POSレジの顧客管理機能とは?活用方法やメリットを解説

更新日 2023.11.13
投稿者:豊田 裕史

近年では、業種にかかわらず多くの施設において、POSレジの導入が進んでいます。POSレジの導入により、さまざまな機能が使えるようになるため業務の効率化が見込めるでしょう。

POSレジに含まれる機能のひとつとして顧客管理機能が挙げられます。顧客管理機能を有効に活用することで、売上のアップも期待できるようになるのです。当記事ではPOSレジの顧客管理機能について、詳しく解説していきます。

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そもそもPOSレジとは?

POSレジとは、Point Of Sales(販売時点情報管理)の略で、商品のバーコードを読み取って売上や在庫などの情報を自動で集計するシステムを搭載したレジのことです。POSレジは、従来のレジよりも会計や経理の効率化、売上分析や在庫管理、顧客管理などの機能が充実しており、店舗経営に多くのメリットをもたらします。

POSレジについてはPOSレジとは|仕組みや種類、おすすめメーカーまでわかりやすく解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

顧客管理とは|なぜ重要視されるのか

POSレジの顧客管理機能について説明する前にまずは顧客管理の基礎知識についてみていきましょう。顧客管理とは、文字通り顧客の名前や住所、性別や年齢などの基本情報や売上情報を管理しマーケティング施策に活かすことを意味します。

顧客の属性的なデータだけでなく、自社との関係性(常連客、たまに来る客)なども併せて管理して、顧客毎に適切なアプローチを行うことが重要です。

顧客管理はなぜ重要視されるのか

近年技術の進歩により、顧客体験や広告配信はますますパーソナライズ化されています。また、広告がそこら中に氾濫していることもあり単にメルマガやDMを打つだけでは、集客がうまくいかない時代でもあります。加えて新規の顧客獲得コストも高まっているため、既存の顧客から売り上げをしっかりと作っていく必要がります。そういった時代に勝ち残るためには顧客管理を適切に行うことによる、各顧客のセグメントに合ったマーケティング施策を行うことが求められています。次章では、顧客データを活用した販促マーケティング施策を紹介していきます。

販促・マーケティングに顧客データを活用する方法

販促・マーケティングにおいて顧客データを活用する方法を順に説明していきます。主に以下の流れで

①顧客データを分析してセグメンテーションを行う

まずは、集めた顧客データの分析を行い顧客をカテゴライズしましょう。その作業のことをセグメンテーション(細分化)と言います。性別や年齢、居住地など属性的な分類や、販売データによる分類など様々な切り分け方があります。

セグメンテーションのゴールは、実施するマーケティング施策のターゲットとなる顧客セグメントを決めることです。ターゲットとなる顧客セグメントが決まったらペルソナの設定も行うとよりターゲット像が明確に見えてきます。

【ペルソナとは】

ペルソナとは、ターゲットとなる人物をより詳細まで設定したユーザー像のことを言います。例えば、ターゲットが20代の中央区在住の女性であるのに対して、ペルソナの場合、28歳の中央区に住むOL(事務職)の独身女性の山田花子さん、暇な時間はずっとインスタグラムを見ており、インスタグラマーに憧れを抱いている。などといったように仮想の人物像を明確に設定します。

②パーソナライズした広告施策を実施する

セグメンテーションによりターゲットを明確したら、ターゲットに対してより焦点を絞った広告施策を実施しましょう。例えば、DMにしても過去の購買データから好みと思われる商品の入荷情報を配信するなど行うことでより効率の良い広告施策を実施することができます。

その際に、先ほど設定したペルソナにあわせて配信する媒体、広告の内容、コミュニケーション方法などを組み立てていくことがポイントです。

③接客にも顧客データを活用する

上記のような広告マーケティング施策以外に、店舗での接客にも顧客データを活用することはできます。例えば顧客が来店した際に前回の購買データを見ることにより、好みと思われる商品の入荷情報を「あの製品入りましたよ」と伝えることで顧客のエンゲージメントを高めるといったことが可能です。

顧客データをベースにして接客のレベルを高めることが可能となります。

POSレジの顧客管理でできること、メリットとは?

ここからは、POSレジの顧客管理機能で何ができるのか詳細を紹介します。それぞれのメーカーや製品ごとに細かな仕様は異なりますが、一般的に標準装備されている主な機能は下記の通りです。

人気メーカーそれぞれの顧客管理機能の特徴については後述いたします。

  • 顧客基本情報の登録
  • 予約情報管理
  • 販売情報との連携

顧客基本情報の登録

まずは「顧客基本情報の登録」が挙げられます。POSレジでは、顧客の年齢や性別、来店人数、購入額といった基本的な情報を登録することが可能です。顧客基本情報を登録することで、ユーザーニーズの分析ができるようになります。さまざまな切り口からユーザーのニーズを確認・分析することで、より顧客がリピートしてくれる環境を整えることができるでしょう。今後の店舗の経営戦略を効率的に立てられるので、売上向上にもつながります。

予約情報管理

次の機能は「予約情報管理」です。予約管理機能があることでインターネットや電話での予約を、POSレジにて管理ができるようになっています。日時の予約受付はもちろんのこと、予約の変更やキャンセル、差額の計算などができるPOSレジもあります。これまで手作業で作成していた予約管理表などをシステムで作成できるようになるため、業務の効率化を図ることができるでしょう。また、記入ミスや変更漏れといった人員によるミスも避けることができるというメリットもあります。

販売情報との連携

もうひとつの機能としては「販売情報との連携」が挙げられます。お客様が過去に何を買っていたのかという、詳細な購買情報の蓄積も可能です。また、お客様の保有しているポイントなどを紐づけて管理することもできます。このように販売情報をさまざまな切り口から管理できるため、特定のお客様にクーポンやレコメンドメールの発送などもできるでしょう。それにより、店舗の売上向上にもつなげることができます。

POSレジで顧客管理を行うメリット

POSレジで顧客管理を行うメリットは以下の通りです。

  • CRMやMAツールに比べて低コストで顧客管理できる
  • 販売データと紐づいた顧客データが収集できる
  • 接客中にPOSレジ内の顧客情報をリアルタイムで見ることができる

業界別POSレジ顧客管理活用法を紹介

POSレジの顧客管理機能でできることを解説してきました。ここからは、POSレジが業界別でどのような活用方法とメリットがあるのかを解説していきます。

美容・ネイル業界

「美容・ネイル業界」では、来店時に次回の来店予約をその場で行ってもらうケースも少なくありません。とはいえ、予定が先過ぎると、顧客は次回予約日を忘れてしまう可能性もあります。その点、POSレジなら顧客管理システムに登録できるので、予約日時が迫った時期にリマインドメールの発送も可能です。

さらに、接客時に顧客といろいろな内容を話すことも多いのが美容・ネイル業界の特徴でしょう。顧客との会話で得られた情報をPOSから顧客管理システムに入力することで、手間もかからず顧客満足度の向上に繋げることができます。

飲食・小売り業界

「飲食・小売り業界」では、前回の来店時に何を買ったのかを記録する機能が役立ちます。前回の情報を基に、顧客に何をおすすめするかを決められるので効果的な営業ができるでしょう。

また、来店時に来店ポイントやクーポン、お礼の内容をPOSレジの顧客管理システムから送ることも可能です。ポイントやクーポンがあることで、再来店のきっかけをつくることができるため再来店率向上につなげられるでしょう。

POSレジの顧客管理機能を見るときのチェックポイント

ここからは、実際にPOSレジの導入を検討する際に顧客管理機能のチェック・選定ポイントを紹介していきます。

外部連携は可能かどうか

POSレジ以外の顧客管理ツールである、CRMや基幹システム(ERP)と連携可能だと便利なのでチェックしておきましょう。連携することで別々の顧客データを一元管理することが可能です。

顧客データの見やすさ

POSレジの操作画面内で見たいデータにたどり着きやすいかどうかも重要なチェックポイントです。いくら低コストでもソート機能やなどがなく、使いにくいツールはアイデアの発想を阻害し長期的にみるとマイナスなので、ある程度こだわっていきたいところです。

セキュリティ対策

顧客情報は絶対に流出させてはいけない最重要データです。その反面、犯罪組織間で高値で売買されているデータでもあり、様々な手段で顧客データの取得を講じてくるケースがあります。強固なセキュリティ対策が施された製品かどうかはよくチェックしておきましょう。

定番POSレジの顧客管理機能を紹介

ここからは具体的な製品の顧客管理機能についてそれぞれ見ていきましょう。人気POSレジのスマレジ、Square、UレジFOODについて紹介します。

スマレジ|スマレジ株式会社

株式会社スマレジ

出典:株式会社スマレジ https://corp.smaregi.jp//

スマレジはアクティブ店舗380,000店舗を超える人気のPOSレジです。機能や品質の高さが特徴です。0円から始められる低価格プランも用意されているので小規模店舗でも使いやすいPOSレジです。

スマレジの顧客管理機能では、年齢や性別、国籍、居住地の管理ができることはもちろん、誕生日に合わせたメーリングリストの作成や条件に合わせたDM送信等が可能です。また、スマレジ最大の特徴である、APIによる外部連携を活かし、CRMやECサイト、会員証アプリなどと連携することにより、低コストで高度な顧客管理を行うことが可能になります。

スマレジの基本情報

初期費用 230,000円~
月額料金 0円~
特長 周辺機器も多数取り揃えており、充実した商品数から施設にあった商品を選ぶことができるでしょう。アカウント作成後30日間は全ての機能と電話によるサポートを無料で受けられる特典もあります。

Square|Square

Square株式会社

出典:Square株式会社 https://squareup.com/jp/ja

Squareは、0円でほぼすべての機能が活用できる低コストPOSレジです。必要な費用はキャッシュレス決済時の手数料と最初の周辺機器代のみなので、小規模事業者でも利用しやすい製品です。全世界200万以上の事業者に利用されています。

Squareの顧客管理機能はベースである性別、年齢、名前、住居などの顧客基本データの収集・管理はもちろん、顧客が購買した際に顧客情報が自動で追加される顧客リスト機能が非常に便利です。顧客データは収集が障壁となることも多いのでその課題を解決することが可能です。

Squareの基本情報

初期費用 0円~(決済端末は別途購入が必要)
月額料金 0円~(キャッシュレス決済時の手数料のみ)
特長 アカウント登録もネットから全て完結でき、最短で申し込み翌日から使用ができるのも魅力的です。各国であわせて200万以上の事業所が利用している実績があります。基本的には、キャッシュレス決済のみを扱っているので導入の際は注意しましょう。

UレジFOOD|株式会社USEN

UレジFOOD

出典:UレジFOOD https://pos.usen.com/uregi/

UレジFOODは株式会社USENが提供する飲食店向けのPOSレジです。飲食店が使いやすいよう設計された人気の製品です。

UレジFOODの顧客管理機能の特徴として、飲食店向けの予約・顧客管理システム「TableCheck」と連携可能な点があります。TableCheckの予約情報や顧客情報、着席情報など各種データを同期することが可能です。

UレジFOODの基本情報

初期費用 要問合せ
主な機能 オーダー会計、レジクローズ、 伝票分割、伝票修正、伝票合算、領収書分割、入出金管理、レジクローズ忘れアラート、テーブルグループ設定、 セルフオーダーシステム、オーダーエントリーシステム、店内外オーダー&事前決済システム、月別・日別実績、ABC分析、売上実績、Zチャート、担当者別の実績、KPIダッシュボードなど
連携可能なサービス キャッシュレス決済、会計ソフト、ウーバーイーツ、予約台帳、本部管理システム、受発注システムなど
特長 連携可能なサービスが多く拡張性が高い、さまざまなオーダー方法に対応している

POSレジ以外の顧客管理ツールもチェック

ここからは、POSレジ以外の顧客管理ツールもいくつか紹介していきます。

CRMツール

CRMツールとは、顧客関係管理(Customer Relationship Management)を支援するツールのことです。文字通り、顧客の属性的データでなく自社との関係性も含めて管理するためのツールです。

エクセル・スプレッドシート

コストを抑えたいという方はエクセルやスプレッドシートで管理するという方法もあります。短期的に使う顧客情報データには非常に便利です。また、関数を使いこなせるひとであればそれなりの機能を持った顧客管理シートを作ることが可能です。

まとめ

この記事ではPOSレジの顧客管理機能について解説しました。顧客管理機能を用いることで様々な角度からユーザーのニーズを分析することが可能になります。登録している顧客情報をもとに予約のリマインドメールを送ったり、再来を促すポイントやクーポンを送ったり、マーケティングツールとして有効に活用できます。POSレジをまだ導入されていない方は、この機会に検討をしてみてはいかがでしょうか。

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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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