ウォッシャーディスインフェクターは洗浄からすすぎ、消毒、乾燥までを全て自動で行うことができる機器です。本記事では、ウォッシャーディスインフェクターの概要や価格、選び方などを詳しく解説していきます。
ウォッシャーディスインフェクターとは、洗浄からすすぎ、消毒、乾燥までの作業を全て自動で行ってくれる機器のことです。血液に含まれるタンパク質など、肉眼で確認できない不純物を除去する目的として導入されます。用手洗浄※1は切創リスクがあり、感染が拡大する恐れがあります。しかし、ウォッシャーディスインフェクターを使用することで、院内の感染予防が可能です。ウォッシャーディスインフェクターの価格相場は、メーカーや機能によってさまざまです。
(※1 用手洗浄:スポンジ等を使って物理的に人の手で洗浄を行うこと)
ウォッシャーディスインフェクターの価格についてはウォッシャーディスインフェクターの価格は?|選び方や注意点も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ウォッシャーディスインフェクターは数多くのメーカーから販売されており、どのメーカーの製品を選べばよいか迷う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、おすすめのウォッシャーディスインフェクターを6製品ご紹介します。製品選びの参考にしてください。
ホシザキのMWD-80UA2は、医療器具を洗浄から消毒までを1サイクル約25分のスピードで洗い上げるウォッシャーディスインフェクターです。対象の器材をセットすれば、洗浄器が洗浄・消毒を自動で行ってくれるので、人件費と水の無駄を抑えて、手洗いよりも経済的になります。そのため、スタッフが休憩時間中や、残業をしてまで手洗いで洗浄することがなくなります。
ホシザキウォッシャーディスインフェクター MWD-80UA2の比較ポイント
製品情報
価格 | 1,164,000円(税抜き) |
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外形寸法 | 幅620×奥行450×高さ580mm シンク側などのちょっとしたスペースでも設置可能 |
消費電力 | 電動機定格消費電力 180/220W (力率90/96%) 電熱装置定格消費電力 3000W 最大消費電力 3115/3145W |
洗浄時間 | 酵素系洗剤時 標準洗浄+熱水10分 約25分 強力洗浄+熱水10分 約30分 標準洗浄 約15分 強力洗浄 約20分 アルカリ洗剤時 標準洗浄+熱水10分 約35分 強力洗浄+熱水10分 約40分 標準洗浄 約25分 強力洗浄 約30分 |
サポート | 要お問い合わせ |
メーカー名 | ホシザキ株式会社 |
ミーレのPG8591は、国際規格(ISO15883)に準拠した高性能の洗浄器です。歯科用器具を確実に洗浄・消毒してくれます。
循環水量が毎分500リットルのヒーター内蔵可変循環ポンプを採用し、工程に応じてポンプの回転数が変化して無駄なエネルギーを節約することが可能です。ヒーターを内蔵型にしたことで、従来品よりも洗浄槽内の容積がアップしました。
ミーレ ジェットウォッシャーPG8591の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | W600 × D600 × H835mm(天板付き) W600 × D600 × H820mm(天板なし) |
消費電力 | 要お問い合わせ |
洗浄時間 | 要お問い合わせ |
サポート | 要お問い合わせ |
メーカー名 | メディア株式会社 |
IC Washerは、洗浄・消毒作業を全自動で行う器具除染用洗浄器です。
専用の洗剤ボトルをIC Washerにセットしてチューブで接続すれば、自動で洗浄庫内に必要量の洗剤が投入されます。洗浄の度に計量してセットする必要がなくなるでしょう。
また、洗浄の作業工程の記録と設定内容を本体(20回分)とSDカード(SDHC規格)に保存することができます。わざわざ設定し直す必要がなくなり、作業工程の短縮が可能です。
洗浄庫内にはLEDライトを搭載し、洗浄・すすぎ・消毒・仕上・乾燥・終了までの工程を色の変化で確認できる機能もあります。
ウォッシャー・ディスインフェクター IC Washerの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | W580×D635×H780+キャスター60mm (扉開放時:D1106mm) |
消費電力 | 3200VA |
洗浄時間 | 洗浄/消毒(80℃ 10分)乾燥なし 約76分、乾燥あり 約94分 |
サポート | お客様相談センターを設置 |
メーカー名 | 株式会社モリタ |
ウォッシャー・ディスインフェクター AW-150は、国際規格(ISO15883)に基づいて開発された日本製のウォッシャー・ディスインフェクターです。全自動洗浄・熱水消毒・温風乾燥により、スタッフの感染予防と作業負担の低減を実現します。
二重ガラス断熱構造を採用しているため、熱水消毒の時でも表面が熱くならず安心です。また、ガラスドアの採用で洗浄状態が確認できます。ウォッシャー・ディスインフェクター AW-150は、高度な消毒を実現する93℃(Ao12000)消毒コースの使用が可能です。
ウォッシャー・ディスインフェクター AW-150の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | W580XD600XH840 mm |
消費電力 | 14A |
洗浄時間 | 要お問い合わせ |
サポート | オンライン打ち合わせ可能 |
メーカー名 | チヨダエレクトリック株式会社 |
MMM社製 UniCleanは大型機とコンパクト機から選べます。大型サイズは、DINバスケット15枚収容サイズで手術支援ロボット鉗子の洗浄など、幅広い機械の洗浄・消毒が対象です。
コンパクト機はDINバスケット10枚収容サイズの大型のウォッシャーディスインフェクターです。サイズダウンしながらも高性能タイプと同じソフトウェアを搭載しています。
長年ヨーロッパ市場で培ってきたオリジナルのアイデアと技術を取り入れているのが特徴です。
MMM社製 UniCleanの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | 要お問い合わせ |
消費電力 | 要お問い合わせ |
洗浄時間 | 要お問い合わせ |
サポート | 要お問い合わせ |
メーカー名 | 株式会社ニチオン |
メラサーム10は、使用した器材を洗浄・消毒から乾燥までを全自動で行うウォッシャーディスインフェクターです。
医療スタッフの感染リスクの低減はもちろん、作業負担も軽減します。専用のアルカリ性洗浄剤を用いれば、落ちにくいタンパク質汚れも徹底除去してくれます。
また、ハンドピースなどの中空物にも対応可能です。世界各国に感染予防機器を供給しているメラグ社製のウォッシャーディスインフェクターは信頼できる製品といえるでしょう。
メラグ社製メラサーム10の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | 598mm(幅)×678mm(奥行き)×818mm(ビルトイン式)/ 836mm(ステンレス天板付)(高さ) |
消費電力 | 要お問い合わせ |
洗浄時間 | 要お問い合わせ |
サポート | 電話・メール |
メーカー名 | 株式会社ジーシー |
ウォッシャーディスインフェクターには、以下のようなメリットが挙げられます。
一つずつみていきましょう。
ウォッシャーディスインフェクターの導入により、自動で洗浄・消毒・乾燥までを行ってくれるので、スタッフが洗浄作業に手を取られないメリットがあります。手洗いの場合、洗浄・消毒に時間と手間がかかりすぎる問題がありますが、ウォッシャーディスインフェクターであれば大幅な時間短縮が可能です。そのため、人件費の削減はもちろん、水の無駄を抑えることにもつながるため、手洗いよりも経済的といえます。
例えば、ホシザキのウォッシャーディスインフェクターは、手洗い比で約66%のコスト削減を実現できます。経費の削減を考えている医院にとって、人件費の削減につながるウォッシャーディスインフェクターの導入は、大きなメリットといえるでしょう。
ウォッシャーディスインフェクターの導入により、感染リスクの低減が可能となります。手洗いの場合、鋭利物を洗浄する際に切創事故を引き起こすリスクがあり、感染リスクが危険視されていました。また、血液除染に必要な温度、80℃を手洗いで扱うのは非常に難しいです。ウォッシャーディスインフェクターを利用すれば、血液が付着している鋭利物も自動で洗浄・消毒してくれるので、切創事故を防ぎ、感染リスクを低減することができます。従来の手洗い洗浄では困難だった、80℃以上の熱湯消毒も問題なく行えるでしょう。
医療器具のような複雑な器具を、手洗いで細かく洗うのは非常に困難です。ウォッシャーディスインフェクターであれば、ボタン操作だけで誰もが高いレベルの洗浄・消毒を行えます。スタッフの習熟度や指導も不要となり、毎回安定した洗浄効果を得られるのはウォッシャーディスインフェクターの大きなメリットといえるでしょう。
ウォッシャーディスインフェクターを選ぶときに見るべきポイントを解説します。具体的には、以下の3つです。
ウォッシャーディスインフェクターを選ぶときにまずチェックしたいのは、本体のサイズです。サイズ選びで失敗してしまうと、スタッフや患者様の動線に問題が生じる可能性があります。具体的な目安としては、シンクのそばに問題なく置けるかどうかをチェックすると良いでしょう。スタッフがスムーズに器具の洗浄や、準備が行えるかどうかイメージして選ぶのが大切です。
洗浄できる器具のサイズや種類を確認しておくのも大切なポイントになります。医療器具は形や大きさがさまざまなので、洗浄したい器具が対応していなければ器具の再購入が必要です。コスト面でも無駄になるので、しっかりチェックしておきましょう。また、ホシザキは歯科用や産婦人科用など専用ラックを合わせて販売しているので、チェックしてみてください。
ウォッシャーディスインフェクターの洗浄時間を見ておくのも大切です。洗浄時間が短ければ、その分効率よく器具を再使用できるため、余分な器具を購入する必要がなくなります。洗浄後のオートクレーブなどによる滅菌時間とあわせて、最短何分で器具を再使用できるかチェックしておきましょう。ホシザキのウォッシャーディスインフェクターは、洗浄から消毒までの1サイクルを最短25分で行えます。
ここでは、ウォッシャーディスインフェクターの注意点について解説します。
具体的には以下のとおりです。
汚れた器材をそのままウォッシャーディスインフェクターに入れて洗浄できない場合があります。例えば、器材にセメントや印象材、ワセリンなどの異物が付着している場合は、ウォッシャーディスインフェクターに入れる前に洗浄が必要です。そのほかにも、器材に水分がある場合は、厚手のタオルやガーゼなどで完全に除去しておかなければなりません。各メーカーによって対応が異なる場合があるため、詳しくはお問い合わせください。
もう一つの注意点は、必ず医療用の洗剤を使用することです。血液のタンパク質は医療用の洗剤でしか洗えないため、必ず医療用の洗剤を使用しましょう。
ここでは、ウォッシャーディスインフェクターに関するよくある質問に答えていきます。
A0(エーノート)値とは、80℃のお湯で消毒した場合の秒数に換算して、消毒レベルを表す値のことです。医院で使用する器具は、クリティカルおよびセミクリティカルなものが多いため、A0値3000の消毒レベルがあるウォッシャーディスインフェクターを選ぶのがおすすめです。
本記事では、おすすめウォッシャーディスインフェクター6製品の紹介と、価格や選び方を解説してきました。ウォッシャーディスインフェクターは洗浄から消毒、乾燥までを全て自動で行うことができる機器です。
用手洗浄では切創リスクがあり、感染を引き起こす恐れもあります。ウォッシャーディスインフェクターの導入により、感染リスクの低減や人件費削減にも役立ちます。ウォッシャーディスインフェクターの情報は世に出回っておらず、製品選びに苦労する方も多いです。本記事で紹介したおすすめウォッシャーディスインフェクターを参考に、自院にも導入を検討してみてはいかがでしょうか。