感染症が猛威を奮う中、衛生面での対策として、急速に広がりを見せているのがセミセルフレジ。スタッフと顧客が現金のやり取りをせずに済むため、導入する店舗が増えています。
セミセルフレジは、はじめは飲食店を中心に広がりを見せていましたが、現在は、大手の病院や個人のクリニックでの導入も増加傾向です。
一方で、セミセルフレジを利用する顧客からは、好きじゃないという声も聞こえてきます。この記事では、セミセルフレジのメリットとデメリットを詳しく解説します。導入を検討している方は是非参考にしてください。それでは具体的に見ていきましょう。
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セミセルフレジとは、商品やサービスの会計を店員が行い、支払いを顧客が行うレジシステムのことです。商品をレジに持っていき、店員がバーコードをスキャンして、顧客が支払作業を行います。
レジの種類は、セミセルフレジの他にフルセルフレジと有人レジがあります。
セミセルフレジは、有人レジとフルセルフレジの中間のようなイメージがありますが、どういった部分に違いがあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
セミセルフレジとフルセルフレジと有人レジには違いがあります。以下でそれぞれの違いについて解説します。
有人レジは、従来のレジシステムです。バーコードの読み取り・会計・お釣りの受け渡しを店員が行います。慣れ親しんだ形態のため顧客に不安を与えないのが特徴です。
フルセルフレジでは、バーコードの読み取り・会計・お釣りの受け取りをすべて顧客が行います。店員はレジのトラブルが起きた際に顧客と接することはありますが、基本的には接客を行いません。 慣れない操作と店員がいないことで顧客に不安を与えやすいですが、店舗にとっては業務効率化に繋がりやすくなります。
セミセルフレジでは、店員と顧客が向き合い、会計を行います。店員の業務は支払額の算出です。顧客のやることは、支払方法の選択とお金をレジに投入することです。フルセルフレジほど顧客に不安を抱かせず、有人レジほど店舗の工数がかからないのが特徴になります。
そのため、セミセルフレジは、フルセルフレジと有人レジをうまく融合させたレジシステムと言えるでしょう。
導入が簡単なセミセルフレジには、様々なメリットがあります。ここでは、具体的に4つのメリットについて解説していきます。
感染症対策の基本は、人との接触を減らすことです。
セミセルフレジでは、直接の現金の受け渡しが発生しません。店員と顧客が直接触れることはなく、お釣りの受け渡しもないため、両者が近づくことは少なくなります。
また、医療の現場では、現金に触れない点も評価されています。現金は、どんな人の手に触れたのか分かりません。多くの菌が付着している可能性もあります。現金に触れないことで衛生状態への懸念点をひとつ防ぐことに繋がります。
店員と顧客の距離を保つことができて、現金に触れずに衛生状態を保てるセミセルフレジは、感染症対策につながると言えるでしょう
レジ業務の中でも釣銭にまつわることは、トラブル発生の大きな原因の一つです。
レジを打ち間違え、お釣りを多く渡したり、少なく渡したりした結果、釣銭間違いのクレームやトラブルが発生します、
また、顧客とのトラブルが発生しなくても、店員がレジ打ちをわざと間違って、差額を懐に入れるという不正が発生することもあります。
セミセルフレジでは、機械が自動でお釣りを計算します。レジの打ち間違いがなくなるため、顧客とのトラブルやレジ締めのトラブル、店員の不正を減らすことが可能です。
会計ミスを自動で防ぐセミセルフレジは、お店のトラブルを少なくすることが可能と言えるでしょう。
バーコード決済・クレジットカード・電子マネーなど、現代ではキャッシュレス決済の形態が増えています。従来の有人レジでは、それぞれの決済方式に対応した外付けの読み取り機械を導入する必要がありました。
しかし、セミセルフレジでは、決済方式ごとに外付けの機械を導入する必要はありません。レジとセットでの導入が可能だからです。
また、多言語対応しているセミセルフレジもあります。国際化が進む日本において、日本語が分からない方にも対応できます。
セミセルフレジを導入することで、多様な決済ニーズに対応可能になるのもメリットと言えるでしょう。
レジ打ち業務を行っていると、打ち間違いが発生します。打ち間違いが発生し、顧客が間違いに気づかない場合、レジ締めのときに売上とお釣りの金額が合わなくなるのです。
セミセルフレジの大きな特徴は、自動での釣銭計算です。人の手ではなく機械で、お釣りを計算するため、違算が出にくくなります。
違算時の原因追求には時間が必要です。セミセルフレジを導入すると違算とその原因追求の時間が少なくなるため、業務効率化に繋がります。
フルセルフレジでは、顧客が機械と向き合い、自分自身で会計を完結させる必要があります。そのため、年配の方を中心に「冷たい感じがする」という声が上がることもありました。
セミセルフレジでは、有人レジと同じように店員と顧客が向き合うため、互いにコミュニケーションを取ることができます。
また、フルセルフレジの無機質な感じを緩和しつつ、会計業務の効率化を実現できる点は、セミセルフレジの大きなメリットと言えるでしょう。
業務効率化のメリットが大きいセミセルフレジですが、導入に向けてのデメリットもあります。ここでは、4つのデメリットについて見ていきましょう。
導入初期に行列が長くなることはデメリットの一つと言えます。
はじめての機械操作には慣れるのに時間がかかります。セミセルフレジの導入直後は、どうやって支払を進めていいか顧客が分かっていない状態のため、しばらくの間は顧客への操作説明の機会が増えます。時間とともに解消されていきますが、導入初期に操作説明による行列が発生することもあります。
セミセルフレジでは、店員が代金を入力した後、顧客が支払作業を実施します。店員は、代金入力を終えると別の業務に携わることも多いですが、場を離れてしまうために、顧客の支払い忘れや万引きが発生することも少なくありません。
ただし、病院やクリニックの場合、セミセルフレジであっても、顧客と店員が基本的には対面している状態です。店員の目があるため、他の業種ほど支払い忘れや万引きに発展する可能性は低いと言えるでしょう。
セミセルフレジでは、有人レジとは異なり、顧客の作業が発生します。そのため、作業をめんどくさいと思った顧客からネガティブな感情を抱かれやすいです。有人レジと異なり、一定数の方からのマイナス評価が発生してしまうことは、デメリットと言わざるを得ません。
セミセルフレジの導入には、1台1あたり100万円〜300万ほどの費用がかかります。
また、有人レジの場合、省スペースでも運用できますが、セミセルフレジの場合、設置するためのスペースが必要になります。機械だけでも幅300×奥行600×高さ600ほどあり、更にレジをオペレーションするためのスペースが必要になるため、注意が必要です。
特に医療機関の場合、個人クリニックなどはスペースに余裕がないため、セミセルフレジを設置できるスペースがあるのか十分に検討する必要があります。
業務改善効果はあるものの導入に注意が必要なセミセルフレジですが、ポイントとなるのが投資対効果です。
セミセルフレジのデメリットは上記のように、導入初期に集中しています。短期的に見ると費用や店員の手間もかかり、様々な検討が必要になるでしょう。そのため、コロナ禍で余裕のない店舗は導入のメリットをあまり感じられないかもしれません。
一方で、1年後や2年後といった長期を見据えた場合、享受できるメリットは大きいです。衛生面でのリスクは減り、レジ業務の工数が減ることで職員の業務負荷も下がります。残業時間が減ることで、固定費の削減に繋がる可能性もあるでしょう。
また、セミセルフレジの導入店舗が増えれば、ネガティブな印象やトラブルは徐々に減っていくため、将来的なデメリットは少なくなると予想されます。
その証拠として、セルフレジに対するアンケート結果によると、セミセルフレジを設置した店舗では87.1%の方が「とても良い」「良い」という印象を持っていると回答しているのです。
こうした結果からも、長期的な視点で見れば導入するメリットも大きいと感じている店舗が多いことが分かります。
とはいっても、少なくない費用が発生するため、現在と将来の状況を慎重に見比べることが重要です。メリットデメリットを比較して、セミセルフレジが本当に必要か判断しましょう。
業務改善や衛生面での効果が大きいセルフレジですが、メーカーごとの特徴が気になる方もいると思います。
ここでは、おすすめのセミセルフレジ5つについて解説します。それでは見ていきましょう。
おすすめのセミセルフレジについては【2023】セミセルフレジメーカー9選を徹底比較|価格や導入メリットを解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ビジコムは店舗のDX化に強みを持っている会社です。店舗の業務や集客の課題を解決するためのPOS、クラウド、スマホサービスを提供しています。
そんなビジコムが手がけるセミセルフレジは、「POSレジBCPOS」です。省スペースでコンパクトなため、小さい店舗でも導入することができます。
処方箋のバーコード読み取りができるため、クリニックや薬局への導入に強みを持っています。 価格に関しては、プランによって変わりますが、86万円台から購入することが可能です。
株式会社ビジコムの比較ポイント
製品情報
サイズ | W490×H463×D600mm(富士電機 自動釣銭機セット、15インチタッチパネルPC の場合) |
---|---|
重量 | 約40kg |
レセコン・電カル連携 | 可能 |
構成内容 | ・自動釣銭機(グローリー・または富士電機) ・タッチパネルPC(10インチタブレットPCまたは、15インチタッチパネルPC) ・バーコードリーダー(バーコード・QRコードが読み取り可能) ・POSレジアプリ(BCPOS) |
価格 | 890,000円(税抜) |
BCPOSについてはBCPOSの口コミ・評判をリサーチ!メリットや補助金情報も紹介でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
東芝テックは、レジシステムや複合機を販売しているメーカーです。小売店や流通業に強みを持っています。
東芝テックの「SemiSelf」は、店員の作業のしやすさと顧客の支払のしやすさが特徴です。制御部とディスプレイが一体化され、店員の作業するスペースが広く確保されているため、製品代金情報の入力がスムーズに実施できます。また、顧客は7型ディスプレイで自分の支払情報をひと目で確認できます。
価格に関しては、メーカーへの問い合わせが必要です。
東芝テック株式会社の比較ポイント
製品情報
サイズ | ー |
---|---|
重量 | ー |
レセコン・電カル連携 | ー |
構成内容 | ー |
価格 | 要お問い合わせ |
NECソリューションイノベータ株式会社は、ICTサービスに強みをもつ会社です。ネットワーク機器、POSシステム、決済端末などを販売しています。
そんなNECソリューションイノベータ株式会社が手がける「NeoSarf/POS」は、多機能なセミセルフレジシステムです。多彩な決済方法への対応はもちろん4ヶ国語に対応できます。
スタッフ側で支払処理をできるため、セミセルフレジに不慣れな顧客がいても安心です。
価格は、プランによって変わるため、メーカーへの問い合わせが必要になります。
NECソリューションイノベータ株式会社の比較ポイント
製品情報
サイズ | ー |
---|---|
重量 | ー |
レセコン・電カル連携 | ー |
構成内容 | ー |
価格 | 要お問い合わせ |
カシオは計算機や電子レジスターに強みを持っているメーカーです。ハンディターミナルも取り扱っており、店舗の計算に関することを手がけています。
カシオの「V-R200+自動釣銭機(ECS-777)」は、低価格でシンプルなセミセルフレジシステムです。シンプルな操作性で使いやすく、不慣れなスタッフも安心して使用できるのが特徴となっています。
価格は、メーカーへの問い合わせが必要になります。
カシオ計算機株式会社の比較ポイント
製品情報
サイズ | ・電子レジスター:W395×D237×H229mm ・自動釣銭機:W490×D600×H130mm(富士電機株式会社製) |
---|---|
重量 | ・電子レジスター約4kg ・自動釣銭機 約35kg |
レセコン・電カル連携 | ー |
構成内容 | 釣銭機対応タッチパネルレジスターV-R200、自動釣銭機(ECS-777) |
価格 | ー |
寺岡精工は、電子はかりやPOSシステムの製造メーカーです。大型のスーパーから飲食店まで広く取引を行っているレジシステムの大手企業になります。
寺岡精工の「HappySelfシリーズ」は、セミセルフレジ・対面レジ・フルセルフレジの3機能を持っているレジシステムです。お店の混雑状況や人員状況によって、使い分けできるため、効率的な店舗運営をできるのがポイントになります。寺岡精工が提供する独自のキャッシュレスサービスやクラウドシステムとも提携が可能です。
また、価格に関しては、プランによって変わりますが、300万円から購入することができます。
株式会社寺岡精工の比較ポイント
製品情報
サイズ | ー |
---|---|
重量 | ー |
レセコン・電カル連携 | ー |
構成内容 | ー |
価格 | 要お問い合わせ |
セミセルフレジは、業務効率の面から需要が高まっています。飲食店やスーパーはもちろんのこと、衛生面という観点からクリニックや病院での導入が進んでいる状況です。
セミセルフレジは長期的に見るとメリットが目立ちますが、コストがかかったり、スペースが必要になったりと短期的なデメリットも存在します。
投資対効果をしっかり検討した上で、導入するようにしましょう。
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