新型コロナウイルスの流行を経て、オンライン診療を導入する医療機関も徐々に増えてきております。オンライン診療を主体に診察を行うクリニックも出てきています。
自院でもオンライン診療を導入したい!
だけど、数が多すぎてどれが良いのかよく分からない・・・。
オンライン診療システムを選定するにあたってこんなお悩みをお持ちのクリニックも多いのはないでしょうか?今回はオンライン診療システムの各社の特徴について解説します。オンライン診療システムの導入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
まずは当サイトで厳選したおすすめのオンライン診療システムを紹介します。導入時に気になるポイントについてまとめた比較一覧表を作成したので、まずは確認してみてください。。
製品名 | 初期費用 | 月額利用料 | サービス利用料(医療機関側) | サービス利用料(患者側) |
---|---|---|---|---|
SOKUYAKU | 保険・保険外診療:0円(今なら無料) | 保険診療:0円(ずっと無料キャンペーン実施中)、保険外診療:330円(税込)/件 | クレジットカード3.6%、コンビニ後払い2.7% | 165円/回 |
オンライン診療byHOSPITAL SUPPORT | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
CARADAオンライン診療 | 30万円 | 1万円 | 500円+決済額の3% | 0円 |
KAITOS | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
MeDaCa PRO | 0円 | 8,580円(税込) | 決済手数料4% | 0円 |
CURON | 0円 | 0円 | 決済額の4% | 330円/回 |
LINEドクター | 0円 | 0円 | 診療代金の3.5% |
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YaDoc | 0円 |
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0円 | 要お問い合せ |
ポケットドクター | 要お問い合せ | 33,000円~ | 要お問い合せ | 要お問い合せ |
Door.into 健康医療相談 | 0円 | 0円 | 300円+決済手数料4% | 医療機関側で決定 |
LiveCallヘルスケア | 要お問い合せ | 要お問い合せ | 要お問い合せ | 要お問い合せ |
リモートドクター | 要お問い合せ | 要お問い合せ | 要お問い合せ | 要お問い合せ |
On診 | 要お問い合せ | 要お問い合せ | 要お問い合せ | 要お問い合せ |
CLINICS オンライン診療システム | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
システムによって初期費用・月額利用料など大幅に差があることがわかります。また、患者さま側にかかるサービス利用料も満足度や再診率に関わるため重要なポイントです。システムによって設定料金に差があるため、よく確認しておきましょう。シェアや知名度だけで判断せず、必要な機能や予算をあらかじめ設定したうえで自院に最適なオンライン診療システムを導入することが大切です。
ここからは、おすすめのオンライン診療システムを紹介していきます。
システムによって、使える機能や連携できるサービス、費用も様々です。医療機関の運用に合わせて、患者様の使い勝手も考慮しながら比較してみてください。
SOKUYAKUプラットフォームは、オンライン診療からオンライン服薬指導、処方薬の配送まで一気通貫したプラットフォームとなっております。システムの操作が不安な方も直感的に操作が可能です。専門のサポートスタッフが電話やメールでSOKUYAKUの運用を丁寧にサポート。操作に困った時も安心してお使いいただけます。
製品情報
機能 | クリニック管理、診療予約管理、診療科目管理、医師管理、データ集計、オンライン診療、配送管理、決済管理 |
---|---|
価格 | 保険診療・・・初期費用:今なら無料、システム利用料:ずっと無料キャンペーン実施中 保険外診療・・・・初期費用:今なら無料、システム利用料:330円(税込)/件 |
特長 | SOKUYAKUプラットフォーム上でオンライン診療からオンライン服薬指導、処方薬の配送までを完結出来る。 |
くすりの窓口のオンライン診療は、医療機関様だけでなく患者様の双方にご満足いただけるようなシステムを目指して、日々、開発・改修を行っております。皆様からいただいたご意見を真摯に受け止め、日々改善・改修を重ねることで ご満足いただけるシステムのご提供に努めています。
製品情報
機能 | オンライン診療、予約受付一元管理機能、お薬手帳PHR連携 |
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価格 | 要お問い合わせ |
特長 | 利用者様が快適に利用できることを目指して開発されたオンライン診療システム。 |
CARADAオンライン診療は、オンラインで診療の予約から必要な薬・処方箋の配送まで一括管理ができる服薬指導システムです。医療・ヘルスケアQ&Aサイト「CARADA 健康相談」を運営する株式会社カラダメディカが開発したシステムで、シンプルな操作性と同グループの医療システムとの連携のしやすさが医療機関に選ばれています。薬・処方箋は、最短で当日中に宅配業者が集荷に来てくれるので、患者様を待たせず配送が可能です。LRM株式会社発行の『3省3ガイドライン準拠証明書』やISMS認証を取得しており、セキュリティ面も安心して利用できます。
製品情報
機能 | 予約管理、問診、ビデオ通話機能、薬配送機能、決済機能、導入後サポート |
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価格 | 導入費用30万円/月額1万円/診療時に500円+決済額の3% |
特長 | 医療・ヘルスケアQ&Aサイト「CARADA 健康相談」を運営する(株)カラダメディカが開発した直感的に操作できるシンプルなオンライン診療システム |
KAITOSは医療機関の検索・予約サイト「病院なび」と連携して、オンライン診療の予約・診療・決済が可能なサービスです。KAITOSを導入している医療機関にオンライン診療を予約した場合、患者様へ処方箋をデータで送信することができます。薬局がKAITOSを導入している場合は医療機関からそのままデータで処方箋を受け取ることができ、患者様への指導もスムーズです。システムの導入にあたってはコールセンターが常設されているので、システム導入に不慣れな医療機関や薬局でも安心して導入できます。「病院なび」と連動している分、検索サイトからの新規患者の流入も見込めるサービスです。
製品情報
機能 | 予約管理、オンライン問診、オンライン診療、オンライン決済、ビデオ通話システム |
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価格 | 要問い合わせ |
特長 | 病院なびと直接連携 |
「MeDaCa PRO」は、患者さんとリアルタイムで繋がれるコミュニケーションサービスです。検査会社との連携により、検査結果のデジタルデータを患者さんに送信することができます。これにより患者さんは自分のPCやスマホから自分の検査結果をいつでも閲覧できます。
また、無料お試し期間が2か月間(利用開始月を含む)あるためお得に導入可能です。
製品情報
機能 | ビデオ通話、臨床検査の送信、臨床結果の閲覧、メッセージの送信、次回診察時間のリマインド、検査会社との連携 |
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価格 | 初期費用0円、月額費用8,580円(税込) |
特長 | メッセージ付きで患者さんに臨床検査データを共有できる |
CURONは、東京都のコロナ陽性の自宅療養者向けのオンライン診療にも利用されているサービスです。2021年のMM総研大賞においてヘルスケアICT部門で最優秀賞を受賞し、メディアからの注目も集まっています。
オンライン診療の予約から決済まで一括で管理できるだけでなく、院内・院外を問わず薬局への処方箋連携もスムーズに行うことができます。問診表は疾病別に自由にフォーマットを設計できるので、問診段階でより的確な情報を得やすいことも特徴です。
製品情報
機能 | 予約管理、問診、ビデオ通話機能、チャット機能、画面共有機能、処方箋FAXワンタッチ送信機能、配送サポート |
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価格 | 初期費用・月額利用料無料、利用料330円/回・事務手数料4% |
特長 | 初期費用、月額利用料0円で利用できるオンライン診療サービス |
LINEドクターはLINEヘルスケアが提供しているLINEで診療が受けられるサービスです。オンライン診療の予約から支払いまで、日々コミュニケーションツールとして使い慣れているLINEを利用して行うことができます。患者様への導入のハードルが低く、受診控えも防ぎやすいサービスと言えるでしょう。
初期費用や月額固定費がかからず無料で利用でき、サービス利用料のみの支払いで利用できます。導入に関して、かなり費用を抑えられるところは医療機関にとって最大のメリットになるでしょう。
製品情報
機能 | 予約管理、オンライン問診、オンライン診療、オンライン決済、ビデオ通話システム、LINE Payまたはクレジットカード決済 |
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価格 | 初期費用・月額固定費0円/サービス利用料は決済金額の3.5% |
特長 | 患者さんがLINEをインストールしていればすぐに使えるので案内が簡単 |
YaDocは、オンライン診療だけではなくePRO(患者報告アウトカム)やPSP(疾病サポートプログラム)、症状管理にも利用できるシステムです。ZoomやMicrosoft Teamsを利用した安定したビデオ通話で診療が行え、小児診療における親の通院負担の軽減や、生活習慣病などの継続的な診療にも役立ちます。
疾病管理機能を利用することで、患者様それぞれの症状の違いを細かく把握することができ、オンラインでも安心して症状を伝え、診断することが可能なのです。費用は月額33,000円~で、病床数が19床以下の小~中規模の医療機関に向いています。支払いがクレジットカードで行えることも便利なポイントです。
製品情報
機能 | 予約管理、オンライン問診、オンライン診療、ビデオ通話システム、オンライン決済 |
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価格 | 月額プラン¥33,000/月(税込/導入費無料)年間プラン¥330,000/1年 ¥660,000/2年 ¥990,000/3年(税込/導入費無料) |
特長 | 様々なカスタマイズ機能・安定した映像品質 |
ポケットドクターは、医療現場で働く医師の声を元に開発された、患者様がスマートフォンやタブレットから診療の予約~決済、薬・処方箋の受け取りまで完了できるサービスです。スマートフォンと連携している血圧計や歩数計などのヘルスケア機器と連動ができ、患者様の日々のヘルスケアデータを確認しながら診療ができます。医療機関の診療時間や、医師のすき間時間に合わせて予約枠を設定できるので、時間を有効活用し、全国の患者様を診療することが可能です。2か月間は無料でトライアルでき、最初からしっかりと利用したい方はゴールドプランの月額33,000円を選ぶとよいでしょう。
製品情報
機能 | 予約管理、問診、ビデオ通話機能、ヘルスケア機器連携機能、決済機能 |
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価格 | 月額33,000円(トライアルプランで2か月無料) |
特長 | 30万人超の圧倒的なネットワーク!オンライン診療の パイオニアによるサービス |
Door.into 健康医療相談はシンプル・低コストで簡単に導入ができるオンライン診療システムです。対面での診療からオンライン診療へ変更する際のオペレーションの変更を最小限にし、手間をかけずに導入ができます。初期導入費はかからず、診療1回につき300円、決済金額の4%をサービス利用料として支払うのみです。
患者様側の見え方も予約画面から決済画面までシンプルで使いやすいため、オンラインでの予約が初めての方でも迷わず利用できるでしょう。
製品情報
機能 | カレンダー機能、診療キー、チャット・ビデオ通話、問診機能、クレジット決済機能 |
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価格 | 初期費用・月額費用は0円、診療ごとに300円(税抜) |
特長 |
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LiveCallヘルスケアはアプリをインストールしなくても、患者様がブラウザから利用できるオンライン診療サービスです。ウェブサイトにリンクを貼るだけで患者様へ周知できます。クリニックのロゴやイメージカラーを設定できるので、クリニック独自のサイトであることを直観的に認識してもらい安心して利用いただけます。
予約から決済まで必要な機能がそろっているだけではなく、電話での予約受付も代行してくれるので導入の負担がかかりません。オプションの追加で医師のPC画面を共有できたり、別の専門医を呼び出して3者で通話したりできます。医療機関で想定される運用に合わせて、オプションも検討してみてください。
製品情報
機能 |
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価格 | 要問い合わせ |
特長 | アプリ不要で簡単に始められ、機能が豊富 |
リモートドクターは、かかりつけ医に通院することなく再診を受けられるオンライン診療サービスです。オンライン診療や服薬指導に必要な予約から決済までの必要な機能がそろっており、対面診療と適切に組み合わせながら患者様を診療できます。オンライン診療を行う際の注意点についてもホームページにまとまっているので、オンライン診療を初めて開始する際にもしっかりと情報収集ができます。
原則的には通える範囲内の医療機関を選ぶ必要がありますが、セカンドオピニオンとしての医療相談も想定したサービスです。ホームページでの告知や評判などにより新たな集客も見込めるでしょう。
製品情報
機能 | 予約管理、オンライン問診、オンライン診療、オンライン決済、ビデオ通話システム、PayPay決済 |
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価格 | 要問い合わせ |
特長 | 既存の予約システムや電子カルテと連携可能 |
On診は大規模病院向けのオンライン診療システムです。これまでは難しかった院内の診察マネジメントと電子カルテとのシームレスな連携を実現し、大規模な病院でも使えるオンライン診療システムを構築しています。1施設での同時接続が100を超えても耐えられるようコントロールでき、通常の来院と同じく順番に医師が診察していくシステムです。
大規模な病院であるほど待ち時間が長く患者様への負担もかかってしまいます。システムを利用することで待ち時間の負担が減り、遠方の家族へのインフォームドコンセントも実現できるのです。
製品情報
機能 | 予約管理、オンライン問診、オンライン診療、オンライン決済、ビデオ通話システム |
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価格 | 要問い合わせ |
特長 | 大病院向けに作られたシステム。電子カルテとクラウド上で連携可能 |
CLINICSオンライン診療システムは、患者様の通院負担を軽減し、WEB上で予約から支払いまでを一括管理できるクラウドシステムです。患者様は専用アプリのCLINICS、もしくは電話番号やメールアドレスからオンライン診療が実施できます。アプリの場合は決済まで一括で管理でき、来院による院内での感染リスクを抑えることができるでしょう。
導入時には専任の導入支援担当がサポートしてくれ、診察メニュー・運用方法の相談やシステム画面の操作、患者様への案内方法の説明など、不安なくスタートできます。患者様からの問い合わせに対応してくれるフリーダイヤルの窓口を完備しているので、医療機関に負担がかからないこともおすすめできるポイントです。
製品情報
機能 | 予約管理、オンライン問診、オンライン診療、オンライン決済、家族アカウント |
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価格 | 要お問い合わせ |
特長 | 導入実績No.1!患者中心の医療が実現できるオンライン診療システム |
製品名 | 低コストで導入したい | 集患への影響力で選びたい | 使いやすさで選びたい |
---|---|---|---|
SOKUYAKU | 【◎】
初期導入費・月額0円 |
【◎】
会員数は約180万人、約13,000の医療機関に導入(2023年12月末時点) |
【◎】
オンライン診療・服薬指導・薬の配送が一気通貫で完結! |
オンライン診療byHOSPITAL SUPPORT | 【○】
医療機関様それぞれに適した料金プランをご用意 |
【◎】
EPARKグループが提供するオンライン診療システム |
【◎】
利用者目線にこだわったシステム設計 |
CARADAオンライン診療 | 【△】
相場より少し高め |
【ー】
要お問い合わせ |
【◎】
訪問・電話・メールで活用までサポート |
KAITOS | 【ー】
要お問い合わせ |
【○】
大手予約サイト「病院なび」と連携 |
【○】
専用コールセンター常設 |
MeDaCa PRO | 【○】
初期導入費用無料!月額も比較的安価 |
【ー】
要お問い合わせ |
【○】
検査会社との連携で結果のデータを送信できる |
CURON | 【◎】
初期導入費・月額0円! |
【○】
全国6,000施設以上の施設で導入 |
【○】
シンプルな操作と電話・メールサポート |
LINEドクター | 【◎】
初期導入費・月額0円! |
【◎】
LINEのビデオ通話で誰でも使いやすい |
【○】
LINE開発の使いやすいデザイン |
YaDoc | 【○】
初期導入費0円!月額とお得な年間プランを選択可能 |
【○】
3,000以上の臨床現場・研究機関で活用 |
【○】
ライトユーザーはもちろん術後経過観察や慢性疾患管理にも対応 |
ポケットドクター | 【ー】
要お問い合わせ |
【○】
ヘルスケア機器連携で継続的な治療に対応 |
【○】
経済産業省・厚生労働省も認めたオンライン診断ノウハウ |
Door.into 健康医療相談 | 【◎】
初期導入費・月額0円! |
【ー】
要お問い合わせ |
【○】
使いやすいシンプルな設計 |
LiveCallヘルスケア | 【ー】
要お問い合わせ |
【◎】
Googleアナリティクスと連携可能 |
【○】
カスタマイズ性が高く自院専用にブランディングできる |
リモートドクター | 【ー】
要お問い合わせ |
【○】
相談サービスの告知でかかりつけ医としての認知度アップ |
【○】
スマホさえあれば導入できる |
On診 | 【ー】
要お問い合わせ(大規模病院向け) |
【ー】
要お問い合わせ |
【○】
1施設で同時に100診療可能 |
CLINICS オンライン診療システム | 【○】
初期費用・月額費用ともに相場程度 |
【○】
利用医療機関数約3,000件 |
【○】
フリーダイヤルの患者サポート窓口を完備 |
オンライン診療システム14種類を比較したところ、低コストで導入したい方におすすめのオンライン診療システムは「SOKUYAU」「CURON」「LINEドクター」という結果になりました。これら3つのサービスは初期費用・月額費用ともに無料で利用できます。
オンライン診療システム14種類を比較したところ、集患への影響力で選びたい方におすすめのオンライン診療システムは「LINEドクター」「LiveCallヘルスケア」という結果になりました。
「LINEドクター」はLINEのビデオ通話で運用するため、患者さんにとっても利用のハードルが低く誰でも簡単に受診することができます。受診のしやすさから集患への効果が高いといえるでしょう。
「LiveCallヘルスケア」はGoogleアナリティクスのトラッキングコードを埋め込み、ページ分析が可能です。カスタマイズ性も高く自院専用のブランディングができるため、他のクリニックと競合して埋もれる心配がありません。
オンライン診療システム14種類を比較したところ、使いやすさで選びたい方におすすめのオンライン診療システムは「CARADAオンライン診療」「メディカル革命 byGMO」という結果になりました。
「CARADAオンライン診療」は医療・ヘルスケアサービスの運営実績を活かした直感的に操作できるシステムを実現しています。デモ体験も用意されており、実際に使用感を確かめることも可能です。導入後も訪問・電話・メールで定期的なサポートを受けられます。
オンライン診療システムの選び方には、いくつかのポイントがあります。
オンライン診療システムは、導入する医師や医療機関側だけではなく、患者様側も利用するシステムです。そのため、両者にとって利用するメリットがあるシステムを選ぶ必要があります。
ここでは、具体的な選び方について3つほどご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
まずは、患者様側の操作が簡単かどうかが重要なポイントです。オンライン診療システムの導入でのよくある失敗に、「システムを導入したが、利用者が全く増えない」ということがあります。
特に高齢の患者様の場合、オンライン診療システムについての理解が難しく敬遠してしまうことがあります。どんなに便利な機能を備えていても、患者様が使いこなせなければ導入した意味がありません。患者様側の使いやすさや分かりやすさには注意を払い、システムを選びましょう。
次に、既存のシステムとの連携が可能かについても確認をしましょう。オンラインで行う予約、問診、受付、診察、会計という一連の流れを考え、既存のシステムではどこが足りず、追加のシステム導入で補うのか検討することが必要です。
既存の診療予約システムや電子カルテ、レセコンと連携が可能であれば、システム間での業務の重複が減り、効率的に運用することができます。システム間で連携ができない場合も、どのようにすみ分けるのかを確認し、一連のオペレーションが問題なく行えるシステムを選びましょう。
最後に、システム導入の採算性の確認が必要です。便利になると思って導入しても利用する患者様が少ない場合、保険診療だけではコストを賄いきれない可能性があります。
オンライン診療システムを導入するコストは、大きく分けて「導入費用」「月額のシステム料金」「診療毎のサービス利用料」の3つです。
各メーカーによって設定が大きく異なるため、導入費用が安くても月額料金や診療ごとのサービス利用料が高くなると、結果的に割高になる可能性もあります。
月にどのくらいの利用者がいればコストをペイできるのか、採算ラインを見極め、実現可能性をよく検討しましょう。
医療機関がオンライン診療システムを導入するメリットとしては以下が挙げられます。
患者さんにとってのメリットは概ね医療機関側のメリットを視点を変えたものになりますが、その他に強いてあげるとするならば以下が考えられます。
有名な医師のいる医療機関でかねてより受診したかったが、遠方にあって受診をあきらめていたケースなど、オンライン診療でその課題が解決されます。反対に、オンライン診療の浸透に伴い、医療機関は今までとは違った発想の集患・マーケティング戦略をとる必要があると言えます。ブランディング戦略やwebマーケティング、オウンドメディア運営など積極的に情報収集を行いましょう。
オンライン診療システムの導入にはコストもかかるため、なかなか踏み切れないという医療機関も多いでしょう。
システム導入の際には、国や自治体が提供する補助金を利用することで、コストを押さえて導入することが可能です。この項では各種補助金情報について紹介していきますので、補助金を活用してお得に導入を検討してみてください。
コロナの影響により売上の回復が困難で、事業再編を目的に補助を受けたい場合は、中小企業庁が運営する事業再構築補助金を活用しましょう。
中小規模の企業の利用を想定した補助金で、医療法人であれば利用できます。オンライン診療システムの導入にかかるシステム構築費やクラウドサービス利用費が対象です。
補助金額は従業員数により異なりますが、100万円~8,000万円の範囲内でかかった費用の2分の1~3分の2の補助が受けられます。補助金の交付決定率は第5回の公募結果で約46%と、出せば必ず通るわけではないことには注意しましょう。売上が下がっていることや、システム導入によりどのように事業再編ができるのかなど、事業計画を策定したうえで申請することが必要です。
申請には政府の電子申請システムの登録が必要で、8月下旬ごろから申請の受付開始を予定しています。
東京都内の医療機関であれば、オンライン診療の環境整備に特化したオンライン医療相談・診療等環境整備補助事業を活用しましょう。
都内に所在する病院または診療所が対象です。対象経費は「オンライン医療相談・診療等のための専用の情報通信機器等の初期経費」ですので、オンライン診療を開始するにあたってパソコンやタブレットなどの情報通信機器の購入費用が対象になります。
基準額は40万円で、補助率は1/2ですので、最大で20万円の補助を受けることが可能です。物品の購入自体は交付決定日以後の購入でなければなりません。先走って購入した物品は対象にならないため、注意してください。
医療機関に限らずデジタル化にあたってのシステム導入を支援するIT導入補助金も活用を検討してみましょう。7月11日で今年度の公募は終了してしまった制度ですが、コロナになって以後補助率や金額は変わりつつも毎年公募されている補助金制度です。
補助額と補助率は以下のとおりです。
ITベンダーが補助対象のシステムとして登録している製品に対して申請をすることができます。医療機関で利用したいシステムが補助対象となっているかはベンダーに問い合わせて確認しておきましょう。
出典:デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)(中小企業庁)
ここまでいくつかの補助金情報を見てきましたが、他にも利用できる補助金は多数あります。補助金の情報については逐一チェックし、必要なタイミングで補助を受けられるように準備しておくことが大切です。
本記事ではオンライン診療システムのおすすめ14選を紹介しました。初期導入費がかからなかったり、スマートフォンで簡単に使えたりと、医療機関に負担をかけず導入できるシステムも増えています。
選定にあたっては費用だけではなく、患者様にとって使いやすいか、既存のシステムとの連携ができるかについても確認し、効率的なオンライン診療の運営を目指しましょう。
また、システム導入にあたっては適切に補助金を利用することで、コストの負担を少なく導入することができます。補助金の情報は日々更新されていますので、医療機関で利用したいシステムのベンダーにも問い合わせをしながら、逐一チェックしていきましょう。