「電子薬歴の導入を考えているけど選び方がわからない」
「おすすめの電子薬歴を知りたい」
電子薬歴の機能や選ぶ基準がわからないと、どの製品が自分の薬局に合っているか分かりませんよね。
この記事では電子薬歴の概要、選び方、価格相場やおすすめ製品の特徴などについて詳しくまとめています。 電子薬歴の導入を検討しているけど選ぶのが難しい、と感じている方はぜひ参考にしてください。
電子薬歴を利用することで薬剤師の業務を効率化し、患者様へ直接対応する時間を増やす動きが広がっています。薬局の分野もIT化が進み、電子薬歴が広がりを見せているのです。この章では電子薬歴の概要と主な機能について解説します。
電子薬歴は、これまで紙媒体に記録していた患者様の薬の処方や副作用歴、指導歴などを電子媒体に記録するシステムです。厚生労働省の調査によると薬局における電子薬歴の普及率は73.9%となっており、今後も普及が進んでいくとみられています。
電子薬歴の運用形態にはクラウド型とオンプレミス型、両方の特徴を生かしたハイブリット型があります。クラウド型はデータをインターネット上で管理するため患者様の自宅での服薬指導や、タブレット端末を使う際に活躍します。オンプレミス型はレセコンと電子薬歴が一体になっており、データを薬局内のサーバーで管理する形態です。ハイブリット型はレセコンと電子薬歴が一体でありながら、データはクラウドサーバーに保管されます。
電子薬歴は製品ごとに運用形態や機能が大きく異なり、導入の際は薬局のニーズに合ったものを選ぶことが大切です。
電子薬歴には薬剤師業務をサポートするさまざまな機能があります。ここでは電子薬歴の主な機能をご紹介します。
服薬指導サポートは患者様の年齢や疾患・処方内容などのデータをもとに、薬剤師が指導するべき項目を提案してくれる機能です。
服薬指導サポートを利用することで、新人の薬剤師でも患者様への説明の質が保たれます。過去の指導履歴を生かした指導を提案してくれる製品もあり、患者様の個別性を重視した服薬指導が可能です。
入力サポートは選択肢をチェックすることで薬歴の作成ができる機能です。誰でも一定レベルの薬歴を作成でき、記入時間の短縮も図れます。
患者様にiPadで服薬指導を行いながら項目を選択していくことで薬歴の下書きができる製品もあります。
処方監査機能は患者様に処方されている薬の相互作用や飲み合わせをチェックする機能です。処方データをもとにリスクや禁忌投与の薬を発見します。
処方監査を電子薬歴が担うことで、薬剤師の知識のアップデートと患者様へのより安全な薬の処方に繋がります。
とくに安全管理が必要なハイリスク薬に注意を促すために開発されたのが、アラート機能です。ハイリスク薬の処方時は薬剤師の指導が必要であり、見落としがないようサポートする機能になります。
ハイリスク薬をわかりやすく表示するだけでなく、薬剤ごとに重要な説明内容がまとめられている製品もあります。副作用や事故のリスクが大きい糖尿病薬や免疫抑制剤などの処方時に、患者様の安全のために大きく役立つ機能です。
患者フォローアップとは、薬剤師が患者さんの薬剤の使用状況や状態、生活環境などを把握し、必要な指導を行うことです。2020年の改正薬剤師法および改正薬機法によって患者フォローアップは義務化されています。
また、患者フォローアップを適切に評価するため、2022年度の診療報酬改定で「服薬管理指導料」が新設されました。来局時だけでなく、次回来局時までの間も継続的かつ的確に把握しフォローアップを行うことが求められています。
メディクスはメールやSMS(ショートメッセージ)、電話、LINEを使った「Medixs投薬後フォロー™」機能を搭載しています。高齢者に多いガラケーユーザーにも対応可能です。Musubi(ムスビ)ではLINEの自動質問機能を使った服薬フォローが可能です。フォロー内容は薬歴に自動で転記されるので、現場の負担を抑えつつ、継続的な患者フォローアップを実施することができます。
iPadなどのタブレットに対応している電子薬歴は、訪問調剤にも活用できます。簡単に持ち運ぶことができるため、薬局外でも薬歴の記載や確認が行えます。その他、訪問計画書や訪問報告書の作成に対応している製品もあります。簡単に情報を転記できたり、自動で情報を連携できたりと時間がかかる作業を効率化することができます。
電子薬歴は製品によって運用形態や機能が大きく異なります。おすすめの電子薬歴システムについて、特徴と主な機能の有無をまとめましたのでぜひ参考にしてください。
P-CUBE nは多様化する薬剤師業務をサポートし、次世代へ向かっている薬剤師を支援する電子薬歴システムです。薬歴で確認項目の中に空欄があるとアラートアイコンが表示され、服薬管理指導料の算定要件を漏らしません。
処方監査機能では医薬品の相互作用のチェックや患者情報に合わせたチェックを行えます。データを活用することで患者様により安全な医療を提供することができるでしょう。
LINEによる服薬フォロー機能では、患者様とコミュニケーションをとりながら服薬の継続を支援することが可能です。やりとりは電子薬歴に通知・記録されます。
株式会社ユニケソフトウェアリサーチの比較ポイント
製品情報
運用形態 | オンプレミス |
---|---|
服薬指導サポート | あり |
指導文入力サポート | あり |
処方箋ファイリング | 可能 |
訪問サポート | 可能 |
アラート機能 | あり |
特徴 | LINEによる服薬フォローアップ機能を標準搭載 |
アイテック阪急阪神株式会社のPharm-i+(ファームアイプラス)は、同社のレセコンPharm-iと一体型の電子薬歴です。レセコンと同時に起動することでスムーズに業務に取り掛かることができます。電子薬歴単体での起動も可能で、表示画面が広くなるため操作しやすくなるのがメリットです。
処方箋ファイリング機能はすでに持っているスキャナーを使用できるため、初期費用を抑えられます。また、閲覧画面の色が薬剤師ごとに設定でき、入力ミスの防止に役立つでしょう。
アイテック阪急阪神株式会社の比較ポイント
製品情報
運用形態 | オンプレミス |
---|---|
服薬指導サポート | 要問い合わせ |
指導文入力サポート | 要問い合わせ |
処方箋ファイリング | 可能 |
訪問サポート | 要問い合わせ |
アラート機能 | 要問い合わせ |
特徴 | 薬剤師ごとに閲覧画面の色が設定可能 |
メディクスは薬剤師の手間を削減し、患者サービスの質向上を目指すことのできる電子薬歴システムです。完全クラウド型のため、どこでも・いつでも使うことができます。セキュリティは厚生労働省のガイドラインに乗っ取って運用されており、安心です。
入力サポート機能は2万点以上の指導例文が標準搭載されているだけでなく、オリジナルの指導例文を作成・共有することができます。薬歴残業の削減に役立つでしょう。
月額料金は何台置いても一定で、更新料やサーバー設置工事は不要です。すでに持っているパソコンやiPadを使用できるため、初期費用も安くすみます。
メディクス|株式会社アクシスの比較ポイント
製品情報
運用形態 | クラウド |
---|---|
服薬指導サポート | あり |
指導文入力サポート | あり |
処方箋ファイリング | 可能 |
訪問サポート | あり |
アラート機能 | あり |
特徴 | 薬剤師の残業を減らす薬歴 |
MAPs for PHARMACYは導入数1万8000件の実績がある、アプリケーション型クラウド電子薬歴システムです。初期費用はパソコンやiPadなどの機材と必要な分のサービス利用料のみで、月額2万円から利用できます。
AIが患者様の情報に基づいて医薬品発注の提案をしてくれる機能もあります。経営戦略に基づいた薬局経営のコンサルティングまでを電子薬歴が担ってくれるのです。
操作性が高いアプリケーションはiPadでも使用でき、薬局内だけでなく訪問業務もスムーズに行えるでしょう。薬歴業務の作業時間を削減することができるため、患者様に向き合う時間を増やせます。
株式会社EMシステムズの比較ポイント
製品情報
運用形態 | クラウド |
---|---|
服薬指導サポート | あり |
指導文入力サポート | あり |
処方箋ファイリング | 要問い合わせ |
訪問サポート | あり |
アラート機能 | 要問い合わせ |
特徴 | 月額2万円から利用可能 |
Musubiは患者様のための薬局づくりを多角的にサポートする電子薬歴システムです。服薬指導を行いながらの薬歴作成で薬剤師の業務を効率化できます。服薬指導サポートは13万種類以上の例文があり、イラストつきでどのような患者様にも伝わりやすいのが特徴です。
また、経営情報の分析やAIによる在庫管理機能もあります。複数店舗ある場合でも各店舗の状況を自動的に集計して業務改善に役立てることが可能です。
LINEで処方箋の写真を送ってもらい薬の準備が完了したら通知したり、次回受診の確認を通知したりする機能もあります。LINEを利用することで患者様の利便性の向上につながるでしょう。
株式会社Kakehashiの比較ポイント
製品情報
運用形態 | クラウド |
---|---|
服薬指導サポート | あり |
指導文入力サポート | あり |
処方箋ファイリング | 要問い合わせ |
訪問サポート | あり |
アラート機能 | あり |
特徴 | 13万種類の例文がある服薬指導サポート |
CARADA電子薬歴Solamichi(ソラミチ)は地域社会に信頼される薬局づくりをしたい場合におすすめの電子薬歴システムです。特許取得技術により、薬歴の作成は指導文にチェックを入れるだけで同一処方でも前回と異なる指導文を提案してくれます。
操作画面はだれでも使いこなせるシンプルな見た目で、マニュアルを見なくても感覚的に操作を行うことが可能です。公式サイトでは登録不要で指導ナビや薬歴作成の体験ができ、今すぐ操作性を確認できます。
月額料金は端末やアカウントが増えても同一のため、複数のパソコンや訪問時のタブレット端末を使用する場合でも安心です。
株式会社ソラミチの比較ポイント
製品情報
運用形態 | クラウド |
---|---|
服薬指導サポート | あり |
指導文入力サポート | あり |
処方箋ファイリング | 要問い合わせ |
訪問サポート | あり |
アラート機能 | あり |
特徴 | 同一処方でも毎回違う服薬指導文を提案 |
GooCo(グーコ)はかんたん・安心・安全を売りにしており、薬剤師業務の効率化を目指せる電子薬歴です。薬歴の下書きは服薬指導をしながらタッチ操作で完了します。指導箋は手書きで書き込みができ、その場で印刷して患者様に渡すことが可能です。
処方監査機能では重複投与、相互作用確認や妊産婦、病名禁忌などきめ細やかなチェックが行えます。ハイリスク薬対応は患者様に合わせたモニタリング値を設定でき、より安心安全な処方につながるでしょう。
単店管理の場合オンプレミス型とクラウド型のどちらも選ぶことができ、店舗が増えた際も柔軟な運用が可能です。
株式会社グッドサイクルシステムの比較ポイント
製品情報
運用形態 | ハイブリッド |
---|---|
服薬指導サポート | あり |
指導文入力サポート | あり |
処方箋ファイリング | 要問い合わせ |
訪問サポート | あり |
アラート機能 | あり |
特徴 | かんたん・安心・安全な使い心地 |
エリシアSは多様化する調剤薬局のありかたを見据えて、末長く選ばれるためのシステム作りをしている電子薬歴です。薬局のニーズに合わせてクラウド型、オンプレミス型が選択できます。
標準搭載されている代替薬ガイドでは、薬効重複や禁忌薬など飲み合わせにリスクがある場合、同種同効薬を確認可能です。医師に提案することでより患者様の安全に繋がるでしょう。
また、経営管理機能には後発薬に変更した場合のシミュレーションや適正在庫のシミュレーション機能もあります。経営を分析し、効率化を図ることができるのです。
株式会社シグマソリューションズの比較ポイント
製品情報
運用形態 | ハイブリッド |
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服薬指導サポート | あり |
指導文入力サポート | あり |
処方箋ファイリング | 要問い合わせ |
訪問サポート | 要問い合わせ |
アラート機能 | あり |
特徴 | 同種同効薬を提案する代替薬ガイド |
ENIFvoice SP+Aは「voice」の名の通り自動音声認識システムと一体であることが特徴の電子薬歴です。薬剤師に特化した音声認識システムのため、医療用語も正確に変換・記録できます。個人の発話の癖を学習したり、音声で添付文書の呼び出しやジェネリック薬の検索を行ったりできる機能が搭載されています。
患者様と対面でお話しすることで薬歴の入力ができるため、パソコンのキーボード入力やiPadの文字入力に不慣れな方におすすめです。画面も操作性を重視したシンプルな構成で、画面操作も音声でできます。文字入力や操作に苦手感を抱いている方にとって役立つ電子薬歴であると言えるでしょう。
東邦薬品株式会社の比較ポイント
製品情報
運用形態 | クラウド |
---|---|
服薬指導サポート | 要問い合わせ |
指導文入力サポート | 要問い合わせ |
処方箋ファイリング | 要問い合わせ |
訪問サポート | 要問い合わせ |
アラート機能 | 要問い合わせ |
特徴 | 薬剤師業務に特化した自動音声認識機能 |
Cabinetは株式会社両毛システムズの電子薬歴です。同社のレセコンであるPharao 7Editionと一体のオンプレミス型になっています。一体型の強みを生かし、会計データを一括で管理することで事務との連携がよりスムーズになります。
医薬品追跡機能は患者様の処方が変更になった場合に目印をつけて知らせてくれる機能です。量や用法が変更になっても、説明事項を逃さずに服薬指導ができるでしょう。
必要な情報をシンプルに表示している画面は、直感的に使用できわかりやすい操作を可能にしています。
株式会社両毛システムズの比較ポイント
製品情報
運用形態 | オンプレミス |
---|---|
服薬指導サポート | 要問い合わせ |
指導文入力サポート | 要問い合わせ |
処方箋ファイリング | 可能 |
訪問サポート | 要問い合わせ |
アラート機能 | 要問い合わせ |
特徴 | 医薬品追跡機能で変更点が一目でわかる |
KUSUDAMA(くすだま)は電子薬歴とレセコンだけではなくPOSレジやピッキングシステムも一体になった、薬局の総合サポートシステムです。レセコン一体型なので処方入力から会計が一元化されており、患者様ごとの待ち状況を見える化して確認することもできます。薬局内での患者様の待ち時間の削減に役立つでしょう。
電子薬歴の操作は全てタブレット端末で行えるため、薬局内の患者様の席や、訪問先でも利用可能です。在宅医療サポート機能も充実しており、残薬管理や訪問スケジュール調整などの機能が訪問時も利用できます。訪問指導の報告書も電子薬歴の入力だけで完了します。
株式会社ZOOの比較ポイント
製品情報
運用形態 | ハイブリッド |
---|---|
服薬指導サポート | 要問い合わせ |
指導文入力サポート | あり |
処方箋ファイリング | 要問い合わせ |
訪問サポート | あり |
アラート機能 | あり |
特徴 | 薬局に必要な機能が一体になった製品 |
GENNAI just(ゲンナイジャスト)は処方入力と在庫管理機能、電子薬歴が一体となった製品です。大きく見やすい処方画面が特徴で、患者様の薬歴情報と同一画面で医薬品の在庫数の確認ができます。
指導や入力サポート機能も充実していて服薬指導の流れに合わせてチェックをすると薬歴が完成するナビモードを搭載しています。薬歴作成の業務が効率化するため、対人業務の強化を図ることが可能です。
オプションとして処方箋バーコード読み取りやクラウドバックアップ機能、電子調剤録などの機能があります。必要な機能だけを契約することでコストカットを図れるでしょう。
株式会社ZOOの比較ポイント
製品情報
運用形態 | オンプレミス(オプションでクラウドバックアップ機能あり) |
---|---|
服薬指導サポート | あり |
指導文入力サポート | あり |
処方箋ファイリング | 要問い合わせ |
訪問サポート | 要問い合わせ |
アラート機能 | 要問い合わせ |
特徴 | 必要な機能をオプションで契約可能 |
Melhis(メルヒス)は画面レイアウトの自由度が高く、薬剤師ごとに好みのレイアウトが設定できる電子薬歴です。 服薬指導サポートでは、患者様のデータをもとに服薬指導をするべき項目について自動で提案してくれます。患者様に確認したことは薬歴作成画面に自動的に入力され、業務の効率化を図ることが可能です。
アドヒアランス向上プログラムでは製薬メーカーが提供する、服薬指導の情報や分かりやすい指導箋を利用することができます。患者様の状況に合わせて服薬の脱落要因をなくすための適切な指導を行うことができるでしょう。
三菱電機ITソリューションズ株式会社の比較ポイント
製品情報
運用形態 | オンプレミス |
---|---|
服薬指導サポート | あり |
指導文入力サポート | あり |
処方箋ファイリング | 要問合せ |
訪問サポート | 要問合せ |
アラート機能 | 要問合せ |
特徴 | 薬剤師ごとに画面レイアウトを設定可能 |
Pharma-SEED EXはオフラインでも操作でき、データをクラウドに保管することもできるハイブリッド型の電子薬歴です。
ワイドな画面レイアウトであるため、前回の薬歴や併用している薬の情報など必要な情報が一目でわかります。画面レイアウトはカスタマイズ可能で、シーンや薬剤師の好みに合わせて設定可能です。
オプションのPharma-SEED LinkⅡ(クラウド型薬歴共有サービス)には、薬剤師をサポートする機能が豊富に備わっています。オプションには端末無制限の服薬指導サポートや在宅サポートシステムがあり、より業務の効率化を図れるでしょう。
富士フイルム株式会社の比較ポイント
製品情報
運用形態 | ハイブリッド |
---|---|
服薬指導サポート | オプション |
指導文入力サポート | オプション |
処方箋ファイリング | 要問い合わせ |
訪問サポート | オプション |
アラート機能 | あり |
特徴 | 情報が一目でわかるワイド画面 |
らく歴は名前の通り誰でも簡単に楽に使いやすいことが特徴の電子薬歴です。操作画面は見やすく直感的に操作できるため、導入後慣れるまでに時間がかかりません。アプリを使用することで音声入力にも対応しています。
患者様の家に訪問する際にはタブレット端末を利用してオフラインで電子薬歴の利用が可能です。訪問計画書や訪問報告書の作成が行えます。
NSIPSに対応しているレセコンならば連動でき、「電子薬歴データ交換仕様に関する連絡協議会」に加盟している電子薬歴からであればデータの移行もできます。リモートサポート機能があり、導入後も安心です。
株式会社Windyの比較ポイント
製品情報
運用形態 | クラウド |
---|---|
服薬指導サポート | オプション |
指導文入力サポート | オプション |
処方箋ファイリング | 要問い合わせ |
訪問サポート | あり |
アラート機能 | 要問い合わせ |
特徴 | 簡単に、楽に使える |
PRESUSは複数店舗でも統一した対応ができ、自動発注や在庫管理も行うことのできる電子薬歴です。 薬局の業務をトータルでサポートするでしょう。
服薬指導時に注意が必要な患者様の条件を設定しておくと、プッシュ通知で知らせてくれます。本部で条件を設定することでそれぞれの店舗で統一した患者様対応が可能です。 調剤オペレーションが標準化されているので他店舗に応援に行く時もスムーズな業務が行えます。
独自の需要予測に基づいて医薬品の在庫管理も行えるため、在庫切れを防ぎ患者様の満足度向上に繋げることができます。
株式会社メディパルホールディングスの比較ポイント
製品情報
運用形態 | オンプレミス |
---|---|
服薬指導サポート | あり |
指導文入力サポート | 要問い合わせ |
処方箋ファイリング | 要問い合わせ |
訪問サポート | 要問い合わせ |
アラート機能 | 要問い合わせ |
特徴 | 複数店舗で対応を標準化できる |
DrugstarCereb2 EXは薬歴記載の効率化を目指すための電子薬歴です。トップ画面にカレンダーや患者様に関する確認・申し送り事項が表示されるため、スケジュール管理と情報共有に役立つでしょう。
処方詳細比較ウィンドウでは、処方変更があったときに変更点をチェックマークとコメントでわかりやすく表示します。用法用量の変更だけでなく、一般名や後発医薬品への変更もチェック可能です。
オプション機能として、訪問服薬指導支援ソフトがあります。訪問先でも処方箋比較や添付文書情報の確認など、電子薬歴の一部機能が利用可能です。
ウィーメックス株式会社の比較ポイント
製品情報
運用形態 | クラウド |
---|---|
服薬指導サポート | 要問い合わせ |
指導文入力サポート | 要問い合わせ |
処方箋ファイリング | 要問い合わせ |
訪問サポート | オプション |
アラート機能 | 要問い合わせ |
特徴 | 情報が詰まったトップ画面 |
Pharms(ファームス)はオンライン服薬指導やアプリを利用したお薬手帳などを利用できる次世代型の電子薬歴です。
アプリを利用したオンライン服薬指導ではビデオチャットを利用して指導を行うことができます。ヤマト運輸による薬の配送も対応可能で、自宅にいながら全てのやりとりが完結します。患者様が受診した病院が遠方だった場合でも、かかりつけ薬局としての機能を果たすでしょう。
ほかにもアプリには服薬フォローアップ、おくすり手帳、処方箋ネット受付やオンライン問診などの便利な機能がそろっています。
株式会社メドレーの比較ポイント
製品情報
運用形態 | クラウド |
---|---|
服薬指導サポート | 要問い合わせ |
指導文入力サポート | 要問い合わせ |
処方箋ファイリング | 要問い合わせ |
訪問サポート | 要問い合わせ |
アラート機能 | 要問い合わせ |
特徴 | 処方薬の受け取りまで全てが自宅で完結 |
電子薬歴は使用する薬局においてどのような使い方をするのかを考えて選びましょう。電子薬歴を選ぶ際に重要である運用形態、タブレット端末に対応しているか、薬局レセコンと連携できるか、など詳しく解説します。
電子薬歴の運用形態には以下の3つがあり、薬局のニーズにあわせて選択することが大切です。
それぞれの形態の特徴を紹介します。
クラウド型は、インターネットのクラウド(保管場所)にデータを保管する形式の電子薬歴です。インターネットがつながる場所であればどこでも使用でき、患者様の自宅でも使えるのが特徴です。
複数店舗の運営に対応している製品では、系列店の情報をまとめて確認することができます。利便性の高さから近年人気が高まっている運用形態です。インターネット接続がないと使用できないことがデメリットです。
オンプレミス型は薬局内にサーバーを設置して、データをサーバー内に保管する運用形態です。オフラインで使うことができ、目の前でデータが保管されているというセキュリティ面の安心感があります。
サーバーや専門機器の購入が必要になるため導入費用はクラウド型よりも高くなる傾向にありますが、ランニングコストは抑えられます。データは薬局内のサーバーにしか保管されていないため、災害などで店舗が被災した場合にデータを失ってしまうおそれがあるのがデメリットです。
ハイブリット型はクラウド型とオンプレミス型の両方の利点を生かした運用形態です。記録した情報は薬局内のサーバーにもインターネットのクラウドにも保管することができます。クラウドの強みを生かして複数店舗での運用する場合もデータの共有が可能です。
オンラインでもオフラインでも利用でき、被災してもデータが失われないのがメリットです。デメリットとしてはまだ製品が少ないことと、クラウドの拡張に費用がかかることがあげられます。
iPadなどのタブレット端末が利用できるかどうかも、電子薬歴を選ぶ際に確認するべきポイントです。
タブレット端末は患者様の自宅に訪問する際はもちろん、薬局内の待合室での服薬指導などでも活躍します。カウンターまで来てもらうのが難しい患者様にも、近くへ行ってタブレットを見ていただきながら服薬指導が可能になります。手軽に持ち運べる利点を生かしてちょっとした調べものや、調剤室での在庫管理にも利用できるでしょう。
在宅の現場でタブレットで電子薬歴を確認できることは、患者様の安心安全にもつながります。さらに訪問指導書や報告書などの書類の作成が訪問先でできる電子薬歴もあり、薬剤師の業務時間削減も可能です。
タブレット端末はタッチ操作で直感的に、そして場所を選ばず手軽に電子薬歴を利用できます。薬局のニーズを考慮しながら、タブレット端末の使用可否もチェックして電子薬歴を選びましょう。
利用中のレセコンと連携できるかどうかは、電子薬歴を選ぶ際に必ずチェックしましょう。
オンプレミス型の電子薬歴システムを導入する場合、電子薬歴とレセコン一体型の製品が多いため、今使用しているレセコンの変更も検討する必要があります。クラウド型の電子薬歴ではNSIPS®に準拠したレセコンと連携できる製品が多く開発されています。 既存のレセコンをそのまま運用しながら、電子薬歴と連携することも可能です。レセコンがNSIPS®に対応しているかはメーカーに問い合わせると確認できます。現在使っているレセコンに大きな不満がなければ、連携が可能な電子薬歴を選べば導入がスムーズです。
電子薬歴システムの更なる進化と普及のため、2014年に電子薬歴データ交換仕様に関する連絡協議会(exPD)が発足されました。このexPDに加盟している電子薬歴メーカー間ではスムーズな薬歴データ移行が可能です。現在20社以上の電子薬歴メーカーがexPDに加盟しています。
電子薬歴の導入や運用にかかる費用は製品によって大きく異なります。初期費用に加えて運用中は月額費用がかかる場合がほとんどです。
それぞれコストの相場について説明します。
電子薬歴を導入する際はパソコンなどのハードウェアと、電子薬歴システムを購入する代金が初期費用としてかかります。
オンプレミス型であればハードウェアの費用込みで100万円から200万円ほどが初期費用の目安です。オンプレミス型はサーバーを設置したり、メーカー指定の周辺機器を購入したりするために費用がかさむことがあります。
クラウド型の電子薬歴は初期費用無料の製品も多いです。しかしクラウド型でも電子薬歴を利用するためのタブレット端末やパソコンがそろっていない場合、ハードウェアの購入費用が必要になります。
現在の薬局の設備と導入する電子薬歴のタイプを考えて、初期費用を概算しましょう。
月額費用はほとんどの電子薬歴で必要です。
具体的な金額は問い合わせが必要な製品が多いですが、1万円から3万円程度が相場と言えるでしょう。
電子薬歴の種類によって、端末1台ごとに料金がかかる製品と、何台の端末で使用しても料金が一定の製品があります。複数の端末で電子薬歴を利用したい場合は、月額費用の決まり方もしっかり確認しましょう。
電子薬歴の導入が、IT導入補助金の対象になる場合があります。
IT導入補助金とは中小企業や小規模事業者が経営力を高めることを目的に、 ITツールの導入費用の一部を補助する制度です。電子薬歴も製品によってはIT導入補助金の対象になっています。
IT導入補助金を活用すると電子薬歴を導入する際の費用負担が軽減できます。薬局が制度の対象となっている場合は、IT導入補助金が利用できる製品であるのかも含めて電子薬歴を選ぶといいでしょう。
記録時間の短縮や業務の効率化を図れたり、処方内容をチェックする機能で患者様の安全を守れたりするのが電子薬歴のメリットです。また、薬歴は「最終の記入の日から起算して3年間保存する」よう定められています。電子薬歴であれば保存のためのスペースを確保する必要がない点もメリットです。デメリットとしては費用がかかる点や、操作方法を覚える必要がある点が挙げられます。
一方で紙薬歴は従来通りの形式であるため、使い慣れておりパソコンの操作方法などを覚える必要がありません。電子薬歴と比べると紙薬歴は記載に時間がかかり、紙の保管場所が必要であるというデメリットがあります。
電子薬歴と紙薬歴のメリットとデメリットを下表にまとめましたので参考にしてください。
電子薬歴 | 紙薬歴 | |
---|---|---|
メリット | ・薬歴の記録時間を短縮できる ・記録の管理がしやすい ・保管場所に困らない ・禁忌や併用薬などをアラートで示してくれる |
・パソコンの操作方法などを覚える必要がない |
デメリット | ・費用がかかる ・パソコンとインターネットが必要である ・操作方法を覚える必要がある |
・薬歴記載に時間がかかる ・紙の保管場所に困る ・災害や盗難などでデータが紛失する恐れがある |
厚生労働省は「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」で、電子薬歴に求められる3つの基準「見読性」「真正性」「保存性」を定めています。以下でそれぞれについて解説します。
「見読性」とは、これまでの紙ベースの薬歴と同様に読める・見えるものであると証明することです。パソコンやタブレット等で分かりやすく閲覧できることはもちろん、データを見やすく印刷できるシステムであることが求められます。これは、監査や訴訟の場面で使う際に、誰もが見やすい書面として出力できる必要があるためです。
「真正性」とは、誰からも信頼される薬歴にするための原則です。どの薬剤師が書いた薬歴なのか分かるようになっており、かつ書き込まれた内容が偽造できないようになっている必要があるということです。第三者によって内容が書き換えられたり、患者の取り違えがないようにする必要があります。
電子薬歴は、「見読性」と「真正性」がどちらも保たれたうえで、定められた期間きちんとデータが保存されている必要があります。データが破損・消失した場合も復元できるように、データのバックアップをとっておくことも重要です。
電子薬歴の普及が進んでいる背景には、調剤報酬の改定で薬剤師の対人業務が重視されるようになったことが影響しています。薬歴の記載にかかる時間を短縮して、患者様に直接関わる時間を増やすことが薬剤師に求められているのです。
2022年の調剤報酬改定で薬剤師の対人業務への評価が高められたことや、オンライン服薬指導の広まりが電子薬歴の普及に寄与しています。
対人業務とは患者様への服薬指導や在宅訪問、処方後のフォローなどの業務です。それに対して対物業務とは、処方箋の管理や調剤、在庫管理など文字通り「物」に対して行う業務を意味します。
これまで薬剤師の業務は対物業務が中心でしたが、厚生労働省の「患者のための薬局ビジョン」で対人業務への変化が求められました。あわせて調剤報酬も対人業務をより評価するように改訂されています。電子薬歴の利用により薬剤師の対物業務は効率化され、患者様に対応する時間の捻出ができるのです。
また、オンライン服薬指導の広まりも電子薬歴の普及の追い風になると考えられます。オンライン指導で電子薬歴を用いると患者様へよりわかりやすい説明ができたり、指導の要点が簡単に記録できたりします。今後はオンライン服薬指導に対応する製品も増え、さらなる電子薬歴の利用拡大に繋がるでしょう。
2020年9月の改正薬剤師法と薬機法の施行で、薬局での「患者フォローアップ」が努力義務から義務へと変更されました。さらに2022年度の診療報酬改定では、患者フォローアップに関わる報酬も改定され、「服薬管理指導科」が新設されました。保険薬剤師が必要と認めた場合、薬剤の使用状況を継続的に把握し、必要な指導を実施すると、処方せん受付1回につき45点または59点が算定できます。
先述した通り、患者フォローアップは、薬剤師が患者さんの状況や状態、生活環境などを継続的に把握し、必要な指導を行うことです。患者さんへの状況確認を実施するタイミングは、患者さんの使用している薬剤や特性によっても変わってきます。
電子薬歴の患者フォローアップ機能を活用することで、メールやLINEを使ったフォローアップが可能です。フォローアップの内容を電子薬歴に自動転記できる製品であれば、現場の負担を抑えて適切なフォローアップができるでしょう。患者さんからのメールやLINEの内容に問題があった場合、追加で電話や対面でのフォローアップを行うことで、より詳しく患者さんの状況を把握することができます。
薬局ではこれまで以上に継続的な薬歴情報が必要になっています。特に複数店舗を持つグループ薬局では、紙薬歴による正確な情報共有は煩雑で難しいため、簡単にデータを共有できる電子薬歴が求められるようになっています。
同一法人内で複数の店舗がある場合、複数店舗間で患者データを連携できる電子薬歴が役立ちます。例えば店舗Aでの処方歴や薬歴をB店舗でも確認できるようになるため、より満足度の高い患者対応や継続的な服薬指導ができるようになります。
オンライン服薬指導についてはオンライン服薬指導システム13選|比較ポイントも解説【2023】でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
電子薬歴は薬歴の記載時間を短縮するだけではなく、服薬指導サポートなどの機能を利用しより安全な処方を実現します。調剤報酬改定で患者様に直接対応する対人業務の評価が高くなり、今後も電子薬歴は普及していくでしょう。
電子薬歴を選ぶ際は、運用形態やタブレットの使用可否、現在使用しているレセコンとの連携の可否をチェックしましょう。
この記事のおすすめの電子薬歴紹介をぜひ参考にして、薬局のニーズに合った製品を選んでください。