下肢装着型(足用)アシストスーツというものをご存じでしょうか。アシストスーツといえば重たい物を持ち上げる際、負担軽減のために装着するタイプが有名です。開発当初テレビで話題になっていたので、見たことがある方も多いでしょう。
一般的には上半身に装着するイメージがありますが、下肢に重点を置いたタイプも存在しているのです。下肢に装着することで、歩行支援やリハビリ・長時間の立ち仕事の負担を大幅に軽減できます。
医療介護業界では、この下肢に装着するタイプである足用アシストスーツが必要不可欠です。ここでは足用アシストスーツについて詳しく解説し、おすすめの製品を紹介していきます。これから導入を検討する方は、こちらを参考にしていただければ幸いです。
アシストスーツは、上半身に装着するものから、今回紹介する足に装着するタイプまで幅広い製品があります。もともとは、モーターや人工筋肉などを体に装着することで、身体動作を補助してくれる装置を指します。
以下の記事では、アシストスーツの基礎知識や主要メーカー製品の紹介をしているので、参考にしてみてください。
アシストスーツについては【2023年版】パワーアシストスーツ16選を徹底比較!でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
先ほども軽く触れましたが、足用アシストスーツは腰から下に装着するタイプがほとんどです。大きく分けて2つのタイプがあり、歩行支援やリハビリ用・医師や工場勤務者に向けた作業者用が存在します。
以下では足用アシストスーツのそれぞれのタイプについて解説していきます。
歩行支援・リハビリ用では、足腰が不自由な方の歩行をサポートする事を目的としています。アシストスーツを装着することで足や腰・膝への負担が軽減されるので、歩行がとても楽になるのです。
歩行機能を取り戻すためのトレーニングに最適で、リハビリの際にも広く取り入れられています。高齢者や事故により歩くことが困難になってしまった方にとって、重要なアイテムといえるでしょう。
作業用のアシストスーツは、主に長時間の立ち仕事による足腰への負担軽減を目的としています。手術の際に長時間立ち続けている医師や、工場勤務の方は基本的に作業中に座ることができません。
長時間立ち続けていると体への負担から、業務に集中できないといった支障も出てきます。アシストスーツを着用することで、疲れにくさを感じにくくなり業務に集中できるようになるのです。 中腰姿勢や作業中の膝への負担軽減も図れるので、介護や物流現場・農業など幅広く活用されています。
足に装着するタイプのアシストスーツの価格帯は3万円~100万円と幅広いです。
以下では代表的なアシストスーツの価格情報をまとめていきます。メーカー直販だけでなく、日本物流などの代理店でも取り扱っている場合も多いです。導入時は、こちらの表を参考に検討していきましょう。
価格 | リース | |
curara | レンタル価格:月額48,000円~67,000円(税別) | ・リース可能 ※リース期間については要問い合わせ |
aLQ(アルク) | 販売価格:46,000円(税別) | リース不可 |
アルケリス | 販売価格:450,000円(税別) レンタル価格:月額19,000円(税別 |
リース可能 ※リース期間は1年・2年間・3年の3タイプ |
アシストスーツ(upr) | 販売価格:29,000円~(税別) | リース不可 |
ここからおすすめの足用アシストスーツ6製品について紹介します。
体を動かそうとする際に流れる生体電位信号を、皮膚に貼ったセンサーで検出することで動きをアシストします。事故や病気で下肢が動かしづらくなってしまった方でも、この信号に関わる運動を繰り返し行う事が大切です。
運動を続けることで、脳神経・筋系のつながりが促進され身体機能の向上が期待できます。サイズはS~Xまで展開しており、各部位の調整もできるので腰幅や足のサイズにも幅広く対応可能です。
HAL自立支援用下肢タイプProの比較ポイント
製品情報
会社名 | CYBERDYNE株式会社 |
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製品名 | HAL自立支援用下肢タイプPro |
価格 | 要お問い合わせ※レンタルのみ取り扱い |
利用シーン | 自立支援・医療現場・作業支援 |
サイズ | 50 - 165cm(Sサイズ)、160 - 175cm(Mサイズ)、170 - 190cm(Lサイズ)、180 - 200cm(Xサイズ) |
重量 | 約14kg(両脚タイプ)、約9kg(単脚タイプ) |
寸法 | 4.3×4.7 × 12.3cm(Sサイズ)※他サイズについては要お問い合わせ |
歩行支援機 ACSIVEから、誰でも使用できる無動力歩行アシストタイプとして開発されたスーツです。電気やモーターなどの動力を使用せず、振り子とばねの力だけでアシストするタイプ。動力が搭載されていないため、充電が不要で軽量・動きも静かな点が特徴です。
装着も非常に簡単で、いつでもすぐに取り付けて利用できます。ベルトの長さ・バネの強さは、利用者の体形や体力に合わせて調節が可能。値段もリーズナブルなので、プレゼントとしても最適です。
無重力歩行アシスト aLQ(アルク)の比較ポイント
製品情報
会社名 | 株式会社今仙電機製作所 |
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製品名 | 無重力歩行アシスト aLQ(アルク) |
価格 | 46,000円(税別) |
利用シーン | 自立支援・医療現場・作業支援 |
サイズ | 要お問い合わせ |
重量 | 760g |
寸法 | 要お問い合わせ |
医療介護・製造関係・農業の幅広い現場で活用できるよう、商品を多く展開しているメーカーです。どの職種も体力が必要で腰痛になりやすいため、それを理由にやむおえず離職する場合も珍しくありません。
着用するだけで負担の少ない姿勢角度をキープでき、腰への負担を軽減できます。価格が2万円台からと比較的安価で購入できるので、導入のしやすい点も好評です。タイプにより異なりますが、サイズ展開も多く比較的軽量に設計されています。
アシストスーツの比較ポイント
製品情報
会社名 | ユーピーアール株式会社 |
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製品名 | アシストスーツ |
価格 | 29,000円~(税別) |
利用シーン | 医療介護・製造関係・農業 |
サイズ | タイプにより異なる |
重量 | タイプにより異なる |
寸法 | タイプにより異なる |
立っている状態の身体を支えることで、長時間の立ち仕事による疲労を大幅に軽減します。すねとももで体重を分散して支えることで、体幹を安定させ腰痛を予防。体にほどよくフィットし、動きも滑らかなので装着したままの移動も可能です。
機械的な構造を追求することで、電源やモーターが不要になるよう設計されています。そのため、バッテリー切れや充電の心配をする必要がありません。すね・もも部分はアジャスターになっていて、調整するだけで幅広い体系に対応可能です。アルケリスはリハビリ用にも活用できます。
アルケリスの比較ポイント
製品情報
会社名 | アルケリス株式会社 |
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製品名 | アルケリス |
価格 | 450,000円※販売価格/月額19,000円~※レンタル価格 |
利用シーン | 医療現場・製造関係 |
サイズ | 145 - 165cm(Sサイズ)、160 - 185cm(Mサイズ) |
重量 | 1.8kg、2.1kg、2.7kg(3タイプあり) |
寸法 | 17.5× 28.0× 71.5cm(Sサイズ)、17.5× 28.0× 78.5cm(Mサイズ) |
本体自体が、利用者に歩行を教えてくれるという特徴を持つアシストスーツです。商品展開は簡易版2関節・強化版4関節の2パターンで、動かす関節を選ぶことが可能。それにより、思い通りの動きが実現できるのです。
歴代のcurara®より大幅な軽量化を実現し、よりスムーズな動きができるようになりました。簡単な操作で歩き方を記録し、利用者にあった歩行改善に最適なスピードのアシストをしてくれるのです。
ロボティックウェア curaraの比較ポイント
製品情報
会社名 | AssistMotion株式会社 |
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製品名 | ロボティックウェア curara |
価格 | 67,000円(税別)/月(フルセット・4関節)、48,000円(税別)/月(ハーフセット・2関節)※レンタルの場合 |
利用シーン | 自立支援・医療現場・作業支援 |
サイズ | 要お問い合わせ |
重量 | 2.7kg(フルセット)、1.7kg(ハーフセット) |
寸法 | 要お問い合わせ |
空気の圧縮を利用しゴム製の人工筋肉を伸縮させ、蹴りだす動きを促すことで歩行をサポート。腰と膝をバンドで固定するタイプで、それぞれがゴムチューブ型の人工筋肉でつながっています。
リハビリを目的としており、スイッチは理学療法士が操作できるよう設計。人工筋は取付位置の変更が可能で、利用者によって支援する場所を調整できます。バッテリーは充電可能で、最大連続駆動時間は2時間です
DARWING Power Assist Walk(ダーウィン パワーアシストウォーク)の比較ポイント
製品情報
会社名 | ダイヤ工業株式会社 |
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製品名 | DARWING Power Assist Walk(ダーウィン パワーアシストウォーク) |
価格 | 507,222円(税別) |
利用シーン | 自立支援 |
サイズ | 150 - 180cm |
重量 | 1.7kg |
寸法 | 2.7×1.5×8cm |
ここまでは足用のアシストスーツを紹介しましたが、アシストスーツは介護用、建設現場や果樹農家向けの腕上げに特化したものなど、多様な商品がそろっています。情報を知らずに、自施設の課題とずれたアシストスーツを導入してしまうことのないように、他分野のアシストスーツに関しても情報を仕入れるようにしましょう。
介護向けのアシストスーツについては介護向けアシストスーツ8選|タイプ別の特長・価格、補助金情報を紹介でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
上向き作業で課題になる「腕上げ」をサポートするアシストスーツについては腕上げ用アシストスーツ比較6選|利用シーンや価格を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
アシストスーツは、一般的には上半身に装着するタイプが広く知られているでしょう。しかし、医療・介護の現場では足腰・膝への負担を軽減する足用アシストスーツが多く利用されているのです。
足用アシストスーツでは、2つのタイプがあります。ひとつは、歩くことが困難な方への歩行支援やリハビリを目的としたタイプです。もうひとつは、手術の医師や立ち続けて作業する工場勤務の方に向けたタイプになります。
装置の仕組みは機器によってさまざまで、購入する場合は2万円台から数十万円と価格帯も幅広いです。レンタルしか受け付けていないメーカーもありますが、手軽に使用できる点が魅力と言えるでしょう。 今回おすすめした製品を参考に、皆様の使用目的にあった足用アシストスーツが見つかれば幸いです。