自動釣銭機を導入することで、会計作業のスピードアップ、レジ締め作業にかかる時間の短縮、従業員による釣銭持ち出しの防止など様々な効果が期待できます。しかし、具体的な費用がイメージできず、導入を悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
自動釣銭機は単独で動かすことはできず、POSレジ(POSシステム)と連携させる運用が一般的です。今回は、自動釣銭機の概要から価格相場までわかりやすく解説し、メーカーごとに仕様がどのように異なっているかの説明も行います。
また、自動釣銭機の導入は購入だけでなくレンタルなど多様な導入方法があります。自動釣銭機の気になる「価格」について様々な角度で掘り下げているので、参考にしていただければ幸いです。
自動釣銭機とは、硬貨や紙幣を投入すると自動で計算して収納してくれる機械のことです。昨今の感染症対策の強化やキャッシュレス化などにより、導入する事業所が増えています。
また、自動釣銭機を導入することにより、お金を数える時間の短縮や現金の過不足などのミスを防ぎ、業務効率化を図ることができます。 会計業務を効率化することで、お客さまの待ち時間を削減し、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
さらに、自動釣銭機は自動で現金管理をしてくれるため、手動で現金を取り出すのは難しくなり、セキュリティ面でも安全性の向上が期待されます。
冒頭でもご説明した通り、自動釣銭機だけで使うことはできず、POSレジと自動釣銭機を連携させて使う運用が一般的です。会計作業はPOSレジ、金銭のやり取りは自動釣銭機で実施するイメージです。会計を完全に自動化できるわけではなく、最低限のスタッフの配置が必要です。
自動釣銭機を基礎から知りたい方は、「【2024年版】自動釣銭機メーカー10社比較|価格や機能、運用方法を解説」でも詳しく取り上げています。参考にしてください。
ここまで、自動釣銭機の特長をお伝えしてきました。 導入することで、業務効率化を図ることができたり、セキュリティの向上が期待できる自動釣銭機ですが、価格相場が気になると思います。
新品の自動釣銭機を一括で購入した場合、約80万円〜100万円程度かかるとされています。
これはあくまで自動釣銭機本体のみの価格で、POSレジ(商品が販売された時点で記録し集計するシステムのこと)などを追加すると価格はさらに上がります。
また、自動釣銭機は、POSレジメーカー経由で導入する商流となっています。自動釣銭機を扱っているメーカー各社に直接問い合せても対応してもらうことは難しいので、ご不明点のある方はセカンドラボのコンシェルジュまでお気軽にご相談ください。
自動釣銭機を単体で使うことはできません。自動釣銭機と連携させるPOSレジについては【2024】POSレジおすすめ製品を徹底比較|価格や選び方まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
自動釣銭機の外見はどのメーカーによっても大きな差はありませんが、収納できる金額やスピードなどの性能差によって価格差が変わってきます。 ここでは、自動釣銭機メーカーごとの性能などをご紹介します。
東芝テック株式会社から販売しているVITESE(ヴィッテス)VT-330は、機械の専任者が使うものでなく、操作に慣れない方でも使いやすい自動釣銭機になっています。操作性に優れているため、万が一のトラブルにも簡単に対処することが可能です。
また、業界初の電磁ロック機能を搭載しており、トラブル時にもキーを使わず開閉できるため時間効率が向上します。 さらに、現金などが詰まるトラブル時には、POS画面上に対処法が表示されるため、操作に慣れていない方でも作業することができます。
VITESE(ヴィッテス)の比較ポイント
自動釣銭機 VITESE(ヴィッテス) VT-330
価格 | 要問い合わせ |
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サイズ | 硬貨部 W260 x D530 x H155mm 紙幣部 W220 x D530 x H122mm |
取扱金種 | (硬貨)500円、100円、50円、10円、5円、1円 (紙幣)1万円、5千円、千円 |
収納枚数 | (硬貨)500円:105枚 100円:170枚 50円:120枚 10円:170枚 5円:120枚 1円:170枚 (紙幣)1万円:100枚 5千円:100枚 千円:300枚 |
日本電機株式会社(NEC)から販売されているFAL3(ファルスリー)は、業界トップクラスの機能と操作性に特化した次世代釣銭機です。
FAL3は業界トップクラスの処理速度を持ち、おつり返却時の硬貨999円を1秒で払い出し、紙幣9000円は2.4秒とスピーディに出金することができます。
また、電磁ロックを採用しており、不用意な収納庫アクセスなどの操作ミスを防ぐことも可能です。
NECの比較ポイント
NEC自動釣銭機FAL3
価格 | 要問い合わせ |
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サイズ | 硬貨部 W253 x D570 x H130mm 紙幣部 W227 x D570 x H130mm |
取扱金種 | (硬貨)500円、100円、50円、10円、5円、1円 (紙幣)1万円、5千円、2千円、千円 |
収納枚数 | (硬貨)500円:110枚 100円:200枚 50円:120枚 10円:200枚 5円:120枚 1円:200枚 (紙幣)1万円:100枚 5千円:100枚 千円:250枚 回収庫:200枚 |
沖電気工業株式会社から販売されているCR-20シリーズの主な特徴として、オートリセット機能(自己排出機能)があります。 オートリセット機能は、紙幣や硬貨が詰まっても装置を開けることなく、自動的に詰まり自動復帰ができます。
また、CR-20シリーズの自動釣銭機は、紙幣部と硬貨部を分離することができるため、設置スペースに合わせて縦置き配置することが可能です。 狭いスペースに自動釣銭機を置きたい方には大きなメリットといえるでしょう。
沖電気工業株式会社|CR-20シリーズの比較ポイント
硬貨紙幣つり銭機 CR-20シリーズ
価格 | 要問い合わせ |
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サイズ | W490 x D570 x H135mm |
取扱金種 | (硬貨)500円、100円、50円、10円、5円、1円 (紙幣)1万円、5千円、2千円、千円 |
収納枚数 | (硬貨)500円:105枚 100円:160枚 50円:120枚 10円:160枚 5円:120枚 1円:160枚 (紙幣)1万円:100枚 5千円:100枚 千円:250枚 |
富士電機株式会社から販売されているECS-777は、使いやすさと高いデザイン性が特長の自動釣銭機です。 初めて自動釣銭機を使う方は操作に戸惑うこともありますが、ECS-777はガイドランプが搭載されているため、操作に迷うことなく使用できます。
さらに、硬貨999円を3秒で払い出し、紙幣を横入れタイプにすることでスムーズな会計を実現させることが可能です。 また、縦置きに設置することも可能なため、省スペースでの利用も問題ありません。
富士電機株式会社|ECS-777の比較ポイント
ECS-777
価格 | 要問い合わせ |
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サイズ | 硬貨部 W270 x D600 x H130mm 紙幣部 W220 x D600 x H130mm |
取扱金種 | (硬貨)500円、100円、50円、10円、5円、1円 (紙幣)1万円、5千円、2千円、千円 |
収納枚数 | (硬貨)500円:110枚 100円:200枚 50円:120枚 10円:200枚 5円:160枚 1円:170枚 (紙幣)1万円:100枚 5千円:100枚 千円:250枚 回収庫:200枚 |
自動釣銭機は一括購入すると、約30万〜100万円単位のお金がかかるため、コストを抑えたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ここでは、自動釣銭機を格安で導入することができる方法をご紹介します。
格安で導入できる方法は以下の4つです。
上記の方法をうまく活用して、自社に最適な方法でコストを削減し自動釣銭機を導入する参考にしてください。
レンタルで自動釣銭機を導入する場合、所有権はレンタル会社にあるため、契約期間が定められています。 自動釣銭機をレンタルするメリットは、契約期間が数日〜3年程度の短期でレンタルすることが可能なことです。 中途解約することもできるため、購入前のお試しで利用することができます。
また、レンタルで導入すると資産計上はせずに経費として処理し、税金が発生せずコストを抑えることが可能です。デメリットは、リースよりも割高になっており、希望する機器の詳細は選べないことが多いです。まずは短期で自動釣銭機の導入をしたい方には、向いているといえるでしょう。
リースで自動釣銭機を導入する場合、所有権はリース会社にあり契約期間が5〜7年と長期的な利用が条件です。
レンタルより希望の機器詳細を選ぶことが可能になり、レンタルよりも価格を抑えて導入することができる点がメリットです。
デメリットとしては、審査が必要になり、契約期間を満了するまで中途解約することができません。
また、リースは資産として資産計上しないといけないことは覚えておきましょう。 長期利用を検討しており、レンタルよりも導入コストを抑えたい方には向いているといえます。
レンタルとリースの他に、サブスクでの導入も可能です。また、サブスクで導入すると、保守サービスが契約内に含まれていることが多いのが特長です。
サブスクでの導入には審査が必要になり、途中解約することはできません。自動釣銭機の初期導入費を抑えたい方には、サブスクの導入は向いているといえるでしょう。
自動釣銭機のリースやレンタルについては、自動釣銭機のレンタル・リースについてわかりやすく解説|サブスクも紹介」でも詳しく取り上げています。参考にしてください。
自動釣銭機の導入コストを抑えたい方は、補助金・助成金の活用も視野に入れてみましょう。
ここでは、3つの補助金・助成金をご紹介します。
一つ目のものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業などの製品・サービス開発や生産プロセスなどの改善に必要な費用を支援する制度です。 応募の際は審査がありますが、通過すると100万〜750万円の補助金を受けることができます。
二つ目のIT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が生産性の向上を目的として、ITツールを導入する場合に対して給付される助成金です。 申請後の審査に通過すると、ハードウェア購入費として、補助率1/2以内、補助上限額20万円が給付されます。
三つ目の業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者などが、生産性向上のための設備の導入と事業場内の最低賃金の引き上げを満たした場合に、設備投資費用の一部が助成される制度です。業務改善助成金の助成上限額は、申請するコースによって変わりますが、30万〜600万円が上限になります。
審査に通過する必要はありますが、応募要件を満たす補助金・助成金があれば検討してみてはいかがでしょうか。
補助金情報ついては、「自動精算機・釣銭機導入時に利用したい補助金7選|申請フローも解説」でも詳しく取り上げています。参考にしてください。
自動釣銭機を導入することで、手間だった会計業務が効率化されたり、待ち時間を減らして顧客満足度にもつながります。
自動釣銭機を新品で一括購入した場合の価格相場は約30万円〜100万円程度かかるため、今回はコストを抑えて導入する方法を4つご紹介しました。
上記の方法で導入すれば、新品で一括購入した場合の価格より格安で導入することも可能です。自社にとって最適な方法を比較検討し、導入の判断を行いましょう。
自動釣銭機については【2024年版】自動釣銭機メーカー10社比較|価格や機能、運用方法を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。