのかを、簡単にまとめました。

同じ電動式でも浴槽内昇降型は名前の通り浴槽内のみで使用する機器なので、移動の補助はできません。

利用者様の安心感

利用者にとって、安心できるかどうかも大切なポイントになってきます。利用者が不安を感じてしまう製品だと、入浴を嫌がられる原因にもなってくるでしょう。以下に利用者が入浴リフトを利用した際に、感じやすいことを種類別にまとめました。

製品によって、どのくらい昇降できるかは変わってきます。高く上がりすぎると不安に感じる方もいるので、その点についても注意していきましょう。

予算にあっているか

良い製品だからといって無理に予算以上の機器を導入すると、将来の運営に影響してくる可能性があります。入浴用リフトは、「吊り下げ式＜手動式＜電動式」という順番で相場があがっていく製品です。

ただし、電動式の中でも浴槽内昇降型は構造がシンプルなため、費用がどの製品よりも安く抑えられています。メーカーによっては助成金が適用される場合もあるので、あわせて検討していきましょう。

入浴用リフト種類比較一覧表

入浴用リフト18選

ここからは、おすすめの入浴用リフトを種類別でいくつか紹介していきます。

まずは吊り下げ式リフトのご紹介です。

次に手動式のリフトをご紹介します。

次は電動式のリフトのご紹介です。

次に電動式のうち浴槽一体型のものをご紹介します。

最後に電動式のうち浴槽内昇降型のものをご紹介します。

まとめ

介助者と利用者双方にとって、入浴介助は心身ともに負担がかかるものとなります。身体が不自由である場合、滑りやすい浴室内の床を移動するのは不安を感じるものです。介助者も怪我などに注意しながら手助けをしていくので、非常に労力が必要です。

入浴用リフトは、入浴時に起こりがちな双方の負担を軽減するメリットをもつ機器になります。同時に、進みゆく高齢化社会と蔓延的な介助者不足の視点から見ても、導入すべき製品といえるでしょう。

入浴用リフトにはいくつか種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。それぞれの製品を見比べながら、施設に適した機器を導入することがおすすめです。機器によっては補助金を利用できる場合もあるので、必要であれば検討していきましょう。