ポータブルエコーは手のひらサイズで持ち運びがしやすく、手軽にエコー検査を行うことができます。従来のエコー装置よりコストも抑えて導入が可能です。
ポータブルエコーは専用端末が用意されている製品もありますが、好みのスマホやタブレットで利用できるものもあります。今回はスマホ・タブレットで使えるおすすめのポータブルエコーを紹介していくので、気になっている方はぜひ参考にしてください。
そもそもエコー検査とは超音波を用いて体内の病気の有無や様子を検査する方法で、放射線などを使わないため安全性が高いとして広く医療現場で取り入れられています。従来のエコー装置は大型で広いスペースを必要とする上、導入には数百万円以上、場合によっては1千万円以上必要となることもあります。
それに対して、ポータブルエコーは手のひらサイズで持ち運びがしやすく、比較的低コストで導入することができます。スマホやタブレットとつないで利用できるものも多く、操作しやすいことやデータの共有などが簡単に行えることも人気の理由の一つです。訪問診療や遠隔での診察なども広がっている今、ポータブルエコーの需要はさらなる高まりを見せていくことが予想されます。
ここからは、実際にスマホやタブレットで使えるおすすめのポータブルエコーをご紹介します。
ポータブルエコーは様々な製品があり、機能やサポートなどに違いがありますので、比較して各医療現場に合うものを購入するのが望ましいでしょう。 以下におすすめのポータブルエコーをまとめましたので、チェックしてみてください。
企業名 | 製品名 | 価格(税別) | 端末 |
---|---|---|---|
富士フイルムメディカル | iViz air コンベックス | 977,200円(3年のサポートプラン付き) | 専用端末(6.1インチ / 10.1インチ) |
富士フイルムメディカル | iViz air リニア | 要お問い合わせ | 専用端末(6.1インチ / 10.1インチ) |
GEヘルスケア・ジャパン | Vscan Air SL | 1,100,000円~ | デバイスフリー |
GEヘルスケア・ジャパン | Vscan Air CL | 798,000円~ | デバイスフリー |
フィリップス・ジャパン | Lumify | 要お問い合わせ | 専用端末(3種類から選択可能) |
キャノンメディカルシステムズ | Viamo sv7 | 要お問い合わせ | 専用端末(12.3インチ) |
日本シグマックス | ポケットエコー miruco | 228,000円~ | 専用端末(8インチ) |
テルモ | ポータサウンド | 1,234,800円 | iPad / iPad mini |
スマホやタブレットで使えるおすすめのポータブルエコーについて、それぞれ詳しく解説していきます。特徴を比較しながら目的に合うものを探し、気になったものがあれば問い合わせて資料を確認するのがおすすめです。
iViz air コンベックスは、医療機器メーカー大手の富士フイルムが手がけるポータブルエコーです。iViz air は本体とプローブをWiFiで接続しワイヤレスを実現しました。ポケットサイズのコンパクトさとプローブの重量もわずか190gのため、持ち運びが容易です。タブレットは6.1インチのもの、10.1インチのもの2種類から選択可能です。
iViz air コンベックス
製品情報
製品名 | ワイヤレス超音波画像診断装置 iViz air |
---|---|
承認番号 | 301ABBZX00003000 |
価格 | 977,200円(税別・3年のサポートプラン付き) |
端末 | 専用端末(6.1インチ / 10.1インチ) |
ワイヤレス | 〇 |
プローブの種類 | コンベックスプローブ |
プローブ重量 | 190g |
連続使用時間 | 3時間 |
iViz air リニアにはカラードプラモードが搭載されているため、血流評価が可能です。本体とプローブはWiFiでワイヤレスに接続することができ、タブレットは2つのサイズ(6.1インチ / 10.1インチ)から選択することができます。あらゆる現場の診断に安心な高画質と軽量性を兼ね備えており、長時間バッテリーも搭載しています。タフな医療現場でも安心して使用することができます。
iViz air リニアの比較ポイント
製品情報
製品名 | ワイヤレス超音波画像診断装置 iViz air |
---|---|
承認番号 | 301ABBZX00003000 |
価格 | 要お問い合わせ |
端末 | 専用端末(6.1インチ / 10.1インチ) |
ワイヤレス | 〇 |
プローブの種類 | リニアプローブ |
プローブ重量 | 要お問い合わせ |
連続使用時間 | 要お問い合わせ |
GEヘルスケア・ジャパンのVscan Air SLはセクタ・リニアのワイヤレスデュアルプローブを採用しています。プローブ1本で深部から浅部まで全身の検査を網羅しています。心エコーから血管・評価まで流れるようにスムーズなエコー検査が可能です。専用端末を持たないデバイスフリー設計のため、モニタのサイズやモバイル端末は自由に選ぶことができます。
Vscan Air SLの比較ポイント
製品情報
製品名 | 汎用超音波画像診断装置 Vscan Air |
---|---|
承認番号 | 303ACBZX00012000 |
価格 | 1,100,000円~ |
端末 | デバイスフリー |
ワイヤレス | 〇 |
プローブの種類 | デュアルプローブ(セクタ・リニア) |
プローブ重量 | 218g |
連続使用時間 | 約50分 |
Vscan Air CLはコンベックス・リニアのワイヤレスデュアルプローブを採用しています。深部から浅部まで様々な領域のエコー検査を綺麗に描出できます。毎日、手軽に使えるポケットエコーだからこそ、万が一のことを想定し、メーカー保証3年を標準装備しています。専用端末を持たないデバイスフリー設計のため、モニタのサイズやモバイル端末を自由に選択可能です。
Vscan Air CLの比較ポイント
製品情報
製品名 | 汎用超音波画像診断装置 Vscan Air |
---|---|
承認番号 | 303ACBZX00012000 |
価格 | 798,000円~ |
端末 | デバイスフリー |
ワイヤレス | 〇 |
プローブの種類 | デュアルプローブ(コンベックス・リニア) |
プローブ重量 | 要お問い合わせ |
連続使用時間 | 要お問い合わせ |
Lumifyは、使いやすいポータブルエコーでありながら、フィリップス社の高い技術力を駆使して高画質・直感的な操作を実現した製品です。コンベックス・リニア・セクタの3種類のトランスジューサを用意しているため、さまざまなシーンに合わせて使い分けることができます。
Lumifyの比較ポイント
製品情報
製品名 | 超音波画像診断装置 Lumify |
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承認番号 | 302AFBZX00043000 |
価格 | 要お問い合わせ |
端末 | 頑丈で高性能な10.1インチ(892g) 頑丈かつ可搬性に優れた7インチ(426g) スタイリッシュでパワフルな10.3インチ(460g) |
ワイヤレス | ✕ |
プローブの種類 | コンベックス、リニア、セクタ |
プローブ重量 | 要お問い合わせ |
連続使用時間 | 要お問い合わせ |
Viamo sv7はフルタッチパネルとなっておりますので、検査中でもゲイン、フォーカス、ズームなどの操作が可能です。持ち運びに便利なハンドルストラップや、片手で操作が可能なショルダーストラップもご用意しています(オプション)。充電ポートはUSB-Cを採用しています。充電しながら検査を行うことも可能です。
Viamo sv7の比較ポイント
製品情報
製品名 | 超音波診断装置 Viamo sv7 CUS-VSV7 |
---|---|
承認番号 | 229ACBZX00025000 |
価格 | 要お問い合わせ |
端末 | 専用端末(12.3インチ / 約1.45 kg) |
ワイヤレス | ✕ |
プローブの種類 | コンベックス、マイクロコンベックス、リニア |
プローブ重量 | 要お問い合わせ |
連続使用時間 | 要お問い合わせ |
ポケットエコーmirucoは、在宅医療をはじめとした、様々な医療現場で簡単に使用ができるように設計されています。白衣等のポケットに入るコンパクト設計で、重さは本体とプローブあわせて500g以下です。連続動作時間は約6時間ですので、病棟、往診、訪問看護など使用シーンを選ばず使用することができます。起動時間はわずか5秒ですので、使いたい時にすぐに使える点も特長です。
ポケットエコー mirucoの比較ポイント
製品情報
製品名 | ポケットエコーmiruco(ミルコ) |
---|---|
承認番号 | 228AHBZX00010000 |
価格 | 3.5MHz コンベックスプローブセット 250,800円(税込)~ 10MHz リニアプローブセット 327,800円(税込)~ ダブルプローブセット 523,600円(税込)~ |
端末 | 専用端末(8インチ) |
ワイヤレス | ✕ |
プローブの種類 | コンベックス、リニア |
プローブ重量 | コンベックスプローブ 約180g リニアプローブ 約140g |
連続使用時間 | 約6時間(フル充電の場合) |
ポータサウンドは医療機器メーカーのテルモが手がけた、どこでも使いやすいワイヤレスポータブルエコーです。iPad の音声認識機能を活用し、音声操作も可能です。タブレットに触れずに操作 ができるので、感染対策や業務効率への貢献が期待できます。対応している端末機種が多いので、端末を自由に選ぶことが可能です。
ポータサウンドの比較ポイント
製品情報
製品名 | ポータサウンドリニアプローブ / ポータサウンドコンベックスプローブ |
---|---|
承認番号 | 302AIBZX00008000 |
価格 | ポータサウンドリニアプローブ 1,234,800円(税別) ポータサウンドコンベックスプローブ 1,234,800円(税別) |
端末 | お持ちのiPad / iPad miniを使用できます。 iPadOS:13、 14、又は 15 内部メモリ: 2GB 以上 ストレージ: 8GB 以上 機種: ・iPad (第6世代) 型名: A1893 ・iPad (第7世代) 型名: A2197 ・iPad (第8世代) 型名: A2270、 A2429 ・iPad (第 9世代) 型名: A2602、 A2604 ・iPad mini (第 5世代) 型名: A2133、 A2124 ・iPad mini (第 6世代) 型名: A2567、 A2568 |
ワイヤレス | 〇 |
プローブの種類 | リニア、コンベックス |
プローブ重量 | リニアプローブ 168g コンベックスプローブ 200g |
連続使用時間 | 最大3時間(新品バッテリで25℃環境において満充電からBモードを動作させたとき) |
ここからはポータブルエコとは何か、導入するメリットなど基礎知識を解説していきます。 事前にしっかり確認しておきましょう。
エコー(超音波)検査は超音波を用いて体内の病気の有無や様子を検査する手法のことを言います。従来の超音波診断装置(エコー)は大型で、価格も数百万円、場合によっては1千万円以上必要な高価な機器でした。機器の移動には手間がかかり、利用できる場所も施設内に限定されていました。
ポータブルエコーは手のひらサイズのエコーで、持ち運びしやすく利便性に優れた製品です。在宅医療や訪問診療のニーズが高まり、持ち運びが可能なポータブルエコーに注目が集まっています。さらに新型コロナウイルスの影響で、患者を移動させず隔離した状態で診察する必要が出てくるケースも増え、ポータブルエコーの需要はさらなる高まりを見せているのです。
ポータブルエコーはコンパクトなだけでなく、機能性にも優れた機種が多数登場しています。ポータブルエコーのメリットは主に以下4つが挙げられます。
サイズ・重量がコンパクトで持ち運びにも適しているため、狭いスペースや患者さんの自宅でも利用できるのが大きなメリットです。価格面でも数十万〜百万円前後という低価格な製品が多く、従来のエコー装置と比べ導入しやすくなっています。さらに、タブレットやスマホなどの端末で簡単に操作でき、画像やデータの共有もしやすく、スムーズな検査が実現できるでしょう。
ここではポータブルエコーに関してよく聞かれる疑問点に答えていきます。スムーズに導入できるよう、ぜひチェックしておいてください。
A ポータブルエコーは従来の据置き型よりも小型で低価格な機器になりますが、近年、ポータブルエコーのニーズが高まっており技術が大きく進歩しています。画質も良く、画像の共有ができるなど機能も豊富で、健康診断だけでなく肺炎などの診断にも用いられています。
A 診療内容や症例によって違いがあります。保険点数は、厚生労働省によって各医療行為ごとに細かく価格が定められています。例えば訪問診療として、患者さんの自宅を訪問してエコー検査を実施して電子カルテに記載した場合、訪問診療時の400点が適用されるという形です。その他モードや部位によってもそれぞれ点数が定められているため、ケースごと全体の保険点数は異なります。またこの保険点数は細やかに改定が実施されているため、厚生労働省のホームページで最新の情報を確認すると良いでしょう。
今回はタブレット端末で利用できるおすすめのポータブルエコーをご紹介しました。コンパクトで持ち運びがしやすいだけでなく、低価格で導入できたり操作性に優れていたりするなどポータブルエコーには多くのメリットがあります。価格や機能、サポート体制などは各製品ごと違いがあるので、比較して各医療現場に合うものを選ぶと良いでしょう。デモを行うことのできる製品も多いため、気になったらまずは問い合わせてみるのがおすすめです。
ポータブルエコーのメーカーについては【2024最新】おすすめポータブルエコー9選を徹底比較でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。