オートクレーブの導入を検討する際、どこのメーカーのものを導入すればいいか迷う方は多いでしょう。今回の記事では、オートクレーブメーカー9選を紹介しています。オートクレーブの導入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
オートクレーブとは、高圧蒸気滅菌器のことです。機器の内部を飽和蒸気によって高温・高圧にし、医療用器具やバイオ系実験器具の滅菌を行います。基本的な構造は圧力鍋と同じです。圧力を加えて機器の容器内を高温にして、圧力鍋であれば調理時間の短縮、オートクレーブの場合は滅菌を行います。
滅菌は、物質中のすべての微生物を殺滅・除去することで、除菌や殺菌よりも確実に菌を無くすことが可能です。滅菌の方法には、オートクレーブの他にもガス滅菌や乾熱滅菌があります。ガス滅菌はゴム・プラスチックの滅菌に適しており、乾熱滅菌は金属器材に適している滅菌方法です。
ここでは、オートクレーブメーカー9選を紹介していきます。
株式会社湯山製作所が提供しているオートクレーブは数種類あり、簡単に操作できるスライドロックタイプや、1,000ccの滅菌瓶を一度に8本も滅菌できる、液体・培地滅菌対応オートクレーブなどがあります。
他にも、世界標準のクラスB準拠滅菌性能を携えた国産初オートクレーブなどもあり、用途や容量に応じて選択することが可能です。
湯山製作所は1964年創業の歴史と実績があるメーカーなので、製品の信頼性が高く、安心して導入できるでしょう。
株式会社湯山製作所の比較ポイント
製品情報
会社名 | 株式会社湯山製作所 |
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製品名 | 小型包装品用高圧蒸気滅菌器YS-A-C008など |
主な利用シーン | 医科、歯科、ラボ |
価格 | 要問合せ |
滅菌温度範囲 | ※YS-A-C008の場合 135℃(3~60分)/121℃(20~60分) |
サイズ | ※YS-A-C008の場合 467(W)x469(D)x366(H)mm |
重さ | ※YS-A-C008の場合 26kg |
三浦工業株式会社は大型タイプの滅菌器を複数ラインナップに揃っています。Sシリーズの場合は、内缶胴板の材料にステンレスクラッド鋼を採用しており、耐圧部材において異種金属間溶接部位を大幅に低減可能です。そのため、安全性の高い構造になっています。また、高圧蒸気滅菌器S-Fは、オプションでクリーン蒸気発生装置を内蔵したり、缶体仕様などさまざまな特注対応も可能です。
三浦工業株式会社の比較ポイント
製品情報
会社名 | 三浦工業株式会社 |
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製品名 | 高圧蒸気滅菌器S |
主な利用シーン | 医療機関・ラボ |
価格 | 要問合せ |
滅菌温度範囲 | 要問合せ |
サイズ | 要問合せ |
重さ | 要問合せ |
ヤマト科学株式会社が提供しているオートクレーブは、SNシリーズやSQシリーズなど、複数の製品を展開しています。ラボ用オートクレーブのST201は、コンパクトで比較的安価です。
ST201の場合、対話型キー入力で、滅菌条件(温度・時間)を一度設定すると条件が記憶されて、その後は実行キーを押すだけで空気抜きから滅菌終了まで全自動で行ってくれます。
また、缶内に突起物がなく、カストやラックの出し入れをスムーズに行うことができ、ドレンボトルは前面扉内に設置してあるため、水量をひと目では確認可能です。
ヤマト科学株式会社の比較ポイント
製品情報
会社名 | ヤマト科学株式会社 |
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製品名 | ラボ用オートクレーブ(ST201) |
主な利用シーン | ラボ |
価格 | 439,000円 |
滅菌温度範囲 | 105~123℃ |
サイズ | 410(W)x470(D)x957(H)mm |
重さ | 60kg |
株式会社トミー精工が提供しているオートクレーブは、ラボ用とメディカル用があります。大口径・大容量タイプや上下開閉ドアタイプなどがあり、用途に応じて選ぶことが可能です。
上下開閉ドアタイプのLSX / SXシリーズは、進行状況がひと目でわかるLED表示を採用しています。
また、オートクレーブ洗浄液や滅菌缶・シャーレ培地分別器スタンドなどのアクセサリー類も提供しているので、必要な器材を一通り揃えることが可能です。
株式会社トミー精工の比較ポイント
製品情報
会社名 | 株式会社トミー精工 |
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製品名 | SX‐300 |
主な利用シーン | 医療機関 |
価格 | 660,000円 |
滅菌温度範囲 | 105~135℃ |
サイズ | 410(W)x477(D)x790(H)mm |
重さ | 50kg |
白水貿易株式会社は、「リサ」「ララ」といった海外メーカーのオートクレーブを取り扱っています。「クラスBオートクレーブ リサ」はチャンバー容量が22ℓの大容量で、小型高圧蒸気滅菌器に関するヨーロッパ規格EN13060に準拠した、高性能なオートクレーブになっています。タッチスクリーンを押すだけで簡単に操作でき、消耗品の交換方法などは3Dアニメーションがタッチスクリーンに表示されるので、迷うことがありません。
白水貿易株式会社の比較ポイント
製品情報
会社名 | 白水貿易株式会社 |
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製品名 | クラスBオートクレーブ リサ Bユニバーサル134 |
主な利用シーン | 医療機関 |
価格 | 要問合せ |
滅菌温度範囲 | 134℃ |
サイズ | 465(W)x452(D)x634(H)mm |
重さ | 47.5kg |
株式会社平山製作所は、医療機関向け・ラボ向けのオートクレーブを提供しているメーカーです。
医療機関向けのHV-Ⅱシリーズはカラータッチパネルを搭載しており、操作性に優れています。また、ワンタッチレバーで、フタの開閉を簡単かつ確実に行うことが可能です。
ダブルインターロック機構となっており、缶内の危険要素である「高温」「圧力」を検知し、運転終了後や手動停止時も機能し、停電時もロックします。
株式会社平山製作所の比較ポイント
製品情報
会社名 | 株式会社平山製作所 |
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製品名 | HV-25Ⅱ |
主な利用シーン | 医療機関 |
価格 | 665,500円(税込) |
滅菌温度範囲 | 105~121℃ 可変式 |
サイズ | 485(W)x470(D)x949(H)mm |
重さ | 44kg |
株式会社ジーシーは、歯科向けの医療機器を製造・販売しているメーカーです。
提供しているオートクレーブの「ユーロクレーブ29VS+」は、ヨーロッパ規格EN13060に適合した「クラスS」に分類される、プレポストバキューム式の滅菌器となっています。
「ユーロクレーブ29VS+」は、非包装の中空物や包装された固形物など、一般診療に必要な被滅菌物に対応可能です。また、水処理装置「メラデム40」を使用することで、上水道と直結して自動給水ができるようになります。
株式会社ジーシーの比較ポイント
製品情報
会社名 | 株式会社ジーシー |
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製品名 | ユーロクレーブ29VS+ |
主な利用シーン | 歯科 |
価格 | 要問合せ |
滅菌温度範囲 | 121℃/134℃ |
サイズ | 425(W)x610(D)x485(H)mm |
重さ | 43kg |
株式会社モリタが提供している小型包装品用高圧蒸気滅菌器「スマートクレーブ HSS」は、タービンやコントラなど、内腔物の滅菌が可能な小型オートクレーブです。現在使用している滅菌器との併用や、ハンドピース専用器として使用できます。
「スマートクレーブ HSS」では、滅菌だけでなく、乾燥時もチャンバー庫内が134℃以下に温度制御されており、器具を傷めにくい低温乾燥が可能です。また、滅菌モードは、HP(ハンドピースモード)・134℃・121℃の3通りから選ぶことができ、乾燥モードは標準(Std)・低温(Low)・乾燥なしの設定ができます。
株式会社モリタの比較ポイント
製品情報
会社名 | 株式会社モリタ |
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製品名 | スマートクレーブ HSS |
主な利用シーン | 歯科 |
価格 | 要問合せ |
滅菌温度範囲 | 121℃・134℃ |
サイズ | 250(W)x396(D)x377(H)mm |
重さ | 18kg |
デンツプライシロナ株式会社が提供しているDACユニバーサル Sは、ボタンひとつでインスツルメントの洗浄(内外部)・注油(ハンドピースの場合)・滅菌(内外部)を完了させることが可能です。
直感的に操作できるユーザーインターフェースを備えており、タッチディスプレイを搭載しています。
また、ガイド付きメンテナンスワークフローCheck&Cleanで、迷わずメンテナンスが可能です。
デンツプライシロナ株式会社の比較ポイント
製品情報
会社名 | デンツプライシロナ株式会社 |
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製品名 | DACユニバーサル S |
主な利用シーン | 歯科 |
価格 | 要問合せ |
滅菌温度範囲 | 134℃ |
サイズ | 400(W)x400(D)x420(H)mm |
重さ | 26kg |
ここでは、オートクレーブの利用シーン・用途を解説していきます。
オートクレーブにはラボ用とメディカル用があり、メディカル用は医療機器にあたります。メディカル用のオートクレーブは、「管理医療機器(クラスⅡ)」に該当し、「特定保守管理医療機器」となります。なお、医療機関で使用する際は、「特定保守管理医療機器」に該当する機種でなければなりません。
オートクレーブは医療機関以外でも、 分子生物学実験での滅菌処理装置に使用されることが多いです。また、遺伝子工学の実験でも使用されており、遺伝子組み換えを行った世の中に存在しない菌や細胞を扱う際、これらが外部に流出するのを防ぐためにオートクレーブを使用します。
オートクレーブは、圧力鍋のような構造をした滅菌器の内部に器材を置きます。大気圧以上の環境を一定時間保つことで、2気圧・130℃程度の高温の水蒸気を作り出し滅菌することが可能です。
ヨーロッパの滅菌基準 (EN13060) では、滅菌器の性能をクラスB・クラスS・クラスNの3段階に分類しており、対象器具によってどのクラスで滅菌すべきかが異なるのを覚えておきましょう。クラスB・クラスS・クラスNそれぞれの違いは以下の通りです。
オートクレーブを製造・販売しているメーカーは国内だけでも複数あります。それぞれの製品に特徴があり、サイズも異なるので、用途・目的に適したオートクレーブを選ぶようにしましょう。また、オートクレーブにはメディカル用・ラボ用があるので、そのあたりの違いにも注意しましょう。オートクレーブ導入時に今回の記事が参考になれば幸いです。