新たに訪問看護ソフト(電子カルテ)導入をお考えの訪問看護ステーション様や、訪問看護ステーション立ち上げを検討している方は、こんなお悩みをお持ちではないでしょうか?
この記事では、訪問看護ステーションで使える訪問看護ソフト15製品を、「看護記録・請求の機能があるか」「料金形態は定額か従量課金か」の観点で3種類に分類。また、この記事は訪問看護ソフト導入を検討している訪問看護ステーションからの相談に70件以上対応している専任のコンシェルジュが執筆しています。
もちろん、令和6年12月に迫った訪問看護(医療保険)のオンライン請求の義務化についても、分かりやすく解説しています。
事業所の希望に応じてピッタリの訪問看護ソフトを選ぶことができるように執筆しているので、ぜひ参考にしてください。
訪問看護ソフトは、「機能」と「料金体系」で3つのグループに分けることができます。
機能面では看護記録のみが可能なのか、それとも記録~請求まで対応しているソフトなのかを確認するようにしましょう。料金体系は訪問件数に月額料金が変わる従量課金制と、訪問件数で月額料金が変わらない定額料金制の2パターンがあります。
どこから選んだらいいか迷われている方は、まずは次のグループから候補を絞り込んでみましょう。
ここでは、おすすめの訪問看護ソフト15選を比較紹介していきます。各製品の特徴を見比べながら、自事業所に適したものを探してみてください。
2024年(令和6年)12月に、訪問看護のオンライン請求義務化が迫っています。現在、紙媒体で医療保険レセプトに対応されている事業所様も、オンライン請求に対応する必要があります。オンライン請求・オンライン資格確認に必要な手続きについては、訪問看護レセプト(医療保険)のオンライン請求についてをご確認ください。
「カイポケ訪問看護」は初期費用・導入費用0円で利用できるため、低コストでの導入が可能です。
医療レセプトの作成では、加算の自動算定やエラーチェック機能が備わっているので加算の算定漏れや返戻防止に役立ちます。また、訪問看護タブレットは看護記録と実績が連動するようになっているため、月末の確認作業が必要ありません。職員の業務負担を軽減することができます。
マネーフォワードと連携した給与計算など経営支援機能も魅力です。カイポケを中心に事業所の会計・経営管理を一元化することもできるでしょう。
カイポケ訪問看護の比較ポイント
製品情報
システム形態 | クラウド |
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料金体系 | 初期費用0円 月額利用料25,000円(定額料金制) ※タブレット1台無料 |
デモ対応 | 〇 |
導入実績 | 全国5,000事業所以上 |
レセプト作成 | 〇 |
国保連伝送(介護保険) | 〇 |
オンライン請求(医療保険) | 令和6年6月対応予定 |
ココナースは訪問看護師テーションの現場の声を大切にして作られたソフトです。訪問看護業務に必要な機能がすべて揃っており、これ1つですべてがまかなえます。
タブレットでの利用も可能となっており、訪問先でそのまま入力することができます。簡単操作で初心者も安心して利用でき、タブレット・スマホのレンタルサービスも提供しています。
ココナースの比較ポイント
企業情報
システム形態 | クラウド |
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料金体系 | 参加費50,000円(初回のみ)
月額10,000円 |
デモ対応 | 〇 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
レセプト作成 | 〇 |
国保連伝送(介護保険) | 〇 |
オンライン請求(医療保険) | 〇 |
iBow(アイボウ)は訪問看護に特化した専用電子カルテシステムであり、訪問看護業務をトータルサポートしてくれます。メインメニューは「管理者」「看護師」「事務員」「経営層」など、自分の役割に応じて変更可能です。使いやすさにこだわった仕様になっており、カスタマイズする際の追加費用は一切かかりません。
その他、勤怠管理サービスも提供しているため、訪問看護独特の勤怠管理の悩みも解決可能です。HPから無料版の申し込みができるので、気になる方は導入を検討してみてください。これらの特徴をふまえると、訪問看護ソフトのなかではiBowがもっとも利便性が高いでしょう。
電子カルテiBow(アイボウ)の比較ポイント
企業情報
システム形態 | クラウド |
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料金体系 | 2年契約時の月額料金は下記の通りです。 基本料金+利用料金 ■基本料金:18,000円 ■利用料金:訪問件数×100円 ※ お客様のステーション規模や契約期間により変動いたします。 |
デモ対応 | 〇 |
導入実績 | 2,300施設以上(※2023年9月時点) |
レセプト作成 | 〇 |
国保連伝送(介護保険) | 〇 |
オンライン請求(医療保険) | 令和6年6月対応予定 |
iBow(アイボウ)については訪問看護専用電子カルテ「iBow」(アイボウ)の口コミ・評判は?でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
homis Nursee(ホーミスナーシー)は、看護記録を起点にチーム力の最大化をサポートする訪問看護向け電子カルテです。使いやすさを追求したシンプルな操作性で、誰でも簡単に利用できます。 LINE感覚で使えるチャット機能で、スマホからいつでもどこでも報連相や情報共有が可能。 外出が多い訪問看護師の悩みの一つであるコミュニケーションの取りづらさを解決します。
更に、在宅看護アセスメントツール「オマハシステム」を搭載し、業務効率化もサポート。 項目を選択するだけで看護計画を作成可能。日々の記録を自動集計して、看護ケアの評価も見える化できます。 サービス利用者の状態がグラフや表で数値化されるため、定量的なフィードバックに活用できます。 ステーション全体の統計データも集計されるので、管理者の経営分析にも貢献します。
homis Nurseeの比較ポイント
企業情報
システム形態 | クラウド |
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料金体系 | 初期費用0円 月額利用料金 1ステーションあたり66,000円~/月(税込) |
デモ対応 | 開設してから2ヶ月間無料 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
レセプト作成 | homis Nurseeは記録システムです。レセプト作成は下記の2社と連携が可能です。 株式会社ワイズマン「ワイズマンASPサービス」 株式会社EMシステムズ「すこやかサン」 |
国保連伝送(介護保険) | 請求ソフトメーカーに確認 |
オンライン請求(医療保険) | 要お問い合わせ |
「訪問看護ステーション管理システムSP」を提供している株式会社ワイズマンは、これまでに電子カルテや介護ソフトの開発・販売を行なってきた実績のある企業です。訪問看護の際は、タブレットさえあれば記録・参照ができるので手軽に移動できます。ケア記録オプションを併せて利用すれば、バイタルやケア内容などをより詳細に記録・管理が可能です。もちろん、導入前後のサポートも充実しているので安心して利用できます。
訪問看護事業所向けソフトの比較ポイント
企業情報
システム形態 | クラウド |
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料金体系 | 保守や法改正などの料金を含めた「5年間使用権パック」の費用 システム設定料や操作説明料などの「初期導入費用」 ※契約更新時は5年間使用権パックのお支払いのみ |
デモ対応 | 〇 |
導入実績 | 導入実績多数 |
レセプト作成 | 〇 |
国保連伝送(介護保険) | 〇 |
オンライン請求(医療保険) | 要お問い合わせ |
いきいき訪看の「スケジュール管理機能」は視認性が高く、全スタッフの予定がカレンダー形式で分かりやすく表示されます。
「送付状」「ラベル」「指示書依頼書」「サービス提供表」などの自動作成ができるので、作業時間の短縮が可能です。
月額1,500円のオプションでは「でんそう君」という国保連伝送サービスがあり、作成した介護請求ファイルをシステム内から直接国保連へ伝送できます。こちらも併せて利用すれば、さらに業務効率がアップするでしょう。
いきいき訪看の比較ポイント
企業情報
システム形態 | クラウド |
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料金体系 | ・月額利用料は、総売上に対する従量課金の料金のみ。 ・法改定に係るシステム改修費等もなし。 ・スタッフの増員による追加料金もありません。 |
デモ対応 | 〇 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
レセプト作成 | 〇 |
国保連伝送(介護保険) | 国保連伝送サービス「でんそう君」 |
オンライン請求(医療保険) | 2024年6月から対応予定 |
「看護のアイちゃん」は質の高い看護を実現させるために、訪問看護の現場看護師と山内豊明教授(名古屋大学名誉教授・放送大学教授)が訪問看護のアセスメントの標準化・見える化を目指して作り上げた、『訪問看護アセスメント・プロトコル』(中央法規出版)を完全搭載しています。「手厚いサポート」や「アセスメントの信頼性の高さ」がお客様に選ばれる理由です。
移動時間や訪問先でもタブレットで患者様の情報確認や記録の作成などが出来るので、スキマ時間を有効に利用することができます。介護請求ソフト「SuisuiRemon」とあわせてご利用いただくことで、2度打ちの手間を省くことができ、事務作業の負担をさらに軽減できます!
看護のアイちゃんの比較ポイント
企業情報
システム形態 | クラウド |
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料金体系 | 要お問い合わせ |
デモ対応 | 〇 |
導入実績 | 要問い合わせ |
レセプト作成 | 介護請求ソフト「 SuisuiRemon 」と連動 |
国保連伝送(介護保険) | 上記請求ソフトで伝送可能 |
オンライン請求(医療保険) | 要お問い合わせ |
株式会社コンダクトが提供するQOCORO訪問看護は、さまざまなスマートデバイスに対応している訪問看護システムです。
操作画面はシンプルなつくりで、誰もが直感的に扱えるようになっています。また、Googleマップとの連動により、訪問先までの経路や所要時間を把握可能です。訪問前に利用者の情報画面にあるマップボタンを押すだけで、簡単にGoogleマップが起動します。
QOCORO訪問看護の比較ポイント
企業情報
システム形態 | クラウド |
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料金体系 | ライセンス単位の定額3パターン ※事務所単位の契約です。 1. 10ライセンス 2. 20ライセンス 3. MAXライセンス |
デモ対応 | 〇 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
レセプト作成 | 介護保険システム「Flowers NEXT コスモス」と連動 |
国保連伝送(介護保険) | 国保中央会が提供している伝送通信ソフトを利用 |
オンライン請求(医療保険) | 要お問い合わせ |
Waroku訪問看護は、同社が提供するWarokuホスピタルカルテとの連携が可能な訪問看護システムです。各請求システムメーカーとの連携を予定しており、Waroku訪問看護に入力した情報からスムーズに請求業務を行えるようになります。
また「訪問看護指示書」「計画書」「看護記録」「日誌」「報告書」など、各書類作成の進捗状況を一覧で確認可能です。
期限や作成状況を一目で認識できるため、作成漏れや期限超えのリスクを防げます。
Waroku訪問看護の比較ポイント
企業情報
システム形態 | クラウド |
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料金体系 | 要お問い合わせ |
デモ対応 | 〇 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
レセプト作成 | 請求システムメーカー各社との連携を予定 |
国保連伝送(介護保険) | 請求ソフトメーカーに確認 |
オンライン請求(医療保険) | 要お問い合わせ |
NDソフトウェア株式会社の製品である訪問系アプリ「Care Palette Home/Nurse」は、同社が提供する「ほのぼのNEXT」との連携によって業務効率を向上させるサービスです。
アプリには訪問予定が変更・更新された際に通知が届くようになっている機能が備わっており、管理者はその通知を職員が見たか確認できます。また、アプリはマルチデバイス対応なのでスムーズな操作が可能です。
Care Palette Home/Nurseの比較ポイント
企業情報
システム形態 | オンプレ・クラウド |
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料金体系 | 要お問い合わせ |
デモ対応 | 〇 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
レセプト作成 | 〇 |
国保連伝送(介護保険) | 〇 |
オンライン請求(医療保険) | 〇 |
カナミッククラウドサービスでは介護保険請求、医療保険請求の各種請求に対応しています。各種帳票類は、訪問看護指示書、訪問看護計画書、訪問看護記録書I、II、訪問看護報告書、訪問看護情報提供書など利用者ごとに時系列に並べてわかりやすく管理できます。
訪問看護の記録書IIには褥瘡の状態や関節の変形、切開部分の状態など写真データを貼り付ける事により病状の変化を詳細に記録することができます。これらは医師の診察の参考にもなるので、適確な診察が受けられます。
クラウド型介護保険システムの比較ポイント
企業情報
システム形態 | クラウド |
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料金体系 | 要お問い合わせ |
デモ対応 | 〇 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
レセプト作成 | 〇 |
国保連伝送(介護保険) | 〇 |
オンライン請求(医療保険) | 〇 |
「Care-wing(ケアウイング)」は、多彩な機能が備わっているクラウド型の訪問看護ソフトです。ICタグにスマホをかざして簡単にログインができるため、IDやパスワードは必要ありません。ICタグは特殊な構造でできており、セキュリティ対策や職員の不正を防止します。また、音声入力に対応しているため文字入力が苦手な職員も簡単に入力可能です。導入後のサポートも充実しており、回数・時間無制限なので安心して利用できます。
Care-wing(ケアウイング)の比較ポイント
企業情報
システム形態 | クラウド |
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料金体系 | 要お問い合わせ |
デモ対応 | 要お問い合わせ |
導入実績 | 要お問い合わせ |
レセプト作成 | Care-wingは記録システムです。下記の請求ソフトと連携が可能です。 介舟ファミリー (株式会社日本コンピュータコンサルタント) かんたん介護ソフト(福祉ソフト株式会社) Quickけあ2(株式会社ファティマ) ケアカルテ(株式会社ケアコネクトジャパン) ケアマザー(株式会社ノエシス) SuisuiRemon(セントワークス株式会社) Flowers NEXT(株式会社コンダクト) 楽すけ(ニップクケアサービス株式会社) RelyⅢ(株式会社アール・シー・エス) ワイズマン(株式会社ワイズマン) |
国保連伝送(介護保険) | 請求ソフトメーカーに確認 |
オンライン請求(医療保険) | 要お問い合わせ |
株式会社アポロシステムが提供するat home看護Mobileは、豊富な導入実績がある訪問看護支援ASPサービスです。
訪問看護の業務フローに沿ったシステムが構築されており、スケジュール管理やレセプト作成などが効率的に行なえるようになっています。
また、1か月間無料でサービスを利用できるため、各機能を試した上で導入が可能です。希望する場合は、HPから問い合わせてみるといいでしょう。
at home看護Mobileの比較ポイント
企業情報
システム形態 | クラウド |
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料金体系 | 初期設定費用 80,000円 月額利用料 25,000円 保守サポート費用 0円(月額利用料に含む) ※月額利用料は、1事業所あたりの金額となります。(PC何台ご利用でも同一料金) ※初期設定費用は、初回のみ必要となります。 ※保守サポート費用は、月額利用料に含まれます。 ※モバイル機能は、お持ちのスマートフォン・タブレットからでもご利用いただけます。 ※操作教育、旧システムからのデータ移行などが必要な場合も、お気軽にご相談ください。 規模、内容をヒアリングさせていただき、別途お見積させていただきます。 |
デモ対応 | 1ヶ月間無料お試し |
導入実績 | 要お問い合わせ |
レセプト作成 | 〇 |
国保連伝送(介護保険) | 富士通社の伝送サービスを追加オプションとしてご契約いただくことで、ご利用可能となります。 |
オンライン請求(医療保険) | 要お問い合わせ |
Colibriは、訪問介護での利用を前提につくられていますが、訪問看護でも利用可能な利便性の高いアプリです。実際、訪問看護を行なっている事業所でも多くの導入実績があります。
計画書通り業務が進んだ場合は、その内容を再度記録する必要はありません。ワンタッチで記録終了です。
厚労省発出の標準CSVフォーマットに対応している請求ソフトはすべて連携可能なので、大幅な業務効率アップを期待できます。現在使用している請求ソフトが連動できるか不安な場合は、一度問い合わせてみるといいでしょう。
Colibri(コリブリ)の比較ポイント
企業情報
システム形態 | クラウド |
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料金体系 | 要お問い合わせ |
デモ対応 | 〇 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
レセプト作成 | 他社請求ソフトとの連動 |
国保連伝送(介護保険) | 請求ソフトメーカーに確認 |
オンライン請求(医療保険) | 要お問い合わせ |
株式会社ライフウェアが提供する訪問看護ステーション業務ソフトは、同社のクラウド連携システムとの接続が可能です。
医療保険請求・介護保険請求の請求処理が可能で、介護保険請求処理については国保連への伝送用ファイルを自動作成できます。また、電子媒体(MO、FD、CD-R)用ファイルの作成も可能です。
各種文書類の作成も可能で「訪問看護計画書」「訪問看護報告書」「訪問看護情報提供書」「訪問看護記録Ⅰ」「訪問看護記録Ⅱ」などの書類作成機能が備わっています。
訪問看護ステーション業務ソフトの比較ポイント
企業情報
システム形態 | オンプレ・クラウド |
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料金体系 | <訪問看護ステーション業務ソフト> 導入時初期費用(事業所につき1回):50,000 円(税別)~ 月額使用料 : 12,000円(税別)~ ※料金はシステム構成、オプション機能、接続端末の台数、保守サポートの内容等により異なります。 ※一括支払いによる方法も用意しています。 <クラウド連携サービス(オプション)> 導入時初期費用(事業所につき1回):30,000 円(税別)~ 月額使用料(1ユーザにつき ) : 2,000円(税別)/月 ※ユーザとは本サービスを利用されるスタッフです。ユーザ毎にIDとパスワードが付与されます。 ※料金はシステム構成、オプション機能、接続端末の台数、保守サポートの内容等により異なります。 |
デモ対応 | 〇 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
レセプト作成 | 〇 |
国保連伝送(介護保険) | 国保連の伝送ソフト、各社の伝送サービスに対応しています。 |
オンライン請求(医療保険) | 要お問い合わせ |
訪問看護ソフトを選ぶ際に気を付けるべきポイントを説明します。導入を検討する際は、以下の点を注意して見るようにしてください。
訪問看護向けにおいて出先での記録は必須です。そのため、訪問看護ソフトはインターネット環境さえあれば、どこでもアクセス可能なクラウド型のものを選びましょう。訪問看護ソフトは、サーバーやパソコンの専門知識がなくても簡単に導入可能です。
パッケージ型の介護ソフトを提供しているメーカーもありますが、今回の記事ではクラウド型の訪問看護ソフトに絞って紹介します。
訪問看護ソフトには下記の2種類があります。
記録作成に特化したタイプの場合は、記録ソフトから抜き出したデータを自院のレセコンにインポートする必要があります。
一方、株式会社eWeLLが提供している「iBow(アイボウ)」など、看護記録の作成とレセプト請求管理が同時にできるソフトを使えば、月末の請求業務にかける時間が短縮されるメリットがあります。また、いきいき訪看では訪問実績データと訪問看護記録が連動しており、システム内から保険請求ファイルを国保連に伝送することができます。1日に多くの訪問先を抱える事業所にとっては、レセプト請求機能がついたソフトがおすすめです。
訪問看護では、介護保険の適用となるサービスを提供する場合もあります。 介護保険を請求するため、各事業所は、看護記録などの必要書類をインターネットで国保連(国民健康保険団体連合会)に提出する必要があります。
伝送機能付きのソフトであれば、普段の業務で記録している内容が国保連請求のデータにも反映されるため、大幅な業務効率化につながります。
クラウド型の電子カルテの場合、訪問先に訪れた看護師がタブレットなどで看護記録を記入する運用が一般的です。タブレットなどを利用する際、レンタル料金が別途かかることもあります。
出退勤時間や深夜労働時間など、事業所は勤怠情報を管理する必要があります。最もアナログな方法としては、タイムカードで出退勤を記録するやり方があります。
この勤怠管理を、電子カルテ上で行えるメーカーもあります。電子カルテiBow(アイボウ)は、訪問看護専用勤怠管理サービス『iBow KINTAI』を無料で提供しており、スマホなどで各人が打刻することができます。
訪問看護ステーションで日常的に作成する下記のような帳票類にどこまで対応しているかもソフトを選ぶ際のポイントになります。スムーズに記入できるようにテンプレートの操作性もしっかりと確認しましょう。
なお、Waroku訪問看護では、「情報提供書」「利用申し込み」「契約書」「褥瘡マネジメント計画書」など複数の文書作成に対応したオプションを設ける予定です。
訪問看護において、電子カルテの導入はさまざまなメリットがあります。以下で紹介する4つのメリットが現実になれば、きっと今よりも働きやすい環境になるでしょう。
訪問先でカルテに入力した内容は自動で請求書類に反映されるため、転記の手間を省けます。それにともない、忙しくなりがちな月末の慌ただしさから解放され、院内での業務負担軽減につながるでしょう。
訪問看護には、医療保険・介護保険の両方が適用されます。しかし、多くの電子カルテメーカー・介護ソフトメーカーは、どちらか片方にしか対応していないケースが多く手続きがややこしくなりがちです。訪問看護ソフトであれば、その問題をクリアできているので導入するメリットは大きいでしょう。
訪問看護ソフトを利用すれば、看護師は出先でのカルテ記入が可能です。管理者は自宅や詰所で記録を確認できるので、業務効率アップを期待できます。
お互いに顔を合わせて働く環境は大切です。しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、今の時代はさまざまな働き方に対応できる柔軟さが重要になってきています。
訪問看護に限らず、医療介護業界は慢性的な人材不足という問題を抱えています。
この問題を解決するには、効率化できる部分を積極的に改善していく必要があるでしょう。改善すれば職員の負担軽減をアピールできるため、採用する際のプラス効果を期待できます。
電子カルテには、チャット機能が備えられているものが多いです。院内の事務から訪問に出ている医師に連絡する際は、チャット機能が役立ちます。
クラウド上で入力内容が即時反映されるため、迅速な情報共有が可能です。正確かつスピーディーな情報伝達は、業務の効率化を図る上でも欠かせません。
訪問看護の電子カルテの価格相場は事業所のやりたいことや訪問件数、料金タイプによって大きく異なります。月額の価格相場は2万円~10万円と幅広いので、導入時は複数のベンダーさんに問い合わせて価格を比較しましょう。
この章では、次の内容を紹介していきます。
訪問看護の電子カルテの料金体系は以下の2パターンになります。
訪問数に関係なく、一律の基本料金を支払うタイプです。開業後に軌道に乗り、訪問件数が増えても定額料金なので長期目線だと従量課金タイプよりコスパがいいです。
基本料金+訪問件数に応じた追加料金が発生する料金体系です。
オプションに付け加える機能によっても料金が変動します。どこまでの機能が基本料金に含まれ、どこからがオプション料金になるのかチェックしておきましょう。特に、訪問看護ステーションにおいては以下の機能が基本料金に含まれているシステムがおすすめです。
訪問看護ステーションで電子カルテを導入する際に、利用できる場合がある補助金・助成金を紹介します。
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者が各社の課題に合うIT製品を導入する際に、その経費の一部を補助してもらえる制度です。
電子カルテ標準化関係補助金とは、医療情報か支援基金において現在検討されている電子カルテ導入に関わる補助金です。厚労省で検討中の補助金なので、随時更新される情報をチェックしましょう。
出典:IT導入補助金2024
出典:医療DXについて
訪問看護のレセプト業務とは「介護報酬(介護給付費)」や「訪問看護療養費」を請求する業務のことをいいます。訪問看護にかかる費用を介護保険では「介護報酬(介護給付費)」、医療保険では「訪問看護療養費」といいます。
訪問看護には介護保険請求と医療保険請求の2種類の請求があり、それぞれ支払審査機関も違います。訪問看護ソフトを使うことで、複雑なレセプト業務を大幅に効率化できるようになります。
この章では、訪問看護のレセプト業務について、次の内容を紹介しています。
介護報酬の支払審査機関は、国民健康保険団体連合会(国保連)です。請求の際は「介護給付費請求書」と「介護給付費明細書」を作成し、国保連に提出します。請求から支払いまでの流れは以下の通りです。
訪問看護療養費の支払審査機関は、社会保険診療報酬基金です。訪問看護療養費は、「訪問看護基本療養費」、「精神科訪問看護基本療養費」、「訪問看護管理療養費」、「訪問看護情報提供療養費」、「訪問看護ターミナルケア療養費」の5つで構成されており、利用者に提供したサービス内容によって加算を算定する必要があります。請求から支払いまでの流れは以下の通りです。
訪問看護レセプト(医療保険請求分)のオンライン請求が2024年12月から義務化されます。。医療保険分もオンライン請求を導入することで印刷や郵送の作業が不要になり、レセプト請求業務が効率化できます。令和6年12月以降はオンライン請求が基本となるため、早めの準備が必要です。
訪問看護のオンライン請求では、オンライン請求用端末や周辺機器の準備が必要になります。国の計画では、2023年度(令和5年度)中に端末の準備をするよう事業所に求めていますが、まだ対応できていない事業所も多いのではないでしょうか。
国が事業所に対して準備するよう求めているのは以下の機器です。
※国の資料の切り抜き
出典:訪問看護レセプト(医療保険請求分)の電子化|地方厚生局
また、訪問看護レセプトのオンライン請求のメリットは以下の通りです。
紹介しているソフトのうち、iBow(アイボウ)、カイポケ訪看、ワイズマン、いきいき訪看、Flowers NEXTは、オンライン請求への対応を発表しています。
訪問看護のオンライン請求については2024年6月開始予定の訪問看護オンライン請求とは?補助金に関する情報も解説!でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
訪問看護ソフトを導入すれば、大幅な業務効率アップを期待できるでしょう。多くのサービスはクラウド型なので、移動の際はスマートフォンやタブレットを持っていくだけで簡単に記録が可能です。
導入のメリットや電子カルテを選ぶポイントをおさえた上で、それぞれの訪問看護ソフトを比較してみてください。きっと自事業所に適した訪問看護ソフトが見つかるでしょう。