椅子式の入浴リフトおすすめ6選|導入メリットや製品の価格帯など

更新日 2024.04.09
投稿者:豊田 裕史

高齢化が進み、施設での入浴会場の負担は日々大きくなり、椅子式の入浴リフトが注目を浴びています。椅子式の入浴リフトは、リフトを使用しない場合、一般浴でも使用できるため、幅広く活用可能です。一方で、機械浴はオペレーションにかかる工数が少なくありません。全員に行うと施設職員にも大きな負担になります。

それでは、どのように椅子式の入浴リフトを選べばいいのでしょうか。この記事では、おすすめの椅子式の入浴リフトを、価格帯やおすすめの利用者別に解説していきます。

椅子式の入浴リフトの基礎知識

椅子式の入浴リフトとは、座ったままの入浴を介助するための機器のことです。椅子式の入浴リフトはどのような方におすすめなのでしょうか。ここでは、椅子式の入浴リフトがおすすめな利用者と施設のメリットを紹介します。

椅子式の入浴リフトはこんな方におすすめ

椅子式の入浴リフトは、補助があれば立位姿勢を取れる方、杖などを用いて補助歩行ができる方におすすめです。椅子式の入浴リフトは、座ったまま使用します。そのため、座って安定する力が必要です。また、リフトにより椅子が上下に動くため、振動に耐えられる筋力も必要になります。

ただ、椅子が動いて、浴槽に移動できるため、利用者の負担は高くありません。自ら体を洗うことができ、ある程度自由に動けるため、利用者のストレス軽減にも繋がります。機械式のストレッチャーよりも利用しやすく、一般浴よりも体力の消耗が少なくて済むため、「歩くのは困難でも座ることはできる」という方におすすめの方法です。

椅子式の入浴リフトのメリット

椅子式の入力リフトのメリットとしては、主に3点あります。それぞれについて見ていきましょう。

座位姿勢がとれれば誰でも利用可能
  • 一般浴は、条件の見極めが難しく、ストレッチャータイプの機械浴は寝たきりの状態でないと利用が厳しい
  • 椅子式の入力リフトは座位姿勢がとれれば誰でも利用可能で利用基準のハードルは低い
  • 介護する人の負担軽減に繋がる
  • 椅子式リフトでは、ストレッチャー浴よりも介護者の負担が少ないのが特徴
  • ベルトで被介護者を固定すれば、自動で浴槽に運んでくれ介護者が人手で運ぶ必要がない
  • 車椅子からリフトへの移動も、介護者は補助をするだけになるため、負担が少なくなる
  • リフトを使用しない時は一般の浴槽として利用可能
  • 椅子式の入浴リフトは、一般の浴槽としても利用可能
  • 機械自体がコンパクトで、通常の浴槽に後付けで設置可能
  • 椅子式の入浴リフトは、上下動させるための機構は必要なものの、専用の浴槽は必要ない
  • 椅子式の入浴リフトの価格相場

    導入することで利用者にも施設にも大きなメリットのある入浴リフトですが、価格相場にはバラツキがあります。一般的には、100万円から600万円で推移しており、各メーカーによって価格はまちまちです。代表的なメーカーの価格は、以下の表の通りです。

    製品名 企業名 価格
    ライトハウス 株式会社アマノ
  • 2,800,000円(非課税)
  • シャワーチェア1台付き。浴槽は別売り。
  • ホーミィクリフト 酒井医療株式会社
  • 据置型:1,980,000円
  • アンカー固定型:1,780,000円
  • 浴槽は別売りです
  • クルフト オージー技研株式会社 5,900,000円(非課税)
    昇降式リフトチェア カリプソ アビリティーズケア・ネット株式会社
  • カリプソ 手動タイプ 1,100,000円(税込)
  • カリプソ 電動・PURタイプ 1,925,000円(税込)
  • wellsリフトキャリー 積水ホームテクノ株式会社
  • 標準タイプ:1,500,000円(税込)
  • チルトタイプ:1,850,000円(税込)
  • バスラック 精巧技研株式会社
  • 個浴向け:1,980,000円(税込)〜
  • 個浴向け 大浴場向け:2,220,000円(税込)〜
  • 大浴場向け:2,750,000円(税込)〜

  • 椅子式入浴リフトおすすめ6選

    ここでは、おすすめの椅子式リフトを6つ紹介します。

    ライトハウス|株式会社アマノ

    株式会社アマノ

    出典:株式会社アマノ https://www.amano-grp.co.jp/

    介護入浴のパイオニアである株式会社アマノの椅子式入浴リフトが、ライトハウスです。個別浴槽に対応したリフトで、脱衣室で1度のせかえをするだけで入浴介助作業を行えます。アマノは、快適な介護入浴を追い続けている会社です。長い歴史の中でアップデートを行っているため、細かい部分に強みがあります。例えば、シートが上昇した時の高さを最小限に抑える機構を取り入れています。これは利用者への心理的な負担を考えてのことです。

    また、安全性やシートの座り心地などにもこだわっており、利用者の快適性を実現しています。老舗ならではの安心感があると言えるでしょう。

    ライトハウスの比較ポイント

    • 1度の乗せかえで入浴介助作業を実現
    • 2軸機構で左右どちらからでも入浴者をシートに乗せられる
    • 快適な座り心地のシートを実現

    製品情報

    外形寸法 1140(L)×504(W)×1494~2044(H)mm
    質量 約95kg
    価格 2,800,000円(非課税) ※シャワーチェア1台付き。浴槽は別売り。

    ホーミィリフト|酒井医療株式会社

    酒井医療株式会社

    出典:酒井医療株式会社 https://www.sakaimed.co.jp/

    リハビリサービスと機械の製造、両方を手がける酒井医療株式会社の椅子式入浴リフトが、ホーミィリフトです。既にある浴槽に取り付けることができて、介助者ひとりで利用できます。胸部と腹部の2ヶ所に安全ベルトがあるため、リフト移動時の安全性が非常に高いです。

    また、使用しない時には椅子の座る部分を折りたたむことができます。小規模な施設や自宅でも利用できる非常にコンパクトなリフトです。スペースに不安のある方におすすめの製品と言えるでしょう。

    ホーミィリフトの比較ポイント

    • 既にある浴槽に取付可能
    • 2ヶ所に安全ベルトがあるため安心して使用可能
    • 使用しない時には折りたたみ可能

    製品情報

    外形寸法 1374(L)×978~1055(W)×1220〜1820(H)mm
    質量 95kg~235kg
    価格
    • 据置型:1,980,000円
    • アンカー固定型:1,780,000円
    • ※浴槽は別売りです。

    クルフト|オージー技研株式会社

    オージー技研株式会社

    出典:オージー技研株式会社 https://www.og-wellness.jp/

    医療機器の大手メーカーのオージー技研株式会社が提供している椅子式入浴リフトがクルフトです。クルフトは、搬送車を利用して入浴介助する機械になります。入浴者を搬送車へと移乗させた後、レールに乗せて入浴させることが可能です。

    リフトを上げず、レールで平行移動して、下げることで入浴するシステムのため、介助者の負担が少なくて済みます。また、細かい設計も強みです。例えば、レッグレストは置き心地が計算されていて、疲れを感じさせません。視界も広く設計されていて、使い心地は抜群です。大手医療メーカーのノウハウが詰まった入浴リフトと言えるでしょう。

    クルフトの比較ポイント

    • 搬送車を利用して楽々に入浴介助可能
    • リフトの上昇がなく利用者も安心
    • レッグレストなどの使い心地も抜群

    製品情報

    外形寸法 933(L) × 641(W) × 1,130~1,695(H)
    質量 136kg
    価格 5,900,000円(非課税)

    昇降式リフトチェア カリプソ|アビリティーズ・ケアネット株式会社

    アビリティーズ・ケアネット株式会社

    出典:アビリティーズ・ケアネット株式会社 https://www.abilities.jp/

    アビリティーズ・ケアネット株式会社のリフトチェアがカリプソです。シンプルな構造のため、浴槽へリフトレールを取り付ける工事は必要ありません。どの浴槽でも使用できます。また、通常のシャワーチェアとしても使えるため、様々な人が使用できます。また、身体を保護するアームがしっかりしているため、移動の心配もありません。

    バッテリー式の製品では、バッテリーが少なくなると知らせてくれる機能もあります。シンプル構造のため、価格も安く、浴槽への工事が不要のため導入しやすいリフトチェアと言えます。

    昇降式リフトチェア カリプソの比較ポイント

    • リフトレールの工事不要
    • 通常のシャワーチェアとしても使用可能
    • アームがしっかりしているため移動も安心

    製品情報

    外形寸法 933(L) × 641(W) × 1,130~1,695(H)
    質量 136kg
    価格
    • カリプソ 手動タイプ 1,100,000円(税込)
    • カリプソ 電動・PURタイプ 1,925,000円(税込)

    wellsリフトキャリー|積水ホームテクノ株式会社

    積水ホームテクノ株式会社

    出典:積水ホームテクノ株式会社 https://kaigoshien.com/

    大手の積水グループが経済産業省の事業を行う上で開発したのがwellsシフトキャリーです。レールでスライドして、入浴するオーソドックスなタイプになります。レールは収納もできるため、一般入浴としても使用可能です。

    また、大手ならではの丁寧なサービスに特徴があり、全国の営業拠点で助成金申請などのサポートも行っています。また、リース契約やメンテ契約など導入後のサービスに様々なプランがあるため、安心です。製品としての使い勝手の良さとサービス面の安心さが両立している製品になります。

    wellsリフトキャリーの比較ポイント

    • レールを収納可能で一般入浴にも使用可能
    • 全国の営業拠点で助成金申請などもサポート
    • 様々なリース契約やメンテ契約

    製品情報

    外形寸法 580(W)×1154~1193(L)×1150〜1450(H)
    質量 要お問い合わせ
    価格
    • 標準タイプ:1,500,000円(税込)
    • チルトタイプ:1,850,000円(税込)

    バスラック|精工技研株式会社

    精工技研株式会社

    出典:精工技研株式会社 https://www.seiko-giken.co.jp/

    入浴リフトの製造から設置工事まで一貫して行っているのが、精工技研です。設置現場に強みがあるため、適切な工事ができます。メーカーと工事をする業者が異なると、意見の食い違いでトラブルになることも少なくありません。

    例えば、納期トラブルや設置したもののスムーズに使用できないなどのトラブルが起こり得ます。精工技研は自社で工事を行なっているため、トラブルの心配が少なく、スムーズな導入が期待できるでしょう。

    また、手動式のため、トラブルや誤操作の心配がありません。操作も簡単なため、すぐに使うことができます。導入事例も全国で600ヶ所以上に及び、北海道から鹿児島まで実績があります。安心感の強いメーカーの製品と言えるでしょう。

    バスラックの比較ポイント

    • 新築でも既築でも、大浴場にもユニットバスにもあらゆる浴室に設置可能
    • 電気を使わないため、トラブルや誤操作が少なく安心・安全に入浴可能
    • 手動なのに驚くほど軽い力で簡単に操作可能

    製品情報

    外形寸法 要お問い合わせ
    質量 54kg~
    価格
    • 個浴向け:1,980,000円(税込)〜
    • 個浴向け 大浴場向け:2,220,000円(税込)〜
    • 大浴場向け:2,750,000円(税込)〜

    まとめ

    椅子式の入浴リフトは、メーカーによって機能と価格が大きく変わります。もしオーバースペックや過小スペックの製品を導入してしまうと得られる効果が少なくなります。施設の課題に合わせて、しっかり検証するようにしましょう。

    介護浴槽、入浴装置については【2023年版】法人向け介護浴槽メーカー11選を徹底比較でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

    中小企業診断士
    セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
    URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

    北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

    2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。


    フリーランスWEBライター
    URL:https://twitter.com/kakeru5152

    元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。

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