令和8年度の診療報酬改定において、画像診断管理加算2の施設基準に見直しが行われます。
これまでは適切な診断体制を維持するため、画像診断管理加算2を算定する医療機関には、すべての画像検査を自院の中で完結させることが求められていました。しかし今回の改定により、遠隔画像診断を活用した外部委託を一部容認する緩和措置が講じられます。撮影日の翌診療日までに結果を報告する体制をベースにしつつ、範囲内で外部委託を組み合わせた運用を選択できるようになります。
本記事では、外部委託が認められる具体的な割合の条件や、新設される166点の算定基準について解説します。従来の運用からの変更点を整理した比較表も掲載していますので、改定後の体制づくりや運用の確認における参考にしてください。
令和8年度の診療報酬改定において、「画像診断管理加算2」の施設基準に見直しが行われます。これまでは、原則として自院の中で読影を完結させることが求められていました。しかし、画像診断専門医の確保や勤務環境への配慮といった課題に対応するため、要件の一部が変更されます。
今回の改定では、従来の管理体制をベースにしつつ、医療機関同士の連携による読影を認める内容となっています。また、この一部外部委託を行う場合に対応した新たな点数(166点)も新設されます。
出典:厚労省|令和8年度診療報酬改定 15. 医療技術の適切な評価
医療現場では機器の高度化に伴い、CTやMRIなどの検査件数が増加しています。これに合わせて、画像診断医の確保や業務負担の調整が各医療機関の課題となっていました。特に「画像診断管理加算2」を取得している施設では、撮影日の翌診療日までに結果を報告する体制が必要です。この体制を自院の常勤医師だけで維持することが、運用の負担となるケースが生じていました。
こうした運用の課題に対応するため、画像診断管理加算2において、遠隔画像診断を活用した外部委託ルールが見直されました。今回の改定では、これまで認められていなかった他施設への読影委託が一部可能になります。今回の変更により、自院での読影体制をベースに維持しながらも、一定の範囲内で外部委託を組み合わせた柔軟な運用を選択できるようになります。改定内容の全体像は以下の通りです。
それでは、この改定における具体的な変更内容について、緩和される施設基準(ポイント①)と、新設される点数の算定要件(ポイント②)の2つの視点から詳しく見ていきましょう。
今回の改定において、注目すべき変更点は「画像診断管理加算2」における外部委託ルールの緩和です。これまでは、加算を算定するためにすべての読影を自院で完結させる必要がありました。
しかし、令和8年度の改定により、遠隔画像診断を用いる場合に限り、一部の読影を外部の医療機関へ委託することが認められます。これにより、自院の医師の負担を軽減しながら体制を維持することが可能になります。
現行のルールでは、画像診断管理加算2を取得している医療機関は、他施設への読影や診断の委託が一切認められていませんでした。適切な診断体制を維持するため、すべての画像検査について自院の医師が責任を持って読影することが求められていたためです。この厳格なルールが、夜間や休日、または専門外の領域における運用面の壁となっていました。
改定後は、この制限が一部緩和されます。遠隔画像診断のために委託する場合に限定して、外部の医療機関へ読影を依頼できるようになりました。ただし、無条件にすべての読影を委託できるわけではありません。あらかじめ定められた基準や割合を満たした上で、適切な連携体制を整えることが条件となります。
外部委託ができる分量には明確な上限が設けられています。具体的には、自院で行う核医学診断およびコンピューター断層診断(CT診断)のうち、「2割以下」に抑えなければなりません。つまり、全体の「8割以上」については、引き続き自院の画像診断を専ら担当する常勤医師が読影する必要があります。また、撮影日の翌診療日までに担当医へ報告するルールも従来通り維持されます。
遠隔画像診断を一部外部に委託する場合、新設された評価を算定することになります。この場合の点数は、「月1回に限り166点」の加算となります。ただし、この点数を算定するためには、データを送る側の医療機関と、それを受け取って読影する側の医療機関の双方が、それぞれ定められた施設基準を満たしている必要があります。
今回の改定では、委託を行う送信側と、委託を受ける受信側の双方が満たすべき届出要件が明確に定められています。まず送信側となる自院は、「画像診断管理加算2」の届出を行っている医療機関でなければなりません。
あわせて受信側となる委託先は、「画像診断管理加算2」「画像診断管理加算3」「画像診断管理加算4」のいずれかの届出を行っている医療機関である必要があります。つまり、受信側も同等以上の高い施設基準をクリアしている医療機関でなければならず、どの施設にでも自由に委託できるわけではありません。
実際に点数を算定するためには、受信側の施設で画像診断を専ら担当する常勤医師が実際の診断を行う必要があります。さらに、その診断結果が送信側へ文書などで適切に報告されなければなりません。
なお、運用の留意事項として、一部委託を行う体制や契約を整えている場合であれば、送信側の常勤医師が自ら診断を行って文書報告した場合であっても、この「画像診断管理加算2(一部委託を行う場合)」の点数を算定することになります。
画像診断管理加算2における運用の変更点を、改定前(これまで)と改定後(令和8年改定)で一覧表にまとめました。撮影日の翌診療日までに結果を報告する体制をベースに維持しつつ、外部への一部委託(2割以下)という新しい選択肢とそれに伴う点数が加わります。
| 項目 | 改定前(これまで) | 改定後(令和8年改定) |
|---|---|---|
| 他施設への外部委託 | いっさい不可(すべて自院で完結) | 一部のみ可能(遠隔画像診断に限る) |
| 外部委託できる割合 | 0%(すべて自院の医師が読影) | 自院のCT・核医学診断の「2割以下」 |
| 自院で読影する割合 | 100% | 全体の「8割以上」を自院の医師が読影 |
| 読影結果の報告期限 | 撮影日の翌診療日までに報告 | 撮影日の翌診療日までに報告(変更なし) |
| 画像診断管理加算2の点数 | 通常点数(175点)を算定 | 自院完結の施設は通常点数(175点)、一部委託を行う施設は一律で新点数(166点)を算定 |
令和8年度の診療報酬改定では、「画像診断管理加算2」において遠隔画像診断を活用した一部外部委託の選択肢が加わりました。これまでの自院完結という厳しい原則をベースに維持しつつも、実務上の負担を考慮した緩和措置が講じられた形です。今回の見直しは、各医療機関の運用実態に合わせた柔軟な体制構築を後押しする内容となっています。
全体の8割以上を自院で読影し翌診療日までに報告するという基本体制を守れば、残りの2割以下を外部に委託できるようになりました。この2割の枠を夜間や休日、あるいは専門外の領域といった負担の大きい部分に充てることで、自院の常勤医師の勤務環境への配慮や業務の効率化が期待できます。
新設された166点の加算を適切に算定するためには、委託先となる受信側の施設基準を正しく把握しておく必要があります。相手方の医療機関が「画像診断管理加算2、3、4」のいずれかを届け出ていることが必須条件となるため、事前の確認と適切な連携体制の構築が重要です。自院の診断体制を維持しながら、この新しいルールをどのように組み込んでいくか、今後の運用方針の検討が求められます。