再加熱カートのメリット・デメリットは?ニュークックチルに対応

更新日 2024.06.25
投稿者:豊田 裕史

医療機関・介護施設では患者や利用者へ食事が提供されていますが、安全性やおいしさの向上のために、近年新たな調理法が注目を集めています。

今回の記事では、導入する医療機関・介護施設が増えている再加熱カートについて、導入のメリットとデメリットについて徹底解説を行っていきます。導入しやすい再加熱カートのおすすめ企業9選も紹介しているので、導入する際の参考にしてみてください。

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再加熱カートとは

再加熱カートとは、ニュークックチル用にチルド状態で盛り付けた状態の食品を、そのままチルドで保存し、タイマーで再加熱を開始するものです。

冷食のものはそのまま冷食で提供することも可能で、カート内で温食と冷食をスペースによって使い分けできます。

再加熱カートについては再加熱カート12選徹底比較|使い方や特徴、導入メリットまで解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

再加熱カート導入のメリット

ここでは、再加熱カートを導入するにあたってのメリットを紹介します。再加熱カートを導入するメリットは以下の4点です。

  • 衛生面の向上
  • 作業量の軽減
  • 作業人員の削減
  • 適温での提供が可能

衛生面の向上

ニュークックチルを導入する形になるので、安全・衛生面の向上が期待できます。大量調理施設衛生管理マニュアルの「調理終了後から2時間以内に喫食」の項目を遵守でき、患者へ安全に食事を提供可能です。

すでに盛り付けられた食事を再加熱するだけなので、あとから食品に触れることも少なく、衛生的にも安心できます。

ニュークックチルについてはニュークックチルとは|クックチルとの違いやメリットを解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

作業量の軽減

再加熱カートがあれば、箸やトングを使って加熱後の食事を盛り付ける必要はありません。チルド状態のまま盛り付けができるので、スピーディかつ簡単に盛り付けが可能です。

手間がかからないため、作業効率の大幅アップが期待できるでしょう。

作業人員の削減

これまでは調理に多数の人員を割いていましたが、再加熱カートを導入すれば最低一人でも作業が可能です。

人員の削減につながるうえ、前日までに盛り付けを行っておけば早朝出勤するスタッフの負担も軽減できます。

適温での提供が可能

配膳時間に合わせてタイマーでの加熱が可能なので、配膳直前に加熱を行えば温かい食事を提供できます。

適温の食事を提供することで、患者や施設の利用者の満足度向上につながるので再加熱カートを導入するメリットは大きいでしょう。

再加熱カート導入時のデメリット

再加熱カート導入のメリットはさまざまですが、導入時に注意しなければならない点もあります。再加熱カートを導入する際は、以下の2点に気をつけましょう。

  • 消費電力に注意が必要
  • サイズ

消費電力に注意が必要

再加熱カートは、ランニングコストとして加熱時の消費電力がかかります。製品によって消費電力が異なるので、選定時にチェックするようにしましょう。

消費電力をもとに光熱費を算出しておけば、年間でどのくらいのランニングコストがかかるのか把握しやすいです。

サイズ

厨房内に設置する場合は、設置スペースがあるかどうかを確認しておく必要があります。広いスペースが無い場合は、小型の製品もあるので設置スペースに応じたサイズの製品を選ぶようにしましょう。

サイズによって価格や機能も変わるので、そのあたりも注意してください。

導入しやすい再加熱カートのおすすめ企業9選

各サービスについて特長部分に触れながら企業紹介ルール(比較ポイント+紹介文)で説明してください。

ニチワ電機株式会社

ニチワ電機株式会社

出典:ニチワ電機株式会社 https://www.nichiwadenki.co.jp/product/steam-convection-oven-system-reheat-cart/

ニチワ電機株式会社が提供しているスチコン式再加熱カートは、カートをステーションから取り外しできるため、再加熱後はそのまま配膳可能です。また、1週間の運転プログラム(1週間分、3食/日のプログラム)の設定・確認作業がタッチパネルで簡単に行えます。

熱風と蒸気を庫内に循環させて加熱するスチコン方式は、加熱ムラが少なく、料理の仕上がりの高さに定評があるのでおすすめです。

ニチワ電機株式会社の比較ポイント

  • 再加熱後はそのまま配膳可能
  • 1週間の運転プログラムの設定・確認作業できる
  • スチコン方式のため加熱ムラが少ない

製品情報

機能 AI自動補正機能あり、見やすい表示モニター搭載
価格 要問合せ
特長 自動加湿熱風式のため熱風式のデメリットである乾燥しやすい点をカバーしておりおいしさも担保されている。オプションで遠隔監視も可能なので常時の加熱状況確認も可能。

株式会社フジマック

株式会社フジマック

出典:株式会社フジマック https://www.fujimak.co.jp/products/07/000267.html

株式会社フジマックが提供している再加熱カートは、シンプルなデザインでシャトルのカラーを全9色から選択可能です。軽量・コンパクト設計なので、設置場所に困らず食品が入った状態でも楽に運べます。

自動運転機能が備わっており、タッチパネルで時間・温度を登録しておけば、設定した時間に自動で再加熱が可能です。シャトルの棚受けや庫内は水洗いできるので、常に清潔な状態を保てます。

株式会社フジマックの比較ポイント

  • シャトルのカラーを全9色から選択可能
  • 軽量・コンパクト設計
  • タッチパネルで時間・温度を登録しておけば自動で再加熱できる

製品情報

機能 温・冷ゾーン切り替え可能。自動運転機能。
価格 要問合せ
特長 カラーバリエーションが豊富。コンパクトなので設置場所に困らない。軽いので楽に運べる。

ホシザキ株式会社

ホシザキ株式会社

出典:ホシザキ株式会社 https://www.hoshizaki.co.jp/p/nw/

ホシザキ株式会社が提供している再加熱カートは、温度・時間の設定や予約運転などがタッチパネルで簡単に行えます。フレームカートは丸ごと水洗いできるので、衛生面も安心です。

運転中の温度データを機械本体で記録できて(24時間分)、USBでデータを出力すればパソコンで庫内の温度履歴を管理できます。操作性が高く運搬しやすいので、女性一人でも問題なく運ぶことが可能です。

ホシザキ株式会社の比較ポイント

  • 温度・時間の設定や予約運転などがタッチパネルで簡単に行える
  • フレームカートは丸ごと水洗い可能
  • 温度データをパソコンで管理できる

製品情報

機能 熱風式、カート水洗い可能
価格 ユニット:約380万円、断熱カート:約150万円、カート:約100万円
特長 ユニット面積が0.87㎡と業界最小スペースで構成されており、狭い厨房でも導入可能となっている。断熱カートも運搬のしやすさを配慮して設計されている

フクシマガリレイ株式会社

フクシマガリレイ株式会社

出典:フクシマガリレイ株式会社 https://www.galilei.co.jp/products/search/?daibunrui_id=7&tyubunrui_id=18

フクシマガリレイ株式会社が提供している再加熱カートは、HACCPに準拠し、しっかりと再加熱されるので食中毒の対策も安心です。省スペース設計のため、設置や作業に場所を取りません。

温食と冷食は確実に区分けが可能で、暑い時期には冷食スペースを広く使えるよう切り替えることもできます。出し入れに便利なパススルー構造で、トレイの出し入れの際にスペースを気にする必要がありません。

フクシマガリレイ株式会社の比較ポイント

  • HACCPに準拠
  • 省スペース設計なので場所をとらない
  • 出し入れに便利なパススルー構造

製品情報

機能 カート丸洗い可能、パススルー構造
価格 要問合せ
特長 予約時間に合わせて温食部(左半分)のみ熱風を送り込んで再加熱できる。冷食への影響はなし。冷食・温食のスペースを調整できる。

PHC株式会社

PHC株式会社

出典:PHC株式会社 https://www.phchd.com/jp/biomedical/food-catering/delicart-rh

PHC株式会社が提供している再加熱カートには、パワーアシスト機能が備わっており、内蔵されたモーターが引く人の力に合わせて補助してくれます。タッチパネルはカラー液晶で操作画面の背景が加熱・冷却中は赤色、全室冷却中は青色に変わるので一目で運転状況を確認可能です。

オプション機能が豊富で、温度管理システムや走行メロディーなどを追加できるので必要に応じて導入を検討してみるといいでしょう。

PHC株式会社の比較ポイント

  • 内蔵されたモーターが引く人の力に合わせて補助してくれる
  • 運転状況によって液晶画面の色が変わる
  • オプション機能が豊富

製品情報

機能 PHCがこれまでに培った温調技術、走行技術を活かした再加熱カート。熱風式なので均一に加熱できる。
価格 要問合せ
特長 カラー液晶パネル搭載。温度管理システムでパソコンから庫内温度データを確認できる。

株式会社中島製作所

株式会社中島製作所

出典:株式会社中島製作所 https://www.meal-shuttle.jp/strength/product.html

株式会社中島製作所が提供しているミールシャトルは、特許取得済のマイクロ波加熱で食材の中心から加熱可能です。食器単位で個別の出力調整ができるので、焼く・蒸す・揚げるなど、それぞれの調理方法に合わせて適切な加熱ができます。

熱風式と比べて、マイクロ波加熱はランニングコストを抑えられるので非常に経済的です。

株式会社中島製作所の比較ポイント

  • 特許取得済のマイクロ波加熱を採用
  • 食器単位で個別の出力調整ができる
  • 熱風式よりもランニングコストを抑えられる

製品情報

機能 マイクロ波方式加熱。個別出力調整機能。
価格 要問合せ
特長 省エネ・省スペース。豊富な導入実績。

株式会社エージーピー

株式会社エージーピー

出典:株式会社エージーピー https://www.agpgroup.co.jp/business/foodcart/

株式会社エージーピーは、再加熱カート国内導入実績NO.1のメーカーです。加熱方法はIH式とEH式から選択できます。複数台導入する場合、オプションの集中監視システムで複数のカートをまとめて管理・操作することが可能です。

また、航空機内食サービスを通じて培われたノウハウを活かし、狭い場所でもスムーズに移動できるコンパクトさと軽さを兼ね備えています。

株式会社エージーピーの比較ポイント

  • 再加熱カート国内導入実績NO.1
  • 集中監視システムで複数のカートをまとめて管理・操作できる
  • コンパクトさと軽さを兼ね備えている

製品情報

機能 IH式。EH式。集中監視システム。
価格 要問合せ
特長 それぞれのメニューに応じて加熱時間・火力(5段階)を調整する ことが可能。省エネ・コンパクト設計。

株式会社アイエス

株式会社アイエス

出典:株式会社アイエス http://www.is-h.co.jp/technology

株式会社アイエスが提供している再加熱カートは加熱水蒸気式なので、ご飯がふっくら仕上がります。そのため、ご飯を後付けする必要はありません。

また、過熱水蒸気で加熱をすると乾燥が少ないので、できたての風味に仕上げることができます。消費電力が少ないため、ランニングコストを削減できてコスパが高いのも特長です。

株式会社アイエスの比較ポイント

  • 加熱水蒸気式を採用
  • 水蒸気で加熱するため食材が乾燥しづらい
  • 消費電力が少ない

製品情報

機能 加熱水蒸気式。省エネ仕様。
価格 要問合せ
特長 過熱水蒸気の採用により各段の温度差を解消。上部・庫内・底部等全体を丸洗い可能。

エレクター株式会社

エレクター株式会社

出典:エレクター株式会社 https://www.erecta.co.jp/brand/ergoserv_ergosert.html

エレクター株式会社が提供している再加熱カートは、優れた機能性と操作性でスタッフの負担を軽減できます。ステーションからシャトル内へ均一な送風ができるため、ムラなく加熱可能です。

デザインは人間工学に基づいており、運搬しやすい工夫がされています。ステーションとシャトルで構成されるエルゴサーブと、インサートも含むエルゴサートの2種類があるので、運用方法に応じて選択するといいでしょう。

エレクター株式会社の比較ポイント

  • 優れた機能性と操作性でスタッフの負担を軽減
  • 均一な送風でムラなく加熱できる
  • 人間工学に基づいたデザイン

製品情報

機能 加熱時間・曜日ごとのタイマー設定が可能。飛沫防水機能IPX4を採用。
価格 要問合せ
特長 庫内外の水洗いが可能。庫内の棚ロッドやパッキンも取り出して洗浄できる。

まとめ

再加熱カートを導入することで、衛生面の向上や作業量の軽減などさまざまなメリットを得ることが可能です。患者だけではなく、スタッフの満足度向上も期待できます。

今回の記事で紹介した再加熱カートのメリット・デメリットを理解した上で、導入を検討してみてください。どれを選べばいいか迷う場合は、、再加熱カートのおすすめ企業9選から選ぶといいでしょう。

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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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