受付スタッフが一人ひとりに対応しているクリニックでは、患者さまの待ち時間が長くなりがちです。待ち時間が長くなると、患者さまからクレームが発生し、スタッフの負担も大きくなってしまいます。
患者満足度にも大きく影響するため、「再来受付機」の導入を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、クリニック向けの再来受付機は多くのメーカーから販売しており、どの製品を選べばよいか迷う方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、再来受付機の概要を解説しつつ、選び方、おすすめの製品11選をご紹介します。本記事を読むことで、再来受付機の選び方を理解し、自院に合った製品を選ぶことができます。
目次
再来受付機(自動受付システム)とは、再診などで患者さまが来院する際、患者さま自身で受付ができる機械のことです。
患者さま自身で受付を行うので、「待ち時間の短縮」「受付スタッフの負担軽減」につながります。
そのため、「患者満足度の向上」や「受付業務の自動化」を図りたい施設にはおすすめできるでしょう。
近年では、大病院だけでなく、クリニックや薬局などの小規模な施設でも活用されています。
再来受付機を利用する際の流れは、以下の通りです。
基本的な流れは以上です。操作方法はタッチパネル式なので、高齢の方や機械操作が苦手な方でも扱いやすい仕組みになっています。
医療機関では月に1回、保険証を確認する必要があります。
法令で義務付けられているため、再来受付機を導入しても変わりません。
ただし、2021年10月から開始された「オンライン資格確認」であれば、保険証確認にかかる時間短縮が可能です。
保険証やマイナンバーカードをカードリーダーで読み取ることで、保険証確認の時間短縮と確認ミスの防止につながります。
デメリットとしては、ネットワーク構成の確認や設置スペースが必要になる点には注意が必要でしょう。
オンライン資格確認についてはマイナンバーカードが保険証に!「オンライン資格確認」がスタートでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
クリニック向け再来受付機を選ぶ際に、以下の3つのポイントをチェックしてください。
一つずつ見ていきましょう。
病院と比較して、設置スペースが限られているクリニックでは、サイズ選びが重要です。
そのため、クリニック向けの再来受付機を選ぶのであれば、「小型の卓上タイプ」がおすすめです。
特に、株式会社メディ・ウェブのBee患者自動受付機は、コンパクトな「iPad」型なので、設置場所に困りません。
「Bee患者自動受付機」以外では、株式会社インテクアの「クリニック向け自動受付機」がよいでしょう。
設置場所のないクリニックでも、受付卓の上に設置ができるコンパクトサイズです。
再来受付機の中には、予約システムやオーダーシステムなどの連携が可能な製品があります。
予約システムと直接連携できる製品を選べば、予約管理に関する業務が減り、受付スタッフの負担が軽減されるでしょう。
システムギア株式会社の「卓上再来受付自動精算機」は、予約システムとのリアルタイム連携が可能で、業務負担の軽減を実現します。
他にも、自動精算機一体型かつ卓上型の製品として、株式会社GENOVAのNOMOCa-Stand(ノモカスタンド)があります。
今後自動精算機導入を検討していて、院内の設置スペースに悩んでいる方には特におすすめです。
再来受付機を選ぶ上で忘れてはならないポイントが、故障時の対応やサポート体制がしっかり整っているかです。
万が一トラブルが発生した場合に、迅速な対応がされなければ、受付スタッフの業務負担がより大きくなってしまいます。
全国400箇所に拠点を置く株式会社インテクアは、万が一のトラブルにも迅速に復旧できる保守体制が整っているのでおすすめです。
製品 | クリニック向け自動受付機|株式会社インテクア | 卓上再来受付自動精算機|システムギア株式会社 | Bee患者自動受付機|株式会社メディ・ウェブ | MELTHACCEPT(メルスアクセプト)|株式会社メルス | 小型受付機SCS-S01|株式会社ファーストジェーインフォ | 再来受付機 ADC-3100 Type-M|システムギア株式会社 | 自動診察受付システムPA-600|株式会社ドッドウエル ビー・エム・エス | HOPE 自動再来受付システム|富士通株式会社 | 自動再来受付機|日本ラッド株式会社 | MERSYS‐IV(メルシス)|株式会社島津製作所 | NOMOCa-Stand(ノモカスタンド)|株式会社GENOVA |
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価格 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
印刷機能 | 問診票自動印刷オプション | あり | あり | あり | あり(オプション) | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
外形寸法 | 幅162mm×奥行172mm×高さ430mm ※画面部分最大440 | 幅508mm×奥行691mm×高さ645mm | − | − | 幅280mm×奥行360mm×高さ310mm | 幅600mm×奥行660mm×高さ1,260mm |
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幅380mm×奥行387mm×高さ661mm |
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幅490mm×奥行295mm×高さ1,460mm |
重量 | − | 約60kg | − | − | 約10kg | 155kg |
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22kg |
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− |
ここでは、クリニック向けのおすすめ再来受付機11選をご紹介します。それぞれの特徴を確認し、自施設に合った製品を探してみてください。
株式会社インテクアは、中小規模の病院やクリニック、調剤薬局向けに業務に活かせるITツールを開発している企業です。
クリニック向け自動受付機は、80mmのプリンタ内蔵で省電力・省スペースが特徴の製品です。設置面は162mm(幅)×172mm(奥行)で、A4用紙の半分程度のサイズなので、設置場所に困ることはないでしょう。
また、オプション機能として、ネット予約システム、電子カルテ受付情報との連携で、スムーズな院内運用を実現できます。
クリニック向け自動受付機の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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印刷機能 | 問診票自動印刷オプション |
外形寸法 | 幅162mm×奥行172mm×高さ430mm ※画面部分最大440 |
重量 | - |
システムギア株式会社は、システムの開発から製造、サポートサービスまで幅広く展開している企業です。
卓上再来受付自動精算機の大きな特徴は、再来受付と自動精算の2つの機能を搭載していることでしょう。2つの機能を搭載しながらも、受付カウンターにも置けるほどのコンパクトサイズで、B4用紙4枚分のスペースに設置できます。
また、17インチの大型タッチパネルを搭載しているため、視認性や操作性に優れている点も魅力です。
卓上再来受付自動精算機の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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印刷機能 | あり |
外形寸法 | 幅508mm×奥行691mm×高さ645mm |
重量 | 約60kg |
株式会社メディ・ウェブは、医療機関向けに患者サービス向上とアプリケーションの開発・運用をしている企業です。
Bee患者自動受付機の特徴は、わずか2秒で再来受付が完了することでしょう。患者さま自身で受付をするため、受付スタッフは本来の業務に集中でき、待合室の混雑も防げます。
また、コンパクトな「iPad」型なので、卓上カウンターなどの省スペースに無理なく設置することができます。
Bee患者自動受付機の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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印刷機能 | あり |
外形寸法 | − |
重量 | − |
株式会社メルスは、外来業務の受付ソリューションを中心に、医療プロセスを効率化する製品を開発している企業です。
再来受付機はクリニックの設置場所に合わせて、卓上タイプとスタンドタイプの2種類から選ぶことができます。メルスアクセプトに診察券を挿入すると、患者さまが診察可能な診療科がタッチパネルのモニターに表示されます。
簡単なタッチ操作で受付が完了するので、機械の操作に慣れていない方でも簡単に受付票を発行できるのが魅力です。
MELTHACCEPT(メルスアクセプト)の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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印刷機能 | あり |
外形寸法 | − |
重量 | − |
株式会社ファーストジェーインフォは、自動受付システムを中心に、ソフトウェアやハードウェアの開発・販売・保守を行なっている企業です。
小型受付機SCS-S01は、小型のブラウン管テレビのようなサイズ感で、受付カウンターにも楽に置くことができます。患者さまは、画面に表示された案内に従って受付を進めるだけなので、誰でも簡単に操作が可能です。
また、患者さまが診察券を持っていない場合でも、受付ができる点は魅力といえるでしょう。
小型受付機SCS-S01の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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印刷機能 | あり(オプション) |
外形寸法 | 幅280mm×奥行360mm×高さ310mm |
重量 | 約10kg |
システムギア株式会社のADC-3100 Type-Mは、A4カラーレーザープリンタを標準搭載している再来受付機です。
当日の受付票やフロアマップを印刷でき、受付業務の効率化を可能にします。また、音声ガイダンス機能を搭載しており、操作方法を音声で案内してくれるので、操作に迷うこともありません。
さらに、車椅子利用の患者さまが操作しやすいように、タッチディスプレイの高さを目線に合わせているのも魅力的なポイントです。
再来受付機 ADC-3100 Type-Mの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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印刷機能 | あり |
外形寸法 | 幅600mm×奥行660mm×高さ1,260mm |
重量 | 155kg |
株式会社ドッドウエル ビー・エム・エスは、診察券発行機や再来受付機などの販売、研究開発、販売後のケアまで一貫したサービスを提供している企業です。
自動診察受付システムPA-600の特徴は、視認性に優れた19インチの大画面モニターを搭載していることでしょう。ボタンや文字が大きく操作しやすいので、高齢の患者さまでも簡単に受付を完了できます。
また、覗き見防止フィルターにより、プライバシー保護に配慮した仕組みになっているのも魅力です。
自動診察受付システムPA-600の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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印刷機能 | あり |
外形寸法 |
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重量 |
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富士通株式会社は日本の総合ITベンダーとして、信頼できるテクノロジー・サービス、ソリューションなど幅広く提供している企業です。
富士通の自動再来受付システムは、19インチの大画面モニターを搭載しており、操作性・視認性に優れているのが特徴です。また、富士通が専門的に調査したデータをもとに、バリアフリー対応になっているので、高齢の患者さまでも簡単に操作できます。
サポート体制に関しては、全国120箇所にサポート拠点を置いており、トラブル発生時にも迅速な復旧が可能です。
HOPE 自動再来受付システムの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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印刷機能 | あり |
外形寸法 |
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重量 |
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日本ラッド株式会社は多様な業種のニーズに応え、ソリューションを提供している企業です。
日本ラッドの自動再来受付機は、車椅子の患者さまでも画面操作ができるように、画面の角度調整などができます。また、荷物や杖を置く専用台も標準装備しており、ユニバーサルデザインを追求した作りになっています。
自動再来受付機のモデルは3種類あり、クリニックのニーズに合わせた設置が可能です。
自動再来受付機の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
---|---|
印刷機能 | あり |
外形寸法(カウンター設置タイプ) | 幅380mm×奥行387mm×高さ661mm |
重量 | 22kg |
株式会社島津製作所は、医用機器や産業機器を中心に革新的な製品・サービスを提供している企業です。
メルシスは、豊富なバリエーションの中から、クリニックの運用に合わせたタイプを選択することができます。ラインナップの中には、卓上型・自立型、17インチ・19インチがあります。
他にも多彩な機能が満載で、患者さま自身で次回の予約ができる、「予約システム」との連携が可能な点も魅力です。
MERSYS‐IV(メルシス)の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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印刷機能 | あり |
外形寸法 |
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重量 |
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株式会社GENOVAはヒトと医療をつなぎ、一人ひとりが健康に生活できる社会を目指している企業です。
GENOVAのノモカスタンドは、予約システムや電子カルテ、レセコン、案内表示システムなど他システムとの連携に優れています。ノモカスタンドを導入した施設のモニタリングデータでは、「会計・受付業務の負担が80%以上軽減した」という結果も出ています。
また、トラブル発生時にもリモートで調査し、迅速に対応してくれるのも魅力です。
NOMOCa-Stand(ノモカスタンド)の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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印刷機能 | あり |
外形寸法 | 幅490mm×奥行295mm×高さ1,460mm |
重量 | − |
クリニックで再来受付機を導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、以下の4つのメリットについて解説していきます。
一つずつ見ていきましょう。
受付対応の忙しさやクレーム対応などで、大きな負担を抱えるスタッフも多いです。
再来受付機の導入で患者さま自身が受付をするため、受付スタッフの負担を減らすことができます。
また、これまで行なっていた受付の対応やチェック作業がなくなり、その分を患者さまへの手厚い対応や事務作業に使うこともできるでしょう。
再来受付機の導入は、患者さまの「待ち時間短縮」にも大きく貢献します。
導入前は手入力で患者情報を入力していたのが自動化されるため、待ち時間の短縮や混雑解消が可能です。
また、実際に導入した医院でも、再来患者さま1人あたり1分かかっていた受付時間を30秒に短縮できたという事例もあります。
待ち時間の短縮や混雑解消は、患者さまの満足度向上にもつながるでしょう。
人が多いクリニックなどでは、自分がいつ診察に呼ばれるのかわからず、不安に感じる患者さまもいらっしゃるでしょう。
再来受付機から出てくる受付票には受付番号が印字されており、待ち時間の目安がわかるので安心感を与えることができます。
また、従来のように直接診察券を受け渡すことがなくなるため、感染症対策にもつながります。
病院やクリニックで診察の順番がくると、自分の名前を呼ばれることに不快に感じる患者さんも少なくありません。
再来受付機を導入すると受付番号が印字されるので、スタッフが患者さんの名前を呼び込む必要がなくなります。
患者さまはプライバシーが保護され、安心して受診することができるでしょう。
既存の診察券プリンターが、再来受付機向けにバーコード付きで発行できるか確認しましょう。
再来受付機に対応していない場合は、導入を検討することをおすすめします。
その分、受付スタッフの負担軽減や効率化につなげることが可能です。
診察券プリンターも併せて導入する場合は、以下の記事で診察券プリンターについて紹介しているので、チェックしてみてください。
受付が混雑していて患者さまを長い時間待たせてしまうと、クレームにつながってしまいます。
再来受付機を導入することで、多くのメリットを得られます。
患者さまの「待ち時間短縮」や受付スタッフの「負担軽減」ができ、患者さまとスタッフの満足度向上につながるでしょう。
「患者さま満足度を向上させたい」「受付スタッフの負担を軽減させたい」とお考えの担当者の方は、再来受付機の導入を検討してみてください。