自動釣銭機の役割を徹底解説｜仕組みや運用方法、メーカー9選もご紹介

自動釣銭機の仕組みと使い方

早速、自動釣銭機とはどのようなものなのか解説していきます。 自動釣銭機の使い方やどれくらい導入されているのかを一緒にみていきましょう。

自動釣銭機とは

自動釣銭機は、自動で釣銭が用意される機械です。受付で会計処理をして確定した後、現金を投入すると自動的に釣銭を清算し、正確な釣銭額を吐き出してくれます。受付1人は必ずいるので、金銭の計数を行ってくれて安心です。

大きく分けると有人運用と無人運用の2種類。有人運用は、受付が現金授受を行い、釣銭は直接受付からお客様に手渡すことになります。入金優先運用と呼ばれ「正確性」に定評があります。

無人運用は入力を受付が行い、請求金額を示した後、お客様が現金授受をする仕組みです。釣銭優先運用と呼ばれており、こちらは「スピード性」が重視されています。

自動釣銭機の2種類の運用方法

自動釣銭機運用の流れは、入金優先運用、釣銭優先運用の2種類の運用方法があります。

①入金優先運用 入金優先運用は、金額入力の手間が省けます。さらに受付による違算のミスも防げるので、顧客との信頼感関係に繋がります。また、クリニックや病院では、自動釣銭機をお客様側に向けて投入してもらう「セミセルフレジ」にも対応が可能。現金に直接触れないため、衛生面においても安心です。

ただし、顧客との信頼性は高まりますが、処理スピードは若干遅いのが特徴です。また、認識できない紙幣をお預かりした際の操作方法と、保管が複雑。対応に手違いがあると、違算が発生する場合もあるので、注意が必要です。入金時にエラーが発生した際、実際の預かり金と機械の認識に誤差が生じた時はクレームになる場合もあります。

②釣銭優先運用 釣銭優先運用は、従来の受付の流れで預り金を入力します。先に釣銭を支払い、お会計後に預かり金を投入するシステム。現金投入を省くことで、釣銭をスピーディーに支払えるため、お客様の待ち時間が少なくなります。釣銭補充もいつでもできるので、便利です。会計処理のスピードアップも期待できます。

作業スピードが上がることで、顧客の満足感が高まります。ただし、預り金の登録ミスが起こる場合や、違算が発生することもあるので注意しましょう。

自動釣銭機の導入によるメリット

自動釣銭機が病院やクリニックに導入されることが増えたのは、便利で効率が良いのはもちろん、様々なメリットがあるからです。ここからは皆様が知って得するメリットを解説していきます。

1. オペレーションの向上による人件費削減

メリットの中で最も大きいのは、オペレーションの向上で会計がスピーディーになることです。会計を早く終わらせることで、待ち時間も少なくなり、顧客満足度アップに繋がります。

また、仕事の効率化を図ることで、人件費削減にも期待できます。人材確保が難しいと言われている中、会計に自動釣銭機を導入することで、人手不足を解消。さらに本来の現場での仕事に力を入れられます。

従業員を雇う場合も、日本人だけでなく、さまざまな国の外国人を雇うことも可能です。自動釣銭機を使用することで金種の判断が不要になります。労働者側だけでなく、雇う側の負担やリスクの軽減に繋がります。

2. 釣銭間違いのリスクヘッジ（会計時ミス防止）

お客様との信頼関係を築く上で重要なのは正確なお会計。例え小さな金銭ミスであっても、お客様にとっては信用が低下してしまいます。

そんな時、自動釣銭機を導入していると、釣銭間違いのリスクを防げます。また、金銭を多く受け取るミスなども回避できるので、会計時のミス防止対策に役立ちます。

3.衛生面のメリット

病院やクリニックでは、消毒を行って体調管理に気を配り、あらゆる感染症対策を講じているとおもいます。特に新型コロナ予防対策に力を入れていますが、現金には多くの雑菌が付着していると考えられます。

そんな中お客様が自ら現金を投入する自動釣銭機を導入すると、スタッフが金銭に触れることが少なくなります。感染症リスクの軽減にも繋がり、オペレーションの効率化も高まるのが特徴です。

自動釣銭機の導入によるデメリット

続いて、病院やクリニックに自動釣銭機を導入するデメリットについて解説します。

1.導入にコストがかかる

自動釣銭機は高額な機器なので、導入する際はコストがかかります。しかし、その分業務の効率化が図れるのは魅力的です。長期的な目線で見ると人件費削減など、会社に大きな貢献をもたらしてくれるため、プラスに捉えられます。

2.エラーの対処が必要な場合がある

紙幣や硬貨が機械に詰まってしまうエラーや、予期せぬトラブルで接続が切れてしまう場合もあります。そして時には通常のレジでは起こらないエラーに対処しなければいけないこともあります。

3.設置スペース

一般的な自動釣銭機はサイズが大きいので、場所を確保しなければいけません。また、設置するための追加工事が必要な場合もあります。

よくあるトラブルとその対処方法

自動釣銭機で紙幣・硬貨が詰まった場合

お会計中、もしも自動釣銭機に紙幣や硬貨が詰まった場合、無理に取り出すと自動釣銭機の故障の原因にもなります。そんな時のために、事前にしっかりした対処法を頭に入れて置くと安心です。

スマレジの商品を参考に、トラブル時の対応を説明します。

参考：【Q&A】自動釣銭機で紙幣・硬貨が詰まった場合 – スマレジ・ヘルプ

自動釣銭機の鍵を使用した対処方法

【硬貨の場合】

1. 自動釣銭機本体の硬貨排出箇所下部にある、鍵穴に専用の鍵を挿してください。
2. 専用の鍵を左回りに動かします。
3. 鍵を回しながら手前に最後まで引きます。この時、硬貨の搬送路がある装置内部を確認します。装置内部のパーツを外して破損させないように注意してください。
4. 硬貨の搬送路の部分を開きます。硬貨が詰まっている場合は、取り出して元に戻してください。

【紙幣の場合】

1. 自動釣銭機本体の紙幣排出箇所下部にある鍵穴に専用の鍵を挿します。
2. 専用の鍵を左回りに回す。
3. 鍵を回しながら手前に最後まで引きます。装置内部のパーツを破損させないように注意してください。
4. プラスチックのシート（異物除去シート）をめくり、緑のハンドルを1つ取り外します。紙幣が詰まっていた場合は無理 に取り出そうとすると、故障の原因になるので注意が必要です。
5. 開閉レバーを開き、ハンドルを取り付けます。
6. ハンドルを右回しにゆっくり回すと、開閉口から詰まっていた紙幣が取り出せます。紙幣を取り出した後は元に戻しましょう。

自動釣銭機のお会計でエラーが発生した場合

自動釣銭機のお会計中にエラーが発生すると、正常に自動釣銭機が接続できないため、会計処理ができません。

①周辺機器の接続場所の確認 まずは周辺機器の接続場所を確認しましょう。自動釣銭機の背面部を確認し、ケーブル接続箇所に緩みや抜けはないかをチェック。もし緩みや抜けがあった場合は押してください。

変換器の接続箇所も確認します。緩みや抜けがあった際は、押しましょう。 ケーブルを抜く際も、無理に抜くと形状が異なるので気を付けて下さい。

② Wi-Fiの接続先の確認 変換器は、店舗で使用するネットワークで設定を行っています。自動釣銭機を使用する場合は、必ずレジ端末を店舗のWi-Fiに接続しなければいけません。

パソコン画面のレジ端末の設定を開きます。Wi-Fiを選択し、青いチェックマークが入った接続先を確認。店舗で使用されているネットワークと異なる場合は、正しい接続先を選んでください。

③アプリの設定の確認 自動釣銭機を使う場合は、スマレジの『チェックアウト機能』を利用できないためOFFにしましょう。

チェックアウト機能がONの場合、正常に自動釣銭機と連携する事ができません。 これらの手順を行っても改善しない場合は、自動釣銭機本体、もしくは企業で問題が生じていることもあります。サポート窓口までお気軽にご連絡ください。

自動釣銭機メーカー9選

次におすすめの自動釣銭機のメーカー9社を紹介します。

株式会社ビジコム

自動釣銭機をお客さん側に向けるセミセルフレジとのセットが特徴となります。 省スペースな上に価格も安価なため、導入も容易です。 さらに煩雑な会計処理をスムーズに行うPOSレジを導入することができます。

自動釣銭機はもちろん、電子マネーやバーコード決済などの多彩な決済に対応しています。 自動釣銭機で行う釣り銭の受け取りやキャッシュレス決済での精算ができるので、新型コロナウイルス感染症対策にも効果的です。

価格	827,000円～
サイズ	ー
取扱金種	ー
収納枚数	ー

東芝テック

東芝テックの自動釣銭機「VT-330」の特徴は、カンタンに扱える操作性や機能性です。 セルフで会計を行うお客様でもスムーズに操作が可能で、会計の際に現金の受取りからおつりのお渡しまで流れをスムーズに行えます。

レジメーカーならではの視点で開発されており、POSシステムと親和性の高いキーレス機能やPOSガイダンス機能、硬貨オーバーフロー機能の３つの連動機能も搭載されています。 機器の本体は、業界最小サイズながら大容量なのが特徴です。

価格	約270,000円～
サイズ	硬貨部　W260 x D530 x H155mm 紙幣部　W220 x D530 x H122mm
取扱金種	（硬貨）500円、100円、50円、10円、5円、1円 （紙幣）１万円、5千円、千円
収納枚数	（硬貨）500円：105枚　100円：170枚　50円：120枚　10円：170枚　5円：120枚　1円：170枚 （紙幣）１万円：100枚　5千円：100枚　千円：300枚

旭精工株式会社

「小型で格安な自動釣銭機ならつりペイ君」が謳い文句の製品となります。セミセルフに最適なので「現金の受け渡しは衛生面で心配」とお考えの方におすすめです。

つりペイ君はこれまでの自動釣銭機と比べ設置面積約 80%と省スペースを実現しているので、狭いカウンターの上など場所を問いません。

小型なのに硬貨の収納量は2倍以上で、補充の頻度も大幅に減ります。業際最安をうたうほど導入コストが低いので、低価格の自動釣銭機の導入を検討中の方におすすめです。

価格	要問い合わせ
サイズ	W452 x D451 x H200mm
取扱金種	（硬貨）500円、100円、50円、10円、5円、1円 （紙幣）１万円、5千円、2千円、千円
収納枚数	（硬貨）500円 : 約220枚 100円 :約350枚 50円：約380枚 10円 :約320枚　5円 : 約400枚 1円：約400枚 （紙幣）千円 : 約200枚

株式会社GENOVA

クリニック専用のシステムなので電子カルテやレセコンとの高い連携接続実績を誇ります。 歯科・クリニック専用のレジ自動釣銭機として開発してきており、受付・会計業務のスマート化を実現可能です。

クリニックごとの専任担当者を配置し、スムーズな導入から運用方法までそれぞれに最適にカスタマイズした方法を提案してくれるのも魅力です。 キャッシュレスやクレジットカード決済にも対応しているので、お客様の満足度が高まるとともに、現金を扱わないことによる釣り銭の間違いを格段に減らせます。

価格	要問い合わせ
サイズ	ー
取扱金種	ー
収納枚数	ー

ローレルバンクマシン株式会社

ローレルバンクマシン株式会社のACE-100は銀行ATMのように上から紙幣を投入するタイプのため、紙づまりを未然に防ぐことが可能です。 誤って紙幣入金口に投入されたものがあれば、異物排除機能により受け口へ流される機能もあります。

また、硬貨の入金もスムーズでお客様を待たせることもありません。 LEDランプが入出金の流れをフォローし、視覚的にもわかりやすい操作を実現しており、残留物があった場合にもブザーでお知らせしてくれます。

価格	要問い合わせ
サイズ	硬貨釣銭機　W220 x D530 x H121.5mm 紙幣釣銭機　W260 x D530 x H121.5mm
取扱金種	ー
収納枚数	ー

富士電機

優れた機能性と高いデザイン性でどんな場所にも溶け込むだけでなく、安心安全に現金管理を行うことが可能です。 コンパクトなボディで操作性も容易なものになっています。

自動で計算して自動で出金するので、現金の数え間違いや受け渡しミスがありません。 レジ締めのスタッフ業務が軽減されます。 セルフレジにはガイドランプが点灯するので、初めてのお客様でも迷わず入金可能です。

価格	要問い合わせ
サイズ	硬貨部W270 x D600 x H130mm 紙幣部W220 x D600 x H130mm
取扱金種	（硬貨）500円、100円、50円、10円、5円、1円 （紙幣）１万円、5千円、2千円、千円
収納枚数	（硬貨）500円：110枚　100円：200枚　50円：120枚　10円：200枚　5円：160枚　1円：170枚 （紙幣）１万円：100枚　5千円：100枚　千円：250枚　回収庫：200枚

NEC

「FAL3」は多機能・高性能がポイントです。 紙幣や硬貨の入出金処理スピードは、業界トップクラスの高速処理を誇ります。 処理速度の大幅な向上と高い信頼性を確保しているのが特徴です。

入出金時に手元を自動で照らすほか、紙幣や硬貨などの異物が混入しても検知してくれる安心機能もあります。 さらに自動釣銭機内の現金を自動で数えて、取引履歴と照合することも容易です。

価格	要問い合わせ
サイズ	硬貨部　W253 x D570 x H130mm 紙幣部　W227 x D570 x H130mm
取扱金種	（硬貨）500円、100円、50円、10円、5円、1円 （紙幣）１万円、5千円、2千円、千円
収納枚数	（硬貨）500円：110枚　100円：200枚　50円：120枚　10円：200枚　5円：120枚　1円：200枚 （紙幣）１万円：100枚　5千円：100枚　千円：250枚　回収庫：200枚

沖電気工業株式会社

業界トップクラスの処理速度により、お客様満足度の向上、業務の効率化を実現することができます。同社のホームページよれば、釣銭の出金をスピードアップしており、硬貨であれば業界平均（2.57秒）より約61%短縮、紙幣でも業界平均（2.8秒）以下の出金を実現しています。紙幣の大量投入量も業界トップクラスです。

入出金のステータスをランプで表示してくれるほか、紙幣部と硬貨部センサーのセルフクリーニングもしてくれます。オートリセット（自己排出機能）により、硬貨・紙幣が詰まっても装置をあけずに自己復旧し、装置を開けずにリジェクト紙幣を回収可能です。

価格	要問い合わせ
サイズ	W490 x D570 x H135mm
取扱金種	（硬貨）500円、100円、50円、10円、5円、1円 （紙幣）１万円、5千円、2千円、千円
収納枚数	（硬貨）500円：105枚　100円：160枚　50円：120枚　10円：160枚　5円：120枚　1円：160枚 （紙幣）１万円：100枚　5千円：100枚　千円：250枚

株式会社寺岡精工

寺岡精工の製品は、一つのレジで対面セルフレジ・フルセルフレジ・セルフ精算機の3つの機能を搭載しているのが最大の特徴です。

HappySelfでは、混雑時や人員配置によって「セルフ切替」ボタンを押すだけで、フルセルフレジ・対面セルフレジへの変更できるので、精算スピードをアップさせることができます。 状況に合わせて3種類を使い分けられるのが魅力です。

価格	要問い合わせ
サイズ	ー
取扱金種	ー
収納枚数	ー

まとめ

自動釣銭機の仕組みや運用に関する疑問について詳しく解説しました。自動釣銭機がどんな機械なのかをあらかじめ知っておくと、さまざまな場面で活用できるので安心です。また、仕事の効率化を実現できるのでこれからのワークスタイルにもぴったり。病院やクリニックに自動釣銭機を導入する企業はこれからも増えるでしょう。自動釣銭機はメリットだけでなく、デメリットもあることを頭に入れておくのが大切。どのような機種が合うのか、自院に合う自動釣銭機を検討してみてください。

自動釣銭機については【2023年版】自動釣銭機メーカー11社比較｜価格や機能、運用方法を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。