小規模な店舗や施設であれば、レジスターの設置場所や購入・保守費用が気になるものでしょう。そこで近年、POSレジアプリが新たな選択肢として注目されるようになってきました。お手持ちのiPhoneやiPadがあれば初期費用をかけずに導入できることがその理由です。
数あるPOSレジアプリのなかでも圧倒的な導入数を誇るのがリクルート社提供のAirレジでしょう。外部ソフトやツールと連携させることで、支払いから清算までの一連の作業をスピーディーかつスムーズに行えることから、店舗運営の効率化にもつながります。
今回の記事で解説するのは、Airレジが支持されている理由や導入するメリット・デメリットなどです。加えて、連携できる周辺機器や外部ソフト、関連サービスなどもまとめました。店舗の会計業務の効率化を思案しているみなさまの有益な情報となりましたら幸いです。
目次
Airレジとは、手元にあるiPhoneやiPadにアプリを入れるだけで使える無料のPOSレジです。会計などレジの基本的な機能のほか、売上の管理や分析などの機能も備わっているので、売り上げアップや店舗運営の効率化に貢献してくれるでしょう。
2021年の調査によると、店舗数が30以下のサービス業系の業種でAirレジを導入しているお店の数は、663,000アカウントという集計結果が出ました。この数字はPOSレジアプリのなかではナンバーワンです。レジを導入している店舗に広く浸透していることが分かります。
あらゆる業種で活用できることもAirレジの強みです。Airレジを使うと、売り上げなど店舗運営に関わる数字を自動的に集約できます。レシートプリンターやバーコードスキャナーなど周辺機器と接続することで、さらに活用の場を広げられるでしょう。
Airレジは数あるPOSレジアプリのなかで、導入店舗数が群を抜いていますが、現場で支持されることには理由があります。まずは、Airレジがこれほど浸透している理由をまとめてみました。
店舗を運営する場合、キャッシュレジスターの購入・維持のための費用を念頭に置いておく必要があります。予算に限りがある店舗ですと、なかなか最新の機器を導入できず、お客様へのサービスが不十分になることもあるでしょう。Airレジが支持される理由のひとつが、基本レジ機能無料によるコストパフォーマンスの高さです。会計や商品登録などの基本的なレジ機能、売り上げ管理や分析機能を初期費用なしで利用できます。もちろん月額費用もかかりません。
導入方法に不明点があっても、電話、メール、チャットでサポートを得られます。ビックカメラ店舗のAirレジ サービスカウンターに行けば、Aiレジや周辺機器を直接手に取ることも可能です。どちらも無料のサービスですので、気になる方はぜひ利用してみてください。
日本のみならず世界各国では、クレジットカード、電子マネー、バーコード決済などキャッシュレス決済の多様化が進んでいます。それに伴って、店舗や施設でもさまざまな決済方法に対応する必要に迫られています。キャッシュレス化の対応が不十分あるいは種類が限られていることで、お客様に購入を見送られてしまったなんてこともあるでしょう。確実に売り上げにつながるためには、キャッシュレス決済の導入と多様化は必要不可欠です。
各種キャッシュレス決済に対応させるために、AirレジとAirペイを連携させることも一案です。専用のカードリーダー1台で事足りるので場所をとりません。Airペイの決済手数料は業界最安水準を誇っておりますので費用面の安心感も抜群です。
Airレジは、シンプルな操作性にこだわった、おしゃれな画面構成にも定評があります。誰でも簡単かつ直観的に操作できますので、初めてPOSレジアプリを導入する店舗も取り入れやすいでしょう。Airレジの操作性と高度な機能は高く評価され、2014年度のグッドデザイン賞に選ばれました。レジ機能のみならず空席情報など店舗全体の情報をデジタル化できる点も注目されています。わくわく感がある遊び心たっぷりのアプリデザインも受賞ポイントとされました。
お会計は商品パネルをタッチするだけで完了です。画面構成はスマートフォンと似ており、軽減税率にも対応済みですので、初心者のアルバイトでもすぐに使いこなせるでしょう。計算ミスや打ち間違いが減ることで、伝票と売り上げの差額に頭を悩ませることもなくなります。
Airレジと外部ソフトを連携させることで、店舗運営のさらなる効率化を図れます。外部ソフトを使いこなせるか心配であれば、Airシリーズのオーダーシステム、決済サービス、受付管理アプリ、採用管理サービスなどと連携させてもいいでしょう。各会計ソフトと連携させれば、Airレジの売上データを自動で反映させられます。また、青色および白色申告にもスピーディーに対応できるでしょう。帳票管理をクラウド化する、従業員の勤務状況を管理する、宅配デリバリーに対応することも可能です。
Airレジと自動釣銭機も連携可能となりました。専用の自動釣銭機を接続させることで、釣銭の渡し間違い防止やスタッフ数の削減が実現するでしょう。レジ打ちの時間が不要となることで、お客様の流れが停滞することもなくなります。
Airレジは、小規模店舗でも気軽に導入できると好評ではありますが、もちろんデメリットもあります。注意点を念頭に置いておくことで、万が一のリスクにも備えられるでしょう。そこでAirレジを取り入れる際に考えられるデメリットをふたつご紹介します。
Airレジの強みはなんと言ってもiPhoneでも利用できる点でしょう。しかしながら、画面が小さいので操作しにくいことが難点です。Airレジのシンプルな操作性は、スマホ画面の制約により発揮しきれません。iPadアプリの場合、商品をタップすると注文一覧が左側に表示されるため、確認しながら会計できます。一方iPhoneは画面が狭いため、注文一覧を見るためには次の画面に進まなければならないのが難点です。
Airレジアプリを起動させるためには端末をインターネットに接続させる必要があります。情報が保存されるのはクラウド上です。つまりインターネットの通信環境に不具合があると、会計業務を行うことも情報にアクセスすることもできません。開店時に停電や電波障害が発生したら、お客さんがいるにも関わらず、決済端末は利用できなくなります。一時的な電波障害であっても、お客さんを待たせたりレジ業務が混乱したりする可能性があります。そこで、停電や電波障害などネットワークの不具合が起こったときの対応を決めておく必要があるでしょう。スタッフ間でマニュアルを共有する、定期的に研修を行うなどして、万が一のリスクに備えることも不可欠です。
とはいえAirレジには、高度な機能が搭載されていますので、店舗運営に必要な機器やソフトを連携させることで多くのメリットを享受できます。そこで、Airレジの機能、連携できる機器、ソフト情報をひとつずつ見ていきましょう。
Airレジの軸となるのが会計機能と言えるしょう。商品をタッチするだけで注文入力は完了です。割引や割増、端数値引、非課税などを会計・商品ごとに設定することもできます。軽減税率、レシートや領収書の発行、個別会計に対応していることも嬉しいポイントです。
外部機器と柔軟に連携できることもAirレジの特色のひとつです。バーコードリーダーとつなげれば注文スピードが格段にアップするでしょう。現金をやり取りする際の人的ミスを削減したいなら自動釣銭機と接続することがおすすめです。支払い手段を多様化するために決済サービスと連携させてもいいでしょう。
レジの入金や出金を管理する機能もありますので、お金の出入りをアプリ上で全体的に見渡せます。伝票を管理する機能を使えば、閉店時のレジ締めの時間も短縮できるでしょう。店舗責任者の悩みの種である、売り上げと伝票の差額もアプリ内で確認可能です。
Airレジには店舗の売上を集計する機能も搭載されています。さまざまな期間で集計できますので、時間や曜日、シーズンなどを踏まえて売り上げを分析できるでしょう。パソコン版Airレジを使っているのであれば、CSV形式にて売上データをダウンロードすることもできます。
顧客管理機能を使って、お客さまの情報をAirレジにて管理してもいいでしょう。この機能を使えば、お客様情報を簡単に登録・変更・削除できます。会計履歴にお客様さまの情報を反映させられますので、店舗運営の戦略の策定や見直しにも活用できるでしょう。
商品を管理する機能も店舗を運営するうえで必要不可欠です。商品管理機能を使えば、取り扱っている商品の情報を集約し、さらにはダウンロードできます。在庫管理機能や色付け設定機能もありますので、発注や棚卸しのときにも活躍してくれるでしょう。
Airレジでは、管理責任者やスタッフの情報を管理する機能も含まれています。複数のアカウントを作る、パスコードロックで利用者を制限する、操作者のログを残す機能も搭載されました。基本情報からレシートにスタッフ名を記載するなどのカスタマイズも可能です。
周辺機器と接続することで、Airレジをより効果的に使いこなせます。基本となるのは、レシートや領収書を印刷するレシートプリンターと現金を収納するキャッシュドロアです。レシートプリンターが内蔵されているキャッシュドロアmPOPを使ってもいいでしょう。
周辺機器の選定に頭を悩ませたくないなら、Airレジ推奨の機器セットの購入をおすすめします。レジまわりのスペースに限りがあるなら「スター精密 mPOP セット」がいいでしょう。iPad、USBポートを4つ備えたmPOP、ロール紙がセットになっています。
会計スピードをあげたいのであれば、据え置き型の高速プリンターと大容量キャッシュドロアがセットになった「SII レシートプリンターセット」が使いやすいでしょう。iPadはもちろんのこと、bluetoothとlightningケーブルのどちらでも接続できます。
Airレジは外部ソフトやサービスと連携させることも可能です。書類の作成や業績管理の効率化、お客様サービスの向上にもつながりますので、以下の一覧を参考に連携を検討してみてください。
freee会計はトップクラスの利用者数を誇るクラウド会計ソフトです。現在、31万以上の事業所により利用されています。Airレジと連携させれば、閉店後に売り上げデータが自動で反映されます。会計ソフトにその都度入力する必要がなくなりますので、業務の時間短縮につながるでしょう。
売上実績ナンバーワンの会計・申告ソフトの弥生シリーズとも連携できます。Airレジと連携させることで、売り上げデータを自動でソフトに取り込めますので、帳簿を作成する時間が不要となるでしょう。簿記や会計の知識がなくても決算書や申告書類も作成できます。
仕訳作業を効率化させたいなら、マネーフォワード クラウド会計・確定申告とAirレジを連携がおすすめです。売り上げデータが自動で反映されますので、経理業務や確定申告の書類作成にかかる手間も最小限で済むでしょう。
TKCのFXシリーズとAirレジを連携させれば、店舗の売り上げをリアルタイムで管理できます。業績を複数の角度から「見える化」することも可能です。現状の分析を視覚的に提示できれば金融機関の信頼度は高まります。その結果、店舗の経営の強化につなげられるでしょう。
Airレジはデリバリー総合サイトである出前館とも連携できるようになりました。ふたつを連携することで、出前館にて注文されたデータを自動でAirレジに反映できるようになります。そのままレシートも出力できますので、注文、配達、会計までをスムーズに行えるでしょう。
Airレジと確実に連携させたいのであれば、関連サービスを利用することも一案です。ここでは、各種サービスの内容や強みや初期・月額費用などをご紹介しますので、ぜひ検討の一助としてください。
Airペイを導入すればお店で使える決済サービスを多様化できます。クレジットカードのみならず電子マネーやQR、ポイントによる決済も可能です。7種類の国際ブランドカードはもちろんのこと、交通系、iD、QUICPayなどの電子マネー、Apple Payにも対応できるようになります。
Airペイの強みは、iPhoneもしくはiPadと専用のカードリーダー1台で、これらの決済サービスが利用できることでしょう。今ではキャッシュレス決済は当たり前のことになりつつあります。決済サービスの多様化を業界で初めて実現させたのがAirペイでした。お客さまから注文を受けてから会計するまでの流れを一続きで行えるため、店舗の会計や売上管理の煩わしさの解消にもつながるでしょう。決済手数料は最低でも3.24%で月額固定費と振込手数料は無料というコストパフォーマンスの良さも魅力です。
Airレジ オーダーは飲食店向けのレジ機能を充実させるアプリです。導入サポートはプランによっては無料で利用できます。機器費用と月額費用は別に必要となりますが、お手持ちのiPod touchやiPadがあればコストカットできるでしょう。
従来型のPOSレジですとサポートや保守の期間が突然切れるリスクを免れられませんでした。それに対してAirレジ オーダーはアプリですので、保守切れにより店舗の基幹システムを停止させることはありません。Airレジ オーダーをAirレジに連携させれば、お客さまの注文を再度入力せずに済むでしょう。Airレジで行われた先会計の情報を自動でキッチンモニターに反映することも可能です。調理完了時間を早められますので、お客様をお待たせせず料理を提供できるでしょう。
QR決済サービスをさらに充実化させたいのであれば、Airペイ QRの導入がおすすめです。最近は現金を持ち歩くお客様は減っています。店舗や施設でQR決済ができるようにすることで、集客のみならず客単価もあげられるでしょう。
Airペイ QRの導入により、d払い、PayPay、au PAY、楽天ペイなど大手決済サービスのほか、J-Coin Pay、Smart CodeTM、COIN+なども対応可能となります。Alipay+、WeChat Pay、UnionPay(銀聯)QRコードが使えれば外国のお客さまも利用しやすくなるでしょう。Airペイ QRを導入するための費用は無料です。初期費用と月額固定費もかかりません。必要なのは利用金額の2.95%の決済手数料だけです。COIN+につきましては0.99%と、さらに低額に抑えられていることも注目点でしょう。
最後にここまで紹介してきたAirレジの特徴や他社との比較をもとに、Airレジ導入が「おすすめのお店」と「そうでないお店」について解説していきます。
他のPOSレジを知りたい方は【業種別比較】POSレジ39製品|規模やニーズに合ったおすすめを紹介でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
今回は、Airレジの特徴や導入するメリット、連携できる周辺機器や外部ソフトなどをご紹介いたしました。近年はキャッシュレス化が浸透していることもあり、決済サービスの多様化が進んでいます。このような社会の流れに迅速に対応するためにも、Airレジ導入を検討する意義は十分にあるでしょう。以上、Airレジの導入に関わる情報を解説いたしました。この記事が、POSレジアプリの導入を検討しているみなさまの検討の一助となりましたら幸いです。