歯科用ポータブルレントゲンのメーカー4選比較|選び方や基礎知識まで

更新日 2024.04.09
投稿者:豊田 裕史

ポータブルレントゲンは、持ち運び可能なコンパクトサイズのX線撮影装置です。訪問診療の際に持ち運んだり、身体の不自由な方の診療にポータブルレントゲンを使うことで、効果的に治療を実施できます。

しかし、ポータブルレントゲンを導入する際に、どのメーカーの製品を選べば良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、歯科用ポータブルレントゲンのメーカー各社が販売している製品をくわしく比較していきます。

ポータブルレントゲンの比較一覧表

本記事では、4種類の歯科用ポータブルレントゲンを比較していきます。各製品の利用場面や価格を、以下の表にまとめました。

製品名 企業名 利用場面 価格(税別)
AirRay(エアレイ) 株式会社近畿レントゲン工業社 歯科 442,600円(税別)
ポートエックスⅢ 株式会社モリタ 歯科 480,000円(税別)
X-shot(エックスショット) 株式会社ヨシダ 歯科 498,000円(税別)
デキシコ ADX4000W デキシコウインジャパン株式会社 歯科 スモールセンサー1,780,000円 (税別)
ラージセンサー1,830,000円 (税別)

おすすめのポータブルレントゲン4選

おすすめの歯科用ポータブルレントゲン4種類の特徴を、以下で詳しく解説していきます。重量や1回の充電での照射可能回数といった基本情報のほか、製品ごとの比較ポイントをまとめています。歯科用ポータブルレントゲンの導入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

AirRay(エアレイ)|株式会社近畿レントゲン工業社

AirRay(エアレイ)

出典:株式会社近畿レントゲン工業社 https://x-raykinki.co.jp/product_airray/

AirRay(エアレイ)は、株式会社近畿レントゲン工業社から販売されている歯科用ポータブルレントゲンです。AirRayは軽さが魅力の製品で、その1.9kgという重量は、近畿レントゲン工業社が開発した製品の中でも最も軽いです。また、1回の充電で約100回照射を行える長寿命バッテリーや、0.4mmのX線焦点による高解像度画像も、AirRayの魅力となっています。さらに内部シールドや後方散乱シールドが撮影者を守ってくれるため、安全性も心配ありません。

AirRay(エアレイ)の比較ポイント

  • X線専業メーカーが開発した軽量のポータブルレントゲン
  • バッテリーが長持ちし、高解像度の画像を生成できる
  • 内部シールドや後方散乱シールドが撮影者を守る

製品情報

重量 1.9kg
1回の充電での照射可能回数 100回
価格 442,600円(税別)
医療機器分類 管理医療機器(クラスⅡ)・特定保守管理医療機器・設置管理医療機器
医療機器認証番号 303AGBZX00078000

ポートエックスⅢ|株式会社モリタ

ポートエックスⅢ

出典:株式会社モリタ https://www.dental-plaza.com/article/portx/feature_related/

株式会社モリタのポートエックスⅢは、コンパクトで持ち運びやすい製品です。サイズは幅155×奥行251(コーン部含む)×高さ200mmとなっており、持ち運び用の吊り下げベルトも付いています。また、ポートエックスⅢは操作方法が分かりやすく、撮影したい部位のボタンを押すだけで簡単に設定を行えます。

さらに、1回の充電で100回の照射が可能な大容量バッテリーを内蔵している点も、ポートエックスⅢの特徴です。そのほか、ポートエックスⅢでレントゲン撮影を行う際、普段から医院で利用しているデジタルセンサーやデジタルフィルムをそのまま使うことも可能です。

ポートエックスⅢの比較ポイント

  • サイズが小さく持ち運びやすい
  • 必要最小限の機能が備わったシンプルな作りで、コスパに優れている
  • 大容量バッテリーが内蔵されている

製品情報

重量 約2.6kg
1回の充電での照射可能回数 100回
価格 480,000円(税別)
医療機器分類 管理医療機器(クラスⅡ)特定保守管理医療機器/設置管理医療機器
医療機器認証番号 226ACBZX00045000

X-shot(エックスショット)|株式会社ヨシダ

X-shot(エックスショット)

出典:株式会社ヨシダ https://service.yoshida-dental.co.jp/ca/series/11067

X-shot(エックスショット)は、デジタルカメラのような形状をした歯科用ポータブルレントゲンです。 デジタルカメラに似たコンパクトサイズの製品なので、カメラ用の三脚で固定したうえでレントゲン撮影を行うことも可能です。

X-shotの背面には操作パネルがあり、撮影部位を選択すればレントゲン撮影に移れます。 パネルには分かりやすくボタンが配置されているため、操作方法もシンプルです。

また、X-shotは約40分で最大まで充電できます。 そのほか、X線センサーやデンタルフィルムなどに対応している点も、X-shotの特徴です。

X-shot(エックスショット)の比較ポイント

  • シンプルな作りで操作が簡単なポータブルレントゲン
  • 約40分で最大まで充電可能
  • X線センサー、ビスタスキャンのイメージングプレート、デンタルフィルムに対応

製品情報

重量 2.5kg
1回の充電での照射可能回数 50回
価格 498,000円(税別)
医療機器分類 管理医療機器 特管 設置管理医療機器
医療機器認証番号 224AKBZX00011000

デキシコ ADX4000W|デキシコウインジャパン株式会社

デキシコ ADX4000W

出典:デキシコウインジャパン株式会社 ADX4000W https://dexcowin.co.jp/products/adx4000w/

デキシコウインジャパン株式会社のデキシコ ADX4000Wは、これまでご紹介してきたものの中でも、特に高機能な製品です。デキシコ ADX4000WにはデジタルセンサーやX線装置、画像処理ソフトなどが搭載されており、これ1台で撮影から診断、画像保存までを行えるようになっています。

ポータブルレントゲンで保存した画像は、USBケーブルやWi-Fiを利用してパソコンへ移すことも可能です。また、防塵防水性能の高感度CMOSセンサーを標準装備しているほか、漏えい放射線を遮断する安全設計も、デキシコ ADX4000Wの特徴となっています。

加えて、製品には4.8インチのタッチパネル式ワイドモニターが搭載されており、直感的に操作を行えます。

デキシコ ADX4000Wの比較ポイント

  • 撮影・診断・画像保存を行える高機能なポータブルレントゲン
  • 4.8インチのタッチパネル式ワイドモニターにより直感的な操作が可能
  • 高感度CMOSセンサーが標準装備されている

製品情報

重量 2.4kg
1回の充電での照射可能回数 要お問い合わせ
価格 スモールセンサー1,780,000円 (税別)
ラージセンサー1,830,000円 (税別)
医療機器分類 管理医療機器(クラスⅡ)特定保守管理医療機器 設置管理医療機器
医療機器認証番号 219ADBZX00200000

ポータブルレントゲンの比較・選定ポイント

次に、歯科用ポータブルレントゲンを選ぶ際に注目したいポイントを解説します。比較すべきポイントは以下の3点です。

  • ・価格
  • ・操作性
  • ・照射可能回数

価格

歯科用ポータブルレントゲンは50万円前後の価格で販売されている製品が多いです。もちろん、メーカーよって価格差はありますので、実際にポータブルレントゲンを選ぶ際には、複数の業者から相見積もりを取ることをおすすめします。

操作性

ポータブルレントゲンを導入する場合、製品の操作性にも注目したいです。歯科用ポータブルレントゲンは持ち運んで使用する機器なので、サイズ感や重量を事前に確認しておくことが大切です。シンプルな操作で簡単にセッティングができるか、1回の充電で何回まで照射できるか、といった具体的な性能も確認するようにしましょう。また、画像保存のやりやすさや画像のファイル形式も、前もって知っておきたい要素です。

照射可能回数

1回の充電でどれだけ長く使えるか、も大切なポイントです。ポータブルレントゲンは大型のレントゲンのように電源に常時つながっているわけではないので、使っている間に充電容量が減ってしまいます。訪問診療に出かける際に、「充電し忘れた!」という事態にならないよう、照射可能回数は確認しておきましょう。

訪問件数が多いと想定される先生は、照射可能回数が多い製品を選ぶと良いでしょう。近畿レントゲン工業社のAirRay(エアレイ)株式会社モリタのポートエックスⅢは、1回の充電で100回照射できるので、安心して使うことができるでしょう。

ポータブルレントゲン導入前におさえておきたい基礎知識

続いて、歯科用ポータブルレントゲンを導入する前に知っておきたい基礎知識をご紹介します。

ポータブルレントゲンとは

ポータブルレントゲンとは、外に持ち運ぶことができるコンパクトサイズのX線撮影装置です。院内だけでなく外出先でもレントゲン撮影を行えるため、在宅診療の場に適しています。ポータブルレントゲンは充電式の装置であり、1回の充電でだいたい50回~100回程度の照射が可能です。

ポータブルレントゲンを導入するメリット

歯科の訪問診療でポータブルレントゲンを導入するメリットは以下の通りです。それぞれ、くわしく説明していきます。

  • ・コンパクトで持ち運びが簡単
  • ・すばやく高画質な画像を撮影できる
  • ・患者さまのX線撮影負担の軽減

コンパクトで持ち運びが簡単

ポータブルレントゲンは、院内だけでなく外出先でもレントゲン撮影が可能なX線撮影装置です。歯科においては、訪問診療や、災害時などの緊急時などに活用されています。コンパクトカメラのように使う場合や、三脚をとりつけて使うケースもあります。

すばやく高画質な画像を撮影できる

ポータブルレントゲンを使えば、訪問先で撮影した画像をすぐに確認し、治療方針を決定することができます。

ノートPCを訪問先に持参すれば、患者さまにレントゲン画像を共有することもでき、患者さまの満足度向上も期待できます。

患者さまのX線撮影負担の軽減

ポータブルレントゲンは、通常のレントゲン装置と比べて、患者さまへの被ばく量を抑えた撮影が可能です。そのため、患者さまのX線撮影負担を軽減することができます。

ポータブルレントゲンの基礎知識については【2023】ポータブルレントゲンのメーカー9選比較|選び方や基礎知識まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

ポータブルレントゲンの使い方

ポータブルレントゲンの具体的な使い方の一例を紹介します。大まかな流れは以下の通りです。

  • ・ポータブルレントゲンを組み立てる
  • ・ポータブルレントゲンを部位に照射する
  • ・撮影画像をノートPCで確認

ポータブルレントゲンを組み立てる

患者様の自宅や施設に医師が到着してから、ポータブルレントゲンを組み立てる作業が必要です。最初は組み立てるのに時間がかかるかもしれませんが、慣れれば数分で組み立てることができるようになります。

なお、持ち運びの際はキャリーバッグに入れてポータブルレントゲンを持ち運ぶのが一般的です。レントゲン本体、三脚、画像を確認するためのノートパソコンが基本セットと考えておきましょう。

ポータブルレントゲンを部位に照射する

ポータブルレントゲンで患者さまの部位に照射する際、医療従事者は被爆のリスクを防ぐ必要があります。被爆のリスクを抑えるため、三脚を用いて撮影することを義務付けている医療機関も多いです。

患者様に対しても、X線が直接当たらないよう、防護シートを敷くなどの準備をした上でレントゲンを照射します。

訪問先のレイアウトによっては、三脚を設置できないケースも考えられます。その際は、三脚を設置せず、ポータブルレントゲンを手にもって撮影することになります。医師が被ばくをするリスクがあるため、持ち運び用の防護服も用意します。

撮影画像をノートPCで確認

ポータブルレントゲンで撮影した画像は、持参したノートPCに映し出されます。ポータブルレントゲンとノートPCを無線接続することで、即座に画像が反映されます。

患者様にレントゲンの画像を見せることもできます。製品によって深い部位、浅い部位と撮影できる範囲は異なります。求める画像の質は先生によって異なるはずなので、念入りに確認すると良いでしょう。

まとめ

ポータブルレントゲンは歯科診療に役立つ機材です。外から見ただけでは分からない歯の症状も、X線画像を通して詳細に確認できます。本記事では、おすすめのポータブルレントゲンを4種類ご紹介しました。製品の導入を検討している方は、まずは業者に連絡して見積もりを取ってみてはいかがでしょうか。

中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。


フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152

元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。

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