2024年5月開始予定の訪問看護オンライン請求とは?補助金に関する情報も解説!

更新日 2024.02.22
投稿者:豊田 裕史

2024年5月から訪問看護オンライン請求が開始される予定です。しかし、オンライン請求のことがよく分からないという方は多いでしょう。
まだ時間はありますが、今から準備を進めておくことで開始されるときにスムーズに運用できます。

今回の記事では、訪問看護オンライン請求について詳しく解説していきますので参考にしてください。

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目次

訪問看護の「オンライン請求」とは?

訪問看護のオンライン請求は、これまで紙運用だったレセプト請求をネットワーク回線を通じてオンライン上で完結できる仕組みです。2024年5月から、訪問看護レセプト(医療保険請求分)のオンライン請求が開始されます。

訪問看護事業所は、オンラインで訪問看護レセプトを支払基金・国保連合会へレセプト請求することが可能です。支払基金・国保連合会へレセプト請求した後、審査が行われます。

オンライン請求のメリットは?

オンライン請求のメリットとしてあげられるのは、まずレセプトの印刷・発送作業が不要になるということです。また、資格過誤による返戻レセプトが減少し、審査後に返送される還元帳票を電子データで一元管理できます。

オンライン請求開始までのスケジュール

オンライン請求の運用開始は2024年5月からの予定ですが、今のうちから色々と準備をする必要があります。ここでは、オンライン請求開始までのスケジュールについて詳しく解説していくので参考にしてください。

レセプト作成用端末

オンライン請求を行うには、レセプト作成をパソコンなどの端末で行わなければなりません。現在、訪問看護レセプト作成をパソコンなどの端末で行っている場合は、オンライン請求開始に向けてレセプト作成用のパソコンを新たに準備する必要はないです。

一方、医療保険分の訪問看護レセプト作成をパソコン等の端末で行っていない場合、後述する「レセプト作成用ソフト」が求める仕様に準拠した端末を準備しなければなりません。

レセプト作成用ソフト

オンライン請求を行う際は、訪問看護レセプトのオンライン請求に対応したレセプト作成用ソフトが必要です。既にレセプト作成用ソフトを利用している場合は、利用中のレセプト作成用ソフトのオンライン請求対応予定と、訪問看護事業所として必要な対応についてシステムベンダへ確認しておくようにしましょう。

レセプト作成用ソフトで訪問看護レセプトを作成して紙出力している場合や、そもそもレセプト作成用ソフトを利用していない場合は、システムベンダとの契約変更・新規契約が必要になるので確認が必要です。

ただし、利用中のレセプト作成用ソフトがオンライン請求に対応予定の場合は、基本的に契約変更や新規契約は必要ありません。

オンライン請求用端末

オンライン請求を行うためには、オンライン請求で使用する端末が必要です。ただし、併設医療機関などで医科等の医療保険請求に使用しているオンライン請求用の端末がある場合は、新たにオンライン請求用の端末を購入する必要はありません。一方、医療保険のオンライン請求用の 端末が無い場合は、新たに購入する必要があります。

オンライン請求用ネットワーク回線

オンライン請求を開始する際は、オンライン請求システムに接続するためにネットワーク回線の敷設が必要です。現在利用しているネットワーク回線の状況によって対応が異なるため、以下を参考にしてください。

インターネット接続環境がある場合

  • 併設医療機関の回線を利用している:ネットワーク回線新規敷設・不要
  • IP-VPN接続可能回線 (フレッツ・BBIQ等 )を利用している:ネットワーク回線新規敷設・不要
  • 上記以外の回線を利用している:ネットワーク回線新規敷設・必要

そもそもインターネット接続環境がない場合は、IP-VPN接続が可能なネットワーク回線の新規契約か、インターネット環境の準備・IPsec+IKE接続の新規契約が必要なので準備しましょう。

事業所における導入作業

レセプト作成用ソフト・パソコン・ネットワーク回線の準備後、各種導入作業が必要となります。事業者が行う主な内容は以下の通りです。

  • セキュリティ対策
    ・「オンライン請求システムに係る安全対策の規程」、「オンライン資格確認等システム及びレセプトのオンライン請求システムに係る安全対策の規程」の策定が必要となります。(厚生労働省が示す規程例あり)
    ・「オンライン請求システム利用規約 」を確認し、内容への同意(届出提出)が必要です。
  • 運用に向けたフロー・ ルールの整備
    ・システム機能を踏まえて業務フローの見直しを行います。
    ・「オンライン請求システムに係る安全対策の規程」に基づくセキュリティポリシー等のルールの見直しが必要です。
  • オンライン請求開始に係る届出 (電子証明書含む)
    ・オンライン請求を行うために「電子情報処理組織の使用による費用の請求に関する届出」が必要です。
    ・オンライン請求を行うために、電子証明書の発行が必要です。

オンライン請求に対応予定の訪問看護ソフト

ここでは、オンライン請求に対応予定の訪問看護ソフトを紹介していきます。

カイポケ|株式会社エス・エム・エス

株式会社エス・エム・エス

出典:株式会社エス・エム・エス https://houkan.kaipoke.biz/magazine/receipt/on-line-claim.html

カイポケ訪問看護は、何件訪問しても月額25,000円で利用できる訪問看護ソフトです。初期費用は無料で、タブレットも1台無料で使用できます。

電子カルテや医療・介護レセプト機能の他、勤怠管理・給与計算・会計・口座振替・求人広告など、40以上の経営支援機能・サービスを基本料金内で利用可能です。

さまざまな機能を使用できるため、売上・訪問件数アップや残業時間の削減が期待できます。

カイポケの比較ポイント

  • 初期費用が無料
  • タブレット1台無料
  • 40以上の経営支援機能・サービスを基本料金内で利用可能

製品情報

会社名 株式会社エス・エム・エス
製品名 カイポケ訪問看護
価格 初期費用無料・月額25,000円
導入方式 クラウド

ワイズマンSP|株式会社ワイズマン

株式会社ワイズマン

出典:株式会社ワイズマン https://www.wiseman.co.jp/news/welfare/202302houkan_on/

ワイズマンSPは、利用者宅を訪問する際に訪問の予定確認や実施報告・記録業務を現場で完結可能です。また、事業所内で情報共有ができるので、訪問担当者に変更があっても同じサービスの質を提供できます。

その他、アプリを利用することで、非対面でも家族とのコミュニケーションをリアルタイムで行うことが可能です。オプションで本部管理システムや音声入力を追加できるため、さらなる業務効率向上が期待できます。

ワイズマンSPの比較ポイント

  • 事業所内で情報共有ができる
  • 非対面でも家族とのコミュニケーションをリアルタイムで行える
  • オプションで本部管理システムや音声入力を追加できる

製品情報

会社名 株式会社ワイズマン
製品名 ワイズマンSP(訪問看護事業所向け)
価格 初期費用+5年間使用権パック
導入方式 クラウド

介舟ファミリー|株式会社日本コンピュータコンサルタント

株式会社日本コンピュータコンサルタント

出典:株式会社日本コンピュータコンサルタント https://kaisyuf.jp/2023/03/01/kfcolumn0020/

介舟ファミリーは、計画業務から請求業務まで管理できる訪問看護ソフトです。訪問看護療養費請求書・明細書の出力にも対応しています。

また、実績を入力することで、国保連や個人負担分の請求データを作成することができ、「計画/実績」で個々の「集計」を行い、月締め画面で事業所の提出月分として管理可能です。通常の提出の他、返戻や月遅れなどの提出履歴も確認できます。

介舟ファミリーの比較ポイント

  • 計画業務から請求業務まで管理できる
  • 国保連や個人負担分の請求データを作成可能
  • 返戻や月遅れを見逃さない履歴管理機能がある

製品情報

会社名 株式会社日本コンピュータコンサルタント
製品名 介舟ファミリー
価格 初期費用・要問合せ、月額5,000円~
導入方式 クラウド

Flowers NEXT|株式会社コンダクト

株式会社コンダクト

出典:株式会社コンダクト https://www.conduct.co.jp/column/flowers-next/entry-391.html

Flowers NEXTでは、外出先で入力した記録内容をもとに集計・国保連請求が可能です。 ただし、タブレット、スマホで入力するためにはQOCORO訪問看護の契約が必要になります。

シンプルで分かりやすいメイン画面になっており、介護保険証や計画書の期限切れなどを知らせてくれる便利機能が備わっているため、業務効率の向上が期待できるでしょう。また、入力された入所期間や加算算定情報をもとに、実績入力をボタン操作1つで完了させることが可能です。

Flowers NEXTの比較ポイント

  • 外出先で入力した記録内容をもとに集計・国保連請求が可能
  • シンプルで分かりやすいメイン画面
  • 実績入力をボタン操作1つで完了できる

製品情報

会社名 株式会社コンダクト
製品名 Flowers NEXT
価格 初期費用・300,000円~、月額約8,333円~
導入方式 クラウド

オンライン請求システム構築の費用の目安

オンライン請求システム構築費用の目安は、約112,900円です。内訳は以下を参考にしてください。

  • 電子証明書発行料 1,500円+郵送費
  • ネットワーク回線敷設費用 約11,400円
  • オンライン請求端末購入費用 約100,000円

上記は目安であり、料金はシステムベンダによって異なります。

また、毎月発生するネットワーク回線の費用は以下を目安にしてください。

  • IP-VPN接続:回線使用料(1か月・約6,000円)
  • IPsec+IKE接続:回線使用料とプロバイダ料金とIPsec+IKEサービス提供料(1か月・約1,800円~6,000円)

オンライン請求とオンライン資格確認の関係

オンライン請求の他に、2024年4月からオンライン資格確認が利用できるようになります。オンライン資格確認は、患者の資格情報や薬剤情報などをオンラインで確認できる仕組みです。

ここでは、オンライン請求とオンライン資格確認の関係について詳しく解説していきます。

オンライン請求とオンライン資格確認で共通化できること

以下の3点は、オンライン請求とオンライン資格確認で共通化することが可能です。

  • オンライン請求用端末
  • オンライン請求用ネットワーク回線
  • 電子証明書

オンライン資格確認のメリット

オンライン資格確認のメリットは以下の通りです。

  • レセプト返戻を削減できる
    患者の保険資格をその場で確認できるため、資格過誤によるレセプト返戻を減らすことができます。
  • 薬剤情報や特定健康診断情報を閲覧できる
    患者の同意を得ることで薬剤や特定健診などの情報を閲覧でき、適切な医療の提供に役立てることができます。
  • 災害時に役立つ
    災害時に厚生労働省が定めた範囲で、薬剤や特定健診などの情報を閲覧できる特別措置がとられます。災害時、薬が手元にない場合やお薬手帳を紛失した際に患者に必要な薬を確認可能です。

オンライン請求の機器導入に対する補助金

オンライン請求にまつわる機器導入がすべて補助金の対象になるわけではありませんが、オンライン資格確認導入に関する機器と兼用のものは、補助金対象となるように調整しています。そのため、オンライン請求に伴う機器導入の際は、事前に補助金について確認しておくようにしましょう。

まとめ

オンライン請求が始まるまでは、まだ時間があります。そのため、今から少しづつ理解を深め、スムーズに導入できるようにしておきましょう。オンライン請求を導入する際は、今回の記事の内容を参考にしてください。訪問看護ソフトについては、記事中で紹介した製品がおすすめです。

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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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