アシストスーツは介護者の腰痛対策の手段としてニーズが高まっていて、新たにアシストスーツの導入を考えている人も増えています。
しかし、種類が多くて何を選べばいいのか、迷っている人も多いのではないでしょうか。また、すでに非電動アシストスーツを導入している企業では、効果を実感できなかった人もいるようです。
そんな時は、電動アシストスーツを導入しましょう。電動アシストスーツは電気を動力にセンサーやモーターにより、介護者の動作を力強くアシストしてくれるはずです。
ここでは、電動アシストスーツの特長や相場価格、おすすめの製品を紹介していきます。
電動アシストスーツを導入することで、介助にともなう腰への負担を軽減して、スタッフにとって働きやすい職場になるでしょう。
アシストスーツとは、モーターや人工筋肉などを体に装着することで、重い荷物を持った時や前屈みになった時の姿勢維持をサポートしてくれる装具のことです。腰や膝などを酷使する物流や介護職などで導入されています。
「電動タイプ」と「非電動タイプ」の2種類に大きく分けられていますが、それぞれの違いは下記の通りです。
非電動タイプ | 電動タイプ | ||
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タイプ | サポータータイプ | 外骨格タイプ | 外骨格タイプ |
価格帯 | 数万円〜 | 5万円~50万円 | 50万円~100万円前後 |
特徴① | 気軽につけられる | 人工筋肉など反発力を利用してアシスト力を強化 | モーター駆動やセンサーによりアシスト力が強い、小柄な女性は重く感じる場合がある |
特徴② | 最もアシスト力は弱い | 電動タイプよりも軽量化モデルが多く、長時間でも着用できる | パワーの調整ができるので、無駄な力を必要としないなど高機能 |
特徴③ | 最も軽量 | 電動タイプと比較するとアシスト力が弱い場合がある | 価格が高く、メンテナンスが必要 |
ここから、非電動タイプとの違いや、電動タイプのメリットとデメリットを詳しく説明していきます。
ここでは、電動アシストスーツのおすすめ4選を紹介します。
「J-PAS fleairy(フレアリー)」は、介護作業用に特化したアシストスーツです。腰部への負担を大幅軽減できるのが特徴で、トイレ介助で行う立位保持介助では約59%、移乗やオムツ介助時などの中腰姿勢では約94%の負担を低減可能です。
また、ベルト巻き上げ式タイプなので、総重量が約1.6kg(装具除く)と非常に軽いのも特徴です。装着時でも動作が身軽で、長時間の作業でも疲れがたまりません。
J-PAS fleairy(フレアリー)の比較ポイント
製品情報
会社名 | 株式会社ジェイテクト |
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製品名 | J-PAS fleairy(フレアリー) |
価格 | 327,800円(税込) |
重量 | 約1.6㎏(装具除く) |
サイズ | S・M・L(身長145cm~185cm) |
中腰アシスト | あり |
連続稼働 | 約4時間 |
防塵防水性能 | IP55(浴室作業可) |
「HAL腰タイプ介護・自立支援用」は、介護する側と介護される側に対して、介護支援と自立支援の2つの用途で活用できるアシストスーツです。
介護する側が装着すれば、腰部負荷や腰痛発生リスクが低減されます。一方、介護される側が装着すれば、弱った足腰などの身体機能を向上させることが可能です。
また、アシストスーツ自体がコンパクトな設計で、重量も3.1kgと軽量のため、様々な場面でだれでも気軽に活用することができます。
HAL腰タイプ介護・自立支援用の比較ポイント
製品情報
会社名 | CYBERDYNE株式会社 |
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製品名 | HAL腰タイプ介護・自立支援用 |
価格 | 初期導入費用100,000円 1年契約108,000円/月 3年契約78,000円/月 |
重量 | 3.1kg (バッテリー含む) |
サイズ | ワンサイズ(適用身長140~180cm) |
中腰アシスト | あり |
連続稼働 | 約4.5時間 |
防塵防水性能 | IP54 (防水・防塵) |
「Ep+ROBO」は、介護職だけでなく、農業や物流でも役立つアシストスーツです。持ち上げる力や前屈姿勢を補助する力、対象物を引き寄せる力など、あらゆる場面で快適な作業ができます。
左右のセンサーが腰の角度をそれぞれ感知し制御するため、常時快適なアシストが可能です。また、手元には3段階の調節が可能なボタンがあり、作業内容に合わせてアシスト力を調整できるのも特徴です。
Ep+ROBO(モーター駆動型)の比較ポイント
製品情報
会社名 | ユーピーアール株式会社 |
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製品名 | サポートジャケットEp+ROBO |
価格 | 657,800円(税込) |
重量 | 3.4kg(バッテリー含む) |
サイズ | ワンサイズ(適用身長155cm~190cm) |
中腰アシスト | あり |
連続稼働 | 約4時間 |
防塵防水性能 | IP55(浴室作業可 |
PAIS-B100は、電磁ブレーキにより中腰姿勢の保持をアシストしてくれるアシストスーツです。大掛かりなセッティングを必要とせず、装着を1人で簡単に行えます。
装着方法は、リュックを背負うようにアシストスーツを着て、ベルトを留めて調整するだけです。また、約4.4kgと軽量コンパクトサイズなので、機器の扱いに慣れていない方でも1人で装着できるでしょう。
なお、現在は製品改良中のため、販売は停止中です。至急アシストスーツをお求めの際は、ほかの商品を検討ください。
パワーアシストスーツ:PAIS-B100の比較ポイント
製品情報
会社名 | パワーアシストインターナショナル株式会社 |
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製品名 | パワーアシストスーツ:PAIS-B100 |
価格 | 792,000円(税込) ※製品改良中のため現在販売停止 |
重量 | 4.4㎏(装具除く) |
サイズ | ワンサイズ(適用身長150cm~190cm) |
中腰アシスト | あり |
連続稼働 | ー |
防塵防水性能 | 生活防水 |
「電動タイプ」と「非電動タイプ」の大きな違いは、動力源と仕組みです。
電動タイプは、電気を動力源としてセンサーやモーターを使って動作を制御します。センサーで装着者の動きを検知し、必要な分だけアシスト力を自動調節してくれる機能付きです。
さらに、内蔵されたモーターによって、非電動タイプ以上に強いアシスト力を引き出せるので、誰が使用しても高い効果が期待できます。
非電動タイプは、バネや空気圧を利用して動作を補助します。電動タイプとは異なり、充電の必要がないので、利用時間を気にすることなく使用可能です。
ただし、アシスト力はやや弱めの設計なので、作業内容によってはアシストスーツの効果を実感できないかもしれません。
非電動タイプとは異なり、動力源がバネや空気ではなく電気なので、作業しながらアシスト力を維持させることはできません。アシストスーツの稼働時間を超えると充電する必要があり、利用時間にはどうしても限界があります。
また、モーターが付いている分、アシストスーツ自体に比較的重量があり価格も高めです。 ただ、その分アシスト力が大きいので、非電動タイプでは効果が薄いと感じた人も、電動タイプに変えてみると一気に業務負荷が軽減する可能性があります。費用対効果を考えたうえで導入の検討をしていきましょう。
何と言っても、モーター駆動やセンサーによる強いアシスト力は、電動アシストスーツの最も大きなメリットです。装着している間は無駄に力を必要とせず、業務負荷の大幅な軽減が期待できます。
そのうえ、装着者の動きを検知してパワーを調整してくれるので、どんな環境下でも効果的に使用できるでしょう。
自治体や時期によっては、導入に補助金を活用できる場合もあります。高価な電動アシストスーツの購入をためらっている人にはおすすめの方法です。 ただし、補助金の活用には、自治体の審査を通過しなくてはなりません。審査内容は自治体により異なるので、事前に補助金が受けられることをご確認のうえ検討しましょう。 本記事で紹介している「株式会社ジェイテクト」の商品は、介護ロボット補助金やエイジフレンドリー補助金の対象になっています。 価格相場や補助金について、さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ここでは、電動タイプの価格相場と補助金情報を紹介します。
電動アシストスーツの価格相場は、おおよそ30万円〜100万円で、同じ電動タイプでもメーカーによって価格帯に開きがあります。 例えば、株式会社ジェイテクトが開発した「フレアリ―」は327,800円で、電動タイプのなかでは低価格です。
ほとんどの電動タイプの価格は50万円を超えます。本記事で紹介する商品では、ユーピーアール株式会社の「サポートジャケットEp+ROBO(モーター駆動型)」が657,800円、パワーアシストインターナショナル株式会社の「パワーアシストスーツ:PAIS-B100」が792,000円です。
自治体や時期によっては、導入に補助金を活用できる場合もあります。高価な電動アシストスーツの購入をためらっている人にはおすすめの方法です。 ただし、補助金の活用には、自治体の審査を通過しなくてはなりません。審査内容は自治体により異なるので、事前に補助金が受けられることをご確認のうえ検討しましょう。
本記事で紹介している「株式会社ジェイテクト」の商品は、介護ロボット補助金やエイジフレンドリー補助金の対象になっています。
アシストスーツの価格相場についてはアシストスーツの価格相場は?|主要9メーカーの具体的な価格まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
電動アシストスーツは、モーター駆動とセンサーがついているため、非電動アシストスーツよりも高性能です。高価ではありますが、高いアシスト力により、使用者や作業内容に関わらず安定したサポートを受けられます。 電動アシストスーツを導入すれば、腰痛予防など職員負担を軽減し、業務効率もアップすることでしょう。
これから新たにアシストスーツの導入を考えている人も、非電動タイプで効果を実感出来なかった人も、まずは一度デモを試してみることをおすすめします。
アシストスーツのおすすめ製品については【2023年版】パワーアシストスーツ15選を徹底比較!でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。