クリニックでセミセルフレジの導入が進んでいます。「診察時間終了後のレジ締め作業に多くの手間と時間がかかっている現状をなんとかしたい。」そんな風に考える経営者の方も多いでしょう。
そこで今回は、セミセルフレジのメリットやデメリット、実際に起こったトラブル例を解説します。
また、導入にあたって注意すべき点も紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
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目次
セミセルフレジとは、スタッフが電子カルテやレセコンから得られた支払い情報をお客様に提示し、お客様自身が自動精算機で会計を済ませるものです。非接触でお釣りの間違いもないので、安全でスピーディーに会計を済ませることが可能です。
会計が正確に処理されレジ締め作業が大幅に減るので、クリニック側にも大きなメリットがあるでしょう。
また、セミセルフレジと似たシステムに「セルフレジ」があります。セルフレジは、診察券に紐付けたりバーコードを渡したりするなど、何らかの方法でお客様に支払い情報を伝えると、スタッフの手を経ることなく会計が可能です。支払い情報の確定から支払いまで、完全にお客様自身で会計を終えられるので、セミセルフよりも進んだシステムとなっています。
クリニックの経営者もお客様にとってもメリットの大きいセミセルフレジですが、トラブルがないわけではありません。まずは、よくあるトラブルの例について理解を深めておきましょう。
セミセルフレジでお客様が行う作業は、ディスプレイなどに提示された金額を見て自動精算機に投入するだけです。お釣りが発生すれば出金も自動で行われます。操作場所がLEDで点灯されたり、自動音声でも案内されたりするなど、操作方法がわかりやすいです。
しかし、現金の手渡しに慣れた高齢のお客様で、機械操作が苦手な方から、自動精算機の操作方法を尋ねられる場合があります。この場合はスタッフが操作方法を説明しますが、それでもできない場合には一緒に操作をするなど手助けが必要なため時間がかかり、ほかのお客様をお待たせする場合もあるでしょう。
セミセルフレジで支払いが半自動化できると、受付窓口が混雑しないのはメリットです。しかし、お客様が自動精算機の操作に時間がかかっていると、ほかのお客様をお待たせすることになります。
操作方法がわからない場合はスタッフが教えることになりますが、お客様と一緒に操作するのが必要な場合はさらに時間がかかるでしょう。また、紙幣が紙詰まりを起こすと復旧までに時間がかかります。
複数の端末がないと待っているお客様がイライラして、トラブルに発展するケースもあるようです。中にはお客様同志のトラブルが殴り合いまで発展したケースも。こうしたトラブルにならないよう、スタッフは対応に気を付ける必要があります。
セミセルフレジは提示された金額をお客様が自動精算機で精算するというシンプルな仕組みなのですが、支払わずに帰られるケースがあります。 お客様が悪意ではなく単に気付かずに帰る場合は、お客様と連絡を取って後ほどお支払いいただければ解決するでしょう。
なかには、わざと支払わずに帰るお客様もいるかもしれません。その際は、だれが責任をとって弁償するのか悩む方もいるでしょう。担当したスタッフに責任があるという経営者の方もいるかもしれません。しかし、わざと見逃すなど重大な過失がない場合には、賠償する責任はありません。
窓口が混んでいると、支払い情報を提示後自動精算機へ案内するだけで、お客様が実際に支払うところを確認できない場合があります。このような場合は、スタッフに支払い義務はないので注意しましょう。
セミセルフレジの自動精算機にお札が詰まったり、硬貨の大量投入により機械が停止したりすることはよくあることです。「硬貨の大量投入禁止」の貼り紙もよく見かけます。
支払いの際に投入したお札が詰まると、復旧まで時間がかかってしまいます。対応するスタッフが慣れていないと、せっかく浮いたマンパワーが吸収されてしまうのが弱点です。
支払いのため投入した紙幣が詰まったのか、先に投入されていた紙幣が出金される際に詰まったのか、判断が難しいケースもあります。また、財布に貯まっていた小銭を大量投入して詰まるケースもあるようです。
最近は金融機関で両替に手数料がかかるので、自動精算機で利用しようとする人がいても不思議はありません。
セルフレジに一万円札投入。操作中に止まりお釣り出ず。店員さん機械開けて詰まってた札を取るが千円札。一万円札入れたと言っても、そんなはずはない!と疑われる。レシートが無事印刷され濡れ衣は晴れる。詰まってたのはお釣り用の千円札と判明。日本中で起こりそうな例だね。お互い焦らぬように。 pic.twitter.com/OmIDJXvUOi
— そらまめ@呉 (@soramame_kure) November 15, 2021
一円玉数枚入れたら上限いったみたいでエラー出て大量に入れないでって怒られた事ならあります…( ´∵`)
— 案山子@福岡つらたん (@yosiasi2) November 16, 2021
セミセルフレジに対する世間の声を紹介します。回答に良い評判も悪い評判もありますが、総じて好意的な印象をもっている感想が多いようです。以下では、さまざまな評判について具体的に見ていきましょう。
株式会社MS&Consultingが行った調査『セルフレジ導入』をお客様はどう思っている?によると、セミセルフに好印象を持っているのは43〜45%、抵抗を感じるのは5%程度となっています。抵抗を感じているのは20人に1人程度で、半数近くが好印象を持っていると言えるでしょう。次から、Twitter上でつぶやかれたセミセルフレジの良い評判や悪い評判をいくつか紹介します。
自分のペースで支払いできるのと、袋詰めなどスタッフと接する時間がないので良いという評判があります。
セミセルフレジ増えてきたね、めっちゃ早いし好きよ
— ヤスタカ (@_yasu_tk) January 10, 2022
コンビニとかの袋を買ったら袋詰めしてくれるお店でのセミセルフレジって袋詰めしてくれてる時間を支払いに使えて手持ち無沙汰になる時間が無くて好きでも行きなれてない店だと操作方法にちょっと時間がかかるからどのお店もシステムとか一緒にならないかな
— 桃瀬 :接客業店員の呟き (@j0113H7) July 30, 2021
上記では良い評判について解説しましたが、その一方で操作に慣れなくて馴染めないという意見や、いっそセルフレジにして欲しいとの意見も見られます。
1,2品でセミセルフだと 小銭先に入れてお札 とかやってるうちに次の人が居てよけい焦るので フルセルフがよい
— 布由 (@huyu_n) June 21, 2019
最近、たまにいくセブンでもセミセルフレジ導入されたけど、正直中途半端で嫌い。セブンアプリ読み込みは店員さんにお願い。決済方法選択は自分で。バーコード決済だとまた店員さんにお願い。慣れてないからかもしれないけど、店員さんも面倒では?完全セルフレジにして欲しい。#セブンイレブン pic.twitter.com/Y6yiPHFq1W
— hayoge (@hayoge711) November 25, 2020
これまでの声を見ると、トラブルの不安感はありますが、概ね好評なことがわかりました。ここでは、あらためてセミセルフレジの導入メリットを5つ解説します。既にご存じかも知れませんが、復習の意味でお読みください。
自動精算機では、お客様が入金するとお釣りを自動計算して出金するので、計算間違いや受け取りミスがありません。入金から出金までのお金の出し入れはPOSレジにも記録されるので、不正が発生する心配はないでしょう。
これまでは、診察時間終了後にレジ締め作業が大きな負担となっていました。POSレジからの支払い情報と、自動精算機の現金情報が瞬時に紹介できるので、レジ締め作業が容易に行えます。これまで大きかったスタッフの負担が軽減され、時間外勤務も削減できるでしょう。
スタッフとお客様のお金を通じた接触がなくなるので、新型コロナウイルス感染症対策となります。また、会計のスピードが上がるので待合室での滞在時間が減り、たくさんのお客様が並ぶことがないのもメリットです。
若い世代では、外出時に現金を持ち歩かない人も増えてきています。クリニックの会計でも、支払いは現金以外にもクレジットカードや電子マネー・バーコード決済も可能なので、お客様の多様な決済ニーズに対応できます。
フルセルフレジでは、まずお客様が診察券やバーコードを印字した伝票により会計情報を受け取ります。次に、診察券やバーコードを自動精算機にかざし、お金を投入しお釣りを受け取るところまでが自身で行う作業です。会計の際にスタッフと接する機会がありません。
これに対し、セミセルフレジでは支払い情報をスタッフが入力し、お客様に会計を促すので、お金のやり取りで接触はしないものの、対面で声かけなど適度なコミュニケーションを取れます。セルフレジによる放置され冷たい対応を受けた、との印象を避けられるでしょう。
セミセルフレジのメリットやデメリットについては、セミセルフレジ導入のメリット・デメリットとは?|導入を検討する際のポイントも解説」でも詳しく取り上げています。参考にしてください。
メリットはたくさんありますが、デメリットがあることも確かです。しかし、デメリットへの対策を適切に行うことで問題点を克服し、逆にスムーズな導入につなげることができるのです。デメリットを意識した上で、セミセルフレジ導入時の注意点について触れます。
セミセルフレジのトラブルは、スタッフの対応で防げることが多いです。お客様への対応や機器トラブル発生時の対応方法は、スタッフに事前に周知しておく必要があります。
お客様から問い合わせのあったときに慌てて対応していては効率が悪いです。機器の使用方法を調べたり、紙詰まりトラブル・電子マネーの決済方法を確認したり、レジ締めの作業や日計表・月計表の作成などの練習をしたり、想定される事項についてはマニュアルを整備しておきましょう。
スタッフの教育やマニュアルの策定をしておけば、ほとんどのトラブルは解決できるので、滅多にないレアケースのみに対応を集中することができます。
すべてのお客様がセミセルフレジに対応できるわけではありません。操作に不慣れなお客様も一定数はいるので、その場合は一緒に寄り添って対応しましょう。
また、セミセルフレジの導入で効率化できた時間を、ほかの接客業務に活用もできます。普段忙しくてじっくり対応できていなかった接客を丁寧に行う余裕が生まれれば、お客様の満足度も上がり、再診にもつながります。
セミセルフレジには次のようなメリットがあることを説明しました。
しかし、クリニックとお客様の両方にメリットがあるとわかっていても、トラブルが気になって導入をためらうこともあるかもしれません。トラブルへの対応は、原因を冷静に分析し、スタッフ教育やマニュアルの作成などで対応可能なものがほとんどです。
セミセルフレジのメリットを十分に生かして、お客様の満足度を上げるようにしましょう。この記事がセミセルフレジ導入の検討材料となれば幸いです。
セミセルフレジについては【2023】セミセルフレジメーカー10選を徹底比較|価格や導入メリットを解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
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