クラウドサービス利用のセキュリティ対策ならVPNがおすすめ

更新日 2024.02.01
投稿者:横山 洋介

企業においてネットワークのセキュリティ対策は非常に重要です。セキュリティ対策が不十分だと、個人情報の漏洩などにつながり、企業だけではなく個人にも被害を与えてしまう可能性があります。
そのため、セキュリティ強化を図る必要がありますが、その時におすすめなのがVPNです。

そこで今回の記事では、VPNについて詳しく解説していきますので参考にしてください。

そもそもVPNとは?

インターネット上にVPNトンネルを仮想的に作り、特定の利用者だけがアクセスできるようにするのがVPNです。

従来の専用回線の場合、企業に拠点ごとに設置しなければならなかったため、多額のコストが発生していました。しかし、VPNの誕生によって低コストで専用回線を利用できるようになったのです。

VPNには主に4種類あり、それぞれ以下のように分けられています。

  • インターネットVPN
  • IP-VPN
  • エントリーVPN
  • 広域イーサネット

それぞれがどういった回線なのかは後述します。

VPN接続でクラウドサービスを利用した場合のセキュリティ対策効果とは

VPNは安全なアクセスを確保するために必要なトンネリングや暗号化など、セキュリティ面を考慮したネットワーク構造になっています。

そのため、リモートワークなどで社外からアクセスする際でも、社内サーバーやシステムへ安全にアクセス可能です。

情報漏洩を防ぐことができる

VPNは通信の安全性が高いです。特定の利用者のみがアクセスできる仕組みになっているため、アクセスした際にデータを抜き取られたりといったリスクを軽減できます。

たとえば、自社の社員がフリーWi-Fiのような不特定多数がアクセスできる回線を使うときは、情報漏洩などのリスクは避けられません。個人情報などを漏洩してしまうと、最悪の場合は刑事罰(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)が科される可能性があります。

一方、VPNはフリーWi-Fiよりもはるかに安全性が高いです。そのため、重要な情報を抜き取られるリスクを下げられます。

出典:「個人情報取扱事業者等が個人情報保護法に違反した場合」個人情報保護委員会

低コストで拠点間通信が可能になる

VPNは企業の拠点間だけしか通信できない専用回線とは異なります。拠点間同士でも安全な通信が可能です。また、構築や維持費が発生する専用回線と異なり、VPNは仮想ネットワークを利用するため、低コストで運用できます。ルーターも安価なものが多く、初期費用を抑えることが可能です。

VPN接続サービスの種類は?

ここでは、4種類のVPNをそれぞれ解説していきます。

インターネットVPNとは

通常のインターネット回線上にVPNトンネルを仮想的に作ります。通信する拠点間の経路にインターネット回線が利用でき、低コストなので導入しやすいでしょう。

また、不特定多数の人が利用できるインターネット回線なので、トンネリングや暗号化技術を用いてセキュリティを強化しています。

エントリーVPNとは

通信事業者が提供する低コストなADSLや光ブロードバンド回線を使用して、閉域IPネットワークに接続します。特定の利用者しか使用できなくなっており、インターネットVPNよりも高いセキュリティを確保可能です。そのため、マルウェアやデータの抜き取りなどの脅威から通信を保護できます。

ただし、使用する光ブロードバンド回線には帯域保証がありません。インターネットVPNより通信品質や安全性は優れていますが、より高度なセキュリティを確保したい場合は後述するIP-VPNがおすすめです。

IP-VPNとは

通信事業者それぞれが保有する閉域網を使用することで、VPNトンネルを仮想的に作ります。閉域網には通信事業者と契約者のみアクセスでき、第三者は接続できません。

そのため、インターネットVPNやエントリーVPNよりも安全性やセキュリティ面での信頼性が高いです。
VPN接続のセキュリティ強化を図りたい場合や、複数の拠点間で安定した通信を確保したい企業で多く導入されています。

広域イーサネットとは

広域イーサネットは、通信事業者の専用回線もしくは閉域ネットワークを利用してVPNトンネルを仮想構築します。基本的な構成はIP-VPNとほとんど変わらず、同レベルの通信品質が保証されているので安全性が高いです。

また、多様なデータ形式やパケット構成などに対応できます。この点に関してはIP-VPNより優れており、柔軟なネットワーク設計が可能です。

金融機関やメディアのような、ネットワークの重要度が高い企業などで多く導入されています。

どの種類がおすすめ?4種のVPNの違いまとめ

以下の表では、4種類のVPNの違いをまとめていますので、それぞれの違いを比較してみてください。

インターネットVPN エントリーVPN IP-VPN 広域イーサネット
回線 インターネット
(既存でも可)
閉域ネットワーク(ADSLや光ブロードバンド回線などを利用する) 閉域ネットワーク 閉域ネットワーク
セキュリティレベル
カスタマイズ性
費用 比較的安い 比較的安い 高い(拠点数によって異なる) 高い(拠点数によって異なる)
対象とする企業 小規模・低コストでVPNを利用したい企業 低コストかつある程度セキュリティを確保したい企業 セキュリティ強化を図りたい、複数の拠点間で安定した通信を確保したい企業 金融機関やメディアのようなネットワークの重要度が高い企業
帯域保証 ベストエフォート型 ベストエフォート型 帯域保証あり 帯域保証あり

上記の表を見た限り、低コストでVPNを導入したい場合は、インターネットVPNもしくはエントリーVPNがいいでしょう。コストをかけてでもセキュリティを確保したい場合は、IP-VPNか広域イーサネットがおすすめです。

まとめ

VPNには4種類あり、それぞれセキュリティレベルやコストが異なります。そのため、それぞれのVPNについてしっかりと理解し、企業の予算やニーズに合わせて導入するといいでしょう。

VPNの導入を検討している方は、今回の記事の内容を参考にしてみてください。


セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n33882f74cd71

国立大学を卒業後、新聞記者として4年間勤務。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、レジの導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野はレジ関連(POSレジ、自動精算機)、ナースコール、レセプト代行。

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