アシストスーツは、かがんだり、重いものを持ち上げたり、運んだりする業務の多い、工場・福祉・物流・農業などで採用されることが多いです。採用することで作業者の負担軽減につながることはもちろん業務の効率化や離職率の低減にも繋がります。
しかし、アシストスーツは精密で複雑な機械です。導入に費用がかかるのがネックになることもあります。そこで、注目を浴びているのが補助金です。上手に活用することで低コストでアシストスーツを導入することができます。
この記事では、補助金を使ってアシストスーツをお得に導入する方法を解説します。
アシストスーツとは、着衣式のパワーアシスト機器です。かがんだり、重いものを持ち上げたりするときに、機械の力で肉体にかかる負荷を低減します。モーターやセンサーなどでのアシスト機能があるものから、衣服や外骨格型の装備を使うタイプまで、種類はさまざまです。
機械の力で肉体労働を支えてくれるため、作業者の負担軽減につながり、さらに業務品質の安定化や改善にもつながります。採用される現場は、工場・福祉・農業・物流といった、人が頻繁に腰をかがめたり、物を運んだりする業界で採用されることが多いです。導入するために投資費用がかかる一方、補助金を活用することでコストを抑えることもできます。
パワーアシストスーツについては【2023年版】パワーアシストスーツ16選を徹底比較!でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ここでは、アシストスーツを導入するときに活用できる補助金について、解説していきます。アシストスーツ導入時に使用できる補助金は、国や地方自治体と関連するものが多いです。厳格に条件が定められているため、各補助金を利用するときには自治体や実施団体への確認が必要になります。
また、補助金の多くは、年度ごとの申請となっており、今年度の受付はほとんど終了。翌年度以降の情報をキャッチできるように解説していきます。
概要 | 高年齢労働者(60歳以上)を常時1名以上雇用し、労働保険に加入している中小企業事業者が対象。 |
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22年度実施有無 | 実施(受付は9/30で終了) |
助成額・補助率 | 1/2(上限額は100万円) |
注意事項 | 事業場規模、高年齢労働者の雇用状況等を審査の上、交付を決定 業種によって資本金、労働者数の条件もあり |
エイジフレンドリー補助金は、厚労省が主催している補助金です。高齢者が安心して働くために、行った投資の一部を補助します。対象となる企業は、中小企業です。高齢者が継続して働くために、身体機能の低下を補う設備・装置を導入した場合の補助金のため、パワーアシストスーツとは相性のいい補助金になります。規定が細かく、申請書を記入するための時間もかかるため、早めに申請の準備を行うのがおすすめです。
概要 | 介護従事者の負担軽減や業務効率化を図る事業者が対象 |
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22年度実施有無 | 有 |
助成額・補助率 | 1/2 ~ 7/8※東京都の場合 |
注意事項 | 補助の対象になるのは、対象事業所に選定された後に導入した次世代介護機器。 各自治体によって実施され判断されている |
介護ロボット導入支援事業は、自治体ごとに実施されており、募集時期や内容も自治体ごとに異なります。介護従事者の労働環境改善、業務の効率化を目的としています。機器の対象は、移動支援・排泄支援・移乗介護・入浴支援などです。また、申請には事業計画書の提出が必要です。申請書と一緒に紙で送らなければならないため、時間が必要になります。書類必着日を確認しながらしっかりスケジュールを立てるようにしましょう。
概要 | 働き方改革などに取り組む中小企業・小規模事業者等が対象 |
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22年度実施有無 | 有 |
助成額・補助率 | 1/2〜2/3 |
注意事項 | 医療法人や社会福祉法人は対象外となっている。 |
全国中小企業団体中央会が主催する補助金事業が、ものづくり補助金です。中小企業の働き方改革や法制度への対応を支援するために設立されました。申請は電子上で行われ、2022年までに13回実施されています。補助金の枠組みも、通常枠、雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠と多彩です。また、申請にはgBizIDアカウントが必要になります。医療法人や福祉法人は対象外となっているものの、非常に魅力的な制度と言えるでしょう。
アシストスーツを低コストで導入するためには、補助金の活用が重要です。それでは申請の流れはどのようになっているのでしょうか。以下の4つのステップについて、解説します。
まず、最初に行うのが補助金制度を調べることです。補助金は、高額になることも多く、一筋縄ではいきません。まずは申請対象になる補助金制度があるか、事前に調べておくことが重要になります。補助金の規模、対象、時期など大まかなものを調べることがおすすめです。
アシストスーツは、メーカーごとに大きさや性能が異なります。そのため、使用してみないと業務にフィットするか分かりません。そこで活用したいのが、デモ体験会やレンタルです。実際に使用してみて、効果を確認することで装着方法やどういったシーンで活きるのかイメージがしやすくなります。高価なアシストスーツだからこそ、事前の効果確認は必須です。レンタルやデモ体験での効果を確認するようにしましょう。
アシストスーツの効果を確認したら、続いて行うのが製品選定です。メーカーへ問い合わせを行い、見積を取得します。購入費用は、台数によって異なります。そのため、ある程度の幅を持たせて、何パターンかの見積を取得するのがおすすめです。また、補助金の申請には納入時期も重要です。メーカーと時期によって納期は大きく異なりますので、こまめに確認することをおすすめします。
最後に行うのが、補助金の申請です。取得した見積書や導入時期をもとに、適合する補助金を選びます。補助金の申請には、多くの書類が必要になります。また、期限が厳しく定められているため、申請は早めにするようにしましょう。
補助金を使って導入したいアシストスーツについては下記の通りです。
パワーアシストスーツについては介護向けアシストスーツ8選|タイプ別の特長・価格、補助金情報を紹介でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
アシストスーツは、購入すると多額の費用が発生します。補助金以外で安く導入する方法はどういったものがあるのでしょうか。下記で解説します。
アシストスーツを格安で使用する方法として、レンタルがあります。レンタルは、短期で使用する分にはコストが安く、初期費用もかかりません。一定の金額で借りられるため、途中でメーカーを変更することも可能です。例えば、下記のようなレンタルサービスがあります。
ラクエモン社は自社製品である「楽衞門」のレンタルを行なっています。1週間、5,380円(税抜)から借りることができます。また、レンタル後に購入できる「レンタル購入」プランもあり、気に入った場合は割安で導入することも可能です
イノフィス社のマッスルスーツは、各代理店がレンタルしています。初回金+月額レンタル用のところから、月額費用のみのところまで様々です。レンタル期間も代理店によって、1週間レンタル、2週間レンタル、1ヶ月レンタルと分かれています。また、各代理店によって、エリアや料金も異なります。レンタルを行なっている会社が多いため、まずは代理店に相談するようにしましょう。
作業者の負担を和らげ、施設の業務効率化につながるアシストスーツは、補助金を利用することでお得に導入することができます。 しかし、補助金の申請には、期間がかかるものも多く、細かい条件がつけられていることも少なくありません。 それぞれの補助金の性質を事前に確認しながら、アシストスーツの導入を進めるようにしましょう。